ウィークネス様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。
…あの奇妙なトレーナーが旅立ってからは平穏だった。
定期的に白衣のジジイは世話をしてくるも、『ケンキュウ』というのを強要してきた時は容赦なく電撃を浴びさせる。
そんな日々を何日も過ごして食事は沢山食べて寝る時は長く眠るのだった。
セレナのコンテストを終えて翌日、ヨシノシティからアルトマーレへ着いた。
「んっ〜! 着いたわね、アルトマーレ!」
「すっごく良い雰囲気な場所ね!」
カスミとセレナはアルトマーレに上陸して背筋を伸ばして居心地良さそうに街を歩き回る。
セレナ達の言う通り街の活気に雰囲気、空気も美味しい。
水の都と呼ばれる事もあって美しい街だ。
生前の世界で言うならイタリアのヴェネツィア…だったかな?
それに近しい感じだ…行った事は無いけど。
「ねぇねぇ! そろそろランチにしない?
ここの料理が楽しみなのよねー!」
「そうね! あっ、でも店に寄る前に水上レースに出る登録させて!
『みずタイプ』使いとしては絶対に出なくちゃ!
そして優勝あるのみよ!」
へー、水上レースねぇ。
水の都……ヴェネツィアの様な雰囲気……水上レース……なーんか、見覚えがあるんだよなぁ。
「……あら? 何かしらアレ?」
水上レースの登録に向かう途中、少し離れた所にある高い建造物に目が行く。
その建造物は何かの生き物を彷彿させる形をしていた。
…なーんか、見たことのあるフォルムをしてるなぁ。
確かあの形はラティアス、ラティオスの……あっ。
この時、偽サトシは思い出す。
ここはアルトマーレ…『水の都の護神ラティアスとラティオス』の舞台だった。
げっ………こ、ここは劇場版の…!
確か、話の流れは…サトシくんが水上レースに参加し、ラティアスと出会い、怪しい怪盗姉妹が『こころのしずく』を狙って行動して…挙げ句の果てにラティオスが…。
嫌な予感がしてきた…。
「? サトシ? 大丈夫?
なんか顔色悪い様だけど…?」
「どうした? 船酔いしてたのか?」
「……………いや、何でもない。」
仲間達には心配かけまいと無理にでも元気を取り戻す。
劇場版の話である事を思い出して水上レースには参加しない事にし、カスミだけが出る事にした。
俺はこの時決意を固める。
ラティオス達に被害が及ばない様に黒幕の怪盗姉妹を捕らえて平和に終わらせる、と。
偽サトシが強面な顔になってた事に気づいたセレナ達は疑問を浮かべるも、心配かけまいと「こんな綺麗な場所に来たのは久しぶりだから、緊張して腹痛くなって来たんだ。ちょっとトイレ行ってくる」と何とか説得した。
トイレに向かう中、ボールからゲッコウガが出て来た。
『…コウッ!』
「…お前も、何かを感じるのか?」
偽サトシの言葉に頷くゲッコウガ。
…大丈夫だ、劇場版の結末にはならない筈だ。
今のは俺には『キズナ現象』が使えるお前がいるし、サトシくんと違って『波導』も使えるからな。
その後気持ちを切り替えて偽サトシはみんなの元に駆け寄り、楽しいランチを食すのだった。
楽しいランチを終えた偽サトシ達(ご飯は本当に美味しかった)。
少ししてカスミが水上レースに出る時間になった事で、カスミの応援をする。
4匹のネイティと1番下のネイティオが翼を広げた合図により、レースがスタートする。
カスミは水上レースの相方にシードラを選んでレースに挑んでおり、上位の順位でいた。
モニターでレースの状況を観ている…と。
何か助けを求める様な電磁波が脳に走った。
偽サトシと同じく何かを感じ取ったゲッコウガがボールから飛び出して感じ取る先へと向かって行く。
それに乗じて偽サトシも「悪い、2人共カスミの応援頼む!」とゲッコウガの後を追う。
「「サトシ!?」」
2人は同時に声を上げて、セレナはタケシに「私が後を追うから、タケシお願い!」とセレナは偽サトシ達を追った。
…ゲッコウガを頼りに何かを感じ取った先へと駆けて行く。
2人の凄まじい動きにより、早々に事態の現場へと辿り着く。
そこにはアリアドスの糸で拘束されている女の子と、それを見て嫌な笑みを浮かべる女が2人…怪盗姉妹のザンナーとリオンである。
「フフ、大人しくしなさいラティアス。」
「そうそう。『こころのしずく』を大人しく差し出せば悪い様にはしないわ。」
2人の側にはエーフィもスタンバイしており、何があろうとラティアスと呼ばれた女の子を逃さないようにしていた。
2人はトレーナーとしてもそこそこの腕を持っており、エーフィとアリアドスのレベルは50を超えており、それ故に実力行使でも捕えられずにいた実力を持った裏社会ではトップレベルの怪盗姉妹なのだ。
だが───
「穏やかじゃねぇなぁ。」
「「!?」」
突如頭上から…裏路地のやり取りを建物の上から見ていた偽サトシとゲッコウガ。
「なぁに…? 子供…?」
「坊や、悪い事を言わないわ。
降りてらっしゃい?
