俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

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いつも誤字報告して下さる方々本当にありがとうございます。


石原 茂索様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




第76節:『おや? オコリザルの様子が…!』

 

 

 

『第19話:恋する乙女よ』

 

 

ユズジムで色々とあった夜。

セレナとカスミはポケモンセンターの宿泊部屋で、そろそろ寝る時刻もあって女子だけの空間にいた。

 

 

「それじゃ、そろそろ寝ましょうか。」

 

「うん………ねぇ、カスミ。」

 

「? 何?」

 

 

カスミが首を傾げると、セレナは真面目な顔でカスミに問いかける。

 

 

「カスミは…サトシの事、どう見てるの?」

 

「え?」

 

 

いきなりの問いかけに…カスミは戸惑う。

 

 

「ど、どう見てるって…普通、に…?」

 

「………私はね、カスミ。

───サトシが好き。」

 

 

今までどう見たってセレナが偽サトシの事が好きだろうと分かりきっていた事だが、ハッキリと口にしたのは今回が初めての事だった。

 

 

「へ、へぇ……そ、そうなん……いやまぁ、分かりきってた事だけどね。」

 

「私はサトシの頑張っている姿が好き。

真っ直ぐな所が好き。

優しい所が好き。

綺麗な人とかに弱い所とか困っちゃうけど、そんな所も踏まえて好きなの。」

 

「へ、へぇぇぇ………アイツの悪い所もちゃんと理解はしていたのね。」

 

「うん。短い期間だったけど、幼い頃会ってるんだよ?

…その頃に色々と言ってたの。」

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

『え? カッコいい? 俺が?

…そう言ってくれるのは嬉しいけど、俺なんかカッコよく無いよ?

顔が良いとか…ほら、あそこにいるスカした顔してるシゲルって奴と比べてみたら一目瞭然だよ?』

 

 

セレナは偽サトシに指差す方にいるシゲルを見たが、特にそう思わなかった。

 

 

『俺が優しい?

んーまぁ、そう言ってくれるのも嬉しいけど…。』

 

 

偽サトシは少しこそはゆそうにしていた。

 

 

『ほら、自分が困っていたら助けて欲しいって思うだろ?

なら、助けて貰えるような人にならないとな。

だから困っている人がいたら助ける。

そう言った当たり前の事をしてるだけだよ。

自分ばかり良い思いをしようって考えは人として恥ずかしいと思うからさ。

それに…。』

 

 

偽サトシは自分に向けられるマサラタウンの悪ガキ達の方を見る。

 

 

『本当に優しかったら、誰にだって優しくするもんなんだよ。

…ほら、あそこのマサラタウンに住んでる同い年のやな感じな連中いるだろ?

俺、アイツ等には一切優しくしてないからな。』

 

 

後にセレナは事情を知るが、それでも彼女からすれば偽サトシは紳士で優しい少年しか見えなかった。

 

 

『俺、あいつ等嫌いだからなー。

セレナとは仲良くしたいなぁーって思ったからこうして接してるけど、特にそう思わない子とかには何もしてないだろ?』

 

 

言われてみればそうかも…?

と、一瞬セレナは思ったが、それでも彼女にとってはそこは別にどうでも良かった。

 

 

『あはは…。セレナは良い子だな。

うん、まぁ…何だ。

セレナに自慢出来るような…カッコいい奴になってみようかな。』

 

 

この時から、偽サトシは『カッコいい』の美学を求める考えを持つ様になった。

 

その後、2人だけでいる偽サトシとセレナの元に、マサラタウンに帰って来たナナミが駆け寄る。

 

それから数日間で、偽サトシと仲良さげにしている所を見ていた悪ガキ…ゴンタ達がセレナに言い寄って怖がらせていたが、偽サトシがゴンタ達をボコボコにしてたりしたとさ。

 

最初は母が勝手に申し込み、連れていかれ、ポケモン達が何を思い考えているのか分からなくて怖くて散々だったが、その全てを偽サトシが取っ払ってくれた。

 

今では逆にこのサマーキャンプに参加できて心から良かったと思った。

 

セレナは偽サトシの良い所と悪い所を知った上で…好きになったのだ。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「サトシは今もだけど…。

自分の事を過小評価してるけど、私はそう思えなかった。

あの頃はまだ幼かったから分からない部分が多かったけど、今だとハッキリ分かるの。

サトシは正直で…カッコよくて優しくて…。

誰よりも素敵な人だなって。

サトシのお陰でポケモンに苦手意識を持つ事無かったから今の私がいるの。」

 

 

セレナが頬を赤くして両手で覆い、カスミは偽サトシは昔も今も変わんない奴なんだと思った。

…同時に色恋話なのに面白く無いと思っている自分がいた。

 

 

「ふーん…。」

 

「それで…カスミはどうなの?

