ENTUM23   作:マブラマ

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第224話 おめがシスターズの緊張

2020年12月19日、韓国・臨津閣

 

非武装地帯(DMZ)にほど近い臨津閣の展望台は、軍事境界線(38度線)を隔てて韓国と北朝鮮の緊張感が交錯する場所だった。

冷たい冬の風が吹き抜ける中、おめがシスターズのリオとレイは、危険を承知でこの地に足を踏み入れていた。

展望台は、韓国側から北朝鮮の風景を見渡せる数少ない場所であり、厳重な警備と静かな緊張感に包まれていた。リオとレイは、VTuberらしい明るい笑顔を装いつつ、展望台内の小さなレストランに身を潜めた。テーブルの下で暗号化された通信ツールを手に、ヤミクモケリンや鳴神裁と連携を取りながら、#SaveAkariムーブメントの次のステップを調整していた。

リオが小声でレイに囁いた。

「ねえ、レイ、鳴神さんが坡州市で動いてるって。姜小花さんのハッキングデータと合わせれば、クリスマスライブでバスクを追い詰められるよ!」

レイは目をキラキラさせ、姉妹ならではの軽快なテンションで応じた。

「うん、リオ! 私たちの姉妹パワーで、アカリちゃんを絶対救う! でも、監視が厳しいから、めっちゃ慎重にいこ!」

二人はレストランの喧騒に紛れ、暗号化されたメッセージを鳴神に送信した。

「鳴神、臨津閣で待機中。ベアトリクスさんからの指示を待ってる。#SaveAkariの拡散、引き続き頼むよ!」

送信後、彼女たちは展望台に上がり、北朝鮮側の荒涼とした景色を眺めた。

遠くに見える監視塔と静まり返った風景が、#SaveAkariムーブメントの緊迫感と重なり、二人の決意をさらに固めた。

「アカリちゃんのために…私たち、絶対諦めない!」

リオとレイは互いに頷き合い、瞳に強い意志を宿した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同日、異世界人系VTuberの失踪

 

同じ頃、異世界人系バーチャルYouTuberのシフィール・エシラーが突如として姿を消した。

彼女は当初、東京都新宿区にあるエイレーン宅に下宿し、エイレーンと共に動画制作を手伝っていた。

シフィールの独特な世界観と魅力的な配信スタイルは、VTuber界隈で注目を集めていたが、突然の失踪はファンと関係者に衝撃を与えた。

エイレーンはベルリンから戻ったばかりで、シフィールの失踪を知り、動揺を隠せなかった。

彼女はNEOENTUMのベアトリクス・ブレーメに連絡し、声を震わせながら報告した。

「ベアトリクスさん…シフィールが…いなくなったんです! 私の家にいたのに、急に連絡が途絶えて…!」

ベアトリクスは冷静に応じた。

「エイレーン、落ち着け。シフィールの失踪が#SaveAkariと関連している可能性もある。姜小花にハッキングで彼女の足取りを追わせる。だが、君の軽率な行動が引き起こした波紋が、彼女に影響した可能性も否定できない。すぐに調査を始める」

シフィールの失踪は、#SaveAkariムーブメントに新たな不確定要素を投げかけた。

彼女がエイレーン宅で動画制作に関わっていたことから、GOOMSTUDIOやバスクの監視網に引っかかった可能性も囁かれ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年12月20日、GOOMSTUDIO 管理室

 

GOOMSTUDIOの管理室は、冷たく静かな緊張感に包まれていた。パプテマス・シロッコはモニターを睨み、鳴神裁とおめがシスターズ(リオとレイ)の臨津閣での行動を鋭い洞察力で捉えていた。

姜小花のハッキングによる映像隠滅にもかかわらず、彼の情報網はNEOENTUMの動きを一部把握していた。

バスク郷里の時代錯誤な支配手法に内心反発しつつ、シロッコはクリスマスライブを控えたGOOMSTUDIOの警備強化を密かに計画していた。

彼は独り言を呟いた。

「鳴神…おめがシスターズ…奴らの動きは#SaveAkariをクリスマスライブで爆発させる気だ。バスクのやり方はもう持たない…だが、私もただ見ているわけにはいかないな」

シロッコはバスクやジャミトフ西村に報告せず、自身の立場を守りながら、極秘裏に警告メッセージを送ることを決めた。

鳴神に直接連絡するのはリスクが高いと判断し、おめがシスターズにのみ暗号化されたメッセージを送信した。

メッセージ(シロッコからおめがシスターズへ)

「リオ、レイ、臨津閣での行動は監視されている。クリスマスライブでの動きは慎重に。バスクの目は厳しいが、俺は味方だ。シロッコ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同日、韓国・臨津閣

 

