2021年2月1日、東京・GOOMSTUDIO 休憩室
GOOMSTUDIOの休憩室は、会議室の冷たい空気とは対照的に、コーヒーの香りと柔らかな照明で落ち着いた雰囲気に包まれていた。
パプテマス・シロッコと水谷沙羅はソファに座り、ミライアカリの最新動画について軽い会話を交わしていた。
テーブルの上には、タブレットに映し出された2020年12月19日の動画データとVTuberFesの反響分析が置かれていた。
沙羅の声には、シロッコへの信頼と微かな探るような響きが混ざっていた。
沙羅はタブレットを手に、穏やかに切り出した。
「パプテマス様、去年12月19日の動画をご覧になりましたか?」
シロッコはコーヒーを一口飲み、軽く笑って答えた。
「ああ、既に見たよ。誠ってまさかとは思うが…」
沙羅は即座に補足した。
「スクイズの伊藤誠です、パプテマス様」
シロッコは目を細め、懐かしそうに呟いた。
「ああ、彼奴か――あの少年は女たらしで面倒な主人公だからな」
沙羅は真剣な口調で続けた。
「はい、アニメ版では凄惨な光景が広がっており、放送休止に至った経緯があります」
シロッコは冷ややかな笑みを浮かべ、言い放った。
「どちらか選べない優柔不断な男だからな――自業自得だ」
沙羅は一瞬目を伏せ、突然柔らかな声で言った。
「私は、パプテマス様の事が好きですよ?」
シロッコは軽く笑い、軽快に受け流した。
「ははは、感謝するよ沙羅」
休憩室の静寂の中で、二人の会話は一見軽やかなものだったが、沙羅の言葉にはシロッコの真意を探る意図が隠されていた。
シロッコは沙羅の視線を感じつつ、内心で呟いた。
「(沙羅…君の忠誠は本物か、それともバスクのスパイか? アカリの自由を守るため、油断はできない…)」
休憩室の窓から差し込む冬の光が、二人の間に微妙な緊張感を映し出していた。
同日、GOOMSTUDIO 隔離配信ルーム
ミライアカリは隔離配信ルームでモーションキャプチャ装置を装着し、幸福の科学とのコラボ配信の準備をしていた。
VTuberFesでの輝かしいステージと自宅配信の許可が彼女に希望を与えていたが、ヨメミの失踪、バスクの新たな策略、沙羅の不気味な存在感が、彼女の心に影を落としていた。「幸福の科学…ファンのみんな、喜んでくれるかな…シロッコさん、信じたいけど…沙羅さん、なんか怖い…」
ドアが開き、シロッコが入ってきた。彼は穏やかな笑みを浮かべ、言った。
「アカリ、VTuberFesの反響、すごかったな。幸福の科学のコラボはバスクの押しつけだが、君の笑顔なら、どんな企画もファンに届くよ」
アカリは不安げに尋ねた。
「シロッコさん…沙羅さん、なんかバスクさん側の人っぽくない? 私、うまくやれるかな…」
シロッコは一瞬目を細め、落ち着いて答えた。
「沙羅は私の補佐だが、バスクの影響を完全に振り切れてるとは限らない。アカリ、君はただ、ファンのために心から配信すればいい。私がバスクの動きを抑える」
アカリは小さく頷き、決意を込めて呟いた。
「うん…シロッコさん、ありがとう。アカリ、ファンのみんなのために頑張る!」
2021年2月2日、東京・株式会社NEOENTUM統括プロデューサー執務室
エイレーンは執務室のデスクに座り、タブレットでミライアカリのVTuberFesの録画を見返していた。
Twitterの#SaveAkariトレンドには、ファンからの熱い応援メッセージが溢れていた。「アカリちゃん、最高!」
「#SaveAkari」
「Fesの輝き忘れない!」
