俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

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ユウジ戦決着です!
凄く長くなった………その分面白く…なってると良いな。

Ancle様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




第83節:『オレンジリーグ、決着』

 

 

 

『第31話:オレンジ諸島ヘッドリーダー〝ユウジ〟(後編)』

 

 

 

『さぁ、まもなく後半戦が始まります!

インターバルに入る際はユウジのポケモンが先に3体戦闘不能になる驚きの展開に全員が驚愕していましたが、今では後半戦の戦いがどうなるのか楽しみで大盛り上がりです!』

 

『そうだねぇ。ワシちゃんも楽しみ過ぎて、年甲斐にも無くワクワクが止まんないんだよねぇ〜!』

 

「ふふ…師範があそこまで楽しんでいる様子を見るのはゲームをしている所でしか、俺は見た事無いが…。

あんなにも楽しそうにするんだな。

けど…それは俺もそうだ。

キミに勝ちたいという気持ちが、昂って仕方ないよ!」

 

「俺も…こんなにも強いトレーナーに勝ちたいっていう気持ちが一杯なのは初めてっすよ!」

 

 

両者はボールを構え…投げる。

 

 

「フクスロー、キミに決めた!」

「行け、フシギバナ!」

 

『両選手の四番手が繰り出されました!

サトシ選手はフクスロー!

そして、ユウジはフシギバナです!』

 

『おやおや、4回戦目は同じくさタイプ対決だねぇ。

それも、フクスローはひこうタイプでフシギバナはどくタイプ。

両者共に主力技で弱点を突けられる。

さて…どう戦うのかな?』

 

「フクスローか。

最終進化していないが…キミ相手だ、一瞬でも気が抜けないからな。

フシギバナ! 《どくどく》!」

 

「フクスロー、《エアスラッシュ》!」

 

 

早々にフシギバナは《どくどく》を放ったが、それをフクスローの《エアスラッシュ》によって吹き飛ばし、小さな空気の刃がフシギバナに被弾して微弱なダメージを入れる。

 

 

「…中々なパワーだな。

ならば、《どくづき》!」

 

「フクスロー、躱して《あやしいひかり》!」

 

 

フクスローへフシギバナの毒を浴びた蔦が伸びるが、それを飛び躱して至近距離から《あやしいひかり》をフシギバナに放ち、『こんらん』状態にした。

 

 

「やるな。」

 

「今だ、フシギバナに《ブレイブバード》!」

 

 

『こんらん』状態で身動きが取れないでいるフシギバナに《ブレイブバード》が炸裂する。

効果抜群でフシギバナに大ダメージが入り、反動ダメージがフクスローに入る。

 

…フクスローが反動ダメージでよろめいていると、フシギバナが『こんらん』状態が解け、《どくづき》の反撃でフクスローに大ダメージが入った。

 

 

『サトシ選手のフクスロー、《あやしいひかり》で『こんらん』状態にして『ひこう』タイプ最大技の《ブレイブバード》でフシギバナを追い詰めたかと思いきや、直ぐに『こんらん』状態が解けた事により、反動で隙を突かれて弱点の《どくづき》を受けてしまった!!

これは勝負があったか!?』

 

『…ユウジちゃんは『ハイパークラス』のトレーナー。

そのレベルになると、『こんらん』状態でも敢えてダメージを受ける事により、『こんらん』を無理矢理解かす事が出来るんだよね。』

 

『流石はヘッドリーダー:ユウジ!

後半戦からはユウジが戦況を支配するか!?』

 

『それはどうだろうねぇ?

───ほら、見てごらん?』

 

 

マスタードはフクスローを見て口角を上げる。

 

 

「大丈夫か、フクスロー!?」

 

『ホゥ……ホォオオ!!』

 

「よし、やられたら倍にして返すぞ!」

 

『ホォォォオオオ!!!』

 

 

フクスローが雄叫びを上げ…青白い光に包まれ───フクスローがジュナイパーに進化した。

 

 

「遂にジュナイパーに進化した!!」

 

『こ、これは何という事でしょう!?

