俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

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謎の影の正体は───

※タイトル変更しました。




第68節:『秘伝のヨロイ』

 

 

 

『第6話:拳法使いのダクマ』

 

 

 

特に目覚ましをかけた訳でも無いのに、起き上がる。

時刻は朝の6時。

 

この時間で起きるのは野宿の時だが、ベット…それも、割と良いホテル所で寝ていたのに目が覚ますのは初めての事だ。

宿泊した時は早くてもタケシとカスミに起こされて9時に起きるのに…何だろうな。

 

なんだか無性に動きたい気分だ。

と、いうわけで俺は動く格好に着替えて朝のランニングをする事にした。

ついでに、ゲッコウガとオコリザルも動きたい様で、一緒にランニングする事にした。

 

ビーチを走り続けて30分を過ぎただろうか。

汗だくになった所で、そろそろ戻ろうかと思った所に───

 

 

『べあーま!』

 

 

と、俺達の前に…剣盾の鎧島で登場したダクマが現れた。

 

何故こんな所に…?

と、首を傾げていると、一緒に走るとジェスチャーを受ける。

俺達は首を傾げるが、せっかく誘われたのだと思ってもう少し走った。

 

更に10分くらい走った所で、こちらに寄ってくる気配を感じ取ったので立ち止まる。

 

 

「何処に行ったんだろと探してたんだけど…。

こんな所にいたんだねぇ、ダクマちゃん。」

 

 

緑色のジャージに帽子を被ったカンフー系なお爺さん…。

まさかの、あのガラル地方の元チャンピオンのマスタードが現れた。

 

 

「おや? もしかしてダクマを連れてったのはキミかい?」

 

「え? いや、ランニングをしていたら一緒に走ろうとジェスチャーを受けたので、一緒に走ってただけですが…。」

 

「そうだったのねぇい、それはごめんよぉ。」

 

 

マスタードは「ふむふむ…」と俺とダクマを見た後、俺とゲッコウガ達を見る。

 

 

「汗だくの所申し訳ないけど…。

一つ、ワシちゃんと少しバトルをしてみない?」

 

 

と、バトルの申し出を受けた。

相手は元ガラルチャンピオン…断る理由も無いので、喜んで受ける事にする。

 

 

「それじゃ…ワシちゃんの一番手はこの子だよ。」

 

 

審判もいない事もあって、マスタードは即座に一番手としてコジョフーを繰り出した。

レベルもそこそこある。

それこそ、昨日のチンピラ共相手なら負けない位には。

 

 

「じゃあこっちは………オコリザル、キミに決めた!」

 

 

ならばと、こちらは一番手にソワソワしていたオコリザルを出して、大はしゃぎで前に出た。

 

 

「ほいじゃ、始めようかな。

───かかって来なさい。」

 

「では遠慮なく…。

オコリザル、《きあいパンチ》!」

 

 

オコリザルが《きあいパンチ》を展開してコジョフーに突撃する。

勢いよくコジョフーに近づいて拳を放つも、コジョフーは《みきり》で《きあいパンチ》を躱す。

 

その後、マスタードはコジョフーに《はっけい》を指示して、至近距離からの攻撃に回避は間に合わないので、《ビルドアップ》をして攻撃と防御を高めて耐える指示を送る。

オコリザルは瞬時に《ビルドアップ》と同時に腕を交差して防御し、ダメージを軽減させつつ、攻撃と防御を1段階上がった。

 

…しかし、運悪く《はっけい》の『まひ』状態を引いてしまう。

 

 

「おや、運良く一発目で『まひ』を引いたねぇ。

コジョフー! 《とびげり》!」

 

 

マスタードはこの状況を利用して高火力のかくとう技で一気に攻める策を取る。

 

『まひ』状態に至近距離の事から、外さない《とびげり》がオコリザルを襲う。

 

しかし、こちらはそんなのでは怯まずに、軽い動きで流す動きで受け身を取って、《とびげり》で迫るコジョフーを地面にへとぶつける。

これにより、《とびげり》による外した効果で自身に大ダメージを負った所で、《ふんどのこぶし》を放って、コジョフーを戦闘不能にする。

 

コジョフーは倒れた。

 

 

「やるねぇ〜。

初陣の《きあいパンチ》に『まひ』状態からの動き…。

よく育てられているのが分かるよん。」

 

「どうも。」

 

