ENTUM23   作:マブラマ

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第173話 未踏のアメリカ大陸

2020年1月15日、NEOENTUM本社、最上階作戦室。

世界地図プロジェクションに、南北アメリカ大陸が、赤い警告ラインで囲まれていた。

ベアトリクスは、黒いレースの手袋で地図を指す。

「ホロライブENの縄張り。北米を中心に、その影響力は絶大。英語圏のファン層は、鉄壁の要塞だ」

彼女の瞳に、冷静な計算と、一瞬の苛立ちが交錯する。

「進出は、当面見送る。焦る必要はない。私たちは私たちの道を進むだけだ」

ニコラがタブレットを差し出す。

「ホロライブENの視聴者データ。北米市場シェア、78%。南米でも52%。侵入は、自殺行為に等しいです」

カタリーナが拳を握る。

「ですが、少佐!アメリカ大陸を諦めるなんて……!」

ベアトリクスは静かに首を振る。

「違う。諦めるのではない。待つのだ。―――アジア、欧州、中東で、NEOENTUMの基盤を固める。ホロライブENが西を支配するなら、私たちは東から世界を包囲する」

 

 

ベアトリクスは、

ENTUMの遺産を引き継ぎつつ、

さらなる飛躍を目指した。

彼女のリストには、

驚くほど広範な地域が名を連ねていた。

 

極東の要衝

 

樺太(サハリン):極寒の地に根ざす支部。

かつてのENTUM時代から情報収集の最前線として機能していた。

旧北緯50度線:国境の緊張感が漂う中、戦略的要所として再活性化。

国後、占守、択捉、色丹、歯舞群島:北方領土に点在する支部は、情報戦の最前線として機能。

尖閣:海洋の孤島にひっそりと構える拠点。

監視と文化発信の両立を目指す。

 

アジアの心臓

 

台北、北京、南京、ハルビン、カシュガル、香港:中国大陸と台湾に広がる支部は、文化交流とVTuberのグローバル展開を担う。

ソウル、平昌、江南、平壌、元山:朝鮮半島の南北を結ぶネットワーク。

特に南北朝鮮境界線(通称:38度線支部)は、特別な役割を担っていた。

ホーチミン:東南アジア進出の足がかりとして、活気ある都市に拠点を設置。

 

中東と欧州の橋頭堡

パレスチナ、ガザ、エルサレム:複雑な情勢の中で、文化を通じた平和の架け橋を目指す。

ベルリン、ノイルピーン、ラーテノー、ボン、ミュンヘン、ライプツィヒ:欧州の中心地に広がる支部網。ベルリン支部は特に、あおぎり高校分校としての再利用が計画されていた。

パリ、ローマ、ナポリ、バチカン:芸術と文化の都に根ざし、VTuberのクリエイティブな発信を強化。

ロンドン、リヴァプール、マン島、ダブリン、ケリー:英国とアイルランドに広がる拠点は、英語圏への影響力を拡大する戦略拠点。

 

ロシアと旧ソ連圏

ミンスク、モスクワ、ハバロフスク、レニングラード、スターリングラード(ヴォルゴグラード):広大なロシアの地に点在する支部は、情報収集と文化発信の両輪を担う。

 

日本の心臓部

札幌、函館、旭川、夕張、釧路:北海道の広大なネットワーク。

青森、秋田、仙台、福島:東北地方の拠点は、地域密着型の活動を展開。

さいたま、春日部、新宿、原宿、渋谷、世田谷、お台場、湾岸(The SOHOのテナント)、赤坂、千代田、多摩、横浜、鎌倉:首都圏の支部は、VTuber文化の最前線。

名古屋、福井、石川、大津、津、和歌山、大阪、なんば、日本橋、奈良、橿原、田原本、桜井、御所、天理、大和郡山、大和高田、京都、神戸、西宮、養父、淡路:関西・中部地方の支部は、地域の伝統と現代の融合を目指す。

島根、鳥取、出雲、山口、博多、長崎、宮崎、別府、鹿児島、沖縄、那覇、対馬、硫黄島、三宅島:日本各地に広がる支部は、離島も含めた全国ネットワークを形成。

 

この膨大な支部網は、ベアトリクスの壮大なビジョンを体現していた。

彼女は、VTuber文化を世界中に根付かせ、すべてのファンがその輝きに触れられる未来を目指していた。

 

 

 

 

 

この時、ベアトリクスもまだ知る由もなかった。

あおぎり高校の未来が、さらに複雑に絡み合うことを。

2020年5月25日:大代真白がデビューし、あおぎり高校に新たな風を吹き込む。

2021年4月10日:水菜月夏希が卒業(引退)。

卒業後も、2023年10月のあおぎり高校5周年記念配信には声のみでゲスト出演し、ファンを喜ばせる。

2021年3月29日:山黒音玄がTwitter初投稿。

2021年8月11日:栗駒こまるがTwitter初投稿。

2021年8月12日:千代浦蝶美がTwitter初投稿、YouTube初登場。

2021年8月14日:こまるがYouTube初登場。

2022年4月15日:個人勢VTuberのがぶりえるが『我部りえる』としてあおぎり高校に加入。

2024年1月:ぷわぷわぽぷら(黄ノ星つくり)が加入。

2024年3月26日:エトラと萌実が正式に加入。

エトラは期限付き転校として先に合流していた。

2024年6月9日:因幡はねるの6周年記念放送で、宇森ひなこが5年ぶりにゲスト出演。

2024年5月10日:大代真白がTwitter上で体調不良を訴え、活動休止を発表。

2024年8月10日:月赴ゐぶき、うる虎がーる、八十科むじなが加入。

2025年2月10日:大代真白が「自分が理想とする形での活動が出来ない」と発表し、同月28日に卒業(引退)。

2026年1月21日:あおぎり高校メジャー1st ALBUM『あおバム』が発売。

 

 

 

 

 

 

「ホロライブENが西を支配するなら、私たちは東から世界を包囲する。あおぎり高校の若さ、NEOENTUMの経験、世界の支部網――これで、VTuberの未来は、必ず私たちのものになる」

彼女の声は、静かだが、世界に響く。

 

 

コメント欄の東西冷戦

 

「ホロライブEN vs NEOENTUM、VTuber冷戦始まる!?」

「アメリカ大陸、ENの鉄壁すぎるwww」

「東から包囲って、ベアトリクスの戦略、神」

「あおぎり分校、世界進出でENもビビる?」

「2020年、VTuber三国志 → 東西冷戦 → 世界大戦へwww」

 

 

 

NEOENTUMは、アメリカ大陸を避け、東から世界を包囲する戦略へ。

萌実とエトラは、フリーの海戦コロシアムで戦い、ベアトリクスは、NEOENTUM × あおぎり連合で東方を制する。

アイリスディーナは、ZIZAI内部で戦い、アクスマンの闇と対峙する。

ホロライブENは、西の要塞として、静かに見据える。

花譜の『観測γ』が流れる中、2020年、VTuber界は東西冷戦へ。

ベアトリクスの黒い笑みが、世界地図の東半分に刻まれる。

「西は待つ。東から、世界を染める」

萌実のチェーンソーが、エトラの艦隊が、東の海戦コロシアムを、2020年の新春大戦から、世界包囲戦へと導く。

VTuber界の舞台は、日本の枠を超え、世界の冷戦で、新たな戦略を紡ぎながら、静かに、しかし確実に、突き進んでいた――――――だが、未来の影は、静かに、しかし確実に近づいていた――。

 

 

 

 

part3へ続く

 

 

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