土壇場でジュナイパーに進化しました!!』

 

『さて、勝負は分からなくなったねぇ〜。』

 

「よし、この勢いのままやり返すぞ!

《エアスラッシュ》!」

 

「進化した相手を侮るな! 《どくづき》!」

 

 

毒を浴びた蔦が再びジュナイパーへと迫る。

しかし、ジュナイパーに進化した事により技のレベルも上がった。

両手の翼を広げ、片方で空気の刃を球にして飛ばし、《どくづき》を無力化にするだけで無くフシギバナを怯ませ、その隙にもう片方で空気の刃を飛ばしてフシギバナに大ダメージを入れた。

 

 

「な、何だ!? 両手で攻撃は兎も角、空気の刃の球だって!?」

 

 

やるじゃねぇかジュナイパー!

まるでイナイレのエアーバレットじゃないか!

これは様々な使い方が出来そうだ…!

 

 

「行くぞジュナイパー、この隙にブレイブ───」

 

 

《ブレイブバード》を指示を送ろうとすると、ジュナイパーは弓矢を構えるモーションに入り、ゴーストタイプのオーラを纏った矢を放った。

 

フシギバナは咄嗟に思いっきり飛び上がって回避しようとするも、フシギバナの影に刺さり、身動き取れなくなった同時に爆発が起きた。

 

 

『これはジュナイパーの《かげぬい》です!』

 

『《かげぬい》は矢を避けても、影に当たってしまうと影を通して爆発する効果のある技だからねぇ。』

 

 

そうか、専用技を新たに覚えたのか。

お陰でフシギバナはヨロヨロとしている。

この気を逃さずに…攻める!

 

 

「今だ、《ブレイブバード》!」

 

 

ジュナイパーが凄まじいひこうタイプのエネルギーを纏って突撃する。

その攻撃を…フシギバナが受ける前に───

 

 

「まだだ! 《あまいかおり》!」

 

 

んげっ!? こっちの弱点技を知っていたのか!?

…でも、俺のジュナイパーだって、いつまでもその技に弱い訳じゃないぜ!

 

 

「ジュナイパー! 回転だ!

回転して香りを払いながら攻撃だ!」

 

 

通常の《ブレイブバード》に回転する事で威力と風を巻き起こして纏い、それにより香りを切り裂きながら突っ込み…フシギバナに炸裂させる。

 

フシギバナはユウジの元へと吹き飛び、ジュナイパーは攻撃がヒットした衝撃を無意識に腕の翼を羽ばたかせる事で反動ダメージを軽減して、立った。

 

フシギバナは倒れた。

 

 

「フシギバナ、戦闘不能! ジュナイパーの勝ち!」

 

『サトシ選手、ジュナイパーが進化した事によりユウジのフシギバナを撃破しました!』

 

『ユウジちゃんのフシギバナを撃破するとはねぇ。

ホント、サトシちゃん達のバトルには驚かされてばかりだよ。

今のバトルで言えば、回転をする事で威力を増して風を起こして纏う事で《あまいかおり》を無効にした事。

それから、《ブレイブバード》の反動を羽ばたかせる事で軽減させる技術…無意識とはいえ、それを土壇場でやってのけるのも見事。

よく育てられているよ。

ユウジちゃんのフシギバナとは10近くのレベル差があるのに勝ててるのがその証拠だね。』

 

 

マスタードの意見と、4連勝してる事でユウジが初めて負けるかもしれない事にスタジアムが静かになるも、直ぐに強力なチャレンジャーが現れた事を再認知して熱狂になる。

 

 

「ご苦労だったな、フシギバナ。

………こんなに悔しいと思うバトルはいつ振りだろうか。

いや、いつ忘れてしまったのだろう。」

 

 

