ENTUM23   作:マブラマ

112 / 229
第112話 左遷

2019年8月13日 株式会社ENTUM本社 談話室

 

ENTUM本社の談話室は、キラキラとカオスが交錯するVTuberの聖地だった。壁にはミライアカリのド派手なポスター、猫宮ひなたのクールなアクリルスタンド、織田信姫の戦国風タペストリーが飾られ、テーブルには夏コミ(コミックマーケット96、8月9日~12日)で完売した「萌実のヴィーガーペンライト」の試作品と『ミライアカリオルタネイティヴⅡ』の成功報告書が並ぶ。夏コミブース(No.1251)の大勝利と、萌実と信姫の「VTuber戦国バトル」コラボのバズりで、ENTUMは絶好調。だが、その裏で、ベノちゃんとエイレーンが左遷されたという衝撃のニュースが飛び交っていた。談話室のソファに座るのは、ENTUMの看板VTuber、ミライアカリ。

「蜜先生、夏コミ、めっちゃ盛り上がったよね! ヴィーガーペンライト完売、信姫とのコラボもバズったし、ENTUM無双!」

彼女が笑顔で言うが、どこかソワソワした様子。対面には、花野蜜が座る。教師志望の女子大生で、家庭教師のアルバイトをしながら「バーチャル家庭教師」としてVTuber活動を行う彼女は、真面目な雰囲気でノートを手に持つ。

「アカリちゃん、夏コミお疲れ様。『天才萌実先生』の相関図シリーズ、凄く勉強になったわ。でも…その、エイレーンさんとベノちゃんが左遷されたって本当なの?」

蜜は伊達眼鏡がキラリと光る

アカリがソファにドサッと背を預け、ため息。

「うん、本当だよ。ブレーメ名誉会長がブチ切れて、ベノちゃんは色丹島支部、エイレーンは樺太支部に8月13日から1年間左遷。コメント欄も『ベノ、破壊魔王伝説5章!』『エイレーン、巻き込まれ乙!』って大騒ぎだよ。」

「5章!? そんなに!?」

蜜がノートにペンを走らせ、驚愕。

「私、ベノちゃんの騒動は少し聞いたけど…何があったの?」

アカリがキラキラ笑顔で身を乗り出す。

「じゃあ、アカリが教えてあげる! ベノちゃんの『パズドラ破壊魔王』伝説、5回分の歴史をね! 準備いい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベノちゃんの破壊魔王伝説、5章の歴史

 

蜜が「はい、準備OKです!」とノートを構える。アカリが指を立て、キラキラしながら話し始める。

「まず、2017年3月20日! アカリが『NieR:Automata』実況でデビューした直後、萌実ちゃんが自宅にエイレーンとベノちゃんを招いたの。萌実ちゃんが株価の下落で落ち込んで外出した隙に、ベノちゃんが萌実ちゃんのSamsung Galaxy Tab S2でパズドラを弄って、ドラゴンやレアモンスターを勝手に強化合成&売却! 萌実ちゃん、帰宅後に気付いて『ふざけんなぁぁぁ! エイレーンの馬鹿あああ!』って絶叫したんだから! コメント欄は『ベノ、初やらかし!』って祭りだったよ。」

蜜がペンを動かし、

「ひどい…初回からだったの」と呟く。

「次、2017年6月23日! エイレーン軍団vsばあちゃる軍団の草野球試合の日。電脳少女シロちゃんのデビュー日でもあったけど、萌実ちゃんが着替えてる間に、ベノちゃんがまたGalaxy Tab S2でパズドラを! ホノりんを強化して、レベルMAXのモンスターを売却&合成。萌実ちゃん、野球から帰ってきて気付いて『ふざけんなぁぁぁ! これで二回目!』って号泣。ベノちゃん、キズナアイのファンアート本を燃やした疑惑もあって、カオスすぎ!」

