第1節以来の戦闘…面白く出来てると良いな…!
冬の雲様、magari様、ルーンカイル様
レイファ様、資格者:Y様、ユーヨ様、石原 茂索様
ゆっくり雪風様、豚骨味様、わくわくアーゼウス様
レティス様、かまくら大幕府様、梟鸚鵡様
sanso244様、断空我様、南瓜目薬様、フレアー様
ニンジャ0号様、双炎の解放者様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。
「ケロマツ、《みずのはどう》!」
俺は手持ちの中で一番行動が早いケロマツで攻撃を仕掛ける。
これはゲームじゃなく現実だ。
素早さ云々だけで行動順番は決まらない。
それに続いてニャビーに《ひのこ》を指示して追撃していく。
本来なら出し惜しみせずに《だいもんじ》を指示するべきだが…生憎とまだ未完成故、確実にダメージを与えるために《ひのこ》を選択した。
オニドリルは《みずのはどう》も《ひのこ》も避けながらこちらへと突っ込んで来た。
だがこれは…
「今だ! アシマリ、《こごえるかぜ》!
モクローはアシストで《かぜおこし》だ!」
避けるか、或いは力押しで相殺する事を考慮してアシマリとモクローの指示を抑えていた。
お陰で、回避出来ないタイミングで《こごえるかぜ》と《かぜおこし》の連携技をお見舞いする事が出来た。
オニドリルが効果抜群のこおり技を受けて距離が出来る。
こんなのでは大したダメージにならないので、追撃をかけてケロマツに《みずでっぽう》、ニャビーには《ひのこ》で攻撃し、オニドリルへ更にダメージを与える。
「うしっ!」
因みに、物理攻撃を控えているのには理由がある。
迂闊に接近してしまえば、今のケロマツ達ではレベル差もあって太刀打ち出来ずに戦闘不能になってしまうからだ。
……物理技を放つ時は決め手の時にすべきだ。
……現に、レベルが高いだけあってこれだけの攻撃を受けてもやり返そうと《つばめがえし》を仕掛けて来た。
「!! ケロマツ、ニャビーは右!
モクロー、アシマリは左だ!」
俺の指示にそれぞれ左右に分かれて攻撃を躱した───が、そのまま
「んげっ、俺の方に来んのかよ!」
流石はアニポケ世界、バトルの相手はポケモンだけでは無いって事か…それでも非常識である事には変わらないが…。
ま、俺はその攻撃をスーパーマサラ人の力を持って難なく躱してみせる。
舐めるなよ?
俺達は共に強くなるって決めたんだからな?
オニドリルは攻撃が容易に躱された事に驚いているが……やられたらやり返させてもらうぞ!
油断している隙にケロマツの《みずのはどう》を被弾させて、そこにニャビーの《ニトロチャージ》、モクローの《つばめがえし》、アシマリの《アクアジェット》の3体同時攻撃でオニドリルを吹き飛ばした。
「よしっ! 今の内に逃げる!」
俺はケロマツ達をボールに戻し、急いでオニドリルから逃げてトキワシティにへと猛ダッシュをする。
「はぁ、はぁ………冒険に出て早々に大変な目に遭うとか……はぁ、はぁ、ついて無さすぎるぜ…。」
思わず愚痴が漏れてしまった道中…雨が降り始めて嫌な雰囲気が漂い始めた。
「ああ、クソッ………このタイミングで雨とか、ぜってぇオニドリルが追いついて来るパターンじゃあねぇか!!」
と、走っている最中……俺を追って来たオニドリル、そして仲間であろうもう2体も追加(笑)され、俺は逃げられない様に包囲されてしまった。
あ、オワタ……。
どうやら俺は盛大な死亡フラグを立ててしまったらしい。
………いいや、まだだ。
諦めるのには早すぎる。
俺のこの強固なスーパーマサラ人の体があれば───
「………やべぇな、こいつも死亡フラグってか…?」
3体オニドリルが怪しい目つきにへと変わる。
その目はレジェンズアルセウスのオヤブン個体の赤い瞳孔そのものだった。
………こぇぇな……これが、『ポケモン』の恐ろしさ。
冒険に出る前……俺はおふくろから料理など、ケロマツ達と触れ合い技を鍛えてる中、他にもオーキド研究所にてポケモンについてナナミさんやオーキド博士から教わっていた。