 

マスタードさんが感心する様に褒めてくれた。

チャンピオンから褒められるのは悪くないな。

 

と、口角を上げていると、ダクマが俺の隣で勝利した事を喜んでいた。

 

それを見ていたマスタードは「ふむふむ」と顎をさすりながら興味深そうにしつつ、次のボールを手に取った。

 

 

「それじゃあ……次はこの子で行こうか。

頼むよぉ、オトスパス!」

 

 

2匹目にオトスパスを繰り出した。

しかも、赤色の個体の色違いである。

 

オトスパスといえば、ガラルで主に確認されているポケモンで、みずタイプを持ってそうで、実はかくとう単タイプのポケモン。

しかし、タコポケモン故に柔軟な動きに元チャンピオンのポケモンだ、一筋縄では行かないだろう。

 

 

「オコリザル! 《ビルドアップ》!」

 

「オトスパス、《オクタンほう》!」

 

 

オコリザルに《ビルドアップ》でもう1段階上げた所で、オトスパスの《オクタンほう》でダメージと共に目元が墨によって覆われた事で命中率が下がってしまっている状態だ。

…この場合は、速やかに目元を擦らせてある程度見える様にすれば、命中率は1段階下がろうと、俺の指示で当てやすくなる。

 

と、考えて行動を取らせるが、相手はそれを簡単には許さない。

この隙に《たこがため》で、タコの体を活かしてオコリザルを完全に卍固めにされ、防御と特防が一段階下がる。

 

 

「さて、どうするのかな?

この状態ではボールによる交代も出来ないんだよう?」

 

「…厄介な手にかかったな。

だが、まだ手はあるぜ! 《からげんき》だ!」

 

 

力尽くでの突破口、『まひ』状態の状態異常により更に効果が発揮して威力が倍になる、この状況においてベストアンサーといえよう。

 

だがしかし、相手はマスタード。

的確な指示に感心しつつも、全く焦るそぶりも見せずに《たこがため》を敢えて解除して《からげんき》によるダメージを軽減し、速やかに《オクタンほう》を放った。

 

強え…! こうも簡単にいなすかよ!

だったら…!

 

 

「オコリザル! 《からげんき》をしたままこの砂場のフィールドを荒らせ!」

 

 

オコリザルがジタバタと《からげんき》で擬似的な《すなあらし》状態にする。

その隙に、俺はオコリザルの気配を読み取りながら、オトスパスの気配も探り、オコリザルに相手の位置を教えて《ふんどのこぶし》を指示した。

 

鈍い音が響いた事により、大ダメージが入った…と、思いきや、オコリザルの腕ごと《たこがため》で触手の手を全て使い、攻撃の殆どを吸収して受け堪えられてしまった。

 

 

「良い作戦だったねぇ。

バトルフィールドと、トレーナーの洞察力、オコリザルの戦い方も見事なもんだよ。

でもねぇ? ワシちゃんはそれなりの腕を持つトレーナーでね。

こういったケースもちゃんと教えてるんだよ?」

 

 

やられた。

こっちは常識破りな戦いをしている分、軍配はあると思ったが…。

流石は長いことガラルのチャンピオンの玉座に座っていただけはある。

年季の差で覆されてしまった。

 

そのまま、一つの触手の手で《ドレインパンチ》を繰り出されてしまい、オコリザルは戦闘不能にされてしまった。

 

オコリザルは倒れた。

 

オコリザルが倒れた事で、落ち込んでいるダクマ。

この子は俺の方を応援してくれるな。

 

俺はダクマの頭を軽く撫で、「大丈夫さ、まだ負けてねぇよ」と声をかけた。

 

 

「良くやったな、オコリザル。

ご苦労様。

………さて、見たから分かっているだろうが、強えぞ相手は。

だが、負ける気はしねぇよな?」

 

『コウッ!』

 

「よし、ゲッコウガ! キミに決めた!」

 

 

ゲッコウガが勢いよく飛び出す。

マスタードはゲッコウガを見て「こりゃ、見た以上に強いねぇ」と楽しげに笑っていた。

 

さて、オトスパスの技は3つ固定されている。

それも、厄介なのは《たこがため》だ。

あの技にかかってしまえば、オコリザルの二の舞になる。

ならば───

 

 

「ここからは純粋な格闘戦と行きましょうや。

《ちょうはつ》!」

 

