ENTUM23   作:マブラマ

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第222話 坡州

2020年12月16日、韓国・坡州市

 

束草市の喧騒を後にした鳴神裁は、ひっそりと坡州市へと移動していた。

軍事境界線(38度線)を隔てて北朝鮮と接する最前線、板門店を擁するこの都市は、非武装地帯(DMZ)が市域に広がる唯一の場所だった。

冷たい冬の風が吹き抜ける中、鳴神は小さなカフェの片隅に身を潜め、ノートPCを開いてヤミクモケリンからの暗号化メッセージを確認していた。

彼の心は、#SaveAkariムーブメントの最終局面への焦りと、仲間への信頼で揺れていた。

束草での録音データの成功がNEOENTUMに大きな推進力を与えた今、鳴神は単独行動を控え、慎重に動く決意を固めていた。

「(もう無茶はしねえ。ケリンや魂子、ベアトリクスさんたちの指示に従って、#SaveAkariを成功させる!)」

ケリンからのメッセージが画面に表示された。

「鳴神、坡州に移動したのは良い判断だ。板門店でのおめがシスターズの潜入とリンクしろ。姜小花のハッキングはクリスマスライブで最大の効果を発揮する準備が整ってる。SNSでの#SaveAkari拡散を続けろ。バスクやシロッコに動きを悟られるな」

鳴神は拳を握り、静かに頷いた。

「了解した、ケリン。アカリを救うまで、絶対に諦めねえ」

彼はカフェの窓越しに、板門店の厳重な監視塔が遠くに見える風景を眺めた。

非武装地帯の緊張感が、#SaveAkariムーブメントの緊迫感と重なり、彼の決意をさらに燃え上がらせた。

坡州市での行動は、おめがシスターズやNEOENTUMの動きと連携し、ミライアカリのクリスマスライブでの決定的な一撃を支える重要な一歩となるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同日、南北朝鮮38度線支部 支部長室

 

南北朝鮮38度線支部の支部長室は、非武装地帯(DMZ)の厳重な監視と緊張感に囲まれた、ひんやりとした空間だった。

夏実萌恵は、モニターに映し出された坡州市での鳴神裁の動向を注視していた。

彼女の手元には、NEOENTUMの情報網と中国公安部からの暗号化されたデータが流れ込み、#SaveAkariムーブメントの局面に向けた準備が進められていた。

萌恵の鋭い視線は、モニターに映る鳴神の慎重な行動を追っていた。

束草市での録音データの成功後、彼が単独行動を控え、ヤミクモケリンやおめがシスターズと連携している姿に、彼女は小さく頷いた。

「(鳴神、よくやった。無茶を控えて、仲間と動いてる…これなら、#SaveAkariの作戦に貢献できる)」

彼女は暗号化された通信ツールを手に取り、ベアトリクス・ブレーメに報告を送った。「ベアトリクスさん、鳴神は坡州市で慎重に行動中。おめがシスターズの板門店潜入とも連携しています。姜小花のハッキングと合わせ、クリスマスライブでの一撃の準備は順調です」

ベアトリクスからの返信は即座だった。

「了解、萌恵。鳴神のデータは鍵だ。板門店でのおめがシスターズの動きを監視し、バスクやシロッコに悟られないよう注意しろ」

萌恵はモニターを見ながら呟いた。

「アカリを救うため…絶対に失敗は許されない」

支部長室の静寂の中、彼女の瞳には、VTuber業界の絆とファンの力を信じる強い決意が宿っていた。

非武装地帯の緊張感が、#SaveAkariムーブメントの緊迫感と重なり、クリスマスライブでの決戦に向けて、すべてのピースが揃いつつあった。

 

 

 

GOOMSTUDIOでは、ジャミトフ西村とバスク郷里がASOBINOTES ONLINE FEST 2nd、幸福の科学とのコラボ、お台場のクリスマスライブを強行し、ミライアカリをさらに搾取しようとしていた。

しかし、ヤザン大塚の裏切り、ジャマイカン山田の動揺、パプテマス・シロッコの不透明な動き、ZIZAIのハインツ・アクスマンの介入が、内部の混乱を加速させていた。

NEOENTUMのベアトリクス・ブレーメ、姜小花、音霊魂子、シロ、湊あくあ、郡道美玲、ヨメミ、萌実、おめがシスターズらは、クリスマスライブでの決定的な一撃を準備していた。

姜小花のハッキングデータと鳴神の録音情報が、作戦の核心を担っていた。

エイレーンの下着窃盗の波紋は、彼女の謝罪で一時的に収まったものの、NEOENTUM内部の信頼に微妙な影を残していた。

エトラは依然としてミライアカリの危機に気づかず、呑気にクルマASMR配信を続けていたが、彼女の明るさがファンの団結を間接的に高めていた。

アカリのクリスマスライブが、彼女の自由を取り戻す最後の戦場となる可能性が高まっていた。VTuber業界の絆とファンの力が、革命の火を燃え上がらせていた

 

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