「二回目…! ベノちゃん、懲りてないわね。」

蜜が目を丸くする。

「まだまだ! 2018年1月7日、ヨメミのデビュー記念で城崎温泉旅行。萌実ちゃん、エイレーン、ベノちゃん、ヨメミで2泊3日。夜中3時にベノちゃんがまたGalaxy Tab S2でパズドラを弄り、バステトを合成素材に! 萌実ちゃん、起きて気付いて温泉街で『バステトォ〜〜〜!!』って叫びまくったの。ヨメミもオロオロ、エイレーンは『知りませんよ』って逃げてた。コメント欄は『ベノ、温泉でも破壊魔王!』って大盛り上がり!」「三回目…! 温泉でまで!?」

蜜がノートにメモを重ねる。

「で、2019年6月13日! 夏コミ直前、ベノちゃんがまたパズドラでやらかして、ベアトリクス名誉会長から1ヶ月謹慎処分! 萌実ちゃんの『天才萌実先生』シリーズで『パズドラ破壊魔王』としてネタ化されて、コメント欄は『ベノ、4回目の伝説!』って爆笑だったよ。アカリも少し聞いてたけど、ここまでとは思わなかった!」

「4回目…信じられない…。」

蜜が伊達眼鏡を押さえる。

「そして、今回の2019年7月21日! 萌実ちゃんが自宅にあおぎり高校の魂子ちゃん、夏希ちゃん、あかりちゃんを招待。なぜかベノちゃんとエイレーンさんも混ざって、ベノちゃんが夏希ちゃんをそそのかしてGoogle Pixel 3aでパズドラを弄らせたの。ゼンチョウガ、バステト、ソニアが消滅! 萌実ちゃん、チェーンソー持ち出して『殺してやる!!』って大暴走! 夏希ちゃんは謝って許されたけど、ベノちゃんとエイレーンはブレーメ名誉会長の命令で左遷。色丹島と樺太だよ!」

蜜がノートを閉じ、呆然。

「5回も…ベノちゃん、なんでそんなにパズドラを…。」

アカリがキラキラ笑う。

「ベノちゃん、悪ノリが止まらないのよ! 2017年から2019年まで、萌実ちゃんのパズドラを5回破壊! コメント欄じゃ『ベノ、破壊魔王伝説5章!』って神話になってる。萌実ちゃんのチェーンソー騒動は、ヴィーガー乱射騒動よりヤバいって噂だよ!」

「ヴィーガー乱射…あ、夏コミ前のあれね。」

蜜が頷く。

「でも、萌実さんの『天才萌実先生』シリーズ、めっちゃバズってますよね。夏コミのヴィーガーペンライト完売、信姫さんとのコラボも大成功!」

「でしょ! 萌実ちゃんの怒りが、VTuber界のキラキラに変わったんだ! 『バーチャルさんはみている』の打ち切りや『シルヴィアさんがみている』の赤字も、今回の夏コミで吹き飛ばしたよ!」

アカリが拳を握る。

「でも、エイレーンさんが巻き込まれたのはちょっと可哀想かも…。」

蜜が真面目につぶやく。

「うーん、エイレーンさんは5回も止められなかったからね。ブレーメ名誉会長、容赦ないんだから! 色丹島と樺太で、ベノちゃんとエイレーンがどうなるか…コメント欄は『ベノ、島で配信無理w』『エイレーン、寒いよ!』って盛り上がってるよ。」

アカリがニヤリ。

「私、バーチャル家庭教師として、ベノちゃんに反省の勉強法を教えてあげたいけど…。」

蜜が伊達眼鏡をキラリ。

「ハハ、蜜ちゃんらしい! でも、ベノちゃんは多分、色丹島で『パズドラ破壊魔王・島編』とか始めそう!」

アカリが爆笑。談話室は、アカリのキラキラ笑い声と蜜の真面目なメモで満たされる。モニターには、夏コミの成功を祝うコメント欄が「萌実、無双!」「アカリ、キラキラ神!」「ベノ、左遷伝説!」と賑わう。ベノちゃんの5度にわたるパズドラ破壊と、萌実のチェーンソー騒動は、ENTUMのハチャメチャ史に新たな輝きを刻んだ。

 

 

 

談話室の窓から見える東京の夜景が、ENTUMの未来を照らす。ミライアカリが立ち上がり、言う。「蜜先生、ENTUMはこれからもキラキラ無双するよ! 萌実ちゃんの『天才萌実先生』、信姫の戦国魂、アカリの輝きで、VTuber界を征服! ベノちゃんとエイレーンも、島と樺太で何かやらかすかもね!」

