ENTUM23   作:マブラマ

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第111話 バステト・ゼンチョウガ・ソニア...パズドラ消された萌実がブチ切れ発狂!

2019年7月21日 萌実自宅

 

 

萌実の自宅リビングは、VTuber界のキラキラとカオスが交錯する戦場と化していた。7月19日に公開された織田信姫との「VTuber戦国バトル」が大バズりし、『【天才萌実先生】配信者の相関図書いてみた!【6限目】』が銀河級の人気を誇る中、萌実はあおぎり高校の音霊魂子、水菜月夏希、4月15日にデビューしたばかりの石狩あかりを自宅に招待。だが、なぜかベノちゃんとエイレーンがちゃっかり混ざり、過去のパズドラ破壊史を彷彿とさせる不穏な空気が漂っていた。リビングの壁にはミライアカリのキラキラポスター、猫宮ひなたのアクリルスタンド、『バーチャルさんはみている』の打ち切りグッズが並び、テーブルには『ミライアカリオルタネイティヴⅡ』の試作用パンフレットが転がる。夏コミ(No.1251)への期待が高まる中、萌実の新3D衣装の指ぬきグローブとショートパンツが、彼女の気合いを物語っていた。

「いらっしゃい!」

萌実が玄関で笑顔で迎える。彼女のアップにした髪型が揺れる。

「初めまして、音霊魂子です。」

魂子が落ち着いた声で挨拶。彼女のロックな雰囲気が部屋にクールな風を吹かせる。

「夏希だよー♪」

夏希が元気いっぱいに手を振る。彼女の純粋な笑顔がキラキラ。

「石狩あかりです! あなたが萌実さんですね。デビュー当時から拝見していますよ!」

あかりが新人らしい初々しさで頭を下げる。

「えへへ、ありがとう―――で? 何でアンタ達がいるのよ。」

萌実がベノちゃんとエイレーンをチラリと睨む。

「面白そうだったから夏希が誘っちゃった♪」

夏希が無邪気に笑う。

「ごめんなさい。夏希は純粋な女の子なんだ。」

魂子がフォローしつつ、苦笑い。

「……入っていいわよ。」

萌実が渋々頷く。

「イエーイ!♪」

夏希が飛び跳ねる。5人は萌実の部屋に移動し、待機することに。部屋はVTuberグッズの宝庫だった。

「凄いですね……ミライアカリさんのポスターやゲーム部の関連グッズ、バーチャルさん関連グッズも…。」

あかりが目を輝かせ、部屋を見回す。

「夏希の家にある戦術機より多いよ。」

夏希が感心したように言う。

「今日、泊まるんだよね? 良かったね夏希。」

魂子が微笑む。

「うん! 楽しみー♪」

夏希が手を叩く。萌実がキッチンから戻ってくる。

「みんなー、お腹空いたでしょ? 夕御飯作ったから食べにおいでね♪」

「やったー!」

夏希が飛び上がる。

「今日はハンバーグだよ♪」

萌実が得意げに言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

18:00

 

6人がダイニングテーブルに集まり、萌実手作りのハンバーグ、アルトビール、コールスロー(コールズッペ)が並ぶ。だが、ここで問題が。

「…。」

魂子がビール瓶を見つめ、無言。

「どうしたの?」

萌実が首を傾げる。

「萌実ちゃん、夏希たち…ビール飲めないよ…。」

夏希が困った顔。

「私達、一応高校生設定なのでそこを配慮して貰えれば…。」

あかりが新人らしく丁寧に言う。

「ごめん! 代わりになる飲み物用意するね!」

萌実が慌ててキッチンに走り、オレンジジュースを用意。ベノちゃんがニヤニヤ。

「萌実ちゃん、ドジっ子属性だね。」

「煩い。さっさと食べろ。」

萌実がムッとして返す。エイレーンが微笑む。

「萌実さん、ベアトリクスさんの影響受けたのですね。」

「ベアトリクスさんが作る料理は“シュタージスパイス”という極秘調味料使ってるけど、萌実はそんなの頼らず自分で作ったの。アイリスディーナさんのおかげでね♪」

萌実が胸を張る。

「アイリスディーナ…ENTUMの会長ですか?」

あかりが興味津々。

「そうよ。しかも国家人民軍の元兵士なのよ。」

萌実がドヤ顔。

「すごぉーい!」

夏希が目を輝かせる。

「魂子も一度会ってみたいよ!」

魂子が輝く笑顔。

「会えるわよ。そのうちに―――ね?」

萌実がエイレーンに振る。

「え? あ、そうですね…。」

エイレーンが曖昧に頷く。

「早く食べよう。ご飯が冷めちゃうよ。」

萌実が促す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後

 

