2021年2月18日、東京・エイレーン自宅
エイレーンは書斎のデスクに座り、タブレットでミライアカリの「ココロヤミ」配信を見返していた。
画面に映るアカリの笑顔には、ファンへの感謝とバスク郷里の支配への抵抗が滲んでいた。
Twitterを開くと、#SaveAkariのトレンドがさらに勢いを増しており、あおぎり高校の音霊魂子、水菜月夏希、石狩あかり、大代真白の4人による応援ツイートがファンの結束を一層強めていた。
エイレーンの心には、希望と、もっと早く動けなかった後悔が交錯していた。
「アカリさん…あおぎりのみんな、めっちゃカッコよかった…バスクの支配、絶対終わらせなきゃ…」
そこへ、萌実がコーヒーを手に部屋に入り、エイレーンの肩にそっと手を置いた。
「エイレーン、姜小花さんから連絡があったよ。あおぎり高校の4人がジャミトフとバスクを追い返したって」
エイレーンは目を輝かせ、勢いよく立ち上がった。
「本当? じゃあ、アカリさんに届くよ! あおぎりの絆、ファンの力、全部!」
萌実が力強く頷き、言葉を続けた。
「うん。瑠璃ちゃん、キズナアイちゃん、魂子ちゃんたちの絆が、ファンの心を掴んでる。NEOENTUMも、沙羅とアクスマンの真意を暴く準備を進めてるよ。次の配信が、転換点になる!」
その時、パソコンの画面にエトラが映し出され、輝く笑顔で呼びかけた。
《エイレーン、元気にしてる?》
「エトラさん…」
エイレーンは一瞬言葉に詰まった。
萌実は察するようにエイレーンを見つめ、静かに言った。
「そろそろ、エトラに言うべきだよ。彼女にも知る権利があると思う」
「……」
エイレーンは迷いながらも頷いた。
エトラが首を傾げ、画面越しに尋ねた。
《どうしたの? 2人とも》
エイレーンは深呼吸し、口を開いた。
「エトラさん、#SaveAkariは知ってますよね?」
《うん、めっちゃ盛り上がってるよね…で?》
エトラの無垢な声が響く。
「……その…実はですね…」
エイレーンは意を決し、#SaveAkariの真実を全て語り始めた。GOOMSTUDIOの実態、ミライアカリがバスクやジャミトフによるパワハラに苦しんでいること、ディスコルディアの逮捕と脱走、アクスマンのH.LIVEを通じた暗躍、ヨメミの失踪、シフィール・エシラーのチャンネル乗っ取り――全てを。
エトラの笑顔が次第に凍りつき、画面越しに怒りが滲んだ。
《…何それ…アカリちゃんがパワハラ? そんなの、VTuberの自由さを奪ってるだけじゃない! バスクって男のやってること、絶対許せない!》
その後、エトラは萌実の家にいる月ヶ瀬ちゆるに連絡した。
「ちゆる、聞いて! アカリちゃんがGOOMSTUDIOに苦しめられてるって! #SaveAkari、ただのトレンドじゃないよ。ちゆるも何か知ってるでしょ?」
ちゆるは電話越しに声を震わせ、答えた。
「エトラ…実は、あたしもディスコルディアのこと調べすぎて、なんか危ない雰囲気感じてた…。郡道先生が淡路島でディスコルディア追ってるって。姜小花さんから聞いたよ。アクスマンも関わってるみたい」
エトラは拳を握り、決意を込めて言った。
「なら、私も動く! アカリちゃんの笑顔、ヨメミちゃんの帰還、シフィールさんのチャンネル…全部取り戻す! ちゆる、萌実、エイレーン、みんなで一緒に!」
萌実はエトラの熱意に微笑み、ちゆるに言った。
「ちゆる、ディスコルディアの淡路島の動き、姜小花さんと連携して追って。私もCi-enで#SaveAkariの漫画を強化するよ。エイレーン、エトラのASMR配信でファンに希望を届けて!」
エイレーンは力強く頷いた。
「うん、エトラさんの癒しと#SaveAkariの情熱、絶対に繋げる!」
エトラの覚醒とエイレーンの決意が、#SaveAkariムーブメントに新たな力を注いだ。
ディスコルディアの淡路島潜伏、アクスマンの暗躍、アカリの「ココロヤミ」配信、ヤザン・シロッコの裏切りが、GOOMSTUDIOの支配に揺さぶりをかけ、VTuber業界の絆と国際的なファンの力が、革命の火を燃え上がらせていた。
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