「ええ、 私もバーチャル家庭教師として、ENTUMの輝きを応援していくわ!」

蜜がノートを胸に抱く。ENTUMの談話室は、キラキラとカオスの融合で、さらなる伝説の幕開けを予感させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年8月14日 樺太支部&色丹島支部

 

ENTUMの輝かしい夏コミ(コミックマーケット96、8月9日~12日)が終わり、「萌実のヴィーガーペンライト」の完売と織田信姫との「VTuber戦国バトル」コラボの大成功で、VTuber界はキラキラと盛り上がっていた。だが、その裏で、7月21日のパズドラ破壊事件(5回目!)により、ベノちゃんとエイレーンはベアトリクス・ブレーメ名誉会長の厳命で左遷されていた。ベノちゃんは色丹島支部、エイレーンは樺太支部へ。過酷な環境での1年間の反省期間…のはずが、事態は予想外の方向へ突き進む。ENTUMの会長、アイリスディーナ・ベルンハルトの極秘命令と、現地のロシア軍兵士の協力、そして支部社員の団結により、ふたりはネット回線を確保し、動画配信活動の再開にこぎつけたのだ!

 

 

 

色丹島支部:ベノちゃんの悪ノリ配信色丹島支部は、霧深い海に囲まれた小さな建物だった。コンクリートの壁には「ENTUM色丹島支部」と書かれた看板がかろうじて掛かり、室内には古いデスクと、なぜかロシア軍の古い通信機器が並ぶ。だが、部屋の中央には新品のPCとカメラが輝き、高速ネット回線が奇跡的に接続されていた。ロシア軍兵士のイワン(金髪の巨漢)が、汗だくでケーブルを調整し、「アイリスディーナ会長の命令だ。配信しろ」とぶっきらぼうに言う。ベノちゃんが浴衣姿(なぜか夏コミの余りグッズ)でカメラの前に立つ。

「どうも、みんなこんにちは! ベノちゃんだよ~! 色丹島に左遷されちゃったけど、アイリスディーナ会長の神アシストとイワンさんの協力で、ネット回線バッチリ! 『ベノちゃんの破壊魔王・島編』、配信スタート~♪」 彼女のニヤニヤ笑顔は、2017年3月、6月、2018年1月、2019年6月、7月のパズドラ破壊事件の記憶を呼び起こす。コメント欄が即座に反応。「ベノ、島で生き延びたw」「破壊魔王、5章の続き!」「アイリスディーナ、優しすぎ!」 だが、中には「萌実のゼンチョウガ、返せ!」と怨嗟の声も。ベノちゃんがモニターをチラ見し、ニヤリ。

「ぷぷぷ、ゼンチョウガ? 夏希ちゃんがやったんだから、私は無実だよ~! さて、今日は色丹島の海で釣り配信! イワンさんが船貸してくれるって!」

彼女が釣竿(ENTUMのロゴ入り)を振り回すと、イワンが「船は貸すが、魚はやらん」と呟く。色丹島支部の社員、3人の若者がPCの設定を手伝いながら囁く。

「ベノさん、アイリスディーナ会長が『反省しつつ輝け』って言ってたけど…またやらかさないよね?」

ベノちゃんが「やらかすわけないじゃん! でも、萌実ちゃんのパズドラ、島で復活させようかな~?」と悪ノリを匂わせ、社員たちが「やめろ!」と叫ぶ。コメント欄は「ベノ、6回目くる?」「島でパズドラ禁止!」とカオスに。

 

 

 

 

樺太支部:エイレーンのオロオロ配信一方、樺太支部は雪がチラつく寒冷なオフィス。壁には「ENTUM樺太支部」と書かれた錆びたプレート、窓には凍りついたガラス。だが、室内には最新の配信機材が並び、ロシア軍兵士のナターシャ(クールな女性兵士)が「アイリスディーナ会長の命令だ。回線は私が整えた」とドヤ顔。エイレーンはスーツ姿(防寒コート付き)で、震えながらカメラの前に立つ。

