ENTUM23   作:マブラマ

208 / 229
第208話 ティターンズの旗の下

2020年11月22日

GOOMSTUDIO 会議室

 

GOOMSTUDIOの会議室は、冷たい蛍光灯の光に照らされ、陰謀と野心の匂いが漂っていた。ジャミトフ西村とバスク郷里は、ミライアカリを利用してVTuber業界での支配力をさらに強めるための策略を練っていた。

テーブルの上には、アカリの最新動画のデータや視聴者数の分析資料が広げられ、モニターには10月31日に投稿された『ハロウィンが苦手なミライアカリ』の動画が映し出されていた。

アカリがティターンズの制服を着た姿が、画面の中で不自然に映えていた。

ジャミトフはタブレットを手に、満足げな笑みを浮かべた。

「バスクよ。先月の31日に投稿された動画を見たかね?」

バスクは即座に答えた。

「は――『ハロウィンが苦手なミライアカリ』ですね。」

ジャミトフは目を細め、声を低くした。

「そうだ――苦手と言いながら此奴、“ティターンズの制服”を着とるではないか。」

バスクは軽く笑い、答えた。

「単なる探究心かと……ジャミトフ様もご感服になられたのでは。」

ジャミトフは椅子に背を預け、満足そうに頷いた。

「ああ、大満足だ。これで彼女も“ティターンズ”の一員だ。」

バスクは目を輝かせ、力強く応じた。

「“ティターンズ”の旗の下に――ですな。」

ジャミトフは冷ややかな笑みを浮かべ、続けた。

「“ティターンズ”は力だ。そして真の正義でもある。」

バスクは深く頷き、同意した。

「はい、仰る通りで。」

ジャミトフは立ち上がり、声を張り上げた。

「我々のために働いて貰う。“ティターンズ”の旗の下へ。」

バスクは薄笑いを浮かべ、呟いた。

「ククク…」

ジャミトフも笑い声を上げ、応じた。

「ククク…」

二人の笑い声が重なり、会議室に不気味な響きが広がった。

「はははははははははははは!」

しかし、その笑い声の裏で、ジャミトフの心には一抹の不安がよぎっていた。

ファルカ・ミューレンカンプの介入、橘雅清の軟化、ヤザン大塚の動揺――GOOMSTUDIO内部の綻びが、徐々に広がりつつあった。

彼らはアカリを「ティターンズ」の象徴として利用し、VTuber業界を掌握しようと目論んでいたが、#SaveAkariのムーブメントがその計画に影を落としていた。

 

ミライアカリは配信ルームでモーションキャプチャ装置を装着し、次の配信の準備を進めていた。バスクの強制的な台本と「ティターンズの制服」を押し付けられたことに、彼女の心は重かったが、内部協力者(岩城、ブライト、エマ、ジェリド、カクリコン、ライラ、橘、ヤザン、生駒葵、波瀬うるう)の支援とファンの応援が彼女を支えていた。

蒼い瞳には、希望と葛藤が交錯していた。

岩城がそばに立ち、小声で囁いた。

「アカリ、姜小花と劉翠蘭が次の音声メッセージを準備中だ。葵とうるうがバスクの警備を攪乱してる。もうすぐだ、持ちこたえろ。」

アカリは小さく頷き、微笑んだ。

「岩城さん、ありがとう。みんなの想い、ちゃんと届いてる。私、ファンのために絶対に負けない!」

生駒葵が部屋に入り、静かに言った。

「アカリ、バスクの監視は厳しいが、私とうるうが隙を作る。次の配信で、NEOENTUMが動く。」

波瀬うるうは縮こまりながらも、勇気を振り絞って言った。

「私も…アカリさんの笑顔、守りたいです…!も、もっと輝いて欲しいですぅ…」

橘が隅で頷き、呟いた。

「アカリ、俺も…お前の笑顔のために戦う。」

アカリは準備を終え、呟いた。

「みんな…次も、私の全てをかけるよ…!」

彼女の心には、仲間たちの想いとファンの応援が響き合い、「ココロヤミ」を超える希望が燃えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、株式会社リィズ・ホーエンシュタインのスタジオの休憩スペースでは、エトラがソファに座り、スマホでYouTubeチャンネル『アニメ娘ベノ』の動画を視聴していた。

画面には、ベノちゃんが萌実の『モンスターストライク(モンスト)』のデータを勝手に操作し、貴重なモンスターを売却してしまうという、悪ふざけ全開の動画が流れていた。エトラは腹を抱えてゲラゲラ笑い、ソファに倒れ込んだ。

「ははは! ベノちゃん、なんてことすんの! 萌実のデータ、勝手に売っちゃうとか、めっちゃカオスじゃん!」

彼女はスマホを手に、笑いながら呟いた。

「いや、これ、萌実が絶対キレるやつでしょ。ベノちゃん、ほんとぶっ飛んでるな~。」エトラはまだミライアカリがGOOMSTUDIOでバスク郷里のパワハラに苦しんでいることを知らず、目の前の動画に夢中だった。

しかし、彼女のASMR配信による#SaveAkariの拡散は、知らず知らずのうちにムーブメントを世界的に広げ、ファンの応援を結集させていた。

アネットからの連絡でアカリの危機を知ったエトラは、近日中の配信でさらなる協力を約束していたが、この時点ではまだその情報に触れていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミライアカリは配信ルームでモーションキャプチャ装置を装着し、次の配信の準備を進めていた。

バスクの強制的な台本と「ティターンズの制服」に縛られながらも、内部協力者(岩城、ブライト、エマ、ジェリド、カクリコン、ライラ、橘、ヤザン、生駒葵、波瀬うるう)の支援と、音霊魂子とのコラボで得た一瞬の楽しさが彼女の心を支えていた。

金髪サイドテールとピンクの星マークが揺れる蒼い瞳には、疲労と葛藤が滲みつつも、希望が燃えていた。彼女は呟いた。

「みんな…次の配信も、私の全てをかけるよ…!」

岩城がそばに立ち、小声で言った。

「アカリ、姜小花と劉翠蘭が次の音声メッセージを準備中。葵とうるうがバスクの警備を攪乱してる。もうすぐだ。」

葵が静かに付け加えた。

「バスクはティターンズに夢中だが、私たちが隙を作る。」

うるうは縮こまりながらも、勇気を振り絞って言った。

「わ、私も…アカリさんの笑顔、絶対守ります…!必ず絶対に!」

アカリは二人に微笑み、力強く頷いた。

「葵さん、うるうさん、ありがとう。みんなの想い、ちゃんと届いてる。私、ファンのために絶対に負けない!」

#SaveAkariのムーブメントは、内部協力者の結束、エトラの潜在的参戦、鳴神の貢献、カタリーナとファルカの潜入、姜小花と劉翠蘭の諜報、NEOENTUMの戦略により、勝利への準備を整えた。

ミライアカリの救出とちゆるの命を守る決戦は、まだまだ続くのだった。

 

Fortgesetzt werden

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。