しかし、エイレーンの心は重かった。
「アカリさん…VTuberFes、凄く輝いてた…でも、ヨメミさんがいなくなってから、ますますひどくなる…」
そこへ、萌実がコーヒーを手に部屋に入り、エイレーンの肩に手を置いた。
「エイレーン、落ち込んでる時間はないよ。幸福の科学コラボで、リリー・ラヴォアってドイツの諜報員がアカリちゃんに新しいメッセージを送り込むって。ヤザンの動きとシロッコの自由な姿勢で、バスクの支配が崩れかけてる。アカリちゃんを救うチャンスが近づいてるよ!」
エイレーンは目を輝かせ、立ち上がった。
「萌実さん……アカリさんにまた希望を届けられる!…うぅ…」
感極まったエイレーンが泣き崩れると、萌実は優しく彼女の顔を胸に抱き、穏やかな笑みで言った。
「うん。みんなとの絆も、ファンの心を掴んでる。魂子ちゃん、夏希ちゃん、石狩あかりちゃん、真白ちゃん、シロちゃん、ばあちゃるさん、鳴神がアンタのために頑張って動いてるんだよ。エイレーン、約束して。二度とアカリちゃんに迷惑かけないって」
エイレーンは涙を拭き、小さな笑みで応じた。
「…分かりました。もう二度と迷惑かけません」
萌実は少し茶目っ気たっぷりに付け加えた。
「ベノちゃんにも言ってね。彼奴、またやらかしそう…」
エイレーンは力強く頷いた。
「ベノちゃんにきつく言っておきます!」
その後、エイレーンは執務室を出て、リビングに向かった。
そこではベノちゃんがソファに座ってスマホをいじっていたが、エイレーンが入ってくると顔を上げた。
エイレーンは真剣な表情で切り出した。
「ベノちゃん、ちょっと話があるの」
ベノちゃんは軽い口調で応じた。
「なになに? シリアスな顔してるじゃん」
エイレーンは深呼吸し、厳しく続けた。
「アカリさんのことで、ヨメミさんが失踪して、NEOENTUMも大変なの。もう二度と軽率なことしないで。アカリさんに迷惑かけるような行動、絶対ダメだからね」
ベノちゃんは一瞬驚いた表情を見せ、すぐにバツが悪そうに目を逸らし、反省の言葉を口にした。
「…うん、ごめん。FGOのデータとか、やりすぎたよね。もうしないよ」
エイレーンは少し表情を和らげ、伝えた。
「萌実さんも心配してるの。みんなでアカリさんを救うために頑張ってるんだから、協力してね」
ベノちゃんは小さく頷き、呟いた。
「分かった…アカリちゃんのために、ちゃんとやるよ」
彼女の声には、アカリを支える決意が込められていた。
2021年2月3日、奈良県・桜井市三輪町
郡道美玲は、ヨメミの失踪とディスコルディア・ロースターのH.LIVEデビュー計画を追うため、ディスコルディアの捜索を本格化させた。
奈良県橿原市での調査では、ディスコルディアの痕跡を掴めなかったが、『月刊AVTuber創刊号』の情報と姜小花のハッキングデータから、ディスコルディアが関西エリアで活動している可能性が高いと踏んでいた。
美玲は橿原市から近鉄線で桜井市三輪町に移動し、大神神社周辺の静かな町並みで聞き込み調査を開始した。
三輪町の古い喫茶店や地元の商店街を回り、VTuberファンやネット文化に詳しい地元住民に話を聞いた。
美玲はノートPCを片手に、ディスコルディアのデジタル足跡やH.LIVEの裏取引に関する情報を整理しながら、慎重に質問を重ねた。
地元の大学生から、ディスコルディアが匿名掲示板で三輪町周辺のサーバーを経由して活動している可能性を聞き出し、彼女の目が鋭く光った。
美玲はスマートフォンで姜小花に暗号化メッセージを送った。