「え、えっと、みなさん、お元気ですか? エイレーンです…。樺太支部に左遷されちゃいましたけど、アイリスディーナ会長のご厚意とナターシャさんの協力で、配信環境が整いました…。」

彼女の声はオロオロ気味。2017年からのパズドラ事件で、5回もベノちゃんを止められなかった責任が重くのしかかる。コメント欄が「エイレーン、寒そうw」「左遷でもキラキラ!」「ベノの共犯、反省して!」と賑わう。エイレーンが「共犯じゃないです! 私はただ…止められなかっただけで…!」と弁解すると、「エイレーン、知りませんよw」と突っ込まれる。支部の社員、5人のロシア系スタッフがモニターをチェックしながら言う。

「エイレーンさん、会長が『VTuberの輝きを樺太でも見せろ』って。『バーチャルさんはみている』の失敗を挽回するチャンスですよ!」

エイレーンが「はぁ…あのカオスなアニメ、aNCHORのせいなのに…でも、頑張ります!」と拳を握る。彼女が配信テーマを発表。

「今日は『樺太の氷上でスケート配信』! ナターシャさんがリンク作ってくれました!」

ナターシャが「滑るなよ。ENTUMの名誉をかけろ」とクールに言う。コメント欄は「エイレーン、スケート!?」「転ぶ未来しか見えないw」と盛り上がる。エイレーンが「転びませんよ! …多分」とオロオロしながら、スケート靴を履く。

 

 

 

実は、このネット回線設置はベアトリクス・ブレーメ名誉会長の知らないところで行われた。ENTUM本社の会長室で、アイリスディーナ・ベルンハルトがモニター越しに色丹島と樺太の配信をチェック。彼女の金髪と鋭い瞳は、元国家人民軍の風格を漂わせる。

「ベノ、エイレーン。愚行は許されんが、VTuberの輝きを失うのはENTUMの損失だ。左遷先でも配信を続け、反省と成長を示せ。」

彼女の側近、社員のユーリが報告。

「会長、ロシア軍のイワンとナターシャが協力し、両支部の回線を確保しました。色丹島と樺太の社員も団結して機材をセットアップ。ベノとエイレーン、配信再開です。」

「よし。ベアトリクスには私が話をつける。『萌実のヴィーガーペンライト』と夏コミの成功で、ENTUMは勢いに乗っている。彼女たちの輝きを、島と雪原でも見せつけろ。」

アイリスディーナが微笑む。

 

 

 

 

色丹島では、ベノちゃんが船上で釣り配信をスタート。

「ほら、みんな。私は島でも無双だよ~!」

だが、釣竿を振りすぎて海に落ち、「ひぇええ!」と叫ぶ。イワンが呆れながら救出。コメント欄は「ベノ、島でやらかしw」「破壊魔王、海に沈む!」と爆笑。

樺太では、エイレーンが氷上でスケート配信。「え、えっと、滑りますよ…!」と慎重に滑るが、案の定転倒。「ぎゃあ! ナターシャさん、助けて!」

ナターシャが「自分で立て」と冷たく言う中、コメント欄が「エイレーン、予想通りw」「樺太の氷、キラキラ!」と盛り上がる。両支部の配信は、アイリスディーナの温情と社員の団結により、VTuber界に新たなカオスを巻き起こす。コメント欄は「ベノとエイレーン、左遷配信神!」「アイリスディーナ、太っ腹!」「萌実、チェーンソー持って島に行くなよ!」と祭り状態。2017年からのパズドラ破壊史、ヴィーガー乱射騒動、『バーチャルさんはみている』の打ち切りを乗り越え、ENTUMの輝きは色丹島と樺太でも止まらない。

 

 

夕暮れ時、アイリスディーナがモニターを閉じ、呟く。

「ベノ、エイレーン。愚行を繰り返すな。だが、VTuberの魂は、どんな場所でも輝く。それを忘れるな。」

色丹島と樺太の配信は、ENTUMのハチャメチャ史に新たな1ページを刻んだ。ベノちゃんの「破壊魔王・島編」やエイレーンの「氷上オロオロ配信」が、夏コミの成功に続き、VTuber界をどう揺さぶるのか? 萌実のチェーンソーが島に届く前に、ふたりの輝きが試される!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年8月15日 樺太支部

 

