ロット子爵様、ヤマダ13000様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。
「ちょっとどう言う事なの!?
『こころのしずく』によって蘇った化石兵は不死身の怪物なのよ!?
なのにどうしてあのガキンチョなんかにやられるのよ!?」
古代装置で化石兵を蘇らせて捜査していたリオンは激しく動揺していた。
「…あっ。思い出したわ。」
「何よ姉さん!」
「そう怒鳴らないでよ。
…何処かで見たような気がして何かなって思ってたけど。
あの子、確かこの前のカントーリーグでファイヤーを倒したっていうマサラタウンのサトシよ。」
「…マサラタウンの、サトシ…?
───はっ!!」
リオンは『マサラタウンのサトシ』というワードで思い出し、苦い顔を浮かべながら親指を噛む。
しかし、リオンが操作している古代装置に繋げて情報を読み上げている端末から更なる情報を得て…嫌な笑みを浮かべる。
「へぇ、この装置…『こころのしずく』とラティアスとラティオスの力でこんな事も出来るのね?」
「なぁに? なんかいい策が浮かんだの?」
「ええ姉さん。」
リオンは『こころのしずく』を通して古代装置の最終防衛システムを作動させる。
それによりラティアスとラティオスが苦しみ始める。
二人の悲痛の叫びで眠らされていたボンゴレとカノンが目を覚ます。
「やめろ! やめるんじゃっ!!」
「ラティアス!! ラティオス!!」
「まぁまぁ、特等席でいられるんだから大人しくしてなさいな。
エーフィ、もう一回《あくび》。」
ボンゴレとカノンは眠気から抗おうとするも虚しく意識を失うのだった。
ポケモン達の力で博物館に辿り着いた偽サトシ達は急いで博物館内部へと進んだ。
「ラティアス、ラティオス! 助けに来たぞ!」
「カノンさん! ボンゴレさん!」
偽サトシ達が目にしたのはジラルダンの時のような装置で拘束されたラティアスとラティオス、そして壁に拘束されて眠らされているカノンとボンゴレの姿があった。
偽サトシが来た事でラティアスが反応するが、直ぐに装置によってラティアス達が苦しみ始めた。
「あら、もう来ちゃったのね。」
今回の騒動を起こした元凶の1人…ザンナーが余裕のある態度で堂々と偽サトシ達の前に立ち塞がる。
「怪盗姉妹の姉、ザンナーだな。
大人しくお縄になるがいい。」
「なるわけないでしょ?
国際警察のクセに大した事ないのね。
…脅威になるのは、私達を一度捕らえたそこの坊やくらいかしら。
ねぇ? マサラタウンのサトシくん?」
大人の色気で戦意を奪おうと考えてるのだろう。
現にこの緊急時だというのにタケシは案の定虜になりつつあったが、即座に煩悩を抑えるように自分で頬にビンタして理性を保つ。
それを見てカスミは安堵するも…偽サトシの方は大丈夫かとセレナが対応する。
「サトシ、あんな人の色気に負けちゃ……だ…め……。」
セレナは偽サトシの方を見て焦るも表情を見て言葉を失う。
何しろ、今の偽サトシはタケシのように誘惑に負けそうになってる何処ろか怒りを通り越した殺意を相手に向けていたからである。
「…何、あの子……大人でもあんな殺気、早々出来るもんじゃないわよ。」
「生意気ね。でも、本物の大人の怖さは知らないんじゃない?」
姉妹は互いに不適な笑みを浮かべる。
「じゃっ、見せてあげましょうか。」
「私達を相手にすると怖いってね!」
「出てきなさい、マニューラ!」
「姉さんと一緒に時間を稼ぎなさい、エアームド!」
ザンナーとリオンはそれぞれマニューラとエアームドを繰り出した。
「サトシ、今時間稼ぎって…。」
「ああ、速やかに倒さなきゃならねぇな…!」
「だったらここで一気に叩くしかないな!