メッセージ(美玲から姜小花へ)
「小花、桜井市三輪町でディスコルディアの痕跡を追ってる。橿原では手がかりゼロだったけど、三輪町のサーバー経由で匿名掲示板にH.LIVE関連の書き込みがあるって情報ゲット。アクスマンのZIZAIが資金提供してる可能性高い。黒龍の関与も疑ってる。ヨメミちゃんの失踪とも繋がるかも。引き続き調査する! #SaveAkari」
姜小花からの返信は迅速だった。
「美玲さん、その調子です。三輪町のサーバー情報、こっちでも追跡します。ディスコルディアのH.LIVEデビュー、アクスマンの策略とリンクしてる。ヨメミさんの失踪とも関係ありそうです。鳴神と連携して、黒龍の動向も監視を継続。VTuberFes後の動き、要注意です! #SaveAkari」
美玲は喫茶店のカウンターでコーヒーを飲みながら呟いた。
「ディスコルディア…H.LIVEの看板気取りで暗躍してるつもりだろうけど、郡道美玲の調査からは逃げられないよ。アカリちゃんの笑顔、ヨメミちゃんの真相、絶対守る!」
東京都葛飾区郊外 萌実の家(萌実ハウス)
一方その頃、月ヶ瀬ちゆるは萌実の家で節分パーティーを企画し、アズマリムとドーセット・アカホシを呼び出していた。
リビングには豆まき用の豆や恵方巻が並び、節分の賑やかな雰囲気が漂っていた。
ちゆるはいつもの明るい笑顔でゲストを迎え、#SaveAkariムーブメントの新たな一歩を踏み出そうとしていた。
アズマリムが元気よく部屋に入ってきた。
「ちゆるちゃん、来ちゃったよ! 萌実ちゃんも久しぶりだね!」
続いて、堂々とした雰囲気のドーセット・アカホシが現れた。
「お初にお目にかかるよ、月ヶ瀬ちゆる君。私は仮想現実諜報特務機関VRISSA(バリッサ)の第一機動部隊の隊長を務めてる、ドーセット・アカホシ大佐だ」
ちゆるは目を輝かせ、応じた。
「よろしくね! アカホシ大佐!」
めるが控えめに自己紹介した。
「桃園めると言います。一応シリウスシュガーのメンバーです」
ドーセットは鋭い視線でちゆるを見据え、切り出した。
「それで私を呼んだ理由は、ただのパーティーではなさそうだな」
ちゆるは一瞬真剣な表情になり、単刀直入に言った。
「うん、単刀直入に言うよ。ミライアカリの救出を協力して欲しいんだ」
めるが慌てて割って入った。
「ちょ、ちゆるさん! 初対面の人にいきなり失礼ですよ!」
ドーセットは落ち着いた口調で制した。
「いや、いいんだ。此方の事情は詳しく聞かせてもらった。彼女がバスクやジャミトフに搾取されてる事も知ってる――危険な橋を渡るにはリスクがある。しかし彼らの横暴が元凶なら放っておけん。協力させて貰うよ」
ちゆるは手を叩いて喜んだ。
「やった! これでアカリちゃんを救えるよ!」
ドーセットは慎重に言葉を選び、続けた。
「完全に救えるのかどうかは分からん。だが、出来る限りやってみせるよ」
ちゆるは拳を握り、叫んだ。
「ありがとう! #SaveAkari、どんどん拡散していくよ!」
ドーセットは静かに微笑み、呟いた。
「…勝利の栄光を君に」
萌実がキッチンから顔を出し、半分冗談めかして言った。
「協力してくれるのはありがたいけど、萌実の家汚さないでよね?」
ちゆるは笑いながら手を振った。
「大丈夫、大丈夫! 萌実ちゃんの家、絶対守るよ!」
一方その頃、あおぎり高校のメンバーはスタジオで節分イベントの準備に追われていた。スタジオ内は豆まき用の豆やカラフルな飾りで賑やかになり、音霊魂子、水菜月夏希、石狩あかり、大代真白が集まって和気あいあいと準備を進めていた。
