2019年9月25日、株式会社ZIZAI(旧社名:DUO)本社にあるぴぐまりおん。の配信スタジオは、華やかでカオスな雰囲気に満ちていた。スタジオは、みどり色のリボンや雛見沢くるみの高貴なティアラ、朝霞しおのギター型キーホルダーで飾られ、ぴぐまりおん。らしい個性が溢れている。中央のモニターには、『萌実の発狂シーン集』のサムネイルが映し出されていた。萌実がチェーンソーを振り回し、髪を振り乱す姿は、まるで終末の戦場のような迫力で、スタジオの空気を一瞬で凍てつかせた。雛見沢くるみ、ぴぐまりおん。のみどり色担当であり、「IRIAMの女王」「963人の人格を持つ女帝」として知られる私立ガラテア女学園の学園長代理は、高貴なドレスを翻し、扇子を手にモニターを見据える。
「ふふ、ENTUMの萌実の発狂シーン集、ですわね。ホロライブのノエル様やにじさんじの美玲様が驚愕したと聞き及びますが、このわたくし、雛見沢くるみが凍り付くなどありえませんわ!さあ、しお、準備はよろしくて?」
彼女のお嬢様口調は、威厳と好奇心に満ちていた。朝霞しお、私立ガラテア女学園高等部三年生で軽音楽部所属のギタリストは、ギター型のペンダントを揺らし、少し緊張した表情でソファに座る。
「う、うん、くるみ先輩…。でも、チェーンソーのサムネ、めっちゃ怖いんだけど…。バンドコンテストで負けた時もキツかったけど、これ、別の意味でヤバそう…」
しおは、アイドルを目指す情熱を胸に秘めつつ、萌実の伝説的なカオスに一抹の不安を感じていた。くるみは扇子で口元を隠し、優雅に笑う。
「ふふ、しお、恐れることはありませんわ。わたくし、963の人格を持つ女帝がそばにいるのですから!この動画、ぴぐまりおん。の新たなインスピレーションになるやもしれませんわ。さあ、再生いたしますわよ!」
しおは小さく頷き、ギターのピックを握りしめる。
「…よ、よし!くるみ先輩と一緒なら、どんなカオスも乗り越えられる!アイドルへの第一歩、負けないよ!」
しかし、再生ボタンが押された瞬間、スタジオは萌実の絶叫に飲み込まれ、くるみとしおは一瞬にして凍り付いた。
2017年3月20日
《ふざけんなぁぁぁ!!! ああぁもう!! あーもう!! ふざけんなよ……もう……うぅ…エイレーンの…エイレーンの馬鹿あああああああああ!!!》
パズドラのデータが消された怒りが響く。くるみは扇子を落とし、目を丸くする。
「…なん、ですって!?この叫び、まるでガラテア女学園の秩序を破壊するかのような迫力…!萌実さん、恐ろしすぎますわ…!」
2017年6月23日
《ふざけんなぁぁぁ!!! ああぁもう!! あーもう!! 何でいつも…もう!!…萌実、何も悪い事してないのに……うぅ…これで二回目だよ……もう……うぅ…エイレーンの…エイレーンの馬鹿あああああああああ!!! うぅぅぅ…あああああああああああああん!!…ぐすん…うあああああああああああ!!!》
しおはピックを握り潰し、震える声で呟く。
「2回もデータ消された!?ベノちゃん、ひどすぎ…!萌実先輩のこの悲しみ、バンドコンテストの負けよりキツいよ…!」
2018年1月7日
《バステトォ〜〜〜! バステトォ〜〜〜!! バステトォ〜〜〜!!! バステトォ〜〜〜!!!!バステトォ〜〜〜!!!!!》
萌実がバステトを連呼する姿に、くるみがソファに倒れ込む。
「バステト!?この執念、わたくしの963の人格すら凌駕する勢いですわ…!萌実さん、まるで神々の怒りを召喚するかのようですわ…!」
くるみの声は震え、高貴な雰囲気が崩れ始める。
2019年6月11日
萌実がヴィーガー STG-941(訓練弾仕様)を乱射。
《何笑ってんのよ!!殺す!!》
ガガガガガガガガガガガガガッ!