 

「美味しかったね夏希。」

魂子が満足げに言う。

「うん! もうお腹いっぱいだよー!」

夏希が笑顔。

「でも何で萌実さんはドイツ料理とか作れるんですか? 材料揃うの大変だったんですよね?」

あかりが感心。

「ふふん♪ まあ、これはアイリスディーナさんやベアトリクスさんが材料調達してくれたから作れたの。普通の家庭料理では味わえないでしょ?」

萌実が自慢げに言い放つ

「ありがとう、萌実ちゃん。とても美味しかったよ!」

魂子が感謝の言葉を述べる。

「また食べたーい!」

夏希が手を上げる。

「そうですね!」

あかりが頷く。

「ふふ―――エイレーン達は?」

萌実がベノちゃんとエイレーンに目を向ける。

「あ、こんなに美味しい料理食べれて幸せです!」

エイレーンがスーツ姿で微笑む。

「うんうん、美味しかったよ!」

ベノちゃんがニヤリ。

「……ふふ、ありがとう。」

萌実が照れ笑いし優しい笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食後、6人はリビングに移動し、ゲームや映画鑑賞で夜を過ごした。萌実がNintendo Switchを手に取り、『スーパーマリオパーティ』を起動。

「よーし、みんなでパーティーゲーム勝負だ! 魂子、夏希、あかり、負けないよ!

「魂子、ロックに勝つよ!」

魂子がコントローラーを握り、気合い十分。

「夏希、絶対1位だよー♪」

夏希がキラキラ笑顔でボタンを連打。

「新人だけど、私も頑張ります!」

あかりが少し緊張しながら参加。ベノちゃんがニヤニヤ。

「萌実ちゃん、負けたらパズドラのモンスター貸してね~。」

「ふざけんな! 触ったらヴィーガー出すよ!」

萌実が睨む。エイレーンが「はぁ…やめましょうね」と仲裁。

ゲームはカオスな展開に。夏希がミニゲームで連勝し、「イエーイ!」と叫ぶ一方、萌実が「くっそー! 次は本気出す!」とリベンジを誓う。魂子が冷静に戦略を組み、あかりが新人らしいハプニングを連発。ベノちゃんは「ぷぷぷ、みんな弱い~!」と煽り、エイレーンが「私は観戦でいいです…」と逃げる。リビングは笑い声と叫び声で溢れた。ゲームの後は、映画鑑賞タイム。萌実が『バーチャルさんはみている』の試写版(後に打ち切りになる運命)を流し、「これ、ENTUMの野心作なんだから!」と自慢。夏希が「戦術機カッコいい!」と興奮し、魂子が「ストーリー、ロックだね」と頷く。あかりは「VTuberのアニメ、すごい…!」と感動。ベノちゃんが「ぷぷ、この後赤字になるなんてね~」と囁き、萌実が「黙れ!」と一喝。エイレーンが「はぁ…平和に観ましょう」とため息をつく中、夜は更けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

23:30

 

