ENTUM23   作:マブラマ

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第200話 新たに入ってきた2人

2020年11月8日

 

バスク郷里は、GOOMSTUDIOの管理室で苛立ちを隠せずにいた。

ミライアカリの3周年ライブ『Mi:LIVE 2020 AKARI→START』の成功と、#SaveAkariムーブメントの拡大が、彼の支配に暗い影を落としていた。

姜小花の監視カメラハッキングや、ヤザン大塚の動揺、そして内部協力者(岩城、ブライト、エマ、ジェリド、カクリコン、ライラ)の不穏な動きを察知したバスクは、さらなる支配強化を図るため、バンダイナムコ本社人事部に連絡。

信頼のおける新人社員、生駒葵と波瀬うるうをGOOMSTUDIOに派遣させ、アカリの監視とムーブメントの妨害を命じた。

ジャミとフはバスクに指示を飛ばした。

「生駒葵と波瀬うるうをアカリの管理に当たらせろ。生駒の規律正しさと波瀬の実力なら、内部の裏切り者を炙り出し、#SaveAkariの動きを潰せる」

バスクは冷ややかに頷き、早速二人をGOOMSTUDIOに召集した。

 

生駒葵: 名家の出身で、父親は政治家。規律を重んじる厳格な性格で、他人にも自分にも厳しい。バンダイナムコ社内では「規律の守護者」として知られ、成績・実力が優秀な新人社員。幹部から一目置かれる一方、恐れられることもあるが、思いやりある一面も持つ。好きなものは犬とふわふわしたもの、趣味はペットアプリ。GOOMSTUDIOでは、アカリの監視と内部協力者の動きを封じる役割を担う。

波瀬うるう: 引っ込み思案で自信がない性格。親の勧めではなく、偶然の面接合格でバンナムに入社。危険な企画への恐怖や、自分の意志で選んだ道ではないという葛藤を抱える。実力は非常に高く、社内からの評価は高いが、本人はその自覚がなく、常に不安や怯えに苛まれている。GOOMSTUDIOでは、生駒の補佐としてアカリの管理を担当。

 

バスクはその2人をGOOMSTUDIOに招集したのだ

 

 

 

一方その頃、ミライアカリは配信ルームで、次の配信準備を進めていた。モーションキャプチャ装置を調整しながら、姜小花からの暗号メッセージ「AKARI、仲間が待ってる。負けないで。」を思い出し、心に小さな希望を灯していた。

しかし、バスクの監視はさらに厳しくなり、蒼い瞳には疲労が滲んでいた。

「ココロヤミ…私のもう一つの心…ファンのみんなのために、絶対に負けない…!」

彼女は呟き、決意を新たにした。そこに、生駒葵と波瀬うるうが現れた。葵は背筋を伸ばし、冷徹な視線でアカリを見据えた。

「ミライアカリ、私はバンダイナムコ本社から派遣された生駒葵だ。今日からあなたの管理を担当する。規律を守り、台本通りに配信を進めなさい。余計な行動は許さない。」 彼女の声は、規律を重んじる厳しさで響いたが、ふとアカリの疲れた表情を見て、微かに目を細めた。うるうは葵の後ろで縮こまり、震える声で言った。

「あ、な、波瀬うるうです…その、よろしく…。私、バスクさんの命令で、えっと、監視…じゃなくて、サポート、するので…。」

彼女の不安げな態度は、アカリにわずかな同情を呼び起こした。アカリは二人を見つめ、静かに言った。

「…私はファンのみんなのために配信する。バスクの道具にはならないよ。」

葵は一瞬驚いたようにアカリを見たが、すぐに表情を硬くした。

「その意気は認めるが、ルールを破れば相応の結果が待つ。覚えておきなさい。」

しかし、彼女の心には、アカリの強い意志と疲労した姿が微かな波紋を広げていた。うるうは目を伏せ、呟いた。

「…アカリさん、こんな状況でも頑張ってるんだ…私、こんな仕事、ほんとにいいのかな…。」

彼女の葛藤は、バスクの命令に従うことへの不安を深めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年11月9日

GOOMSTUDIO 配信ルーム

 

GOOMSTUDIOの配信ルームは、モーションキャプチャ装置の機械音とモニターの冷たい光で満たされていた。ミライアカリは、金髪サイドテールとピンクの星マークが揺れる新衣装をまとい、緊張と決意の中で配信の準備を進めていた。