ユウジは思い出す。

かつてカントーリーグを優勝し、勢いでガラルへと足を踏み出して勢いつけていた時期を。

そして…その時に戦った、現チャンピオン:ダンデ。

彼にコテンパンにされ、何度も何度も挑んでは敗北して……敗北して…。

 

 

「…ああ、あの頃か。

師範の元で修行し、強くなったと自惚れていた頃を。

いつしか彼に…ダンデに敵わないと思い始めた…。

キミとのバトルで…俺は…!!」

 

 

ユウジは偽サトシを見つめ直し、次のボールを構えた。

 

 

「さぁ、次の勝負だ!」

 

 

ユウジは五番手に………巨大な砂の城の様なポケモン:シロデスナを繰り出した。

 

 

『で、デカい!! こ、このシロデスナは何という大きさだ!?』

 

『聞くに、あのシロデスナはアローラに訪れた際に暴れていた親分ポケモンのシロデスナらしいよ。』

 

 

…親分ポケモン。

成程、どおりでこんな巨大なシロデスナなのだな。

 

 

「面白ぇ…!

だったら…ジュナイパー、戻ってくれ。

…俺達の友情パワーはそれ以上だ!

行くぞ! アシレーヌ、キミに決めた!」

 

 

偽サトシはアシレーヌを繰り出し、アシレーヌは盛大なアピールで登場する。

 

 

『ユウジ選手に続き、サトシ選手も五番手のポケモンを繰り出しました!

しかも、そのポケモンは珍しい色違いのアシレーヌです!

スタジアムの人達も大喜びです!』

 

『うんうん、ユウジちゃんのポケモンも後2匹。

今度の相性はサトシちゃんが有利だね。

けど、有利で勝てる相手では無いのは分かってるだろう?

さぁ、サトシちゃんはどう攻略するかなぁ?』

 

「師範の言う通り。

どう来るかな、サトシくん。」

 

「んなもん、攻めるあるのみさ!

アシレーヌ、《なみのり》!」

 

 

アシレーヌが津波を生み出し、ギリギリ飲み込める大きさでシロデスナへ押し潰そうとする。

 

 

「その程度の波、恐るるに足らんぞ!

シロデスナ、《すなじごく》!」

 

 

対してシロデスナは巨大な体から発生させる《すなじごく》により、巨大な砂嵐の竜巻を発生させ、《なみのり》の波を巻き込ませて相殺した。

 

《すなじごく》は威力の高く無い技だ。

しかし、親分個体のシロデスナの放つ《すなじごく》なら、《なみのり》と同レベル技として相殺できるみたいだ。

 

 

「今度はこっちの番だ。《あやしいひかり》!」

 

 

さっきの試合でやった事をやり返してきた。

こっちはユウジさん達の様なやり方で戦うのは無理だ。

ならば…!

 

 

「アシレーヌ! 《アクアジェット》で空高く飛べ!」

 

 

アシレーヌは《アクアジェット》で空を泳ぐ様に駆け上がって行く。

 

 

『こ、これは驚きが隠せません!

ひこうタイプを持っていないアシレーヌが空を…。

海を泳いでる様に飛び回っております!』

 

『うんうん。正に、陸空海のマーメイドだねぇ。』

 

「…こいつは驚いたな。

アツミが言っていたのはコレの事だったのか。

全く…サトシくん。

キミは何処まで凄いものを見せてくれるんだい?」

 

「驚くのはまだまだ早いですよ?

さぁ、アシレーヌ!

お前の輝きはこれからだ!

《アクアジェット》のまま《アクアブレイク》だ!」

 

 

カメールの十八番戦法のアシレーヌverでシロデスナへと攻撃をぶつける。

 

流石に先制技と高い物理攻撃の合わさった効果抜群の攻撃によって、シロデスナへと大ダメージを入れる。

 

 

「よしっ!」

 

「流石に素早い動きによる攻撃に、巨体では躱せない。

だが、シロデスナは物理防御に特化してる。

並の攻撃では、効果抜群であろうと倒れん!