「電気消すよー。」

萌実が部屋のスイッチに手を伸ばす。彼女の部屋には、魂子と夏希がベッドを占拠し、萌実、エイレーン、ベノちゃんは床に布団を敷く。あかりは萌実の指名で別の部屋に。

「おやすみなさい萌実さん。」

エイレーンがスーツ(私服モード)で丁寧に。

「おやすみ…。」

ベノちゃんがニヤニヤしながら布団に潜る。

「ベッドで寝れて幸せだね夏希。」

魂子が微笑む。

「うん!」

夏希がキラキラ笑顔で返事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、魂子が目を覚ます。

「うーん、おはよう夏希。」

「ん…おはよう。魂子ぉ。」

夏希が眠そうに返事。

「今日、泊めて貰った事を感謝しなきゃね。」

魂子が言う。

「おはようございまーす! 先輩。」

あかりが別の部屋から元気に登場。

「石狩もおはよう!」

魂子が応じる。

「おはよー!」

夏希が手を振る。

「萌実ハウスで――何か恩返ししないと。」

魂子が提案。

「ドイツ料理を振る舞って貰ったし、萌実さんの感謝の気持ちで何か買いに行きませんか?」

あかりが目を輝かせる。

「賛成―! 魂子も行くよね。」

夏希が飛びつく。

「勿論だよ夏希。さ、行こう。」

魂子が頷く。そこに、ベノちゃんがビデオカメラを手にニヤリと登場。

「やあおはよう!」

「おはようございます。」

エイレーンが眠そうに挨拶。

「エイレーンさん、おはようございます! 良かったら私達と一緒に買い物行きませんか?」

あかりが誘う。

「行こうよ…ってあれ?」

夏希がテーブルに置かれたGoogle Pixel 3aを見つける。

「どうしたの?」

魂子が首を傾げる。

「これ…萌実ちゃんのよね。」

夏希がスマホを手に取り、パズドラアプリを開く。

「パズドラだ。萌実ちゃんやってたんだ♪」

「萌実って書いてるね―――夏希、勝手に弄っちゃダメだよ。萌実ちゃんに怒られるよ。」

魂子が注意。

「えー?」

夏希が不満げ。ベノちゃんがニヤリ。

「しょうがないなぁ…夏希ちゃん、私の代わりにモンスター売却するなり強化合成してくれない?」

「うえぇっ!? ちょっと、それは流石にヤバいよ…。」

夏希が目を丸くする。

「(ククク…夏希ちゃんを利用して罪を被せれば私は被害被らなくて済む!)」

ベノちゃんが内心で企む。

「そのスマホは元々私のモノなんだ。だから消して。」

「うぅ…。」

夏希が迷う。

「ベノちゃん…やめましょう。本当に怒られますよ。」

あかりが新人らしい真剣さで止める。

「中本の蒙古タンメン好きでしょ? 奢ってあげるからさ。ね?」

ベノちゃんが誘惑。

「やる! 蒙古タンメン食べたい!」

夏希が即落ち。

「夏希、やめた方がいいよ。」

魂子が冷静に警告。

「さあ、やるんだ。」

ベノちゃんがニヤニヤ。

「萌実ちゃん……ごめんね!」

夏希がベノちゃんの指示通りにパズドラを弄り始める。ベノちゃんの懲りない悪ノリが炸裂。2019年6月13日のパズドラ騒動でベアトリクスから1ヶ月謹慎処分を受けたにも関わらず、2017年3月、6月、2018年1月に続く五度目のやらかしだ。

「お、フリーザ。レベルMAXじゃん。この調子で強化合成だよ♪ バステトとソニアいるね。それも合成に。」

「……(本当にいいのかな…?)」

夏希が不安げにタップを続ける。

「はぁ…どうなっても知りませんよ。」

あかりがため息。

「夏希ちゃん、このぐらいにしておこう。」

ベノちゃんが満足げに言う。

「う、うん…何かヤバい雰囲気が…。」

夏希が冷や汗。

「正直に言えば許してくれるよ。モンスターは戻ってこないけど。」

魂子が冷静にフォロー。

「それじゃ、呼びにいこ♪」

ベノちゃんがスキップでキッチンへ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5人がキッチンに直行。ベノちゃんがビデオカメラを回しながら言う。