ベノちゃんが「ひぃ~っ、ごめんなさい!!」と逃げ惑う。
しおは悲鳴を上げ、ギターのピックを床に落とす。
「ひぃっ!ヴィーガー!?訓練弾でも、こんなの撃つなんて!?萌実先輩、軽音部のライブより迫力ありすぎ…!」
2019年7月21日
萌実がGoogle Pixel 3aを投げつけ、「アンタ…何してくれてんのよ!! 本当に!!!」と絶叫。チェーンソーを手に「殺す!!!! 殺してやる!!!!!」と追いかけ、ドアをぶち破る。ベノちゃん、夏希、あかりがパニックに陥り、エイレーンも「ぎゃあああああああああああ!!!」と逃げ惑う。
くるみは扇子を握り潰し、完全に凍り付く。
「…チェ、チェーンソー!?ドアを破壊!?このカオス、わたくしの学園長代理の威厳すら打ち砕く…!萌実さん、女帝たるわたくしも降参ですわ…!」
しおはソファの隅で縮こまり、震える声で呟く。
「…萌実先輩、アイドル超えてる…!バンドコンテストの悔しさなんか、こんなのと比べたらちっちゃいよ…!私、アイドルになる前に心折れそう…!」
スタジオは、萌実の発狂パワーに圧倒され、まるで氷点下のような静寂に包まれた。くるみとしおの瞳には、恐怖と絶望が渦巻いていた。
コメント欄は、まるでカオスの祭りのようだった。
「トイザらスで欲しいものを買ってもらえなかった時の幼児みたい」「檻の中で暴れるチンパンジーを眺めてる気分になる」「チェーンソーは駄目だろ(笑)」「萌実ちゃんの口癖→→→ふざけんなよ。←←←」「ハロー、旦那様。あなたの嫁の萌実だよー。発狂します! は?」「チェンソーはエグい」「夏希ちゃんかわいそう」「萌実ちゃん子供みたいだー。」
くるみはコメント欄をスクロールし、震えながら呟く。
「…なんですの、このコメントの嵐…!『チンパンジー』だなんて、失礼にもほどがありますわ!しかし、萌実さんのこのパワー、ファンをここまで熱狂させるなんて…恐ろしくも、素晴らしいですわ…」
しおはギターのピックを拾い上げ、目を輝かせる。
「…怖かったけど、萌実先輩のこのエネルギー、めっちゃカッコいい…!私、アイドルとしてこの情熱、見習いたい!バンドコンテストの悔しさ、絶対挽回するよ!」
くるみは扇子を広げ、気を取り直して優雅に言う。
「ふふ、しお、よく言いましたわ。萌実さんのこのカオス、ぴぐまりおん。の新たな糧にいたしましょう!12月11日の生放送、萌実さんとエトラさんのコンビがどんな嵐を巻き起こすのか…わたくしたちも、負けられませんわ!」
しおは拳を握り、叫ぶ。
「うん、くるみ先輩!私、軽音部の魂とアイドルの夢かけて、ぴぐまりおん。で最高のステージ作るよ!…でも、チェーンソーは絶対NG!」
スタジオは、恐怖と絶望を乗り越えた二人の闘志で再び熱を取り戻していた。萌実の発狂シーン集は、ぴぐまりおん。の二人に衝撃を与えつつ、新たなインスピレーションを刻みつけていた。
一週間後
2019年10月2日、株式会社ZIZAIのぴぐまりおん。配信スタジオは、雛見沢くるみの高貴な気配に包まれていた。みどり色のリボンが飾られた部屋で、くるみは扇子を手に、スマートフォンを握りしめていた。一週間前、彼女と朝霞しおが視聴した『萌実の発狂シーン集』の衝撃は、未だに彼女の心に恐怖と絶望の余韻を残していた。チェーンソーを振り回し、ドアをぶち破る萌実の姿は、くるみの963の人格すら震え上がらせた。
「…このようなカオスが、VTuber界に野放しにされているなんて、許されませんわ!」
くるみは扇子をパタパタと振り、決意を固める。
「わたくし、ぴぐまりおん。の女帝として、この動画の完全削除を求めますわ!ENTUMの名誉会長、ベアトリクス・ブレーメ様に直訴いたしますわ!」
くるみはスマホを手に、ENTUM本社にいるベアトリクス・ブレーメ名誉会長にビデオ通話をかける。画面に映し出されたベアトリクスは、威厳ある佇まいで応答した。彼女の背後には、ENTUMのロゴと豪華な書棚が並び、まるで貴族の書斎のような雰囲気だ。
《貴様は本社の……ぴぐまりおん。の雛見沢くるみか。突然のご連絡とは珍しい。何用の用だ?》