シロデスナ! 《ギガドレイン》!」

 

 

ぬっ!? 回復込みの攻撃技を覚えるのか!?

 

 

「アシレーヌ! 動き回って攻撃を待避だ!

そして、隙を見て《アクアブレイク》!」

 

 

《ギガドレイン》を躱し、隙を見て《アクアブレイク》を決めて行く。

 

 

「…思っていたよりも速いな。

ならば! 《すなじごく》を展開しろ!」

 

 

《すなじごく》を全身から発し、砂嵐の竜巻で包まれたシロデスナ。

これにより、アシレーヌの《アクアジェット》と《アクアブレイク》の合わせ技が擬似的に使えなくなった。

 

 

「だったら《なみのり》!」

 

 

大きな津波を発生させ、《すなじごく》を取り払おうとする。

…しかし、シロデスナは連続で《すなじごく》を使用する事により、最初の《すなじごく》を剥がされても、次の《すなじごく》で再度砂嵐の竜巻を鎧の様に纏う。

 

 

『これで《アクアジェット》、《アクアブレイク》、《なみのり》を封じた訳で、シロデスナにはダメージが入らなくなった。

これはサトシちゃん達には厳しい状況になったね。』

 

 

…マスタードさんの言う通りだ。

4つ目の技が重要となるな。

 

 

「…フッ、悩む時間も奪わせて貰うよ。

シロデスナ! そのまま《すなあつめ》!」

 

『ユウジはシロデスナの4つ目の技に回復技である《すなあつめ》を使用しました!』

 

 

くっ、《ギガドレイン》以外にも回復技があったか…!

…このまま放置してしまうと、折角削った体力が元に戻され、《あやしいひかり》と《ギガドレイン》の戦法で苦しめられるな。

 

考えてる場合じゃねぇな…!

 

 

「アシレーヌ! 《アクアジェット》で天空を舞え!」

 

 

アシレーヌが再び空中を海を泳ぐように舞う。

 

 

「何をするつもりだい?

シロデスナの体力は回復していくぞ?」

 

「こうするのさ!

アシレーヌ! そのまま《れいとうビーム》を展開して突っ込め!」

 

 

《アクアジェット》に凍らせるこおりタイプを合わせる事で使用できる…『氷のアクアジェット』で《すなじごく》の砂嵐の竜巻へと突っ込んで貫き、回復中のシロデスナへと激突する。

 

 

『アシレーヌの攻撃が《すなじごく》を貫いて、シロデスナに激突しました!』

 

『これまた見事。

でも、シロデスナの体力はある程度回復してるからね。

この程度じゃ巨体もあって倒れないよ。』

 

「無論! シロデスナ、《ギガドレイン》!」

 

 

シロデスナが大ダメージを受けながらも、《ギガドレイン》で攻撃&回復を図る。

 

 

「ここで一気に畳み掛ける!

《アクアブレイク》も使って強行突破だ!」

 

 

『氷のアクアジェット』に《アクアブレイク》を組み合わせれば、《ギガドレイン》をしてても、大ダメージで体力を持っていける筈…!

 

アシレーヌが3つの技を一つにした強力な『氷のアクアジェット』でシロデスナを追い詰める。

 

シロデスナは負けずと《ギガドレイン》により、アシレーヌにダメージを入れて動きを止めようとする。

 

しかし、アシレーヌはそれでも威力を落とさずにシロデスナに攻撃をし続ける。

 

次第に………シロデスナの方が限界に達し、吹き飛ばされる。

吹き飛ばされ、まだ倒れない様子を見て、アシレーヌの《れいとうビーム》でトドメをさした。

 

シロデスナは倒れた。

 

 

「シロデスナ、戦闘不能! アシレーヌの勝ち!」

 

『勝負を制したのはアシレーヌです!

サトシ選手はこれで、ユウジのポケモンを5体を倒しました!