臨津閣のレストランは、非武装地帯(DMZ)の緊張感とは裏腹に、観光客のざわめきで賑わっていた。

おめがシスターズのリオとレイは、テーブルの下でノートPCを確認し、シロッコからの警告メッセージに目を丸くした。

リオが驚きを隠せない声で囁いた。

「レイ、シロッコさんからメッセージだよ…! 私たちの臨津閣での動き、GOOMSTUDIOにバレてるって! でも、シロッコさんが『味方』って…信じていいのかな?」

レイは少し不安げに答えた。

「リオ、シロッコってバスク側なのに…本当に味方? でも、クリスマスライブの警備が強化されるなら、夏実さんや鳴神さんにすぐ報告しなきゃ!」

リオは即座に暗号化メッセージで鳴神に報告した。

「鳴神、シロッコから警告来た! 臨津閣の行動がバレてる。クリスマスライブの警備が強化されるって。シロッコは『味方』って言ってるけど、どう思う? 夏実さんにも伝えるよ」

坡州市の安全な隠れ家に身を潜める鳴神は、メッセージを受け取り、目を細めた。

「シロッコ…バスクを牽制しながら、俺たちにヒントをくれるつもりか? だが、信用しすぎるのは危険だ。リオ、レイ、夏実にすぐ伝えて、クリスマスライブの作戦を再調整しろ。#SaveAkariの勢いは止まらねえ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同日、シフィール・エシラーのチャンネル乗っ取り

 

一方、異世界人系VTuberシフィール・エシラーのYouTubeチャンネルが、謎の存在「ディスコルディア・ロースター」に乗っ取られていた。

ディスコルディアは、シフィールの立ち絵を流用した漫画風の動画を数本投稿し、視聴者を混乱させていた。

彼女は動画内で「シフィールとは全く無関係」と主張し、毒舌で過激なスタイルで「世の中の『クソ』を教える」内容を展開。

教師をクビになった後にYouTube業界に参入したというキャラクター設定で、シフィールのファン層を一部引きつけつつ、物議を醸していた。

ディスコルディアの初投稿動画では、彼女が不敵な笑みを浮かべながらこう語っていた。「シフィール? 知らないわ! このチャンネル、ただの遊び場よ。世の中の偽善やバカバカしいルール、全部ぶっ壊してやるわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同日、郡道美玲の調査

 

にじさんじ所属の郡道美玲は、シフィールのチャンネル乗っ取り事件を独自に調査し始めた。

音霊魂子やヨメミからシフィールの失踪情報を聞き、ディスコルディア・ロースターの出現が#SaveAkariムーブメントに影響を与える可能性を警戒していた。

配信の合間に、暗号化されたチャットでNEOENTUMのメンバーに連絡した。

「魂子、ヨメミ、シフィールのチャンネルが乗っ取られてるよ! ディスコルディア・ロースターって奴、めっちゃ胡散臭い。バスクやアクスマンの差し金じゃないよね? 私が調べてみる!」

美玲はディスコルディアの動画を分析し、IPアドレスや投稿パターンを追跡。姜小花に協力を依頼し、ディスコルディアのデジタル足跡を追った。彼女は独り言を呟いた。

「シフィールちゃんのチャンネル使って、こんなふざけた動画上げるなんて…何か裏があるはず。クリスマスライブ前に、変な動きを潰さないと!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GOOMSTUDIOでは、ジャミトフ西村とバスク郷里がASOBINOTES ONLINE FEST 2nd、幸福の科学とのコラボ、お台場のクリスマスライブを強行し、ミライアカリをさらに搾取しようとしていた。

しかし、ヤザン大塚の裏切り、ジャマイカン山田の動揺、シロッコの不透明な動き、ZIZAIのハインツ・アクスマンの介入が、内部の混乱を加速させていた。

NEOENTUMのベアトリクス・ブレーメ、姜小花、篁唯依、音霊魂子、シロ、湊あくあ、郡道美玲、ヨメミ、萌実、おめがシスターズらは、姜小花のハッキングデータと鳴神の録音情報を基に、クリスマスライブでの決定的な一撃を準備していた。

韓国・坡州市の鳴神と臨津閣のおめがシスターズは、シロッコの警告を受け、作戦の再調整に追われていた。

エトラは依然としてミライアカリの危機に気づかず、呑気にクルマASMR配信を続けていたが、彼女の明るさがファンの団結を間接的に高めていた。

シフィール・エシラーのチャンネル乗っ取りは、NEOENTUMに新たな緊張をもたらし、ディスコルディアの動向が#SaveAkariムーブメントにどう影響するかは未知数だった。

しかし、VTuber業界の絆と国際的なファンの力が、アカリのクリスマスライブを最後の戦場として、革命の火を燃え上がらせていた。

 

この戦いはまだ終わりそうにない。

 

 

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