「ふぁ~、これからあおぎりはミライアカリ軍団に。」

「ならないよ。あおぎりは自由よければ何でもアリがモットーだから。」

魂子がきっぱり言い返す

「そうそう♪ 自由でいいよ♪」

夏希が笑顔。

「夏希は少し反省した方が良いよ。」

魂子が夏希を咎める。

「うぅ…ごめんね魂子。」

夏希が落ち込んだ。

「何がどうあれ原因はベノちゃんが夏希先輩をそそのかしたんですから。」

あかりが新人らしい正義感で指摘。

「私触ってないよ。」

ベノちゃんがシラを切る。

「またやらかしたのですか…私は知りませんよ。」

エイレーンがため息。

「あ、おはようみんな。」

萌実がキッチンから登場、トースト・ハワイの準備中。

「おはよう萌実ちゃん。」

魂子が応じる。

「おはようございます!」

あかりが元気に。

「萌実ちゃん…今私がふざけて撮ってるけど。」

ベノちゃんがカメラを振り回す。

「もうすぐトースト・ハワイ出来上がるから待っててね♪」

萌実が笑顔。

「私はやってないけど…。」

ベノちゃんが含み笑い。

「うん。何?」

萌実が怪訝そう。

「夏希ちゃんが。」

ベノちゃんが夏希に視線。

「うん。」

萌実が続ける。

「ちょっとパズドラ弄くってて。」

ベノちゃんがニヤリ。

「おま…朝っぱらからやめてよ…。」

萌実がムッとする。

「あぁ…ごめんなさい!」

夏希が慌てて謝る。

「?―――消してないよね。」

萌実が不穏な予感。萌実が部屋に戻り、Google Pixel 3aを手にパズドラを開く。

「私はやってないから。夏希ちゃんが全部…。」

ベノちゃんはシラを切り、自分は悪くないという態度を取る

「ベノちゃんもやってたよね?」

夏希が反論。

「やってないよ!」

ベノちゃんが否定。

「………。」

萌実が画面を見つめる。

「…。」

夏希が息を呑む。

「ぷっ…――マジかよ……終わったな。」

萌実の声が震える。

「…。」

夏希が目を逸らす。

「アンタ、私のゼンチョウガ消した?」

萌実が夏希を睨む。

「ごめんなさい…夏希、やりたくなかったけどベノちゃんが。」

夏希が涙目。

「私は消してないよ。」

ベノちゃんが平然。

「どっち消したの?」

萌実が詰め寄る。

ベノちゃんが夏希を指差す。

「え? 全部消したの?」

萌実の目が燃える。

「…本当にごめんなさい!」

夏希が頭を下げる。

「私はやってないよ。」

ベノちゃんが繰り返す。

「…。」

夏希が沈黙。

「はぁ……またか。」

萌実がGoogle Pixel 3aをベッドに投げつけ、怒髪天を衝く。

「アンタ…何してくれてんのよ!! 本当に!!!」

萌実が絶叫。

「ひぃっ! ごめんなさい!!」

夏希が縮こまる。

「何してくれんのよ! もう! あーもう! あーもう! もう! もう! もう! 何してくれてるのよ! 本当に!」

萌実がベッドに八つ当たりし、拳でバンバン叩く。彼女の新3D衣装のショートパンツが怒りに震える。

「ヤバいよ…。」

魂子が呟く。

「う…そうですね。」

あかりがオロオロ。

「あー、もう! もう! もう! ああああああああああああああ!!!」

萌実がベッドの上で駄々をこね、枕を投げる。

「帰ろう…夏希。」

魂子が冷静に言う。

「う、うん!」

夏希が慌てて頷く。

「お前、ふざけんなよ! 本当にもう! ホント、ふざけるなよ!!」

萌実が叫び、どこからかチェーンソーを取り出す。ブオオオン! エンジンが唸る。

「殺す!!!! 殺してやる!!!!!」

萌実がチェーンソーの刃をベノちゃんに向ける。

「閉めて!」

ベノちゃんが叫ぶ。

「え?」

夏希がキョトン。

「閉めて!」

ベノちゃんがドアを指差す。

「う、うん!」

夏希が急いでドアを閉め、ドアノブを抑える。ベノちゃんが「逃げる準備しといて!」と囁く。

「ええええ!? どうやって!」

夏希がパニック。

ギリギリギリ!

萌実のチェーンソーの刃がドアに突き刺さり、ゆっくり切断していく。

「うあああああああああああ!!!」

夏希が絶叫。

「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!!」

魂子が目を丸くする。

「あ…あぁ……。」

あかりが凍りつく。

「ごめんなさい!!」

夏希が叫ぶ。

「………。」

あかりが言葉を失う。

「いやあああああああああああ!!!」

夏希がさらに叫ぶ。

「夏希、逃げて!!」

魂子が促す。

ガコッ!

ドアに穴が開き、萌実の怒り顔が覗く。

「ベノちゃん……!」

「ひぇえええ、本当にごめんなさい!!」

夏希が泣き叫ぶ。

「ごめんなさい!!!」

ベノちゃんが逃げ腰。萌実がチェーンソーを携行し、ドアをぶち破って追いかける。

「お前…!」

「ひぇええええ!! ごめんなさい!!」

ベノちゃんが走る。

「本当にごめんなさい!!!」

夏希が後を追う。

「すみませんでした!!」

あかりが新人らしく謝りながら続く。

「はぁ、だから言ったのに……。」

エイレーンがため息。

「エイレーンも同罪よ!!」

萌実がチェーンソーを振り回す。

「ぎゃあああああああああああ!!!」

エイレーンが逃げ出す。リビングは一瞬にして戦場と化し、ミライアカリのポスターが震え、『バーチャルさんはみている』のグッズが床に散乱。コメント欄を想像すると「萌実、チェーンソー無双w」「ベノ、5回目のやらかし!」「夏希、巻き込まれ乙!」と、ファンが大騒ぎする光景が浮かぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