大人しく捕まるのなら、要件が済んだら直ぐに解放してあげるわ。」
「あん? 何強気でいんのか知らないけどさ───」
偽サトシは冷静で且つラティアス達を傷つける2人に殺気を抱いて、『波導』の力で瞬時に2人の前に立つ。
「「!?」」
「その娘は解放して貰うぜ。」
と、俺はカントーやオレンジ諸島を巡り、様々な経験を経てジョウト地方を冒険するにあたり常時携帯していたワイヤーを使って2人を瞬時に拘束する。
「なっ!? い、いつの間に!?」
「わ、ワイヤー!? どうやって私達を!?」
「…悪い事をしてるからって、一応女性達だからな。
一度だけ慈悲をやるよ。
大人しくしてくれたら、痛い思いをせずにこのままジュンサーさんに突き出してやる。」
「…舐めるんじゃないわよ!
エーフィ、やっちゃいなさい!」
エーフィが偽サトシに《サイケこうせん》を放つが、偽サトシの前にゲッコウガが立ちはだかって《つじぎり》の刃を突きつけて無力化する。
その後に《マジカルシャイン》を放とうとするも、《でんこうせっか》と《つじぎり》の乱舞でエーフィを攻撃させる前に瞬殺する。
「う、嘘ぉ!?」
「アリアドス! あなたも攻撃に移りなさい!
《いとをはく》で縛り上げるのよ!」
アリアドスがゲッコウガに《いとをはく》を飛ばすも、ゲッコウガは《でんこうせっか》で容易に躱して《つばえがえし》と《でんこうせっか》の格闘ラッシュでアリアドスに殴る蹴るで追い詰めていく。
そして、アリアドスが殴り蹴られる中で《シザークロス》で偽サトシに迫るも…偽サトシのパンチで《シザークロス》が当たる前にアリアドスの腕を弾き、『波導』で衝撃を全身に流して戦闘不能にする。
「…えっ、何今の? ポケモンをパンチで…?」
「な、何なのよ! このガキンチョ!!」
「…俺か? 俺はまぁ、通りすがりのポケモントレーナーさ。」
と、ワイヤーで縛り上げている2人を強く締め上げ、手刀で2人の後ろ首にアリアドスの様に『波導』の衝撃を流して気絶させた(手加減はした)。
「さて、これで後はジュンサーに渡せば解決だろう。
…確か、この2人って有名な怪盗だもんな。
さて、それより…ゲッコウガ!」
偽サトシの指示でアリアドスの糸で拘束されている女の子を解放する。
助けられた女の子は慌てており、何かしたそうにしていたが何かを思い出して颯爽と立ち去った。
これで良い。
俺自身も疫病神か何か変な特性か何か持ってるからな。
このまま接点無い方が彼女達も安全だろう。
「あっ! いたわサトシ!」
…と、セレナが息を荒くしながらこちらへと歩み寄る。
「もう………何をしていたの……って、これは一体?」
ワイヤーで拘束されて気絶している怪盗姉妹については…。
「何か嫌な感じを覚えてな。
ゲッコウガと共に懲らしめていた所だ。
…それと確か、この人達の顔に見覚えがあったしな。」
「見覚え? うーん………あっ!
この人達朝のニュースで流れてた!