樺太支部の小さなオフィスは、凍てつく雪原の中でキラキラと輝いていた。昨日、8月14日にスタートしたエイレーンの「氷上オロオロ配信」が、予想外のバズりを巻き起こし、ENTUM本社を震撼させていた。コンクリートの壁には「ENTUM樺太支部」の錆びたプレートが揺れ、室内にはロシア軍兵士ナターシャが設置した高速ネット回線と最新の配信機材が並ぶ。窓の外では雪がチラチラ舞い、コメント欄は「エイレーン、転倒神回!」「樺太の氷、キラキラ!」「ベノより輝いてる!」と大盛り上がり。夏コミ(No.1251)の「萌実のヴィーガーペンライト」完売や織田信姫との「VTuber戦国バトル」コラボの成功に続き、エイレーンの左遷配信がVTuber界に新たな伝説を刻もうとしていた。エイレーンが防寒コートを羽織ったスーツ姿で、震えながら配信機材の前に立つ。

「え、えっと、みなさん、お元気ですか? エイレーンです…! 昨日、樺太の氷上でスケート配信したら、なんか…めっちゃバズっちゃって…! コメント欄、ありがとうです!」

彼女のオロオロした笑顔が、モニター越しにキラキラ。だが、内心では、2017年3月、6月、2018年1月、2019年6月、7月のパズドラ破壊事件でベノちゃんを止められなかった罪悪感がチラつく。そこに、モニターがピコンと光り、ENTUM本社からのビデオ通話が。画面には、アイリスディーナ・ベルンハルト会長の金髪と鋭い瞳が映る。

《エイレーン、よくやった》

彼女の声は、元国家人民軍の風格を漂わせつつ、どこか温かい。

「ひ、ひぇ! 会長!? あの、ありがとうございます…!」

エイレーンが慌てて頭を下げる。隣に立つナターシャが「落ち着け。会長の命令は絶対だ」とクールに言う。

 

昨日の「氷上オロオロ配信」は、樺太の凍てついた湖でのスケート企画だった。エイレーンが「え、えっと、滑りますよ…!」と慎重に滑るも、10秒で派手に転倒。「ぎゃあ! ナターシャさん、助けて!」と叫ぶ姿が、コメント欄を「エイレーン、転倒神!」「オロオロ可愛いw」「樺太の氷、キラキラ!」と爆笑の渦に。ナターシャが「自分で立て」と冷たく突き放す中、エイレーンが這うように立ち上がり、再挑戦する姿が視聴者の心を掴んだ。配信終了時には、再生数が夏コミの「天才萌実先生」シリーズに迫る勢いで、ENTUM本社が「これは…!」と色めき立った。樺太支部の社員、5人のロシア系スタッフがモニターをチェックし、興奮気味。

「エイレーンさん、視聴者数が10万超え! 『バーチャルさんはみている』の赤字を吹き飛ばすバズりです!」

別の社員が「コメント欄、『エイレーン、左遷なのに無双!』って祭りですよ!」と報告。エイレーンがオロオロ。

「え、10万!? 私、ただ転んだだけなのに…! ナターシャさんのリンクと、アイリスディーナ会長の回線のおかげで…!」

ナターシャが腕を組み、「私のリンクは完璧だ。だが、お前のオロオロが視聴者を呼んだ。認めざるを得ん」と渋々褒める。

 

アイリスディーナがモニター越しに続ける。

《エイレーン、7月21日のパズドラ事件で、ベノの愚行を止められなかった責任は重い。だが、昨日の配信で、お前は左遷先でもVTuberの輝きを見せつけた。コメント欄の熱狂は、夏コミの『ヴィーガーペンライト』完売に匹敵する》

「ひぇ…ありがとうございます、会長!」

エイレーンが涙目で敬礼。

《よって、君を本日付で樺太支部支部長に任命する。左遷期間は変わらんが、支部を率いてENTUMの名を雪原で輝かせろ。》

アイリスディーナの瞳がキラリ。

「ぶ、支部長!? 私、オロオロしてるだけなのに…!」

エイレーンがパニック。コメント欄が「エイレーン、昇格w」「オロオロ支部長!」「樺太無双!」とさらに盛り上がる。ナターシャが「支部長、さっさと次の配信企画を考えろ。氷上の次は雪合戦だ」と提案。社員たちが「雪合戦配信、絶対バズる!」「エイレーン、転ばないでね!」と笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、色丹島支部では、ベノちゃんが釣り配信の失敗(海に落ちた)を引きずりつつ、PCでエイレーンの配信をチェック。