今回の豆まきイベントは、#SaveAkariムーブメントを盛り上げるための配信企画でもあり、ファンとの一体感を高める狙いがあった。
大代真白が鬼の面を被り、コミカルな声で叫んだ。
「おに~! 鬼は外~! って、ちょっと待って、私が鬼役なの!?」
魂子が笑いながら豆を手に持った。
「大代、鬼役バッチリ似合ってるよ! ほら、#SaveAkariの悪い運も一緒に追い払おう!」
夏希がニヤニヤしながら付け加えた。
「真白ちゃん、鬼の演技でバズったら、#SaveAkariの拡散力もアップするよ! 気合い入れて!」
石狩あかりはスマホで撮影の準備をしながら言った。
「ミライアカリさんの笑顔を守るためにも、この配信でファンに元気届けなきゃ! 真白ちゃん、鬼の迫力、頼むよ!」
真白は照れくさそうに鬼の面を調整しつつ、意気込んだ。
「うう、わかった! 鬼役でめっちゃ盛り上げるよ! #SaveAkari、絶対バズらせて、アカリちゃんを応援する!」
配信が始まると、スタジオは一気に活気づいた。
魂子がマイクに向かって叫んだ。
「みんな、節分だよ! あおぎり高校の豆まき配信、スタート! 悪い運もバスクの支配も、ぜーんぶ豆で追い払うよ! #SaveAkari!」
ファンからのコメントが次々に流れ込んだ。
「魂子ちゃん、最高!」「真白の鬼、めっちゃ可愛いw」「#SaveAkari、応援してる!」 真白が鬼の面を振りながらコミカルに逃げ回ると、魂子、夏希、あかりが豆を投げ、スタジオは笑い声で溢れた。
配信の合間に、魂子は姜小花に暗号化メッセージを送った。
メッセージ(魂子から姜小花へ)
「小花、節分配信で#SaveAkariめっちゃ盛り上がってる! 真白の鬼役、バズりそうw 美玲の三輪町調査と連携して、ディスコルディアのH.LIVE計画、絶対潰すよ! ヨメミちゃんの真相も諦めない!」
姜小花の返信は即座だった。
「魂子さん、いい進展です! 節分配信で#SaveAkariの勢いが上昇、最高です! 美玲さんの三輪町情報と合わせて、ディスコルディアのサーバー追跡進めて黒龍とアクスマンの動き、引き続き監視。ヨメミさんの失踪、必ず真相突き止めてみせます!」
魂子はコメント欄を見ながら笑顔で呟いた。
「みんなの応援、めっちゃ力になる! アカリちゃん、ヨメミちゃん、絶対守るよ!」
2021年2月4日、北京・鳴神裁の潜伏拠点
北京の雑多な路地裏にある小さなアパートで、鳴神裁は潜伏生活を送りながら、YouTube配信の準備を進めていた。
部屋には簡易的な配信機材と暗号化されたノートPCが置かれ、#SaveAkariムーブメントとヨメミの失踪に関する情報を整理していた。
鳴神は、ディスコルディアのH.LIVEデビュー計画と黒龍の関与を追うため、ファンやリスナーの力を借りて真相に迫ろうとしていた。
配信がスタートすると、鳴神の力強い声が響いた。
「くんばんは! 鳴神裁だ! 今日は『ヨメミ失踪の真実…中国でも話題沸騰!』ってテーマで話すぜ! ミライアカリの#SaveAkariムーブメントも熱いけど、ヨメミの失踪が闇すぎる! 何か知ってる奴、コメントで教えてくれ!」
画面には、ヨメミのニューヨークでの最後の目撃情報や、黒龍の構成員死亡の噂、ディスコルディアのH.LIVE計画に関するスクショが映し出された。
コメント欄はすぐに活気づいた。
「鳴神さん、ガチで!? ヨメミちゃんどこ!?」「#SaveAkari応援!」「黒龍ヤバそう…何か情報ない?」