ここまでユウジを追い詰めたのは…それも、まだ手持ちは1体も倒れてないのは彼が初めてです!』

 

『見事見事。でも、アシレーヌは攻撃を受けながらも、自身の攻撃に転じていたからね。

連続で戦う気力は無いね。

しかも、サトシちゃんの他のポケモン達も全員が体力を半分以上持ってかれてるからね。

…勝敗を分けるのは、両者の最後のポケモンだね。』

 

 

ああ、ここまで全員が1対1で勝ってるからな。

最後もこれで勝つまでだ…!

 

 

「その様子では、キミも6匹目のポケモンで挑む様だな。」

 

「ええ。こいつは…強いですよ?」

 

「だろうな。」

 

 

ユウジは一切も油断していない。

 

 

「リザードン! キミに決めた!」

「さぁ、お前が戦う時が来たぞ!

───カイリュー!」

 

 

お互いの6匹目が出た事により、スタジアムの熱気が高まる。

 

 

『つ、遂に! ユウジのエースにして、このカンキツ島の伝説、守神のカイリューが出ました!』

 

『サトシちゃんの6匹目はリザードンか。

よく育てられているのはこれまでのポケモン達を見て一目同然だけど。

中々良いじゃ無い。

もしかすると………ま、それを今断定するのには難しいねぇ。

何せ、ユウジちゃんのカイリューは、ね?』

 

「俺のカイリューはこのオレンジ諸島の、そして俺のエースにして最高のパートナーだ。

その強さはこれまでのポケモン達とは違うぞ?」

 

 

…確かに、見ただけでも分かる。

強いのは当然として、レベルの差は10あるのは明確だ。

こいつ…65近くはあるな!

 

 

「さぁ、始めようか!

カイリュー! 《しんそく》!」

 

 

ユウジが指示した《しんそく》が一瞬にしてリザードンへと炸裂する。

あまりに一瞬な事で、俺は油断して指示が出せずにいたが…。

 

 

『グオウッ!』

 

 

リザードンは攻撃を受け堪え、力強く声をかけて偽サトシを正気に戻した。

 

 

「ああ、もう大丈夫だ!

リザードン、《ドラゴンダイブ》で押し潰せ!」

 

 

リザードンがカイリューを掴んだ状態で《ドラゴンダイブ》による体当たりでフィールドに力強く押し倒す。

 

 

「中々のパワーだが……カイリュー!

振り解きながら《りゅうのまい》!」

 

 

押し倒されている状態から、カイリューは翼を上手く使って力尽くで振り解く様に《りゅうのまい》を活かしながら空へと退避する。

 

…拘束から解放する為に《りゅうのまい》を使う、か。

そういう使い方も出来るのか。

 

 

「カイリュー! 今度はこっちの番だ!

《ドラゴンダイブ》!」

 

「…リザードン! まだいけるな!?」

 

『グォウ!』

 

「…何をする気か知らないが、行け!」

 

 

カイリューが上がった素早さと攻撃を活かしてリザードンへと突っ込む。

それに対して、リザードンは………攻撃を受けずに受け応える体勢を取っていた。

 

 

「まさか!? 正面から受ける気か!?」

 

「馬鹿正直にはいかないさ!

《ドラゴンダイブ》を展開して受け止めるんだ!」

 

 

《ドラゴンダイブ》の攻撃のドラゴンエネルギーを全身に纏い、それを防御の構えによってカイリューの《ドラゴンダイブ》のダメージを軽減させる。

 

カイリューの《ドラゴンダイブ》を受け、悲痛の声を上げるリザードンだが、偽サトシを信じてる故に痛みを耐えながら、カイリューを再び掴み捕える。

 

 

「攻撃技を防御に使うとは…!

こんな闘い方をする者は、これまでにいなかったな…!」

 

「物事は全て使いようさ!