昔、『ポケモン』はかつて『魔獣』と呼ばれていた事があるらしい。
人間とは異なり、力を持った存在…『恐怖』そのものだったと。
人々は魔獣を退治なりして生活を守っていたが、ある時…その魔獣を従えられたらと、人は考えた。
その結果が『モンスターボール』という存在を確立してこの世に生まれ、魔獣が『ポケットモンスター』…縮めて『ポケモン』と呼ばれ様になり今があると…。
それにより、実質的に人間が優位な立ち位置に置かれている現代になり、ポケモンは人に仕える側となった。
それでも野生のポケモンの中には人間に敵意を抱き、恐れ、怒りを向けている者達が山程いる。
当然だろう。
現に……今、目の前にいるこいつ等にとって
「…」
敵である以上、こいつ等は俺の命を取ろうとしているのだろう。
故に……鳥肌が止まらない。
一般の人よりも強固な体を持っていても、
……と、俺が死を覚悟すると───ケロマツ達がボールから出てきてしまった。
「駄目だ! 戻れ、皆んな!」
俺が皆んなのボールを取り出すも、俺のポケモン達は首を横に張る。
まるでそれは、自分自身を見ているかの様だった。
ああ……これも、ナナミさんが言っていたな。
───トレーナーのポケモンはトレーナーに似ると。
トレーナーが正しくあれば、ポケモンはその正しさに導かれ、トレーナーの力となる。
………そうだよな。
俺も、お前達だったらそうする…。
ならば───
「皆んな…力を振り絞って行くぞ…!
───スパートかけるぞ!」
俺の一声で全員が真剣な顔つきになって立ち向かう。
群れを束ねるリーダー格が3体。
内1体はダメージが入ってはいるが……それでもレベル差的に一発でも貰ってしまえば即戦闘不能だ。
つまり…トレーナーの腕前が試されるって事か…!!
「やってやる…!!」
決意を抱いて、第二ラウンドと洒落込む。
相手は3体…ここはケロマツとニャビーで1体、アシマリとモクローで1体、そしてもう1体は……俺が相手する。
そうしなければならない…てか、その1体が俺を標的にしてひたすら特攻仕掛けて来るので、相手取らなければならない。
恐らく、こいつはさっきまで相手していた奴だ。
ケロマツと《みずのはどう》を打ち、一瞬怯んだ隙に《かみつく》でダメージを与え、直ぐにケロマツで次の攻撃の《こごえるかぜ》で効果抜群の技で怯ませる。
《こごえるかぜ》は本来、素早さを下げる効果のある技…が、それはゲームだけの仕様。
現実では追加効果はそのままでありながら、突然の弱点の技や大技で怯ませる事が可能なのだ。
アシマリとモクローの方は先程の通り、《こごえるかぜ》に《かぜおこし》の合わせ技で弱点を突いてダメージを与え、怯んだ先に《アクアジェット》と《つばめがえし》で追撃で迎撃する。
そして、俺はケロマツ達の指示をしながら、既にダメージの負っているオニドリルの《つばめがえし》を避けている。
ゲームでは必中技ではあるが、現実ではそうではない。
その分先制技の様に素早い攻撃ではあるものの、スーパーマサラ人の肉体と生前の喧嘩殺法や漫画の技術を応用して難なく躱していく。
俺は攻撃を避けながら、ケロマツ達の指示をして連携を通してオニドリルを迎撃していき、相手達の体力が既に1/3ラインである事を確信していくと───
2体のオニドリルは興奮状態になって、闇雲に《かまいたち》を放ち始めた。
俺はその変化に戸惑ってしまい、俺の相手取っていたオニドリルの《とっしん》を受けてしまった。
「ぐっ…!!」
全身に痛みが走る。
更に2体の放った《かまいたち》をも受けてしまう。
痛ぇぇえ! けど、今はそれよりケロマツ達が…!!
俺がケロマツ達の方を見ると……ケロマツ達はそれぞれ技を駆使していたが、レベル差もあってとうとう攻撃を受けてしまい、俺の方にへと飛ばされて来てしまった。
「皆んなっ…!!」
俺は悲痛な叫びを上げるが、ニャビー達は戦闘不能になってしまっていた。
俺は申し訳ない思いを抱きながら、これ以上ダメージを入れさせない様にボールに戻す……が。
「ケロマツ……頼む、皆んなと一緒にボールに戻るんだっ…!