ベアトリクスの声は落ち着きつつも、鋭い眼光が画面越しにくるみを射抜く。くるみは扇子で口元を隠し、お嬢様口調で訴える。
「ベアトリクス様、ご無沙汰しておりますわ。わたくし、ぴぐまりおん。の雛見沢くるみ、貴社の『萌実の発狂シーン集』について、緊急の相談がございますわ。この動画、チェーンソーやヴィーガーを振り回すカオスが、VTuber界の秩序を乱しております!即刻削除をお願いいたしますわ!」
ベアトリクスは一瞬眉を上げ、静かに答える。
《ふむ、萌実の発狂シーン集か。あの動画は、確かにVTuber界に大きな波紋を広げている。キズナアイの寛大さやにじさんじ、ホロライブの反応を見るに、影響力は計り知れない。だが、削除とは大胆な提案だな。理由を聞こう》
くるみは扇子を握りしめ、声を震わせる。
「理由ですって!?あの動画、わたくしと朝霞しおを恐怖と絶望に陥れましたわ!ホロライブのノエル様やさくらみこ様、にじさんじの夢月ロア様まで凍り付かせたのです!このカオスが野放しになれば、12月11日の生放送がどれほどの混乱になるか…!ガラテア女学園の秩序を守るためにも、削除が必須ですわ!」
ベアトリクスは静かに頷き、冷静に答える。
《――――貴様の憂慮は理解した。だが、問題がある。あの動画はすでにネット上に拡散され、コピーされたファイルが無数に出回っている。YouTube、ニコニコ、果ては海外のフォーラムまで、ファンが転載を繰り返しているのだ。公式に削除しても、いたちごっこだ。完全削除は、ほぼ不可能と言わざるを得ない。》
くるみは目を丸くし、扇子を落とす。
「…なんですって!?コピーされたファイル!?そんな…!わたくしの963の人格をもってしても、このカオスを止めることはできないのですか!?」
ベアトリクスは苦笑し、続ける。
《その通りだ。萌実の情熱は、VTuber界のファンに火をつけてしまった。コメント欄の『チンパンジー』や『ふざけんなよ!』という盛り上がりを見れば、彼女のパワーがどれほどか分かるだろう。削除するよりも、このエネルギーを12月11日の生放送で昇華させる方が、ENTUMにとっても、VTuber界にとっても有益だ。》
くるみは一瞬沈黙し、扇子を拾い上げながら呟く。
「…確かに、萌実さんのパワーは、わたくしも認めざるを得ませんわ。ホロライブのぺこら様が楽しそうだったのも、にじさんじの美玲様が脱帽したのも、納得ですわ…。ですが、チェーンソーは…!」
ベアトリクスは笑い、言う。
《チェーンソーは、確かにNGだな。萌実とエトラには、生放送で安全なパフォーマンスを期待している。くるみも、ぴぐまりおん。として、このカオスに負けない輝きを見せてくれ。》
くるみは扇子を広げ、気を取り直して高らかに宣言する。
「ふふ、承知いたしましたわ!わたくし、雛見沢くるみ、ぴぐまりおん。の女帝として、12月11日の生放送に負けないステージを用意いたしますわ!萌実さんのカオスを、ガラテア女学園の秩序で凌駕してみせます!」
通話が終わり、スタジオは再び静寂に包まれた。くるみは扇子を手に、萌実の発狂シーンの恐怖を胸に刻みつつ、ぴぐまりおん。の新たな挑戦への闘志を燃やしていた。
くるみはコメント欄を思い出し、呟く。
「…この熱狂、萌実さんのパワーの証明ですわ。完全削除は断念せざるを得ませんが、わたくしたちぴぐまりおん。も、このカオスに負けない輝きを放ちますわ!」
雛見沢くるみの削除依頼は、ベアトリクス・ブレーメの冷静な判断により、転載のいたちごっこで断念された。しかし、萌実の発狂シーン集が巻き起こしたカオスは、VTuber界に新たなエネルギーを注ぎ込んでいた。萌実の爆発的な感情は、キズナアイの寛大さ、ベノちゃんの炎上商法、ENTUMやにじさんじ、.LIVE、ゲーム部、upd8、ミライアカリ、鳴神裁、夢月ロア、郡道美玲、白銀ノエル、兎田ぺこら、さくらみこ、黄ノ星つくり(後のぷわぷわぽぷら)の反応と交錯し、12月11日の生放送への期待をさらに高めていた。ギルザレンⅢ世は新たな策略を企み、樺太のエイレーンは炎上の収束に奔走する。VTuber界の舞台は、カオスと情熱、恐怖と挑戦が絡み合いながら、さらなるドラマへと突き進んでいた――。