頼むぞ、イワーク! サイドン! ゴローニャ!」
タケシは一気に3匹のポケモンを繰り出して対抗する。
「サトシ! あのマニューラ、エーフィ、アリアドスはこっちに任せろ!」
「頼む!」
「おっと、そう上手くいかないわよ。
エーフィ、イワークに《サイコキネシス》。
操ってサイドンとゴローニャを倒しちゃいなさい。
マニューラ、あんたは抗おうとするイワークにダメージを入れつつエーフィのアシストよ。」
ザンナーの指示した通りにエーフィが《サイコキネシス》でイワークにダメージを入れつつ操って武器の様に振るい、サイドンとゴローニャに攻撃していく。
イワークが抗おうとするが、マニューラがそれを《ひやみず》で妨害する。
「くそっ! あのエーフィとマニューラ、かなりのレベルじゃないか…!」
「私達がただの怪盗だと思ったら大間違い。
トレーナーの腕前だって一流なのよ。」
タケシの手助けに行きたいが、今はラティアス達の方が最優先だ。
それにタケシなら何とかしてくれるだろう───
「サトシ! アタシとセレナでタケシのフォローに───」
「おっと、そうはさせないわよ。
そこのお嬢さん達と国際警察達にはアリアドスとエアームドで充分!」
リオンがアリアドスとエアームドに指示すると、アリアドスは《いとをはく》でカスミ達を拘束しようと動き出し、カスミがスターミーとキングラーを繰り出して何とか防ぐもエアームドが横槍をいれに《ドリルくちばし》で攻撃を仕掛けており、それをハンサムのグレッグルの《かわらわり》で奇襲して攻撃を逸らしていた。
セレナは手持ちのレベルが低い為に戦闘には参戦出来ないが、隙を見て壁にいるカノンとボンゴレを解放するタイミングを伺っていた。
タケシの方は何とか抵抗しようと試行錯誤しているが、カスミの方は苦しい為に手助けに向かおうとするが…。
「あんたは私が直々に潰してあげるわよ、坊や。
あんたのせいで一度捕まる屈辱を味あわされたもの。
簡単には許してあげない。
ついでにスイクンも捕まえて裏社会に売り出してあげる。」
そう言うとリオンはカブトとオムナイトの化石兵を差し向ける。
「おいおい、まだいたのかよ。
だが、この程度の連中に───」
「今度は数でものを言ってあげる。」
カブトとオムナイトの化石兵はそれぞれ5体の計10体の相手になった。
「ちっ、あのアマ…ずる賢さも一級品か…!
スイクン! 速攻でケリつけるぞ!」
『クオォン!』
俺はカイリュー、ウーラオス、フシギダネを繰り出してスイクンと共に化石兵に攻撃を仕掛けるのだった。
エーフィによってイワークを操られているので苦戦しているタケシ。
「…なんて言うやり方だ。
如何に相手を精神的に追い詰めるのかを熟知している…!」
「エーフィの《サイコキネシス》を受けながら、操ってあんたのポケモン達を追い詰めてるってのにそこそこタフね。
レベルだけなら私のエーフィよりも上かしら。」
「…そりゃ、5年間ジムリーダーを務めていたからな。」
「へぇ、あなたジムリーダーだったの。
けど、この程度なら大した事無いのね。
ジムリーダーっていうのは。」
「…それはどうでしょう。」
そう言ってタケシはサイドンだけでイワークを受け止めさせ、ゴローニャでエーフィに《まるくなる》からの《ころがる》で攻め上がる。
しかし、それをマニューラが立ちはだかって《ふぶき》を仕掛けて来る。
《ふぶき》は『こおりタイプ』の高火力技だが、マニューラ自体が特殊攻撃力が低い事もあって拮抗する。
そこへ更にタケシは《かえんほうしゃ》も指示して炎を纏った《ころがる》により、《ふぶき》を無力化してマニューラに激突する。
その攻撃でマニューラは戦闘不能になる。
「嘘でしょ!?」
「まだだ!! ゴルバット!」
隙を突いて出していたゴルバットの《ちょうおんぱ》でエーフィを『こんらん』状態にする。
幸いにもエーフィの特性が『シンクロ』の為にまんまとやられ、《サイコキネシス》から解放されて自由になったイワークが《もろはのずつき》でやり返してエーフィを戦闘不能にする。
「わ、私のエーフィとマニューラが…!」
動揺するザンナーにゴルバットが立ち塞がり、無防備な状態にザンナーは降参する。
「こっちは何とかなったな。
イワーク、ゴローニャ、サイドン。
よく頑張ってくれた、ゆっくり休んでくれ。」
タケシは疲れ切った3匹をボールに戻すのだった。
リオンのアリアドスとエアームドを相手にカスミ達は苦戦していた。
スターミーとキングラーはアリアドスの相手に攻撃を仕掛けるが、《いとをはく》を振り払いながら放つ《どくどく》から回避するのに手一杯の中、エアームドの攻撃にハンサムのグレッグルは吹き飛ばされて戦闘不能になってしまう。
それにより、碌に戦えるのはカスミだけとなっていた。
「私がしっかりしないと…!
スターミー! 《こうそくスピン》からの《ねっとう》!」
偽サトシの戦法を真似て2つの技を掛け合わせてアリアドスに攻撃を仕掛ける。
流石のアリアドスもその攻撃にダメージを負うも、倒れずに《いとをはく》でスターミーを拘束し、《どくどく》を浴びさせられて《ねばねばネット》で完全に拘束されてしまった。
「スターミー!!?」
カスミが悲鳴に近い声を上げる。
しかし、それだけで終わらずキングラーの方もエアームドの空から《エアスラッシュ》の斬撃を連続で飛ばしてキングラーを徐々に追い詰めていき、隙を見てキングラーに《ドリルくちばし》でダメージを負わせ、キングラーが伏した所へエアームドが足で踏み抑えた。
2匹のカスミのポケモンがリオンのポケモンに屈してしまった。
残る手持ちは陸適性の無いシードラに相手とのレベルの差があるニョロモとパルシェンにコダック。
「…どうすれば良いの。
このままじゃ、スターミーが…!
