やっとここまで来れた。
オレンジ諸島編もあともう少し、頑張って面白くしていきますので最後までお楽しみくださいませ。
マリクロ様、アトAto様
退屈クダキ様、桔梗草様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。
「お、おふくろ!?」
何で!? 何でこんな所に!?
誰か呼んでいたのか!?
…にしては超不機嫌なのだが。
「この人騒がせなおバカ息子!!」
と、初めて聞いたおふくろの暴言を聞いた俺は呆然とし…言葉と違って俺を力強く抱きしめる。
「え、え…?」
「…私がどうしてここにいるのか、分かる?」
「わ、分からないです…。」
「昨日の異常気象がこのオレンジ諸島を中心に起きたって知ったからよ!
しかもその場所が丁度サトシ達がいる場所に近いと聞いたらじっとしていられないでしょう!?」
曰く、ウチキド博士経由でオーキド博士の元に情報が回り、それがオーキド研究所に出向いていたハナコにも伝わり、博士が手配したヘリでここまで来れたらしい。
「大丈夫だった!?
また何かに巻き込まれてたりしてないでしょうね!?
アナタは昔から巻き込まれ体質なんだから心配で…!!」
げっ………な、なんて説明したもんか…。
と、偽サトシが戸惑っているが…ハナコの気持ちを踏まえてセレナ達が全てを教えてしまった。
「……ぐすっ…アナタが無事で良かった…!」
「だ、大丈夫だよ。ほら、俺丈夫だし。」
「そんな呑気で言うんじゃありません!!
そもそも、そんな事を命懸けでする事!?
サトシがいなかったら、サトシの世界はもう無いの!
そしたら私の息子はもういないの…。
私にとって…アナタがいるから世界があるの!!」
ハナコは涙目で力強く、自慢で可愛い息子である偽サトシを更に抱きしめた。
………ああ、そうだよな。
俺はもうおふくろの息子なんだ。
神の悪戯なのか、それとも思惑か。
経緯は何であれ、偽サトシこそがマサラタウンのサトシ。
ハナコの一人息子なのだ。
「…ごめん、軽率に思った事は無いけど…。
ちょっと………これからは気をつけるよ。」
偽サトシは深く反省した。
何とかハナコを説得し、受付に向かった偽サトシ一向。
受付のおっちゃんは「へー、マサラタウンからのねぇ」と4つのバッジをスキャンして正式にバッジをゲットした証明が済んだ。
「試合は明日のお昼からだよ。」
ふむ、明日か。
今日は朝に向けてどのポケモンで挑もうか考えられるな。
「先に言っておくと、今のヘッドリーダーになってから一度も負けた事が無いからねぇ。
さて、キミは最初の殿堂入りを果たすチャレンジャーになれるかな?」
へぇ…まだ負けてない、か。
「まぁ! じゃあサトシが最初の優勝者ね!」
いつもの調子に戻ったハナコは偽サトシが負ける訳が無いと信じてる為、堂々と宣言する。
彼女と同じ考えであるセレナも「そうですよね!」と意気投合していた。
その様子を見た受付や偶々周りにいた人達は騒めき始めた。
それはまるでお祭りが起きる様な喜びと…ヘッドリーダーには敵わないだろうなと言った表情をしていた。
「何なのかしら、このお祭りが起きる様な盛り上がり様は?」
「しかも、何処かサトシが勝てる訳が無いって顔をしてるよ…。」
周りの人達の反応にカスミとケンジが苦言を漏らしてると───
「それは仕方ないかもねぇ。
何せバッジを4つ集められるトレーナーは少ないし、今のヘッドリーダーが歴代の中で最も強く、皆から愛されてるからね。」
マスタードが手を上げながら歩み寄る。
隣にガタイの良い男性を連れて。
「あのマスタードさんに会えて光栄です!」
マスタードと再会した偽サトシ達は隣にいた人物に案内された場所へと来ていた。
ケンジは初めて会ったマスタードに目を輝かせていくつか質問をしていた。
「あのぉ…ところで何ですけど、マスタードさんと一緒にいたアナタは一体?」
「ああ、自己紹介が遅れたね。
俺はユウジ。
───オレンジリーグのヘッドリーダーさ。」
カスミが問いかけた相手は何と、ガタイの良い兄ちゃんの正体は明日、偽サトシと対戦する相手だった。
「あら、そうだったんですねぇ。」
「ええ、実はそうなんです。」
「ん? おふくろはユウジさんと面識あったの?」
「昨日ここへ着いた時にね。」
「ああ。改めて、よくこのオレンジリーグのジムリーダー達を破り、バッジを4つ集めて来たね、サトシくん。
明日は全力で迎え撃つからね。」
「ええ、ただ…勝つのは俺ですけどね。」