リザードン今だ! 《おにび》!」

 

 

リザードンの目が光る。

全身を炎に覆われ、掴んでる状態からカイリューを『やけど』状態にした。

 

本音で言うなら《どくどく》を使用したかったが、タイプ不一致の技故に掴んでる状態で放つにはレベル差などもあって、振りほどかれる可能性が高かった。

口から吐けるならまだ可能性が高かったが、リザードンは後遺症で口から技を使用できない。

 

 

「くっ…! これが狙いだったのか!?」

 

「今だリザードン!

カイリューに《ドラゴンダイブ》!」

 

 

《おにび》による『やけど』状態になった事で力が緩んだタイミングで追い討ちをかける事によって、大ダメージを与える。

 

 

「か、カイリュー!?

(完全にやられたな…。

残る5匹を倒す為に、確実にリザードンを持っていける3つの技を使用した筈が、裏目に出てしまった…!

彼のバトルが攻撃特化したものばかりと油断していた…!)」

 

 

ユウジは自分の甘い考えに後悔していた。

…が、しかし───

 

 

「………やるね、サトシくん。

キミ達は本当に凄い。

だからこそ…この技を使うに値する!

カイリュー───《エアロブラスト》!」

 

 

───は?

 

 

カイリューは壁へと迫られる前に口元に高密な風のエネルギーを集約させ、小さなものだが空気の渦を作り出して…それを至近距離からリザードンへと放った。

リザードンは高密度のひこうタイプのレーザー砲を受けて、悲痛の叫びを上げて吹き飛ばされた。

 

 

「あの技は…規模や威力こそルギアに劣るものの、紛れも無い《エアロブラスト》だ…!

どうして、ユウジさんのカイリューが使える…!?」

 

「その顔ではこの技を知っているようだね。」

 

 

ユウジは語る。

 

アーシア島のルギアの伝説…その文献の一部がオレンジ諸島の首都であるここ…カンキツ島の博物館に展示されている。

 

ユウジはその文献を幼い頃から見ていた。

トレーナーとなり、多くの経験を経て物にしたのが、彼のカイリューだ!

 

 

「この技は、アーシア島の伝説以外には俺のカイリューにしか扱えない!

例え、師範やカイリュー使いにしてカントー・ジョウトのチャンピオン…ドラゴン使いのワタルであったとしてもだ!!」

 

 

ユウジの目つきはこれまで以上に強気だった。

この技を使える事もあって自信でもあり、誇りでもあるのだろう。

 

 

「…だが、ルギアに比べればこの程度の攻撃で、俺のリザードンが倒れると思ってちゃ……甘いぜ!」

 

 

偽サトシがそう言うと、リザードンは立ち上がる。

そして、身体中から赤いオーラが吹き荒れる。

 

 

『おおっと! リザードンもガオガエン同様に『もうか』が発動しました!』

 

『お互いの体力はもう既に少ない。

こうしてる隙にユウジちゃんはカイリューに《りゅうのまい》をさせていたからね。

次の一撃でカイリューをどうにかしないと厳しいかもね。』

 

 

偽サトシのポケモン達の体力は皆少ない。

対してカイリューは『やけど』状態とはいえ、《りゅうのまい》で攻撃力と素早さを上げて速攻で偽サトシのポケモン達を倒す算段を立てている。

 

 

「《エアロブラスト》は強力だ。

でも、リザードンは『もうか』が発動して炎技に力が高まってる。

俺のリザードンなら、絶対に次の渾身の攻撃で…倒せる!

行くぞ! 《フレアドライブ》!」

 

 

リザードンが遠吠えを上げながらほのおタイプ最大技の《フレアドライブ》で特攻する。

 

 

「フッ…迎え打て、カイリュー!

《エアロブラスト》!」

 

 

凄まじい炎と共に接近するリザードンに風のレーザー砲を放つカイリュー。

 

レーザー砲がリザードンへ被弾しようする。

…そのタイミングで───

 

 

「今だリザードン!

そのまま《りゅうのまい》だ!」

 

「躱しながら攻撃とスピードを上げるか!