モニターには彼女の笑顔が映し出されていたが、その裏にはバスク郷里の厳重な監視と強制的な台本があった。

バスクの命令でホロライブとにじさんじを批判する内容が盛り込まれた台本を手に、アカリは唇を噛み、胸の中で葛藤していた。

「ココロヤミ…私のもう一つの心…でも、ファンのみんなのために、私は負けない…!」配信が始まり、アカリはモーションキャプチャを通じてエネルギッシュに話し始めた。「みんな、ミライアカリだよ! 今日も一緒に楽しもう!」

彼女の声は明るく、ファンを元気づける力に満ちていたが、蒼い瞳には疲労と決意が滲んでいた。

その瞬間、モニターの隅に小さなノイズが走り、姜小花からの暗号化された音声メッセージがアカリのイヤホンに流れ込んだ。

「アカリさん、仲間たちがここにいる。負けないでください。#SaveAkari」

音声には、ちゆる、魂子、シロ、ひなた、萌実、める、ギルザレンⅢ世、ベアトリクス、アイリスディーナ、晴子、多恵、そして鳴神裁の想いが込められていた。アカリの蒼い瞳が一瞬輝き、彼女は小さな笑みを浮かべた。

「みんな…ありがとう…!」

声には微かな震えがあったが、ファンの前での笑顔は揺るがなかった。

コメント欄には、ファンの応援メッセージが溢れていた。

「アカリちゃん、最高!」「#SaveAkari」「負けないで!」「いつも笑顔をありがとう!」

その一つ一つが、アカリの心に力を与え、「ココロヤミ」の闇を押し退けた。

アカリはコメントを見ながら、声を張り上げた。

「みんなの応援、ちゃんと届いてるよ! 私、絶対に負けない!」

彼女はバスクの台本を無視し、ファンとの絆を強調するアドリブを続けた。

 

 

 

 

バックステージでは、橘雅清がモニターのノイズに気づき、声を荒げた。

「何だ、このノイズは! バスクに報告しろ!」

彼の目は疑念に満ち、姜小花のハッキングを察知した可能性を示していた。

岩城は静かに微笑み、橘を制した。

「橘、落ち着け。ファンの応援だ。問題ない。」

彼の穏やかな口調には、内部協力者としての確信が込められていた。

岩城、ブライト、エマ、ジェリド、カクリコン、ライラ・ミラ・ライラは、アカリを支えつつ、バスクの監視を回避する準備を進めていた。

葵とうるうは、配信ルームの隅でアカリの配信を見守っていた。

葵は規律正しい姿勢で、感心したように呟いた。

「これがミライアカリの実力か……いい配信だ。」

彼女の厳格な性格にも、アカリのファンへの情熱が微かな波紋を広げていた。

うるうは縮こまり、不安げに言った。

「あ、葵さん……不安ですぅ…アカリさん、こんな状況でも笑顔で…私、こんな監視の仕事、ほんとにいいのかな…。」

彼女の葛藤は、バスクの命令に従うことへの疑問をさらに深めていた。

 

 

 

 

萌実の家では、ちゆるとめるが姜小花からの報告を受け、興奮気味に作戦を詰めていた。めるが過集中モードで叫んだ。

「ちゆるさん! 音声メッセージ、成功しましたよ! #SaveAkariがめっちゃ盛り上がってる! 次はヤザンさんを味方に引き込みます!」

ちゆるは拳を握り、笑顔で応じた。

「めるちゃん、小花さん、翠蘭さん、最高! アカリちゃん、絶対救うよ!」

一方、バスクはGOOMSTUDIOの管理室で、橘からの報告を受け、目を細めた。

「ノイズだと? 姜小花の仕業か…! 生駒、波瀬、アカリを徹底監視しろ。#SaveAkariを潰す!」

しかし、アカリの笑顔、内部協力者の結束、外部の絆は、彼の支配に確実に楔を打ち込んでいた。

#SaveAkariのムーブメントは、音声メッセージの成功、ヤザンの動揺、うるうの葛藤、鳴神の協力により、かつてない勢いで加速。ミライアカリの救出とちゆるの命を守る戦いは、決定的な局面を迎えていた。

 

 

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