とニヒルな笑みを浮かべる偽サトシにユウジも面白いと言った顔をし、互いに握手を交わす。
「それはそうと、先日は大変だったね。
まさかアーシア島に伝わる伝説が起きてしまうとは思わなかった。」
「? ユウジさんはアーシア島の伝説を知ってるんですか?」
「まぁね。」
おおう…この人はルギアを見た事は多分無いだろうけど、あの異常気象がアーシア島の伝説だと判別出来るくらいには知ってるのか。
「火の神、雷の神、氷の神達は稀に自分達の根城を離れて暴れる癖があってね。
ヘッドリーダーの俺がそれを対処していたんだよ。」
「!? て事は、常にユウジさんは伝説を相手にして勝ったことが…!?」
「常にと言っても、数年に一度有るか無いか位だよ。
かと言って、彼等のストレス解消に相手取ってるだけで勝てた事は無いよ。」
…勝っては無い、か。
とは言え、伝説相手になるレベルの実力があると言う訳だな。
「それもこれも、師範のお陰なんだけどね。」
「ユウジちゃんが優秀だからだよん。」
ほへぇ…確かマスタードさんは道場を開いていてるもんな。
その門下生にユウジさんはいたって事か。
「そうだそうだ。
サトシちゃん、ダクマちゃんはどう?」
「ダクマでしたら……出て来い!」
ボールから出したダクマはいつも通り元気で活発で、偽サトシに『次は何があるの!?』とソワソワとし始めた。
「ほほほ。元気一杯だねぇ。
サトシちゃん達と冒険をして益々強くなってる。
良いね良いねぇ。」
マスタードはダクマを見て嬉しそうにして頭を撫で、久しぶりに会ったマスタードにダクマは元気よく応じる。
「! このポケモンは…あの『秘伝』の…!!
師範、サトシくんは門下生だったのですか!?」
「いいんや? サトシちゃんは別に門下生じゃ無いよ?」
「で、では…何故、あの『秘伝のヨロイ』と呼ばれしポケモンが…?」
「何故も何も、ダクマ自身がサトシちゃんを選んだからだよ。」
ユウジは驚愕しながら構ってちゃんモードのダクマと、相手してる偽サトシを見ていた。
「秘伝…ダクマが、彼を選んだ…。
私が聞いていた話では、ダクマというポケモンは非常にデリケートで、中々人に懐かない所があるとお聞きしていますが。」
「正しくは、自身の認める主人を中々作らないからだよ。
かつてはガラルに生息していたとされるダクマ達は多くの主人を認めていたらしいけど、時代が進むにつれて自身に相応しい主人がいなくなり、今では人が立ち寄らないとされる山岳にいるとされてるけどね。」
「…師範の試練を乗り越えた者達でも、ダクマに認められずにいるとされているのに。
そのダクマを………面白い…!!」
ユウジは偽サトシを強者と見定めた。
そして、偽サトシに声かける。
「サトシくん! 今からでもキミとのバトルが楽しみになったよ!
…俺は、明日の為にも調整に入られせてもらおう。
それでは、次はフィールドで。」
ユウジはこの場を後にする。
「ふふ、ユウジちゃんの目に強い熱意が入ったね。」
マスタードは我が事の様に嬉しそうにし、偽サトシとダクマを交互に見る。
「そうだ。サトシちゃん、もし明日の試合でユウジちゃんに勝てたらワシちゃんのダクマの試験を受けて貰うよん。」
「ええ!?」
「ダクマの試験!?
元チャンピオンからの試験…!
そ、それは一体どんな試験なんですか!?」
「ふふん♪ それには先ずユウジちゃんに勝ってから分かる事だよん。
それじゃ、明日を楽しみにしてるよ〜。」
セレナとケンジは疑問を抱くがマスタードは応えなかった。
そして、偽サトシ達に明日を楽しみにしてると告げてこの場を後にする。
「…大丈夫。キミはあのダクマに選ばれたトレーナー。
自信が無く、それでいて周りに合わせられなかったあの子が、自ら選んだんだ。
ユウジちゃん、そしてワシちゃんの試練も乗り越えられる。」
偽サトシの勝利を確信しているのは何もセレナ達やハナコだけでは無かった。
「しかし………ユウジちゃんは一筋縄には行かないよ?
何たって、あの子の
───『伝説の力』を宿してるからね。」
あのポケモンとは、伝説の力とは何なのか。
マスタードは通りかかった、カンキツ島を守護するとされるあのドラゴンタイプの像を見た。
その後偽サトシ達は明日に選出するポケモンを博士から送って来て貰ってい、ポケモン達の調整をしていた。
その中の1匹である…フクスローがやたらと張り切っていた。
「おお、フクスローの奴珍しく気合い入ってるなぁ。」
「そうねぇ。どうしてかしら?」
「それはサトシがオレンジ諸島でフクスローを呼んでいなかったからじゃ無いの?」
ぐっ…!!
