2020年10月21日
東京都郊外
シリウスシュガー研究所 所長室
シリウスシュガーの所長室は、モニターの光とデータの流れが交錯する中、月ヶ瀬ちゆるの決意に満ちた空気で満たされていた。
ミライアカリ救出作戦は、姜小花の監視映像やリリー・ラヴォアのシギント技術、魂子やシロ、ひなた、萌実らのVTuberたちの団結により、着実に前進していた。
しかし、バスクのBrave groupへのスパイ潜入計画やゲーム部プロジェクトの崩壊を仕組んだローレン中本の動きが新たな脅威となっていた。
ちゆるは、鳴神裁の影響力を再び利用するリスクを承知しつつ、彼の情熱が#SaveAkariのムーブメントに新たな火を点ける可能性に賭け、連絡を取ることを決めた。ちゆるは通信画面を開き、鳴神裁に接続した。画面に映った鳴神は、鋭い目つきと苛烈なオーラを放ちつつも、どこか過去の騒動への葛藤を滲ませていた。
ちゆるは明るく、しかし真剣に切り出した。
「鳴神さん! シリウスシュガーのちゆるだよ! アカリちゃんの救出作戦、めっちゃ進んでるけど、バスクがBrave groupにスパイ送り込んでるんだ。鳴神さんの声で、#SaveAkariをもう一押ししてほしい! でも、前に話したみたいに、炎上は避けて、純粋にアカリちゃんのために動いてくれると嬉しいな!」
鳴神は一瞬黙り、拳を握り直した。
《ちゆる…俺の過去のミスで、美兎や他の奴らを傷つけたのは分かってる。だが、アカリがあんな目に遭ってるのは許せねえ。バスクの野望をぶち壊すなら、俺の声、使ってくれ。ただし、今回はお前らの計画に従うぜ。》
彼の声には、悔恨とアカリを救うための新たな決意が混ざっていた。
ちゆるは目を輝かせ、拳を握った。
「ありがとう、鳴神さん! やっぱり熱いね! 魂子ちゃんたちとも話して、鳴神さんの力をちゃんと活かすよ! 早速、小花さんとリリーさんに情報共有するね!」
ちゆるはすぐに姜小花(中華人民共和国公安部刑事捜査局〈五局〉)とリリー・ラヴォア(ドイツ連邦情報局〈BND〉第2局シギント部門)に通信を繋いだ。
画面には、書物を手に穏やかな威厳を湛える小花と、ジャスピオンのフィギュアを弄りながらヒーローらしい笑顔を浮かべるリリーが映った。
ちゆるは勢いよく報告した。
「小花さん、リリーさん! 大ニュース! 鳴神裁がまた協力してくれるって! 彼の影響力で、#SaveAkariをTwitterでさらにバズらせて、バスクの注意を分散させるよ! あと、バスクの腹心のローレン中本がゲーム部を潰した張本人で、Brave groupへのスパイ潜入を強化してるみたい。小花さんの公安のコネと、リリーさんのシギントで、ローレンの動きを追えるかな?」
姜小花は書物を閉じ、静かに頷いた。
《月ヶ瀬さん、鳴神の協力は大きな力になりますが、彼の過去の発言は慎重に扱う必要があります。ローレン中本…ゲーム部の崩壊を仕組んだ男ですね。公安のデータベースで、バンダイナムコやGOOMSTUDIOの裏取引を洗ってみます。劉少奇同志の精神に則り、バスクの闇を暴いてみせます。》
彼女は辛いものを避けるようにお茶を一口飲み、鋭い視線で続けた。
《Brave groupの通信網も、リリーと連携して監視します。》
リリーはガジェットを手に目を輝かせ、ヒーローらしい口調で応じた。
《ちゆるちゃん、ナイス! 鳴神の声でバスクをビビらせて、こっちでスパイの動きをガッチリ封じるよ! ローレンの通信ログ、BNDのシギントでハック済みだ。Brave groupの内部にヤザン大塚が潜入してる痕跡、つかんだよ! ジャスピオンの正義にかけて、アカリちゃんを救う!》
彼女は一瞬、興奮して付け加えた。
《そういえば、ちゆるちゃん、ヒーロー作品好き? 終わったらジャスピオン語ろう!》ちゆるは笑いながら手を振った。
「リリーさん、めっちゃ頼もしい! ジャスピオンの話、絶対後で聞くね! 小花さんも、いつもありがとう! 二人と鳴神さんの力で、アカリちゃんの救出、めっちゃ近づいてるよ!」
作戦の進展
・鳴神の役割: 鳴神は、ちゆるの要請を受け、Twitterでの#SaveAkariムーブメントを再び盛り上げる役割を担う。彼の影響力を利用し、バスクやジャミトフの注意を分散させる一方、過去の騒動(ゲーム部、アズマリム、金魚坂との契約解除)を踏まえ、炎上を避ける慎重な発信を約束。魂子や萌実との調整も必要となる。
・姜小花の公安コネクション: 小花は、ローレン中本のゲーム部崩壊への関与や、バンダイナムコとGOOMSTUDIOの裏取引を追跡。公安の国際ネットワークを活用し、Brave groupへのスパイ活動の証拠を収集。
・リリーのシギント技術: リリーは、ヤザン大塚のBrave group潜入の通信ログを解析し、GOOMSTUDIOの警備システムの脆弱性をさらに特定。監視カメラのハッキングを進め、アカリとの直接連絡の可能性を高める。
ちゆるは通信を終え、モニターを見つめながら呟いた。
「鳴神さん、小花さん、リリーさん…みんなの力が揃ってきた。アカリちゃん、絶対救うよ!」
#SaveAkariのムーブメントは、鳴神の復帰と国際的な協力により、かつてない勢いでバスクの野望に立ち向かっていた。戦いは、決戦の前夜へと突き進んでいた。
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