天地無双騎士団様
池の鴨様、さぎとも様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。
偽サトシ達が一つ目のジム…ニビシティにいる辺り、ピカニートは今日も『ケンキュウジョ』で堕落の生活を送っている。
ここへ来る前までは色々と大変だったが、今は完全に食って寝ての生活を送って野生生活の厳しさを完全に忘れている。
…きもーち、身体全体に肉がつき始めているのかもしれない。
『ウー!!』
「分かった分かった。
……んじゃ行くぞ!
誰がこいつを手に出来るか、なぁあ!!」
偽サトシはフリスビーを力強く投げ飛ばす。
その瞬間にラティアスと偽サトシのポケモン達は一斉に飛び出してフリスビーを取ろうとする。
最初に取ったのは…ゲッコウガだった。
『コウッ!』
勝ったゲッコウガはガッツポーズをし、他のポケモン達は悔しそうに項垂れる。
「ははっ、最初に手にしたのはゲッコウガだったな。
…でも、まだまだ始まったばかりだ。
次に手にするのは誰か、なっ!!」
一瞬でゲッコウガ達の元へ駆け寄っていた偽サトシがゲッコウガからフリスビーを受け取ると共に頭を撫で回して再び投げ飛ばす。
それを見て再びポケモン達はフリスビーを取るべく飛び出すのだった。
次に手にしたのは…ラティアス。
手にしたラティアスは大喜びで舞い上がり、偽サトシにフリスビーを渡すと同時に撫で回されて上機嫌になって、再びフリスビーを手にすべく取り合うのだった。
…その光景を微笑ましく見守るのはこの緑の溢れる神秘の園の管理しているボンゴレとその孫のカノン。
そして、楽しそうにしてる妹のラティアスを見て静かに微笑んでいるラティオス。
そして、セレナ達もボンゴレ達とベンチに座って偽サトシ達の様子を見ていた。
「それにしてもここも凄く綺麗な場所。
アルトマーレの水路の光景も良いけど、ここの緑溢れる神秘的な場所も素敵。」
「そうよねぇ。ウチのジムにもこんな場所が欲しいわ。」
「ああ。そこにカノンさんの様な魅力溢れる女性がいると…イテテテ!」
「はいはい。あんたは手入れでもしてて頂戴。」
「ひどぅい…(泣)。」
「ははは、色々とあったがキミ達ならここへ招いても大丈夫で安心したよ。」
「もう…お爺ちゃんはもうちょっと警戒してよね?
ここは私達以外禁止なんだからね。」
「…あのぉ、カノンさん。
どうしてここは誰も侵入禁止なんですか?」
セレナが疑問に思い問い出すと、カノン達は説明し始める。
ここはラティアスとラティオスの兄妹の住む場所で、時々他の仲間達が訪れる唯一の場所。
そして、ここには『いのちのしずく』と呼ばれるラティアスとラティオス達にとって大事であり、このアルトマーレにとっても大事なモノらしく。
それを先祖代々から守って来たらしい。
「『こころのしずく』は災いを守ると同時に災いを招くとされている。
詳細は子孫の我々にも深くは伝えられていないが、ラティアスとラティオスの命に関わるとだけは伝わっているんだよ。」
「家族同然のラティオスとラティアスを守る為、ここへ入らない様にして来たのよ。
…まさか、ラティアスから彼をここへ連れてくるだなんてね。
こんな事、今までに無かったのにどうして急に?」
カノンの疑問にセレナ達は「「「サトシはポケモンに愛される何かを持ってるから(な)」」」と即答する。
「でも、ラティオスはどうしてラティアスとサトシの接点を知ってたのかしら。
私達としては助かったのだけど、カノンさん達にも伝わって無いのに…どうした?」
「それはここのラティアスとラティオスだけが持つ力…『ゆめうつし』で共有していたからだ。」
『ゆめうつし』…本来ラティアスとラティオスには持ち得ないが、ここに住む二人だけが持つ特別な力。
その能力は視覚と思考の共有が出来るらしく、その思考の共有でラティアスが人に襲われたが、偽サトシとゲッコウガに助けられた事がラティオスに伝わっていたのだ。
「へぇ、便利な力を持ってるのねぇ。
…私もその力があったらサトシと…。」
セレナはゴニョゴニョと自分の世界に入って恥ずかしがったり赤面してニヤけたりしていた。
「…彼、サトシくんだったわね。
なんか凄い罪作りな子なのね。」
「ええそうなんです。」
タケシはチラリとカスミの方を見て呟いた。
「…でも、本当に不思議ね。
「ラティアスだけじゃない。
ラティオスも、まだ疑いの目を向けているがサトシくんが敵じゃないと感じてる様だしな。」
ラティオスの方…偽サトシ達のいる所にいて、気がつけばラティアスと共に偽サトシとフリスビーで遊んでいた。
「…さっき、ワシにラティオスが『ゆめうつし』を見せてくれたのだが、サトシくんはラティアスを狙っていた2人の女から助けてくれていた。