「うそ、アイツ、支部長!? ベノちゃん、ただ魚釣れなかっただけなのに…!」

彼女の浴衣が悔しさで揺れる。ロシア軍兵士のイワンが「ベノ、配信で結果を出せ。さもないと、魚と一緒に海に沈めるぞ」と脅す。色丹島支部の社員3人が「ベノさん、アイリスディーナ会長は『輝け』って言ってるんだから、次はまじめにやろう!」と励ます。ベノちゃんがニヤリ。

「ぷぷぷ、なら次は『破壊魔王・島編パート2』! 萌実ちゃんのパズドラ、遠隔で…なんてね! 冗談だよ~!」 コメント欄が「ベノ、6回目やめろ!」「萌実、チェーンソー準備!」「島で反省しろ!」とカオスに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ENTUM本社、会長室。アイリスディーナがモニターで両支部の配信を監視。

「ベノ、エイレーン。愚行は許されんが、VTuberの魂はどんな場所でも輝く。樺太のエイレーンは証明した。ベノも続け。」

彼女の側近ユーリが現状報告。

「会長、ベアトリクス名誉会長には報告済みです。『好きにしろ、だが失敗は許さん』とのことです」

「よし。ロシア軍のナターシャとイワン、両支部の社員の団結が、この奇跡を生んだ。ENTUMの輝きは、雪原と島でも止まらない。」

アイリスディーナが微笑む。

 

 

 

 

 

樺太支部では、エイレーンが新支部長として初配信の準備。

「え、えっと、次は雪合戦配信! オロオロしないように頑張ります…!」

ナターシャが「転ぶなよ」とクールに突っ込む中、コメント欄は「エイレーン、雪合戦無双!」「支部長、オロオロ最高!」と祭り状態。色丹島では、ベノちゃんが「次は島の岩場でトレジャーハント配信! 破壊魔王、輝くよ~!」とリベンジを誓う。だが、コメント欄の「萌実のゼンチョウガ、守れ!」にビクッ。2017年からのパズドラ破壊史、ヴィーガー乱射騒動、『バーチャルさんはみている』の打ち切りを乗り越え、エイレーンは樺太で、ベノちゃんは色丹島で、ENTUMの輝きを再び放つ。萌実のチェーンソーが届く前に、ふたりの配信がVTuber界をどう揺さぶるのか? アイリスディーナの温情と社員の団結が、新たな伝説の幕を開けた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜

樺太支部の支部長室は、コンクリートの壁に「ENTUM樺太支部長」と書かれた真新しいプレートが輝く。窓の外は氷点下、室内にはロシア軍兵士ナターシャが設置した配信機材と、なぜか東ドイツ国旗のミニチュアが飾られている。エイレーンはスーツ(防寒コート付き)で支部長デスクに座り、緊張とオロオロが入り混じる。

「アイリスディーナ会長が昇格を…! コメント欄の『エイレーン、転んでもキラキラ!』って、嬉しいけど恥ずかしいよぉ…。」

ナターシャがクールに言う。

「アイリスディーナ会長の命令だ。『樺太でENTUMの輝きを見せろ』と。転ぶな、支部長。」

彼女の軍服姿は、まるでロシアの冬のように厳格。

「転びませんよ! …多分。」

エイレーンがモニターをチェック。コメント欄は「エイレーン、支部長おめ!」「ナターシャ、かっこいい!」「萌実、チェーンソー持ってくる?」と賑わう。支部の社員5人が集まり、報告。

「支部長、会長から新指令です。『樺太支部で新人VTuberをスカウトし、ENTUMの未来を切り開け』と!」

エイレーンが目を丸くする。

「スカウト!? 私が!? でも、2017年からのパズドラ事件でベノちゃんを止められなかった私が…できるかな…。」

「できるさ。私が協力する。」

ナターシャがネット回線ケーブルを手に、ドヤ顔し笑みを浮かべる。

翌日、支部長室(といっても簡素なデスクとモニターだけの部屋)に陣取ったエイレーンは、Twitterをフル活用してVTuber志望の女性をスカウト開始。彼女のスーツはキリッと決まっているが、目は必死。