大丈夫……俺がタフなのは、知ってるだろう…?」
俺が大丈夫だよ…と伝えても、ケロマツはボールに戻ろうとしなかった。
1人だけ辛うじて体力が残っていたとしても、もう碌に攻撃技を出せない状態だった。
深手を負ったオニドリル達は《にらみつける》をしながら、こちらの方にへと寄って来る。
俺…ポケモンじゃねぇけど技としての《にらみつける》ってヤバいな。
ぜってぇ防御一段階下げる技じゃねぇと思う…。
俺はせめてもの抵抗でケロマツを庇う様に抱きしめて、背中を向ける。
せめて、勇敢に戦ってくれたお前達だけでも───
『ガァアアア!!』
オニドリルが何やら遠吠えらしき声を上げると、カスミを追ってただろうオニスズメの集団がやって来た。
………俺、どうなっちまうんだろう…?
ただでさえ、オニドリルが3匹いるってのに……。
気がつけば、降っていた雨は大雨に変わっていて野生のポケモン達に囲まれている状況…。
如何に屈強な精神を持ち、幼少期からイジメ(というラインを超えている)を乗り越え、自身もポケモン達と鍛錬を積んだサトシであっても、3匹のオニドリルの技を受け、ケロマツ達が自身のせいでボロボロとなってしまった負い目もあり、更には大雨が降る中で…既に限界となりつつあった。
「……ちくしょうっ…!」
俺が四面楚歌な状況に陥り、悔しがっていると───
『きりゅりりゅりしぃぃ!』
闇雲の空から何処かで聞いた事のある咆哮が鳴り響く。
声がしたのは丁度真上。
俺はふと、空を見上げるとそこにあったのは……
その黒い影は再び咆哮を上げ……雲からその影が出てくる。
雨はいつの間にか止んでおり、
…そのポケモンの正体は───
「……
そう、それは紛れもない本物の色違いのレックウザだった。
黒いレックウザはオニドリル達を睨み上げると、先程よりも凄まじい咆哮を放った。
オニドリル達は格上の
「す……すげぇ…。」
黒いレックウザが戦うまでもなく、威嚇の咆哮だけで群れを追い払ったのを目の当たりにしたサトシとケロマツは何故助けてくれたのかも、何故ここにいるのかという疑問など出ず……ただ、黒いレックウザを見ていた。
『…』
黒いレックウザはサトシを見る。
そして、その腕に抱き抱えられているケロマツをも交互に見ていた。
黒いレックウザは再び咆哮を上げると、サトシ達の後方…トキワシティに行く為の道を雨雲を切り裂いて、道を作ってしまった。
「……この道を進んで行けと、言っているのか?」
サトシはトキワシティの方を見て、黒いレックウザに問いかける。
すると……黒いレックウザは小さく頷いて、空にへと戻り去って行った。
…俺は、あの黒いレックウザが俺に何かを期待してる様な感覚を覚えた。
側からすれば自意識過剰と思うだろうが……一つ思い出した事がある。
確かアニポケではホウオウが助けた訳ではないが、サトシくんとピカチュウの関係において大きく関わっていた。
それが俺の場合……黒いレックウザで、かつ態々助けてくれたのだ…偶然でもなく、何かがあると思えないのが無理な話だ。
1人でそう解釈していると、固まっている俺にケロマツが軽く手を叩いて来る。
…心配かけたな。
「……ケロマツ、凄いよな。
アレは『レックウザ』と呼ばれている…お前達と同じポケモンなんだ。」
俺がそう教えると、ケロマツは「ほえぇ……!」と言ってる様な反応を示した。
どうやら、俺と同様にあの黒いレックウザに何かを感じ取った様だ。
「……それよりも、今はお前達をポケモンセンターに連れて行かないと!
いっつ…! けど、一番痛えのはお前達だもんな……俺も、スパートかけて───うおおぉぉぉおおおお!!」
俺は痛みを耐えながら、ケロマツを抱き抱えた状態でトキワシティへ全力ダッシュするのだった。
ここでちょっとした設定公開。
ニャビーのレベル技で《ほえる》という技を駆使すれば解決じゃん?
…と思われますが、少し考えてみてレベルの低い相手に《ほえる》を打てば効果があるのは当然理解できますが、レベルの高い相手に効果があるのは何か違うなー…て、訳でこの作品での《ほえる》の仕様を野生相手にはレベルの差が無ければ発揮しない、或いはトレーナーのポケモンにはモンスターボールに戻されるという特殊技の設定で行かせてもらいます。