確か何処かで強盗をしたっていう!」
あっ、そう言えば朝のニュースに映ってた様な気がしてたわ。
そんなこんなで俺は少し休んでもらったセレナにジュンサーさんに連絡を入れてもらう事にした。
万が一でもこいつ等が逃げると厄介だし、セレナが危ないしな。
…しばらくして、セレナがジュンサーさんを連れて来た。
ジュンサーは怪盗姉妹を見ると「何故彼女達がこんな所に!?」と驚愕していたが、一先ずこの2人を引き取ってもらうことにした。
「強盗犯の確保、ありがとうございます。
この2人に関しては私が責任持って国際警察に引き渡しておくから安心して頂戴。」
っと、ジュンサーさんに引き渡して劇場版事件が起きる前に解決出来て一安心するのだった。
………この時まではそう思っていた。
翌日、俺達はこのアルトマーレを観光して博物館にいる。
正直博物館には興味は無いのだが、タケシが化石が見たいとの事で足を運んでいる。
…実はタケシの奴、カブトを捕まえていた。
最初見た時は目ん玉飛び出しそうになるくらい驚いたが、そのカブトを見ているとオレンジ諸島で島そのものがカブトの化石だった件で各地に散らばったカブトの1匹であることに気づいた。
それもあってか、タケシは他の化石ポケモン…カントー・ジョウトで見られたオムスターとプテラの化石を見ていて「何処かで出会わないかなぁ〜」と珍しく女の人以外に妄想していた。
それに対してはカスミも「分かる。アタシも珍しいみず系ポケモンと出会いたいわぁ」と共感して肩を持っており、俺とセレナは2人を微笑ましく見守っていた。
そんな所に…。
「キミ達見ない顔じゃな。観光客かな?」
ボンゴレという名のお爺さんが話しかけてくれてアルトマーレの観光ガイドを兼任してる事からこの博物館内の案内と観光スポットの場所を教えて貰った。
その最中、博物館内で最も有名とされる古代の機械を見せてくれる。
俺はそれを見て…嫌なものを感じ取っていた。
何故ならその機械は劇場版でラティオス達の生体エネルギーを利用されて滅茶苦茶にしていた代物であり…その機械から嫌なエネルギーを感じ取っていたからだ。
「…サトシ? 大丈夫?」
「…ああ、大丈夫。」
「何か…思う事があるの?」
「うんまぁ…何て説明したら良いかな…?」
どう言い訳したものか…。
───と、考えていると俺に向けて「うー!」と声をかけられ、振り向くとそこには…昨日怪盗姉妹から助けた女の子がいた。
「ん? お前さん、どうしてこんな所に?」
ボンゴレが何やら困惑した反応していると、女の子が嬉々として俺の手を握って何処かへと連れて行かれる。
「あっ、こら! 待ちなさい!」
「サトシ!?」
ボンゴレが後をすぐ追い、セレナ達もついて行くのだった。
「あっ、ちょっ…キミ、待っ……!」
女の子に手を引かれていく俺は強引に止まろうと思えば止まれるが、何故かのこの女の子には何も抵抗できなかった。
それが正体に気づいているからなのか、それとも…。
「おおい! その先は壁…!」
と、壁に向かって走り続けて足が止まりかけるも、女の子が壁をすり抜けるのを目の当たりして俺も足が止まらずに壁をすり抜け…美しい緑の園に辿り着いた。
「…綺麗だな。心が救われる様な場所だ。」
素直に感想を口にすると、女の子が嬉しそうにして人の姿からポケモンの姿…ラティアスになった。
やはりお前だったんだな。
ラティアスが俺を抱き上げてはクルクルと回転したり、この緑の園を飛び回る。
…恐らく昨日の件で礼か何かでここへ連れて来れて、この場所を気に入ったと思ったラティアスが上機嫌になってるのだろう。
その気持ちは俺としても良いが…。
「いっ、一旦…止まろうか…。
何が何だか分からない事が多いけど、先ずは話───おおおおぉぉぉぉおおおお!!?」
懸命にラティアスに声かけるも、ラティアスの上機嫌は止まらない。
回りすぎて目がグルグルとし始め、若干酔い始めた所に…ラティアスが何者かに動きを止められる。
偽サトシが意識が朦朧とする中でこちらに視線を向ける者に顔を向けると、そこには…ラティアスの対となるポケモンのラティオスが《サイコキネシス》でラティアスと偽サトシを止めた後、偽サトシを指差して『何故こんな奴をここに!?』と説教し始め、偽サトシを拒絶するようにするラティオスにラティアスは俺を庇う様に『違うもん!』と述べ始めていた。
2人が言い合っていると…。
「ラティオス! 何かあったの!?
…って、何者なのあなたは!
何処からここへ侵入したの!?」
ラティアスが人の姿を取っていた女の人が切羽詰まった顔で偽サトシへ近づき、怒った顔で睨みついた。
…ああもう、まだ意識が朦朧としてるし事情は分かるけど説明し難い状況に敵意を向けられて段々イライラし始めると、ボールからゲッコウガが出て来て俺を擁護するように守る。
それに呼応する様にボールからウーラオス、ダネさん、トゲさん、カイリュー達が出て来て偽サトシを守るように立った。
因みに、それに同調してラティアスもキリッとした顔で偽サトシのポケモン達に並んで両手を腰に当てて胸を張っていた。
「ぽ、ポケモン達がボールから出てきて守ってる…?」
『…』
ラティアスと偽サトシのポケモン達の態度を見てラティオスは偽サトシを訝しみながら見ていた。
「サトシ!!」
そこへ後から来たセレナ達とボンゴレがやって来た。
・劇場編『水の都の護神ラティアスとラティオス』に入った。
アルトマーレって風景と音楽が良いですよね。
…それは兎も角、時系列的に違うかと思いますがここではジョウト地方に入って早々に劇場編に突入しました。
偽サトシとラティアス達の辿り着く先は如何に…!?
・偽サトシは護身にワイヤーを携帯所持している。
今はただの拘束専用のワイヤーだが、次第に進化する予定。
『偽サトシ』
劇場版の話に入ってかなり神経質になってる。
…結末を知っている以上はある意味当然だが…。