その時、ラティアスはサトシくんの不思議な何かを見て感じ取っていた。
それが関係しているのだろうか。」
「それも気になるけど、その女って何者なの?」
「それは私が知ってます。
ニュースで話題に上がっていた怪盗姉妹なんです!」
「……成程。確かその際盗んだモノには『こころのしずく』について記されていた書物だったな。
ここに来ていたのは偶然では無かったのだな。」
「でも、どうしてラティアスだとバレたのかしら。
ラティアス達は『ゆめうつし』以外にも姿を変える力を持ってるの。
その力で私に変化した姿は瓜二つで見分けつかない筈なのに…。」
「確か、ジュンサーさんに引き渡した際にあの人達の荷物のノートパソコンとゴーグルからサトシが見抜いたんじゃないかって。」
「…彼女達は高額賞金が付いている。
それ程の者達ならば、書物から得た情報からそういった手段を持っていても可笑しくは無いか。」
「…それは危険ね。
もうラティアスが外へ出るのは止めるように言わないといけないわね。」
「で、でももう安心じゃないかと。
怪盗姉妹はサトシが捕まえた訳なので。」
「それはそうなのだけど…。」
「まぁそれはワシ等がこれから決める事だ。
キミ達はここの事を他言せんようにしておくれ。」
ボンゴレに言われてセレナ達は頷いた。
…その間、偽サトシ達はフリスビーを辞め、ラティアスに振り回されてブランコで遊んでいた。
その時、ラティオスは偽サトシをじっと見ていた。
「…もしかして、どうしてラティアスを助けてくれたのか気になる?」
偽サトシの問いに頷くラティオス。
「そう難しい話じゃねぇさ。
俺には『波導』という力を持っていてその力があったからだろうな、ラティアスの助けてって思いが届いたからだろうさ。」
偽サトシがそう答えると、ラティアスが『?』と可愛らしく反応して、偽サトシは「何でもないよ」とラティアスの後ろに乗ったまま頭を撫でて気を逸らさせる。
「…だからって助けるものなのかって顔をしてるな。
俺は助けるよ。
それが正しい事だと思ってるからな。
俺が一方的に助けただけだから、お前はラッキー程度に思えば良いさ。
…けど、今回は何とかなったけど、明日には俺達はここを立つから気をつけろよ。」
『…』
「その感じはそれでもどうしてって顔だな。
…昔、お前と違うラティオスと遊んでた事があってな。
だから知ってるんだ。
『ラティオス』『ラティアス』というポケモンは心優しいポケモンだってな。
お前等が悪欲まみれな連中に利用される所なんて見たくないからさ。
それに…。」
俺は楽しそうにしてるラティアスを優しく撫でる。
「女の子は幸せそうに笑ってる方が良いからな!」
俺がそう言うといつの間にかゲッコウガがブランコの上に乗って頷いており、辺りにいた俺のポケモン達が駆け寄って一緒に笑い合っていた。
それを見ていたラティオスは外にはこんな人間がいるのかと思った。
そんなラティオスに…偽サトシは手を差し伸べる。
「次は、お前の番だぜ。
折角だから夕方になるまで思い出作ろうぜ。」
ラティオスは差し伸べられた手を…取るのだった。
夕方となって、そろそろお開きという事で俺達はポケモンセンターに戻ろうとする。
ラティアスが物足りないと帰さないとしていたから、「明日また顔出すから」と強引だが納得してもらった。
…明日別れる時が少し怖い気がするが、まぁ多分大丈夫だろう。
とまぁ、そんなこんだでポケモンセンターに戻った偽サトシ達一向。
そんな偽サトシ達を見て駆け寄る人物が。
「失礼。キミはサトシくんで良かったかな?」
「えっ、はい…。あの、あなたは?」
「ああすまない。私は…こういう者だ。」
「それは…国際警察の手帳!」
「コードネーム:ハンサム。
私の事はハンサムと呼んでくれればいい。」
ああ、思い出した!
確かハン、サム、シャキィ……まぁ、アニポケにも出ていたあの人だ。
この人がワザワザ俺に会いに?
「ああ、もしかして昨日の事ですね。
あの、正直困っている子がいたから助けて、向こうが手を出してきたので正当防衛で俺…じゃなくてあの、僕は───」
「…この事をキミに伝えるのは良くないと思うが、緊急時でな。
キミが捕らえてくれた怪盗姉妹にな…逃げられてしまったのだ。」
「「「「ええ!!?」」」」
「…場所を移そうか。」
と、俺達の宿泊部屋に入って詳細を聞いた。
曰く…怪盗姉妹はジュンサーが目を離した隙に脱獄されたらしい。
その事に気づいたのは呑気に昼ご飯を食べ終えた後に気がついたらしい。
ふざけんなっ…!
何まんまと逃してやがるっ!!
ラティオスの命がかかってんだぞっ!!
