2019年10月6日、エイレーンが樺太支部に不在の家は、ゲーム機やアニメグッズが散乱するカオスな空間だった。ベノちゃんは、ENTUM本社前でエトラに盛大にフラれたばかりの勢いをそのままに、ソファにドカッと座り、『エトラにフラれた』動画をアップロードしたばかり。彼女の赤いジャケットとサングラスは、炎上商法の自信に満ち溢れていた。そこへ、部屋の隅からひょっこり現れたのは、エボラちゃん。少し気弱で心配性な彼女は、ベノちゃんの突然の帰還に目を丸くする。
「お、お前帰ってきたのか!?」
エボラちゃんの声は、驚きと不安が混じる。彼女のピンク髪のツインテールが揺れ、まるで危険を察知した小動物のようだ。ベノちゃんはサングラスをずらし、ニヤリと笑う。
「エボラちゃん、久しぶりだね!色丹島、めっちゃ退屈だったからさ、勝手に東京戻っちゃった!ふふ、萌実の発狂シーン集がバズりまくってるし、私も負けてられないよ!」
エボラちゃんは一歩後ずさり、心配そうに言う。
「でも、いいのか?ブレーメ名誉会長に逆らったら怖いよ…!ENTUMのルール、破ったらヤバいんじゃ…?」
ベノちゃんは手を振って笑い飛ばす。
「大丈夫大丈夫!ブレーメ名誉会長にはバレないよ。萌実ちゃんを驚かした後、すぐ島に帰るからさ!炎上コンテンツ、ガッツリ仕込むぜ!」
エボラちゃんの目がさらに丸くなり、声が震える。
「お前…何をする気だ!?まさか、萌実のパズドラまた消すとか…!?あのチェーンソー、ガチで怖かったんだからな!」
ベノちゃんはソファから立ち上がり、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「ハハハ!パズドラ削除はもう古いって!今回はもっと軽いイタズラだよ。ドローンで萌実ちゃんの家の上空を撮影するだけ!ただ飛ばして、ビックリさせて、ネットでバズらせる!見てのお楽しみ♪」
エボラちゃんは呆れ顔で呟く。
「…ドローン!?ただ撮影って…お前、それ絶対炎上するだろ…!萌実のチェーンソー、ホロライブのノエルちゃんやハニーストラップのメアリさんたちを凍り付かせたんだぞ!やめとけって!」
ベノちゃんはサングラスをかけ直し、自信満々に言う。
「心配すんな、エボラちゃん!私の炎上商法、いつもバッチリじゃん!桜月花音ちゃんが萌実の家訪ねたって話も聞いたし、12月11日の生放送、もっとカオスにするための布石だよ!さ、ドローン準備するぜ!」
エボラちゃんは頭を抱え、呟く。
「…なんでこう、いつもカオスを加速させるんだよ…。貧乏娘がいたら、絶対止めてたのに…」
しかし、彼女の心配をよそに、ベノちゃんはドローンを手に、エイレーン不在の家を飛び出し、萌実の家へ向かう準備を始めた。
ベノちゃんの『エトラにフラれた』動画のコメント欄は、すでにカオスの渦に。「ベノちゃん、ナンパ失敗w」「エトラの塩対応、草」「萌実の発狂シーン集のせいでベノもカオス加速してる!」「チェーンソーよりエトラの目が怖い」「12月11日、絶対ヤバそう!」さらに、萌実の『発狂シーン集』のコメント欄も引き続き沸騰していた。「トイザらスで欲しいものを買ってもらえなかった時の幼児みたい」「檻の中で暴れるチンパンジーを眺めてる気分になる」「チェーンソーは駄目だろ(笑)」「萌実ちゃんの口癖→→→ふざけんなよ。←←←」「ハロー、旦那様。あなたの嫁の萌実だよー。発狂します! は?」
エボラちゃんはスマホでコメント欄を覗き、ため息をつく。
「…ベノ、ほんとにこのカオス、制御できるのか?桜月花音ちゃんが萌実と仲良くなったってのに、お前がまた火つける気かよ…」
ベノちゃんはドローンのコントローラーを手に、ニヤニヤしながら答える。
「エボラちゃん、炎上は愛だよ!萌実ちゃんの家の上空、ちょっと飛ばしてビックリさせて、12月11日の生放送の前哨戦にするだけ!ファンが喜ぶカオス、最高じゃん!」