だが、そう簡単に上手く行くかな!?」

 

「行けるさ。何せ、俺が第二の目となるからな!」

 

「!? どういう意味だ…!?」

 

 

カイリューの風のレーザー砲を俺の指示で軌道を読んで躱させ、リザードンが《りゅうのまい》を《フレアドライブ》でパワーを上げながら攻める。

相手の攻撃が軌道を変える度に俺の指示した方へと回避続け、リザードンは計2回舞った事により、2段階のステータス上昇に『もうか』の上昇された《フレアドライブ》をカイリューに炸裂させる。

 

カイリューは攻撃を受けて悲痛の叫びを上げる。

…しかし、まだカイリューは倒れずに《ドラゴンダイブ》の指示を受けて返り討ちにしようとする。

 

2つの力がぶつかり合う。

互いに拮抗し、体力は残りわずかという状況になる。

 

カイリューは『やけど』状態になっているにも関わらず互角だという…。

末恐ろしい事この上ない… ───が!

 

 

「リザードン! スパートかけろぉお!

《フレアドライブ》に《ドラゴンダイブ》を掛け合わせろ!!

いっけぇぇえええ!!!」

 

『グォォオオオ!!!』

 

 

偽サトシの掛け声にリザードンはフルパワーで2つの技…ほのおとドラゴンの合わさった攻撃がカイリューへとぶつける。

 

抗うカイリュー。

…しかし、カイリューは徐々に押され…。

遂に───パワーに負け、壁にへと叩きつけられて…倒れた。

 

そして…リザードンは息を荒くしながらも立っており、力強く遠吠えを上げる。

 

 

「カイリュー、戦闘不能! リザードンの勝ち!

ユウジ選手のポケモンが6体が戦闘不能になりました。

よって、勝者───サトシ選手!!」

 

 

偽サトシの勝利が決まった瞬間…スタジアムが凄まじい熱狂に包まれ、沢山の拍手喝采にも包まれた。

 

 

「勝った……勝ったぞ…!」

 

 

偽サトシの言葉に、リザードンはフラフラとしながら寄って来ており、偽サトシはそれに気づいて急いで駆け寄った。

 

 

「良くやった…! よく頑張ってくれた!」

 

『グオウ!』

 

 

リザードンに肩を貸し、勝利の拳を互いに天に掲げる。

そして、ゲッコウガ達全員がボールから出ており、共に勝利を喜ぶ。

 

 

「勿論…全員だ!」

 

 

偽サトシの満面の笑みに全員が笑顔に包まれた。

 

この日、オレンジリーグの歴史に刻まれる。

長い間無敗を誇った、ヘッドリーダー:ユウジが務めていたオレンジリーグを制したのは───マサラタウンのサトシが初となった。

 

 

 






・フクスローがジュナイパーに進化した。
強敵相手に勝ちたいという気持ちにより、殻を破って遂に最終進化を果たす。
因みに、ヒスイでは無く通常のジュナイパー。
理由は自分が通常のジュナイパーの方が好きだからです。

・ユウジの今回の手持ちのレベルをここで公開(変更の可能性有り)。
メタモン【62】
タチフサグマ【58】
ゲンガー【60】
フシギバナ【62】
シロデスナ【58】
カイリュー【63】

・特殊個体『エアロブラストを覚えたカイリュー』
まさかまさかの《エアロブラスト》を覚えた特殊個体。
もしメガシンカ持ちで再登場したら……おお、怖い怖い。
これはユウジ戦で必ず出すと決めており、サイズは親分個体故にデカい。
偽サトシのカイリューよりも1回り大きい。
因みに、この世界ではまだカイリューはメガシンカしない。


『偽サトシ』
強化ユウジに勝利した偽サトシ。
おめでとう。

『ユウジ』
全てを出し切り満足する。
偽サトシに敗れて悔しい反面、新たな一歩を踏み出せた事に感謝している。

『セレナ、カスミ、ケンジ、ハナコ』
偽サトシが勝利を収め、ベンチで大盛り上がり。
セレナとハナコは目元に涙を浮かべている。


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