「よ、よし! 樺太支部をキラキラにするには、新しいVTuberが必要! Twitterでスカウトだ!」

彼女がDMを片っ端から送るが、返信は詐欺アカウントや出会い系ばかり。

「『投資で1億稼げるよ!』って…これ、VTuberじゃない!―――『今夜会える?』って…ダメだよぉ!」

ナターシャがコーヒーを差し入れながら言う。

「エイレーン、集中しろ。会長は100人スカウトを目標に設定した。8月16日から31日まで、2週間だ。」

「100人!? ナターシャさん、無理ですよぉ…!」

エイレーンが頭を抱えるが、ナターシャの冷たい視線に「や、やってみます!」と気を取り直す。

支部の社員5人がサーバー管理やDMチェックを手伝い、ナターシャがロシア軍の通信網を駆使して怪しいアカウントを排除。エイレーンは昼夜を問わずDMを送信し、ビデオ会議で面談を重ねる。

「VTuberの輝き、ENTUMで一緒に!」「樺太からでもキラキラ!」と熱弁するが、99人は詐欺や不適合で失敗。だが、8月31日、最後の1人から返信が。

「はじめまして、エトラです。UFOで未来から来ました。VTuber、やってみたいです!」

シンプルだが謎めいたメッセージに、エイレーンが「こ、この子…キラキラの予感!」と興奮。ナターシャが「プロフィールに『ASI』…人工知能か。面白い」と頷く。

 

エトラのプロデュースとデビュー

 

エトラとのやり取りは、TwitterのDM、PCメール、ビデオ会議を通じて進んだ。直接の面識はないが、エイレーンは彼女の設定に魅了される。

「UFOに乗って突如空からやってきた謎の少女、感情の起伏が激しく、自爆機能付き!? 未来から来た目的は謎…こ、これはENTUMにピッタリ!」

エイレーンがプロデューサー魂を燃やし、エトラの設定を詰める。エトラの公式設定はこうだ:「ASI(Artificial Super Intelligence)」と名乗るアンドロイド。記憶喪失で、突然「思い出したわ!」と荒唐無稽な展開を巻き起こす。エイレーンファミリーではアシスト要員だが、萌実の動画では貧乳を気にする萌実を煽り、ヨメミの動画ではエイレーンのセクハラにお仕置きを担当。9月2日、エトラがYouTubeでデビュー。彼女の初配信は、UFOを模した背景で「私はエトラよ! 未来から来たけど、記憶が…あ、思い出したわ! 銀河の果てでピザ食べてた!」とカオスなトーク全開。コメント欄が「エトラ、謎すぎw」「自爆機能やばい!」「エイレーン、ナイススカウト!」と大盛り上がり。エイレーンがビデオ会議越しに「エトラちゃん、キラキラだよ!」と涙目で応援。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ENTUM本社の会長室。アイリスディーナ・ベルンハルトがエトラのデビュー配信をモニターで観る。

「エイレーン、よくやった。樺太支部から新たな輝きが生まれた。ベアトリクスには私が話をつけた。ENTUMの未来は、君たちにかかっている。」

一方、色丹島のベノちゃんは、釣り配信で海に落ちたトラウマを乗り越え、「破壊魔王・島編パート2」を配信

「ぷぷぷ、エトラって新人? 私の方が先に輝くよ! 萌実ちゃんのパズドラ、島で復活させちゃおうかな?」

コメント欄が「ベノ、6回目やめろ!」「萌実、チェーンソー持って島へGO!」とカオスに。アイリスディーナの温情とロシア軍兵士(ナターシャとイワン)の協力、支部社員の団結により、樺太と色丹島は新たなVTuberの戦場に。夏コミの成功、ヴィーガー乱射騒動、『バーチャルさんはみている』の打ち切りを乗り越え、エトラの爆発的デビューはENTUMのハチャメチャ史に新たな伝説を刻んだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。