カスミは………サトシの事が───」

 

「へ、へぇ!?

べ、べ、別に私はそういうのは無いわよ!?」

 

「…でも、今日私と一緒にサトシの腕にくっついてなかった?」

 

「そ、それはただ…。

た、ただ、セレナと一緒でマリーちゃんやジギーさんに諦めてもらうのにやむなくやったのよ!」

 

「…ケンジでも良かったんじゃない?」

 

「それはケンジに迷惑がかかるじゃない?

ああいう面倒な時はサトシに頼るのが一番なのよ!

セレナも分かってるけど、ああ言った時は凄く頼りになるでしょ!」

 

「それはそうだけど…。

兎に角、カスミはサトシにその気は無いのね?」

 

「と、当然じゃ無い!

私は世界の美少女カスミよ!

そんな私が誰かに恋しちゃったら世界の美少女じゃ無くなっちゃうじゃ無い!」

 

 

カスミは訳の分からない言い訳をし、セレナをゴリ押しで納得させる。

尚、これらの素直になれない事が後々に響く事をカスミは知らない。

 

…いや、薄々気がついているかもしれない。

 

 

 

『第20話:憤怒の化身〝コノヨザル〟』

 

 

 

オレンジリーグ4つ目のジムのあるリュウチン島に向かう偽サトシ一向。

 

ラプラスに乗って目指している最中…偽サトシ達にヒデという偽サトシと同じくオレンジリーグに挑戦しているトレーナーが声をかけて来た。

 

 

「お前さんが今話題となっているマサラタウンのサトシやな。

俺はヒデ。

お前さんと同じオレンジリーグに挑戦しているトレーナーや!」

 

「へぇ。んで? あと少しでラプラスに当たって怪我する所だったし、みんなが落ちてびしょ濡れになる所だったんだが?」

 

「! それはすまん!」

 

 

ヒデは慌てて謝罪したので許す偽サトシ達。

改めて話を聞くと、ヒデは偽サトシにバトルを申仕込んだ。

 

 

「良いぜ。そういうのは寧ろウェルカムだ。

…にしても、話題って?

ああ、もしかしてセキエイ大会の事か?」

 

「それもやけど、オレンジリーグに挑戦している事もや。

何でも、今の所全てのジムを一発で制覇している様やないか。」

 

「まぁな。俺の自慢のポケモン達のお陰さ。」

 

「そうかい。せやけど、それだけじゃないんやろ?

俺も腕に自信があるから分かるで。

サトシ…お前さんはこれまでバトルしてきたトレーナー中でも一番強い。

そんなお前さんとバトルすれば、俺は更に強くなれる!

見えてきたあの無人島で真剣勝負や!」

 

 

俺達はヒデの船で無人島について早速バトルに入る。

 

バトルのルールは意外にも1対1だ。

何でも数時間前にジギーとバトルしたらしく、それもあってらしい。

ポケモンセンターに向かった所、俺達が島を出たと聞いて一目散に来てしまい、他のポケモン達の回復が出来てないらしい。

 

…本来ならば、回復させてから来いやって言う所だが、俺達を見失わない様に急いで来た気持ちは分からなくもないので、敢えてツッコミはしなかった。

 

さて…相手のヒデはジギー戦で選出したものの、あのジギーのナゲツケサルを相手に勝ったニョロボンで挑むとの事だ。

 

 

「…あのナゲツケサルを倒した後で、まだ戦えるのか。」

 

「俺のニョロボンはエース。

あのナゲツケサルも中々だったが、アイツ相手では大したダメージにはならへん!」

 

 

ほほう…言うだけあって一目見ただけでも強者だ。

その証にチャンピオンベルトを巻き付けている。

 

こいつ相手には…エースにはエース。

ゲッコウガで勝負───

 

 

『キキィイ!!』

 

 

ボールからオコリザルが出て来た。

しかも、いつも以上に張り切っている。

 

 

「お! 中々強いオコリザルやん!