騒動から数時間後、萌実の部屋は静けさを取り戻していた。萌実がソファに座り、Google Pixel 3aを握りしめ、ため息。

「ゼンチョウガ…バステト…ソニア…全部…。」

夏希が涙目で頭を下げる。

「本当にごめんなさい! 夏希、ベノちゃんにそそのかされて…やりたくなかったけど…蒙古タンメンの誘惑に…。」

魂子がフォロー。

「萌実ちゃん、夏希は純粋すぎるんだ。ベノちゃんが悪いよ。」

「う…本当にすみませんでした。」

あかりが新人らしく深々と謝罪。萌実が目を細める。

「夏希、魂子、あかり…アンタたちは悪くない。ベノちゃんが…。」

彼女の声に、2017年3月、6月、2018年1月、2019年6月のパズドラ破壊の記憶が蘇る。

「本当にごめんなさい! 夏希、蒙古タンメンなんかいらないから…許して!」

夏希が泣きながら土下座。萌実がため息をつき、苦笑い。

「…はぁ、夏希の純粋さには敵わないよ。いいよ、許す。ゼンチョウガは戻らないけど…アンタのキラキラ笑顔で、ちょっと救われた。」

「うぅ…ありがとう、萌実ちゃん!」

夏希が抱きつく。

「魂子とあかりも、泊まりに来てくれてありがとね。次はビールじゃなくてジュース用意するよ。」

萌実が笑顔を取り戻す。

「ありがとう、萌実ちゃん!」

魂子がロックな笑顔。

「次も呼んでください!」

あかりが新人らしい元気さで言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏コミ(8月9日~12日)が終了し、ENTUM本社の名誉会長室。黒いカーテンと東ドイツ国旗が飾られた部屋で、ベアトリクス・ブレーメが厳しい目でベノちゃんとエイレーンを睨む。デスクには『ミライアカリオルタネイティヴⅡ』の成功報告書と「萌実のヴィーガーペンライト」の完売通知が並ぶが、彼女の声は氷のように冷たい。

「ベノ、7月21日のパズドラ事件、5回目だ。」

ベアトリクスが書類を叩く。

「2017年3月、6月、2018年1月、2019年6月に続き、あおぎり高校の水菜月夏希をそそのかして萌実のモンスターを消滅させた。ENTUMの名を汚した罪は重い。」

「ひぇ…ごめんなさい! ただのイタズラだっただけなのに…!」

ベノちゃんが縮こまる。

「イタズラ? 5回目だぞ! コメント欄は『ベノ、破壊魔王伝説5章!』と祭り状態だ! 夏コミの成功を台無しにする気か!」

ベアトリクスが声を荒げる。エイレーンがオロオロ。

「名誉会長、私は止めようとしたんです! ベノちゃんが…!」

「エイレーン、貴様もだ。5回も止められず、萌実のチェーンソー騒動を招いた責任は重い。」

ベアトリクスが冷たく言う。

「ぎゃああああああ…無実です!」

エイレーンが叫ぶ。

「言い訳は聞かん。ベノは色丹島支部に左遷。夏コミ後の8月13日から1年間、島で反省しろ。」

ベアトリクスが判決を下す。

「色丹島!? ネット環境悪いよ! 配信できないじゃん!」

ベノちゃんが絶叫。

「エイレーンは樺太支部に左遷。同じく8月13日から1年間、そこで規律を学べ。」

ベアトリクスが続ける。

「樺太!? 寒いじゃないですか!」

エイレーンが顔を覆う。

「夏コミブース(No.1251)は大成功だった。萌実のヴィーガーペンライトは完売、信姫とのコラボもバズった。だが、お前たちの愚行はENTUMの輝きに水を差した。出ていけ。」

ベアトリクスがデスクをバンと叩く。ベノちゃんとエイレーンがシュンとして退室。部屋のモニターには、夏コミの成功を祝うコメント欄が「萌実、無双!」「ヴィーガーペンライト、神!」「ベノとエイレーン、左遷w」と賑わう。萌実の部屋でのチェーンソー騒動は、ENTUMのハチャメチャ史に新たな伝説を刻み、夏希の純粋さ、魂子の冷静さ、あかりの新人魂が、未来のコラボへの希望を繋いだ。

 

 




作中にシュタージスパイスという調味料出てきますが、あれはマブラヴ:ディメンションズのイベントシナリオの一つでベアトリクスが料理対決で使用した代物です。
オルソン広報官もご満悦する訳だ。
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