ENTUM23   作:マブラマ

12 / 229
第12話 ENTUMの朝 ~戦友達の灯~

2018年4月11日、朝。株式会社ENTUMの仮眠室は、朝日がカーテンの隙間から差し込み、柔らかな光で満たされていた。カタリーナはベッドの上でまだ夢の余韻に浸っているのか、微かに涙の跡を残していた。

エイレーンがそっとドアを開け、明るい声で呼びかける。

「カタリーナさん、起きてください。朝ですよ!」

カタリーナはハッと身を起こし、驚きに声を上げる。

「な、なんだ、エイレーンか! 何でここにいるの!?」

エイレーンは少し照れくさそうに笑う。

「謹慎から解けて、やっと会社に復帰したんです。やっと戻ってこれました!」

カタリーナの目が一瞬揺れ、感情が溢れ出す。

「エイレーン……!」

彼女はと声を詰まらせ、エイレーンを見つめる。

エイレーンが心配そうに近づく。

「な、何、泣いてるんですか!?」

カタリーナはベッドから立ち上がり、エイレーンに駆け寄る。

「エイレーン、あの時キツいこと言ってゴメンね。会社の秩序を維持するために言っただけなの。アンタ、黙って会社から去らないで! 寂しいよ……」

彼女はエイレーンをギュッと抱きしめ、涙をこぼした。

エイレーンは一瞬驚いたが、すぐに優しくカタリーナの背を撫でる。

「私が、私が貴女を一人にしないよう、ずっと会社にいます。泣かないでください」

カタリーナは涙を拭い、ふっと笑う。

「エイレーン、アンタ意外と賢い面あるわね」

エイレーンが得意げに胸を張る。

「私はいつも賢いですよ!」

「嘘吐き」

カタリーナがくすっと笑い、エイレーンも照れ笑いする。

突然、カタリーナがハッとする。

「あ! 入社式忘れてた! どうしよう!」

エイレーンがニコッと笑う。

「ニコラさんがフォローしてくれましたよ」

カタリーナの目が輝く。

「ニコラ!もう、いつも頼りになるわ……」

その時、ドアが開き、ニコラが現れる。

「おはよう、エイレーン。ん? カタリーナ、どうしたんだ?」

彼女はカタリーナの涙目を見て、鋭くエイレーンを睨む。

「貴様、カタリーナを泣かしたな!?」

カタリーナが慌てて手を振る。

「ニコラ、エイレーンは私を庇って慰めただけよ。責めないでよ!」

ニコラは少し気まずそうに頷く。

「そうか。エイレーン、貴女が会社に戻っても肩書きは次長だぞ。心しておけ」

エイレーンが真剣に答える。

「はい、心しておきます!」

カタリーナが立ち上がり、二人を見つめる。

「行こう、ニコラ、エイレーン。さあ、今回はどんな企画が通るかな?」

彼女の声には、涙を越えた力強さが宿っていた。

 

カタリーナ、エイレーン、ニコラは肩を並べ、大ホールへと向かう。オフィスのモニターには「1000万再生」の数字が輝き、新たな企画への期待が膨らむ。ENTUMの物語は、戦友達の灯に照らされ、さらなる高みへと進む――。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。