本当はゲッコウガとやりたかったが、そいつでも構わへん!

ニョロボンがオコリザルを見てスイッチが入ったで!」

 

 

オコリザルとニョロボンが目から火花を散らしている。

 

ボール越しからゲッコウガが『出番なさそうだ…』と言っていそうな気がする様子だった。

 

かくとう対決という事で偽サトシはダクマを出し…。

両者は戦う姿勢を取った。

 

 

「それじゃ…始めようか!

ニョロボン! 先ずはフィールド作りや!

《あまごい》!」

 

 

ヒデはニョロボンに《あまごい》を指示して、フィールドを『あめ』状態にする。

これにより、みずタイプは大きな恩恵を受ける。

 

 

「オコリザル、《ビルドアップ》!」

 

 

対して偽サトシは《ビルドアップ》で攻撃と防御を上げる。

 

 

「そう来るか。だったら…!

速攻で攻めて攻めて攻めまくるんや!

ニョロボン! 《たきのぼり》!」

 

 

ニョロボンは素早い動きでオコリザルに迫る。

 

《たきのぼり》によるアッパーで攻撃し、オコリザルは間一髪防御の体勢に入っており、ダメージを軽減した。

 

 

「俺のニョロボンの特性は『すいすい』!

雨の中では素早さが上がるんや!」

 

 

…成程。《あまごい》はみずタイプの技を上げるだけで無く、特性による恩恵で素早さを上げる為でもあったか。

レートとかやってた訳じゃないから、どのポケモンがどんな特性を持っているかを把握しきれてない部分があるのが、俺の欠点だ。

 

いや、反省している場合じゃ無い…!

 

 

「オコリザル! 《ふんどのこぶし》!」

 

 

一度攻撃を受けた事で威力が増し、更に《ビルドアップ》で上がったパワーで放つ拳が、ニョロボンにへと被弾する。

 

流石のニョロボンも至近距離からの攻撃に回避出来なかったものの、先程のオコリザルの様に防御の構えを取っており、ダメージは受けたもののダメージを軽減させて距離を取った。

 

 

「中々な威力やな。

せやけど、次はこうもいかんで!

《バブルこうせん》!」

 

 

ニョロボンの《バブルこうせん》がオコリザルへと迫る。

 

…《バブルこうせん》?

あのニョロボンなら《ハイドロポンプ》や《ねっとう》が使えそうだが?

 

 

「サトシ! 《バブルこうせん》は稀に素早さを下げる効果があるのよ!」

 

 

何だと?

 

 

「つまり………『あめ』のフィールドでみず技の威力が高い中で、『すいすい』の効果で素早さを上げ、更にはこちらの素早さを奪う作戦か!」

 

「せや。けど、気付いた所でもう遅いで!!」

 

 

気づけば、《バブルこうせん》による大きな水球がオコリザルを包囲しており、身動き取れなくなっていた。

 

 

「こんなもんじゃ無いで!

ニョロボン、《サイコキネシス》!」

 

「何!? 《サイコキネシス》だって!?」

 

 

しまった…!!

ニョロボンは物理寄りなポケモンだが、それでも効果抜群の攻撃は大ダメージ!

攻撃を受け続けている状況では不味い!

 

俺はオコリザルに《あなをほる》を指示して回避させようとするも、《サイコキネシス》を受けてしまい、身動きが取れなくなると同時に効果抜群のダメージを受ける。

 

更には操っている状態で、ぶん回して包囲されている《バブルこうせん》の水球をぶつけ、そのまま偽サトシの方へと飛ばした。

 

偽サトシがオコリザルの安否を確認する為に声をかけると、オコリザルはゆっくりと立ち上がるも、限界は近かった。

立ち上がった事に偽サトシと応援しているダクマは安堵するも、残り1/3しか無いだろう体力に苦渋の顔を浮かべる。

 

 

「ここまでニョロボンの攻撃を受けて耐えているのは大したもんや。

けど、もう体力は限界やな。

次の攻撃で決めたるわ!」

 

「…オコリザル、スパートかけるぞ…!