か、カスミの奴…気にしていた所を突いてきたな…。
オレンジ諸島を巡る中、俺は皆を活躍させたいと色々と考えていたが、オコリザルがまだ手持ちにいたいという気持ちを最優先していた事が多くあって、全員を手持ちに入れる事が出来なかったのである。
無論、結果としてオコリザルはコノヨザルへ進化できたから良いものの…。
俺が甘々な考えのばかりに公平に出来なかった。
それにより…フクスロー、フシギダネ、ゲンガーの3匹は呼べずにオレンジリーグにまで辿り着いてしまったのだ。
…と、自分の力不足故に落ち込んでいる偽サトシの頭に鍛錬していたフクスローが乗り掛かった。
「…悪いなフクスロー。
ゲンガーやフシギダネもだけど、呼んであげられなくて…。」
と謝る偽サトシにフクスローが勢い良く叫んだ。
それはまるで、『それは違うよ!』と示している様に。
「フクスロー…?」
『フォォ。』
「…もしかして、落ち込むなって言ってる?」
『フォォ!』
「フクスロー。」
『ゲンゲロ!』
「ゲンガー! お前もか?」
『ゲゲ!』
フクスローとゲンガーは偽サトシを信頼している。
だから、偽サトシが自分達を呼ばなかったのは様々な事情があるのだと理解しているのである。
それはこの場にいないフシギダネも同意見でもある。
「…ありがとな。」
『ベアーマ!』
ダクマも『ふー! やー!』と気合いを入れながら蹴りとパンチを放っていた。
マスタードからダクマの試験があると聞き、より気合が入っていた。
「…だな! 俺達は一心同体。
お前達が落ち込んでたら俺が、俺が落ち込んでいたらお前達が支え、立ち上がらせてくれる!」
『コウガッ!』
ゲッコウガ達もいつの間にか駆け寄っており、『鍛錬するぞ!』と誘導していた。
「よっしゃあ! ヘタッてる場合じゃねぇ!
明日に向けて気合い入れるぞ!!」
俺達は明日に向けて鍛錬に励むのであった。
「子供の成長って早いわね。」
「そうですね。自分もまだまだですが。」
偽サトシ達の様子を側で見守る者達は温かく見守っていた。
「さて、そろそろバトルの調整の相手をしてあげますか!」
「じゃあ私はキズぐすりとタオルの用意するね!」
カスミはバトルの相手をすべくボールを手に持ち、セレナはバトルで疲労するポケモン達の為にキズぐすり、そしてサトシとカスミの為のタオルを用意しだすのだった。
「そろそろ本格的になるみたいだから、ガオちゃんも行ってらっしゃい。」
『ニャア!』
「ケンジくん、私に手伝える事はあるかしら?」
「いえ、大丈夫ですよ!」
「そう? じゃあ、ダクマちゃんは私と一緒に見守りましょうね。」
『ベアー!』
ガオガエンはハナコの膝にて甘えん坊状態になっていたが、鍛錬する為に偽サトシ達の元へ行き、ハナコはダクマと一緒に偽サトシ達を見守り、ケンジは鍛錬を終えた偽サトシ達のポケモン達の為のポケモンフーズ等の用意をしているのだった。
夜、人のいない場所にて…。
「…明日にはお前の出番があるだろう。
それも………『あの技』を使うかも知れないな。」
ユウジは目の前にいる大きなポケモンを優しく摩る。
大きなポケモン…島の守り神の象徴にしてユウジのエース。
ガッチリとした山吹色の肉体、凄まじい力を誇る筋力。
大きな体にしては小さめな翼を軽く羽ばたくと…周りにつむじを発生させた。
・ダクマの設定に関しては完全オリジナルです。
ゲームでは純伝説なのでこれくらいの設定を盛っても良いと思ったのでそうしました。
・マスタードが語る謎
『あのポケモン』に関しては簡単です。
直接は言いませんが、ユウジの切り札のアイツです。
問題は『伝説の力』に関しては………その時に分かりますとだけ。
・ユウジ戦に出すポケモンを一部公開。
今判明している偽サトシのポケモンは…ゲッコウガ、フクスロー、ゲンガー、ガオガエン。
残る2匹は何なのか。
明日のユウジのポケモンは何が出てくるのか。
その答えはバトルの時に明らかになる。
『偽サトシ』
絶対に勝つぜ!
『セレナ』
サトシ、頑張って!
『カスミ』
アタシが手伝ってるんだから負けんじゃ無いわよ!
『ケンジ』
自分が出る訳じゃないけど、明日が楽しみすぎるよ!
『ハナコ』
劇場版ラストの様に偽サトシが失ってしまう事態の事を語った。
これにより、偽サトシは深く反省する。
「子供の成長って早いものね。
サトシ、明日は頑張るのよ!」