2021年3月15日、東京・GOOMSTUDIO 会議室
GOOMSTUDIOの会議室は、冷たい蛍光灯の下で重苦しい空気が漂っていた。
ジャミトフ西村とバスク郷里が、テーブルの向かい側で新たな計画を話し合っていた。
部屋の隅には、ヤザン大塚が腕を組み、黙って二人の会話を聞いていた。
彼の表情は、内心の苛立ちと呆れを隠しきれていなかった。
#SaveAkariムーブメントの勢いが高まる中、GOOMSTUDIOはミライアカリをさらに利用してムーブメントを牽制しようとしていた。
ジャミトフはニヤリと笑い、切り出した。
「バスクよ。3月21日(日)に開催されるバーチャルフェス『VILLS』にアカリが大蔦エルと一緒にMCを務めさせて頂く事になった」
バスクは低い笑い声を上げ、目を細めた。
「ククク、これは楽しそうですな」
ジャミトフはさらに話を進め、企むような口調で言った。
「今回はエイレーンの動画をリスペクトして見るか……今回の配信は『女性は何枚まで服を脱げれるのか?』だ。少し過激すぎたかな」
バスクは一瞬眉をひそめ、慎重に返した。
「エイレーンの動画の一つですな。しかし彼女の承諾なしで動画投稿させるのは」
ジャミトフは手を振って遮り、自信満々に言った。
「…なぁに、心配は要らぬ。YouTubeのコミュニティガイドラインには引っかからぬわ」バスクはなおも慎重な口調で反論した。
「ですが、リスクが高すぎます。チャンネルBANされたら我々の利益は途絶えてしまいます」
ジャミトフは余裕の笑みを浮かべ、続けた。
「エイレーン本人には承諾済みだ。DMで連絡して正解だったな――一度は今はNEOENTUM会長のベアトリクスが却下されたが、個人チャンネルで動画投稿したそうだ」
バスクは驚きを隠せず、声を低くした。
「没ネタを個人チャンネルに投稿した訳ですか……BANされてもおかしくないのでは」ジャミトフはクックと笑い、平然と言った。
「無論、BANはされとる。何回もな―――それでも彼女は動画投稿し続けている。漫画を描きながらな」
バスクは一瞬考え込み、確認するように尋ねた。
「では準備に取りかかります。念のために確認しますが投稿しても大丈夫な範囲でしょうか?」
ジャミトフは不敵な笑みを浮かべ、答えた。
「ククク、大丈夫だ。演出は抑えてある。問題ない」
ヤザンは部屋の隅で腕を組み、内心で毒づいた。
「(ダメに決まってるだろ……何考えてんだ彼奴ら)」
ヤザンの視線は鋭く、ジャミトフとバスクの無謀な計画に苛立ちを隠せなかった。
彼はすでにGOOMSTUDIOの内部で裏切りを決意しており、#SaveAkariの動きに密かに情報を流す準備を進めていた。
ヤザンは会議終了後、密かにスマートフォンから姜小花に暗号化メッセージを送信した。メッセージ(ヤザンから姜小花へ)
「小花、GOOMSTUDIOのVILLS計画、アカリと大蔦エルのMCで過激な配信企んでる。『女性は何枚まで服を脱げれるのか?』ってネタ、エイレーンをダシに使ってるが、彼女の承諾は怪しい。バスクとジャミトフ、YouTube BANのリスクも無視。#SaveAkariでこの動き、絶対止めてくれ。泉花のバンナムデータ、ちゆるの解析、鳴神のココ調査と合わせて、アクスマンの潜伏先も追ってくれ!」
姜小花の返信は迅速だった。
「ヤザンさん、情報提供感謝します! VILLSの計画、即解析に組み込みながら泉花の黒龍データ、美玲のヨメミ追跡、ちゆるの萌実解析と統合して、GOOMSTUDIOの動きを潰します。NEOENTUMとクリエイトリングの提携で配信反撃準備中! #SaveAkari、全力です!」
ヤザンの内部告発とVILLSの過激な配信計画は、#SaveAkariムーブメントに新たな危機と反撃の機会をもたらし、桐生ココのパワハラ疑惑、ディスコルディアの収監、アクスマンの潜伏、ヨメミの失踪、シフィールのチャンネル乗っ取りの真相が迫る中、GOOMSTUDIOの支配を揺さぶっていた。
VTuber業界の絆と国際的なファンの力が、革命の火を燃え上がらせていた。
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