次の攻撃で全ての力をぶつける…!!」

 

 

偽サトシの言葉にオコリザルは気合いを入れる。

 

ヒデはニョロボンに《たきのぼり》の指示を出した。

それにより、全身に水を展開させて勢い良く攻めて来る。

 

 

「…俺の指示したタイミングで全力の《ふんどのこぶし》を放て!」

 

 

偽サトシの言葉を受け《ふんどのこぶし》を構える。

 

ニョロボンが方向転換させながら迫り、回り続けてぶつかるタイミングを狙う中…。

背後に立った瞬間、偽サトシは大声をかける!

 

 

「後ろに向かって《ふんどのこぶし》!!」

 

 

偽サトシの指示にオコリザルの《ふんどのこぶし》とニョロボンの《たきのぼり》がぶつかる。

 

両者の攻撃が拮抗する。

最初は互角だったが…《ふんどのこぶし》は攻撃を受ける度に威力が上がる技。

《たきのぼり》、《サイコキネシス》、《バブルこうせん》、そして今の《たきのぼり》によって、4段階威力が膨れ上がっている事により、《ふんどのこぶし》が上回ってニョロボンを殴り返した。

 

 

「何!? ニョロボン! 距離を取れ!」

 

 

ヒデがそう指示し、ニョロボンは立ちがろうとする。

しかし、偽サトシが《にらみつける》を指示して防御を下げると共に威圧によって硬直状態にする。

 

その少しの隙を狙ってもう一度《ふんどのこぶし》を叩き込み、ニョロボンを戦闘不能にした。

 

ニョロボンは倒れた。

 

 

「よしっ!」

 

「やった! サトシ達が勝った!」

 

 

偽サトシはガッツポーズを取り、セレナ達は喜ぶ。

ダクマも勝利に喜び、オコリザルの周りで勝利の舞をしており、オコリザルは勝利の雄叫びを上げていた。

 

ヒデはニョロボンに「お疲れさん」と声かけてボールに戻した。

 

 

「流石やな。こっちのペースで勝ったわ!

…って、思ったら返り討ちにされてもうたで。

お前さんのオコリザル、良く育てられとる。」

 

「ありがと、お前もニョロボンも凄かった。

お陰で俺達はまた強くなれた。」

 

「それはこちらもやで。」

 

 

俺とヒデは握手を交わす。

 

そして…。

《あまごい》による雨が止みかけると同時に、雄叫びをしているオコリザルが青白い光に包まれ───オコリザルはコノヨザルへ進化した!

 

 

「オコリザルが…!?」

 

「し、進化した!?」

 

 

ヒデとケンジが目玉が飛び出しそうになる程驚愕し、その2人を見て首を傾げるセレナは図鑑を開くと、図鑑は『正体不明、新種ノポケモン!』と告知された。

 

 

「し、新種のポケモン!?」

 

「サトシ! これって…!」

 

「ああ、博士の言っていた…。

オコリザルの進化系…コノヨザル!」

 

 

偽サトシがそう呟き、ダクマは進化を果たして圧倒的な存在感を放つコノヨザルを見て何かを感じていた。

 

 

 






・セレナとカスミの恋バナ
セレナは偽サトシの良い部分も悪い部分も知ってて好き。
対してカスミは素直になれない。


『偽サトシ』
こ、これがコノヨザル…!!
めちゃんこ強そう!!

『セレナ』
私は(偽)サトシが好き。
し、新種のポケモン!?

『カスミ』
わ、私は別に…。
本当にオコリザルが進化した…!?

『ケンジ』
オコリザルが進化した瞬間を見て顎が外れそうなくらい驚愕してる。

『ヒデ』
オコリザルが進化した(以下省略)。

『コノヨザル』
オレンジ諸島で培った経験値によってコノヨザルに進化を果たした。
進化して怒りに支配されるかと思ったが、偽サトシとの絆により理性を抑えられている為、問題無い。

『ダクマ』
師匠に当たるオコリザルが進化した事で、自分も進化を目指すようになる。

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