2020年11月12日
GOOMSTUDIO 休憩室
GOOMSTUDIOの休憩室は、薄暗い照明と無機質な壁に囲まれ、静けさに軽いざわめきが混じっていた。
テーブルのタブレットには、10月24日に投稿されたミライアカリの動画が再生されていた。
大阪のスパワールドでウォータースライダーを滑るアカリの姿が映し出され、金髪サイドテールとピンクの星マークが揺れる蒼い瞳は、楽しそうな笑顔で輝いていた。
しかし、その裏にはバスク郷里の監視と強制的な台本があった。
ジェリド井上とカクリコン戸松はソファに座り、動画を見ながら話していた。
カクリコンはタブレットを手に、驚いたように言った。
「ジェリド、10月24日に投稿された動画を見返したが、ウォータースライダーで滑ってたらしいぞ。」
ジェリドは目を丸くし、笑いをこらえながら言った。
「何? ウォータースライダーだと。おいおい、今の季節は秋だぞ。バスクの奴、とうとうとち狂ったか。」
カクリコンは首をかしげ、興味深そうに尋ねた。
「どこで収録したんだ?」
ジェリドはタブレットの画面を指差し、答えた。
「スパワールドだよ。大阪にある温泉をテーマとした娯楽施設さ。」
カクリコンは羨ましそうにため息をつき、呟いた。
「ぐ…温泉に入りたかったぜ。」
その時、ドアが開き、エマ・シーンが入ってきた。
彼女は二人の会話を聞きつけ、呆れたように言った。
「あなた達、変な妄想しないで頂戴! アカリに軽蔑されるわよ。」
ジェリドは苦笑し、頭をかいた。
「おっと、エマ、悪かった。けどよ、バスクがこんな動画撮らせたってのが、なんか引っかかるんだよな。アカリの楽しそうな笑顔、ホントか…?」
カクリコンも頷き、静かに言った。
「ああ…ココロヤミの設定といい、バスクのやり方は分からん。アカリが楽しんでたとしても、あいつの掌の上だろ…」
エマはタブレットに目をやり、複雑な表情で言った。
「アカリの笑顔は、ファンのためだわ。たとえバスクの指示でも、彼女はファンを想って演じてる。それを忘れないで。」
ジェリドは腕を組み、呟いた。
「…確かに。けど、俺たちもただ見てるだけじゃダメだ。アカリを救うために、もっと動かなきゃな。」
カクリコンが力強く頷き、言った。
「そうだな。姜小花のハッキングが進めば、音声メッセージでアカリに直接希望を届けられる。ブライトやライラ、岩城も協力してる。俺たちもリスクを冒す時だ。」
その時、ドアが再び開き、生駒葵と波瀬うるうが入ってきた。
葵は規律正しい姿勢で、冷ややかに言った。
「こんな時に雑談とは、良いご身分だな。」
うるうは縮こまり、震える声で呟いた。
「ど、どうも初めまして……波瀬うるう、です……」
葵は鋭い視線をジェリドたちに向け、続けた。
「…私もバスクのやり方に疑念を抱いている。詳しく話してくれないか? 私達は味方だ。」
ジェリドとカクリコンは一瞬驚いたが、エマが冷静に応じた。
「生駒、波瀬、協力してくれるなら歓迎よ。アカリはバスクのパワハラと強制台本に苦しんでる。姜小花のハッキングで、音声メッセージを配信中に送り込んでるの。内部からバスクの監視を崩すため、あなたたちの力が必要よ。」
うるうは不安げに目を伏せたが、葵は静かに頷いた。
「…分かった。アカリの笑顔が本物なら、それを守るべきだ。私も動く。」
ジェリドはタブレットを手に呟いた。
「アカリの笑顔…スパワールドでも、配信でも、ファンのためだ。俺たち、絶対に守るぜ。」
エマが微笑む。
「そうよ。生駒、波瀬、力を貸して。アカリを救うのは、私たち全員の絆よ。」#SaveAkariのムーブメントは、葵とうるうの協力、カタリーナの潜入、エトラの拡散、鳴神の参加、姜小花と劉翠蘭の諜報、内部協力者の結束により、かつてない勢いで加速。ミライアカリの救出とちゆるの命を守る戦いは終わりそうにはなくまだまだ続くのだった。
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