 

変化技を使えない状況にして、得意とするバトルに持ち込むだけだ。

 

 

「面白いねぇ。良いよう。

オトスパス、先ずは《オクタンほう》で相手の動きを見るよぉ!」

 

 

オトスパスが『ちょうはつ』状態になって、攻撃技しか出せなくなり、様子見の《オクタンほう》で攻めてくる。

 

しかし、こちらは《でんこうせっか》で容易に躱しつつ、挨拶の体当たりをかます。

 

そのまま、《つばめがえし》でパンチ、蹴り、からの踵落としを決める。

 

 

「いい攻撃だねぇ。けど…!」

 

 

オトスパスの半分の触手の手がゲッコウガの四肢を拘束する。

 

 

「《たこがため》が使えなくても、体を使った拘束自体は可能だよ?」

 

「それは最初から織り込み済みだぜ!

ゲッコウガ! 《ねっとう》!」

 

 

四肢を拘束されているならば、空いている口から攻撃すればいいじゃない。

 

と、言うわけで、《ねっとう》を放ってオトスパスにダメージを与える。

瞬時に《オクタンほう》で対抗するが、タイプ一致もあってこちらの方が軍配があがり、そのまま攻撃を受ける。

それにより、拘束が解ける。

 

 

「さぁ、ここからが正真正銘の格闘戦だ!

《でんこうせっか》をしながら《つばめがえし》!」

 

 

《でんこうせっか》の勢いに《つばめがえし》の格闘技でオトスパスなら大ダメージを入れていく。

連続の《つばめがえし》を受け続け、オトスパスの体力が倒れる寸前に追い込まれる。

 

その瞬間、マスタードがニヤリと笑って最後の技に《きしかいせい》を指示する。

《つばめがえし》の乱舞にあまり抵抗してこなかったのはこれが狙いか。

 

だが───

 

 

「ゲッコウガ…!」

 

 

俺はゲッコウガに声をかけ、ゲッコウガも意図を呼んで不思議な感覚に包んで共鳴状態にする。

 

それにより、強くなった《つばめがえし》で《きしかいせい》を迎え撃った。

 

本来ならば《きしかいせい》の方が勝るが、共鳴状態でパワーを上げた事で、画角となり、速やかに《でんこうせっか》と《つばめがえし》の合わせた瞬速のパンチでオトスパスを戦闘不能にする。

 

オトスパスは倒れた。

 

俺とゲッコウガが勝ったことにより、ダクマは大喜びと共に、俺達を見て物凄く目を輝かせていた。

 

よせやい、照れるだろう?

 

俺とゲッコウガは頬をポリポリとしていると、マスタードは「良くやったね」と労いの言葉をかけてボールに戻してこちらへと歩み寄る。

 

 

「キミ達凄いねぇ。

ただ者では無いと思っていたけど、まさかこの子が負けるとは思わなかったよ。

この子は結構前から育てていたから、かなりレベルは高いけどね。」

 

「やはりそうでしたか。

こう言っては何ですが、俺のゲッコウガの《つばめがえし》と《でんこうせっか》の乱舞を受けながらも、《きしかいせい》を打って来たんで、かなりレベルが高いと思ってました。

流石は、元ガラルチャンピオンのマスタードさんですね。」

 

「おやぁ? ボクちんの事、知ってたんだねぇ。

それは嬉しいな。」

 

「こう見えて俺、チャンピオンオタクなんですよ。」

 

 

特に男性チャンピオンならダイゴさん、女性チャンピオンならシロナさんとか推しである。

 

と、考えていると、ダクマが俺の周りを回ったり、構ってくれとジャンプしてくる。

 

 

「ははは。可愛いな、お前。」

 

「…」

 

 

俺とダクマのやり取りを見て、うんうんと頷くマスタード。

 

 

「そう言えば、キミの名前を書き忘れてしまったね。

お名前は?」

 

「サトシです。マサラタウンのサトシ。」

 

「サトシちゃんね。

キミもあのホテルで宿泊していたね。

朝ご飯を食べ終わったら、またここにおいで。」

 

 

と、ダクマに何か語りかけてると、ダクマは頷いてマスタードと共にこの場を後にした。

 

さてさて、どういう事なのだろうか?