キングラーもダメージを受けすぎて…!」
切羽詰まるカスミ。
そこへセレナがフォッコを出しており、《ほのおのうず》でアリアドスとスターミーを巻き込んで放った。
アリアドスは『ほのおタイプ』の技に弱いが、レベル差もあって大したダメージにはならず、炎の渦も《クロスポイズン》で無力化されてしまう。
「セレナ…!? あんたのポケモンのレベルじゃ…!!」
「分かってる! でも、今がチャンスよカスミ!
スターミーに指示出して上げて!」
セレナの言葉にカスミはスターミーの方を見る。
さっきのセレナのフォッコの《ほのおのうず》により、《ねばねばネット》と《いとをはく》の完全拘束を溶かして解放されていた。
「今よスターミー!
辛いでしょうけど頑張って!
アリアドスに《サイコキネシス》よ!」
スターミーが『もうどく』状態であるが、力を振り出して《サイコキネシス》でアリアドスに大ダメージを入れる。
そこにフォッコの《サイケこうせん》も加わってアリアドスは戦闘不能にまで追い詰めた。
「やった!」
「ありがとセレナ! 今のうちにハンサムさんと一緒にボンゴレさんとカノンさんを!」
「任せて!」
「了解した!」
ボンゴレ達はセレナとハンサムに任せ、気合を入れ直したカスミがキングラーにエアームドの足をハサミの腕で挟み付け、もう片方の腕で《クラブハンマー》を指示する。
カスミの指示でキングラーは力を振り絞って《クラブハンマー》でエアームドに連続で叩き始め、エアームドに取り押さえられている足を挟む事で吹き飛ばされずに連続で叩き込んでいた。
次第にキングラーの足掻きにエアームドが体を倒し始める。
そこへキングラーが立ち上がり、《ねっとう》を指示してエアームドを戦闘不能にした。
「ご苦労様。スターミー、キングラー。」
そう言葉をかけると、実はセレナと共に待機していた偽サトシのトゲチックが《いやしのすず》でスターミーの『もうどく』を治し、《いのちのしずく》で最低限回復させた。
「ありがとうトゲチック。
二人共、ボールの中で休んで。」
体力は回復させたとは言え、疲労が溜まっている2匹をボールに戻したカスミ。
その間にセレナとハンサムが壁に拘束されていたボンゴレとカノンを解放するのだった。
偽サトシ(カイリュー、ウーラオス、フシギダネ)とスイクンは力を合わせて化石兵を薙ぎ払う。
しかし、化石兵はポケモンでは無いため、リオンが操作している装置から無尽蔵にエネルギーを補給されており苦戦していた。
『………クォ…。』
伝説とはいえ連戦が続いて疲労が溜まっており、化石兵達の《ロックブラスト》を受け始めた。
「クソッたれぇえ! 大した攻撃力と耐久はねぇ癖に不死身と数で消耗するだけじゃねぇか!」
文句を漏らす偽サトシだが…装置によって苦しんで悲鳴を上げるラティアス達の声に早く何とかしなければ…という焦りに解決策が思いつかない状態だった。
カイリュー、ウーラオス、フシギダネで蹴散らしていると───
「ご苦労様。もう足止めは十分よ。」
リオンがそう呟くと、偽サトシ達に飛びかかろうとすると同時に自爆する様に体を異様な点滅をさせ…化石兵が一斉に爆発する。
爆発が起きてセレナ、タケシ、カスミが「「「サトシ!!!」」」と叫ぶ。
煙から晴れると…偽サトシはオレ式喧嘩殺法『八卦掌・回転』で爆発から免れていた。
「ぜぇ……ぜぇ……カイリュー、ウーラオス、フシギダネ!
スイクン! 無事か!?」
偽サトシが叫ぶと、煙から晴れるとそこには…フシギダネを庇ったカイリューとウーラオス、そして大ダメージを負ったスイクンがヨロヨロと立ち上がる。
「カイリュー…ウーラオス…すまない…。」
『ダニャ…。』
フシギダネは申し訳ないと二人に語るも、カイリューとウーラオスはニィと笑って返し、これ以上は戦えない二人を偽サトシはボールに戻した。
「…っ、この野郎…!!」
「野郎じゃ無いわよ。
頭に血が昇りすぎてカルシウムが足りてないんじゃない?」
偽サトシを煽るリオンの方は───古代装置が異常な変貌を遂げていた。
前までの異様な建造物から巨人を模した兵器になって、偽サトシを見下ろしていた。
「なんか凄い事になってんじゃない?
これが『
「ええ姉さん。ちょっと待ってて。
さっさと生意気な坊やを片付けて何もかも貰っちゃいましょう?」
リオンは古代装置を起動させて偽サトシへと迫る。
偽サトシと怪盗姉妹の戦いはクライマックスへ───
・原作映画とは違って古代装置が不気味な変貌を遂げた。
映画とは完全に異なるラスボスと化した古代装置。
果たして、ポケモン達がボロボロとなり…ラティアスとラティオスが人質となってる状況で偽サトシは勝てるのだろうか。