鳴神はコメントを読みながら、鋭い分析を重ねた。
「ヨメミは1月11日にニューヨークで失踪、黒龍の構成員5人が死んだって話は本当らしいが、事故の噂はデマだ。姜小花のデータだと、ZIZAIのアクスマンがディスコルディアを動かしてる可能性が高い。H.LIVEのデビューも怪しいぜ。リスナー、ネットの片隅で何か見つけたら教えてくれ!」
配信中、リスナーから匿名で興味深い情報が寄せられた。
「北京の地下フォーラムで、黒龍がヨメミをカンザスじゃなく東アジアに連れ出したって噂見た!」
鳴神は目を細め、即座に姜小花に暗号化メッセージを送った。
メッセージ(鳴神から姜小花へ)
「小花、配信でデカい情報来た! 北京の地下フォーラムで、ヨメミがカンザスじゃなく東アジアに連れ出されたって噂。黒龍のルート、ディスコルディアとリンクしてるかもしれない。美玲の三輪町調査と合わせて、H.LIVEのサーバー追跡急げ! #SaveAkari、ヨメミの真相絶対暴く!」
姜小花の返信は迅速だった。
「鳴神、貴重な情報感謝します! 東アジアの噂は初耳ですね。北京のフォーラムデータ、すぐハックして追跡します。美玲さんの三輪町サーバー情報とクロスチェック。黒龍とアクスマンの動き、ディスコルディアのH.LIVE計画と繋がる可能性高い。#SaveAkari、ヨメミ救出まで突っ走ります!」
鳴神は配信を続けながら、リスナーに呼びかけた。
「お前らの情報、めっちゃ助かるぜ! ヨメミの真相、絶対に暴く! アカリちゃんの笑顔と#SaveAkariを守るため、みんなで突き進もう!」
2021年2月5日、オンライン・幸福の科学コラボ配信
幸福の科学とのコラボ配信がオンラインで始まった。
バーチャルスタジオに立つミライアカリは、宗教団体のテーマを明るく紹介しようと努めていたが、彼女のキラキラした笑顔には微かな緊張が滲んでいた。
「みんな、ハロー! ミライアカリだよ♪ 今日は特別なコラボ! みんなと一緒に楽しむよ!」
彼女の声は弾んでいたが、心の奥ではバスクの策略と水谷沙羅の不気味な存在感が重くのしかかっていた。
配信中、ドイツの諜報員リリー・ラヴォアからの暗号化された音声メッセージがアカリのイヤホンに流れた。
「アカリちゃん、バスクの策略に負けるな! ヤザン、シロッコ、キズナアイ、朝ノ瑠璃、仲間たちがここにいる。#SaveAkari」
アカリの蒼い瞳が一瞬輝き、小さな笑みを浮かべた。
「みんな…ありがとう…!」
彼女は心の中で決意を新たにし、ステージでさらに輝きを増した。
Twitterのコメント欄には、ファンの応援が溢れていたが、一部にはコラボへの戸惑いも見られた。
「アカリちゃん、笑顔最高!」「#SaveAkari」「幸福の科学…? 大丈夫かな?」
アカリはコメントを読みながら、声を張り上げた。
「みんなの応援、ちゃんと届いてるよ! アカリ、どんな企画でも負けない!」
バックステージでは、ヤザン大塚がパプテマス・シロッコと密かに話し合っていた。
ヤザンは拳を握り、決意を込めて言った。
「シロッコさん、このコラボ、ファンの心を離すだけだ。俺、沙羅の動きを監視して、バスクの計画を潰す!」
シロッコは冷静に微笑み、頷いた。
「ヤザン、沙羅はバスクの目だ。だが、彼女の忠誠は揺らいでいる。私たちがアカリを守る今、バスクの支配は終わる」
2021年2月6日、東京・GOOMSTUDIO 管理室