俺は血相変えてラティアス達に知らせる為に秘密の庭園へと向かうのだった。
「…一応この事は他言無用で頼む。
あの2人は狙った獲物は逃さない…だから再びここで何か暗躍するだろう。
私が責任持って捕まえるから、キミ達は首を突っ込まない様に気をつけるんだぞ。」
夜…偽サトシは直ぐに庭園にいたボンゴレとカノン、そしてラティオスとラティアスに告げておいた。
事前に伝えたから警戒してるし、後にハンサムやジュンサーが血眼になって探してるから多分大丈夫…だと思いたい。
逃したジュンサーは責任持って捕まえろ。
捕まえるまで休むんじゃねぇ。
「大丈夫よ、サトシ。
ハンサムさん達がきっと何とかしてくれる筈よ。」
「そうそう。国際警察というベテランさんなんだから信じなさい。
あんたが出張るまでも無いわよ。」
「時には信じる事も大事だぞ、サトシ。」
セレナ、カスミ、タケシは気遣ってくれるが…この世界の警察って割と信用出来ないんだよ…。
心配しすぎて夜眠れないまま、時刻は既に0時を超えており…微かに建物が揺れ始めていた。
その揺れは一回に終わらず、徐々に揺れてたり…まるで何かが起きている事を知らせている様に…。
そんな時───
「んっ…!? 何か、嫌な予感がする…!!」
俺が慌ててベットから立ち上がると…窓から『クォオンッ!』と鳴き声と共にその声の主───スイクンが顔を出して俺を見て何かを訴えかけていた。
「スイクン…!?」
間違いない。
このスイクンはジョウトに入ってから出会ったあのスイクン。
…て事は何かが起ころうと…いや、何かが起こってるんだな!?
スイクンが背を向けて『乗れ』と訴えかける。
ここからラティアス達の庭園まで距離がある為、俺はスイクンの力を借りる事にした。
「…ん? サトシ、どうした………って!
す、スイクン…!?」
「悪いタケシ! 説明してる暇はねぇみてぇだ!
この揺れは何か起きてる事の序章だ!
俺はスイクンの力を借りて直ぐにラティアス達の所へ向かう!
タケシはセレナとカスミを頼む!」
と、起きたタケシに伝言を伝えて俺はスイクンに方向を教えて庭園へと駆けて行くのだった。
スイクンは水の上を自由に飛びかけており、あっという間に庭園へと辿り着く。
庭園はやけに静かだった。
この静かさは逆に妙であり、スイクンに乗ったまま辺りを巡回していると…『こころのしずく』が眠っているとされる噴水近くでカノンの帽子が落ちており、辺りには争った形跡があった。
「クソッ!」
やはりあの怪盗が脱走されたのは不味い案件だった。
捕えれば終わりじゃなかった。
こんな事なら…みんなにやりすぎだと思われてでも、手足を折ったりでもすれば良かったんだ…!
『コウッ!』
ボールから飛び出したゲッコウガが偽サトシの悪い考えに反応してチョップをかまして冷静になれと告げていた。
「ゲッコウガ………悪い、変な事を考えてたな。
切り替えよう…今は、ラティアス達を救出する事が最優先だ。」
『コウッ!』
ゲッコウガは頷き、スイクンもそれを見て安堵の顔をしていたが、直ぐに切り替えてこの場を後にする。
「ここ以外なら多分………あの博物館にあった古代機械の所だ!」
スイクンに乗って急いで向かう中、偽サトシ達を阻む様に…博物館の床や壁、天井の化石のカブトプスとオムスターが妙なオーラで包まれた仮初な肉体を持って攻撃して来た。
「…こんなのにかまけてる場合じゃねぇ…!
今こうしてる間にも…!」
昨日のラティアスが助けを求めてる様に波導で感じ取っているからだ。
助けて…助けて…って!
「…全開で行くぞ、ゲッコウガ!
フルパワーだぁぁぁあああ!!!」
『コウガァァァアアア!!!』
偽サトシとゲッコウガの力が重なり合う。
ゲッコウガから凄まじい水の柱が立ち、それがゲッコウガをヴェールの様に包み、全身に力が入る。
「スイクン! 悪いけど俺を乗せたまま力を貸してくれ!」
『クォオン!』
スイクンは偽サトシに呼応する様に戦闘態勢に入った。
・案の定ジュンサーの不手際で脱獄されてしまう。
基本的にアニポケ界の警察はアテにならない為に「お昼ご飯るんるるーん」としてる間に馬鹿にされながら脱獄された。
『偽サトシ』
劇場版の結末を知ってるから怪盗姉妹を無力化して警察に引き渡せば解決かと思えば、一度程度では駄目だと体感して切羽詰まってる。
『ラティアス』
一度助けてくれた程度なのだが偽サトシを大いに気にいる。
多分偽サトシにはフェロモン的な何かがあるのだろう。
明日にはアルトマーレを立つと知り、意地でも長居させようとしていた。
『ラティオス』
妹を助けてくれたとはいえ、警戒心を抱いていたが偽サトシのフェロモン的な何かが敵ではないと思わされる。
理由や偽サトシの人なりを知って密かに好感を抱いている。