ENTUM23   作:マブラマ

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第131話 夢月ロアの静かな恐怖

2019年9月23日、にじさんじのスタジオの一角、夢月ロアの配信部屋は、星屑のような淡い光を放つ装飾に彩られていた。薄暗い部屋には、月をモチーフにしたクッションや星形のランプが散らばり、まるで夜空のような神秘的な雰囲気が漂う。ロアは赤髪を揺らし、トレードマークのオッドアイでモニターを見つめていた。画面には、『萌実の発狂シーン集』のサムネイルが映し出されている。萌実がチェーンソーを振り回し、髪を振り乱す姿は、まるでホラーゲームのボスキャラのような迫力で、ロアの心に不穏な影を落とした。

「…こ、これ、ほんとに見るべきなの…?」

ロアは小さな声で呟き、星形のクッションをぎゅっと抱きしめる。彼女はにじさんじの後輩として、ライバルであるENTUMの動向をチェックするつもりでこの動画を開いたが、サムネイルのチェーンソーを見た瞬間、後悔の念がチラリとよぎった。

「ギルザレン先輩が『面白い』って言ってたけど…私、ホラーはちょっと苦手なのに…」

それでも、にじさんじの一員としての好奇心が勝り、彼女は震える指で再生ボタンを押した。モニターから萌実の絶叫が炸裂し、スタジオは一瞬にしてカオスの渦に飲み込まれた。ロアの瞳は恐怖で揺れ、言葉を失った。

 

 

2017年3月20日

《ふざけんなぁぁぁ!!! ああぁもう!! あーもう!! ふざけんなよ……もう……うぅ…エイレーンの…エイレーンの馬鹿あああああああああ!!!》

パズドラのデータが消された怒りが響く。ロアはクッションを握り潰し、震える声で呟く。

「ひっ…!萌実さん、こんなにキレるの…?パズドラ消されたの、かわいそうだけど…この叫び、怖すぎるよぉ…!」

 

2017年6月23日

《ふざけんなぁぁぁ!!! ああぁもう!! あーもう!! 何でいつも…もう!!…萌実、何も悪い事してないのに……うぅ…これで二回目だよ……もう……うぅ…エイレーンの…エイレーンの馬鹿あああああああああ!!! うぅぅぅ…あああああああああああああん!!…ぐすん…うあああああああああああ!!!》

ロアは目を丸くし、クッションに顔を半分埋める。

「2回も…!?ベノさん、なんてひどいことを…!萌実さんのこの悲しみ、ホラーゲームより心臓にくるよ…!」

 

2018年1月7日

《バステトォ〜〜〜! バステトォ〜〜〜!! バステトォ〜〜〜!!! バステトォ〜〜〜!!!!バステトォ〜〜〜!!!!!》

萌実がバステトを連呼する姿に、ロアが震え上がる。

「バ、バステト!?この執念、まるで呪いみたい…!こんなテンション、配信で出せないよ…!」

彼女の声は震え、星形のクッションが床に落ちる。

 

2019年6月11日

萌実がヴィーガー STG-941(訓練弾仕様)を乱射。

《何笑ってんのよ!!殺す!!》

ガガガガガガガガガガガガガッ!

ベノちゃんが「ひぃ~っ、ごめんなさい!!」と逃げ惑う。ロアは悲鳴を上げ、クッションの後ろに隠れる。「ひぃっ!ヴィーガー!?訓練弾でも、こんなの撃つなんて…!萌実さん、怖すぎるよぉ…!」

 

2019年7月21日

萌実がGoogle Pixel 3aを投げつけ、「アンタ…何してくれてんのよ!! 本当に!!!」と絶叫。チェーンソーを手に「殺す!!!! 殺してやる!!!!!」と追いかけ、ドアをぶち破る。ベノちゃん、夏希、あかりがパニックに陥り、エイレーンも「ぎゃあああああああああああ!!!」と逃げ惑う。

ロアは完全に絶句し、モニターを呆然と見つめる。

「…チェ、チェーンソー!?ドアぶち破る!?萌実さん、ホラー映画のラスボスみたい…!私、怖くて動けない…!」

彼女の赤髪が震え、星形のクッションをぎゅっと抱きしめる姿は、まるで怯えた子猫のようだった。

 

コメント欄は、まるでカオスの祭りのようだった。

「トイザらスで欲しいものを買ってもらえなかった時の幼児みたい」「檻の中で暴れるチンパンジーを眺めてる気分になる」「チェーンソーは駄目だろ(笑)」「萌実ちゃんの口癖→→→ふざけんなよ。←←←」「ハロー、旦那様。あなたの嫁の萌実だよー。発狂します! は?」「チェンソーはエグい」「夏希ちゃんかわいそう」「萌実ちゃん子供みたいだー。」

ロアはコメント欄をスクロールし、震える声で呟く。

「…み、みんな、こんな怖い動画で盛り上がってるの…?『チンパンジー』とか、ひどいよぉ…!でも、萌実さんのこのパワー、すごいんだ…。怖いけど…ちょっと尊敬しちゃう…」

彼女は深呼吸し、星形のクッションを握りながら呟く。

「12月11日の生放送、萌実さんとエトラさんのコンビ、どんなカオスになるんだろう…。私、怖いけど…にじさんじの先輩たちと一緒に、負けない配信しないと…!」

恐怖に震えつつも、ロアの心には、萌実の圧倒的なエネルギーに触発された小さな闘志が芽生えていた。彼女は震える手でモニターを閉じ、スタジオの星形のランプに目を向ける。

「…チェーンソーは、絶対NGだよね…」

 

 

『萌実の発狂シーン集』は、夢月ロアの心に恐怖を植え付け、彼女を絶句させたが、同時にVTuberとしての情熱を刺激した。萌実の爆発的な感情は、キズナアイの寛大さ、ベノちゃんの炎上商法、ENTUMやにじさんじ、.LIVE、ゲーム部、upd8、ミライアカリ、鳴神裁の反応と交錯し、12月11日の生放送への期待をさらに高めていた。ギルザレンⅢ世は新たな策略を企み、樺太のエイレーンは炎上の収束に奔走する。VTuber界の舞台は、カオスと情熱、恐怖と絆が絡み合いながら、さらなるドラマへと突き進んでいた――。

 

 

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