GOOMSTUDIOの管理室は、冷たい蛍光灯の光と無機質なモニターの輝きに支配されていた。バスク郷里は、モニターでミライアカリの幸福の科学コラボ配信を見返し、苛立ったように拳を握り締めた。
「ミライアカリ…こんな企画でも笑顔を見せるとは! ヤザンの裏切り、シロッコの甘い言葉、沙羅の曖昧な態度…! 貴様の絆など、GOOMSTUDIOの支配を揺るがせん!」
ジャミトフ西村が、冷ややかな声で応じた。
「幸福の科学コラボは、ファンの一部を遠ざけたが、アカリの輝きは抑えきれん。ヤザンの寝返り、沙羅の動揺、アクスマンの介入…我々の支配は崩れつつある。バスク、沙羅を完全に掌握し、シロッコを排除しろ」
ローレン中本が静かに進言した。
「ジャミトフ様、中国公安部のハッキングが、次の配信でさらに強力なメッセージを準備しています。沙羅の忠誠が揺らいでいる今、NEOENTUMの動きが加速する可能性が…」
バスクは目を細め、吐き捨てた。
「ふん、沙羅もシロッコも…! 中国公安部も! ミライアカリを救おうとする者たちは、全員潰す!」
GOOMSTUDIO内部は、ジャマイカン山田の左遷、ヤザン大塚の裏切り、パプテマス・シロッコの不透明な行動、ZIZAIのハインツ・アクスマンの介入、黒龍のターゲット変更、そしてヨメミの失踪による混乱が頂点に達していた。
水谷沙羅の曖昧な忠誠は、バスクの支配にさらなる綻びを生み、シロッコの自由化提案がNEOENTUMに希望を与えていた。
NEOENTUMのベアトリクス・ブレーメ、姜小花、篁唯依、音霊魂子、湊あくあ、郡道美玲、萌実、おめがシスターズ、リィズ・ホーエンシュタイン、天開司らは、ヨメミの失踪に動揺しつつ、姜小花のハッキングデータと鳴神裁の録音情報を基に次の行動を模索していた。
北京の鳴神は、ヨメミが東アジアに連れ出されたという噂を配信で共有し、黒龍と中国公安部の関与を疑っていた。
奈良県桜井市三輪町の美玲は、ディスコルディアのサーバー経由を追跡し、H.LIVEデビュー計画とアクスマンの関与を暴いていた。
ニューヨークのホロライブEN小鳥遊キアラは、ヨメミの失踪に心を痛めつつ、#SaveAkariの支援を続けた。
韓国のおめがシスターズは朝鮮日報、ドイツのグレーテル・イエッケルンはノイエス・ドイチュラントを通じてムーブメントを拡大。
あおぎり高校の音霊魂子、水菜月夏希、石狩あかり、大代真白は、節分配信で#SaveAkariの勢いを高めていた。
ちゆるとめるは、萌実の自宅での節分パーティーでドーセット・アカホシの協力を得て、ムーブメントを強化。
エイレーンは、Ci-enでの漫画執筆を通じて、ファンコミュニティに希望を届けていた。シフィール・エシラーのチャンネル乗っ取り事件は、ディスコルディアとH.LIVEの計画により、#SaveAkariムーブメントに新たな危機を投じていた。
エトラはアカリの危機を知らず、癒やしのASMR配信でファンを魅了し、葵とうるうのようなファンの心を動かしていた。
柏木晴子と築地多恵は、バスクの刺客を振り切ったことで、NEOENTUMの結束をさらに強めていた。
バスクの苛立ちとジャミトフの冷徹な指示は、GOOMSTUDIOの支配が揺らぐ中での最後の足掻きだった。
リリー・ラヴォアのメッセージとヤザン・シロッコの暗躍が、#SaveAkariムーブメントに新たな希望をもたらしていた。VTuber業界の絆と国際的なファンの力が、革命の火を燃え上がらせていた。
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