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「へぇ、凄い人とそんな事があったのね。」

 

「全く、アンタは朝っぱらからバトルなんて、元気ねぇ。」

 

 

と、朝食を終えてチェックアウトし、これからどうするかと話しながらマスタードさんのいるだろうビーチに足を運ぶと。

 

 

「待ってたよ、サトシちゃん。」

 

 

そこにはマスタードさんと。

 

 

「あら、アナタがダーリンの言ってたサトシくんね。」

 

 

マスタードさんの隣にいるのは確か若い奥さんの…。

と、ゲームの事を思い出していると、妻のミツバと自己紹介を受けた。

 

セレナとカスミは最初、歳の離れた夫婦に驚くも、歳の差なんて関係無いと堂々と話し、セレナとカスミは感銘を受けていた。

それから息子さんのハイドという子の紹介を受けると…。

 

 

「さて、サトシちゃん。

キミは僕の門下生では無い。

本来、門下生の中から試練を受け、選ばれた者が『秘伝のヨロイ』を授かる事が出来るけど…。

キミに、この『秘伝のヨロイ』を授けよう!」

 

 

と、ボールを俺に差し出す。

俺は咄嗟にそのボールを受け取ると、そこから先程のダクマが勢いよく出て来て「ふー! やー!」と、格闘家のポーズを披露する。

 

 

「え、この子を俺に…? 良いんですか?」

 

「良いも何も、この子がキミを選んだ。

ならば、ワシちゃんはそれを容認するだけだよん?」

 

 

これは嬉しい。

俺はダクマに出来るだけ目線を合わせる様にしゃがむ。

 

 

「俺と一緒に、ポケモンマスターを目指さないか?」

 

 

と、改めて仲間に誘うと、ダクマは喜んで俺にハイタッチをして、ボールに触れて入った。

 

 

ダクマが仲間になった。

 

 

「ホント、アンタって相変わらずねぇ。」

 

「ん? 何が?」

 

「愛されてるって話よ。」

 

「おう! 嬉しい言葉だよな!」

 

 

と、新たな仲間も増えて和気藹々としている偽サトシ達を見ているマスタード達は。

 

 

「…サトシちゃん、近い内に大物になるねぇ。」

 

「そうね。あの子…中々人に懐く事が無かったから、ビックリしたわ。

サトシくんね…面白い事なったわね!」

 

「だねぇ。」

 

「…大物は兎も角、今話題にはなってるよ。」

 

 

と、ハイドはノートパソコンをマスタード達に偽サトシのセキエイ大会での記録を見せた。

 

 

「あら! 伝説のポケモン:ファイヤーを!?」

 

「ふふん。これはこれは…。

面白くなったねえ。そうだ…!」

 

 

マスタードは偽サトシにある事を告げる。

 

 

「サトシちゃん、もし今後に予定が無かったら、このオレンジ諸島で開かれている『サザンクロス』という催し…このオレンジ諸島のリーグみたいなのに挑戦してみない?

この『サザンクロス』のジムリーダーを乗り越えた先にいる、ウィナーズカップの今のヘッドリーダーは無敗でね。

サトシちゃんなら、行けると思うんだよね!」

 

「サザンクロスか…良いねぇ。

やるからには勝つのは…俺だ!」

 

『コウッ!』

 

『ベアー!』

 

 

と、マスタードさんからの勧めで、『サザンクロス:ウィナーズカップ』に挑戦する事が決まった。

 

 

 






・ここでまさかのアニポケでは出なかったマスタード登場。
そして…まさかのここでダクマが偽サトシの仲間になりました。
果たして、ここからどう進むのか…!?


『偽サトシ』
まさかよマスタードとバトルが出来て、ダクマを仲間にできてウキウキ!
このままウィナーズカップも勝つぜ!

『セレナ』
ミツバとマスタードを見て、「いずれ私も…サトシをだ、ダーリンって…」と妄想して顔を赤くしている。

『カスミ』
偽サトシがウィナーズカップに出場すると決まって、タケシの代わりにバトルの相手をしてあげると偽サトシのフォローに入ると告げた。

『マスタード』
昨日、急にいなくなったダクマが何やら興奮気味で何かを伝えており、何かなと思えば、翌日に偽サトシと共にランニングをしており、ビックリ。
…実はバトルをして、偽サトシからダンテに匹敵する何かを感じ取る。
後、ウィナーズカップに偽サトシを誘うなど、ヘッドリーダーと知り合いなのでは…?


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