ENTUM23   作:マブラマ

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第240話 いちから

2021年3月16日、三重県鈴鹿市・萌実の実家

 

萌実の実家は、三重県鈴鹿市の静かな住宅街に佇む、和風の温かみのある一軒家だった。庭には小さな桜の木が春の訪れを予感させ、リビングには家族の写真や萌実のVTuber活動のグッズがさりげなく飾られていた。

エイレーンは、H.LIVEの社長として改革を進める傍ら、#SaveAkariムーブメントの勢いをさらに高めるため、萌実と共に彼女の実家を訪れていた。

表向きはプライベートな訪問だったが、エイレーンらしい突飛な行動で、萌実の家族との挨拶は一気にカオスな展開を迎えた。

リビングの座卓を囲み、萌実の両親が少し緊張した面持ちでエイレーンと萌実を迎えた。萌実の母は丁寧にお茶を出し、父は穏やかに微笑みながら二人の話を聞いていた。

エイレーンは、いつものハイテンションで突然立ち上がり、大げさに宣言した。

「お父さん、お母さん。娘さんを私に下さい!」

部屋が一瞬静まり返った。萌実は顔を真っ赤にして、慌てて叫んだ。

「ちょっ…! エイレーン!? 何!? 急に何!?」

萌実の母は目を丸くし、父は咳払いをして笑いを堪えた。

母が困惑しながら尋ねた。

「え、エイレーンさん…それは、どういう意味で…?」

エイレーンはニヤリと笑い、両手を広げて畳みかけた。

「ふふふ、冗談ですよ! いや、半分本気! 萌実ちゃんの優しさと才能、H.LIVEと#SaveAkariのために、もっとガッツリ一緒に戦いたいって意味です! アカリさんの笑顔、ヨメミさんの帰還、シフィールさんのチャンネル、ココさんの自由、全部守るために、萌実ちゃんは必要不可欠!」

萌実はクッションを抱きしめ、恥ずかしそうに呟いた。

「エイレーン…ほんと、いつもこうなんだから…でも、#SaveAkariの話なら、私も本気だよ。母さん、父さん、エイレーンはちょっと変だけど、めっちゃ頼れる人なの!」

萌実の父は笑いながら言った。

「はは、萌実がそんなに信頼してるなら、エイレーンさんも素敵な人だね。#SaveAkari、ニュースで見たよ。アカリちゃんのこと、応援してるんだろ?」

萌実の母も頷き、優しく言った。

「萌実がこんなに熱心に活動してるの、親として誇らしいよ。エイレーンさん、うちの娘を…まぁ、変な意味じゃなく、よろしくね」

エイレーンはウインクして、元気よく答えた。

「お任せあれ! 萌実ちゃんと一緒に、#SaveAkariでVTuber業界に革命起こします! あ、ついでにH.LIVEの応援ソングとか、エトラさんのASMR、めっちゃバズる予定なんで、応援よろしくお願いします!」

萌実はため息をつきながらも笑顔で言った。

「エイレーン、ほんとブレないね…でも、母さん、父さん、私、#SaveAkariでアカリちゃんたちを絶対救うから、応援してて!」

その夜、エイレーンと萌実は実家のリビングで、萌実の両親と#SaveAkariの今後について語り合った。

話題は、GOOMSTUDIOのVILLS配信計画やアクスマンの潜伏、泉花のバンダイナムコデータにも及び、エイレーンは姜小花に暗号化メッセージを送った。

メッセージ(エイレーンから姜小花へ)

「小花さん、萌実さんの実家でガッツリ絆深めてきましたよ! #SaveAkari、萌実さんの優しさパワーでさらに爆上げです! VILLSのヤバい配信計画、アクスマンの潜伏、泉花の黒龍データ、ちゆるさんの解析、全部まとめて次の作戦立てましょう!」

姜小花の返信は迅速だった。

「エイレーンさん、 実家のほっこりパワー、#SaveAkariに効きますね。美玲さんがヨメミさんの東アジア追跡進めてる。VILLSの過激配信、NEOENTUMとクリエイトリングの提携で対抗配信ブチ飛ばしてみせますよ! #SaveAkari、止まらない!P.S.ヤミクモケリンさんのキャッチフレーズを参照しました。どうか無事でいてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北京・鳴神裁の作業部屋

 

北京の雑多なアパートの一室で、鳴神裁はモニターの光に照らされ、眉間に深い皺を寄せていた。デスクにはエナジードリンクの空き缶が散乱し、画面にはホロライブの桐生ココの配信アーカイブ(2020年12月~2021年3月)が映し出されていた。

彼は、桐生ココがGOOMSTUDIOやバンダイナムコからパワハラを受けている疑惑を追っていたが、ここに来て調査が難航していた。

ココの配信での不自然なコメント削除や、スタッフの介入を示すログは見つかったものの、決定的な証拠――GOOMSTUDIOやバンダイナムコの具体的な関与を示すメールや通信記録――が掴めていなかった。

鳴神はキーボードを叩きながら独り言を呟いた。

「ちっ、ココの配信、確かにバスクかジャミトフの圧力臭えけど、証拠が薄え…。コメント欄の不自然な流れとスタッフの介入ログ、全部状況証拠止まりだ。黒龍の影もチラつくが…くそ、アクスマンの潜伏も絡んでるか?」

彼は一時停止したココの配信画面を睨み、#SaveAkariムーブメントの鍵となる情報がココのパワハラ疑惑に隠されていると確信していた。

しかし、ホロライブのセキュリティが予想以上に厳しく、内部データのハッキングは姜小花でも難航していた。

鳴神は苛立ちを抑え、姜小花に暗号化メッセージを送った。

メッセージ(鳴神裁から姜小花へ)

「小花、ココのパワハラ調査、難航中。配信ログとコメント削除の痕跡はあるが、GOOMSTUDIOやバンナムの直接証拠が掴めねえ。泉花のバンナムデータ、ちゆるの萌実解析、ヤザンのVILLS情報と合わせて、ホロライブの内部ログにアクセス試みてくれ。アクスマンの潜伏先とヨメミの東アジア移動も引き続き追え! #SaveAkari、絶対止まらねえ!」

姜小花の返信は迅速だった。

「鳴神さん、了解! ココのデータ、ホロライブのセキュリティは頑丈ですが、泉花さんのバンナムログと統合してハック試みます。美玲さんがヨメミの東アジア追跡で新データ掴みましだ。VILLSの過激配信、NEOENTUMとクリエイトリングの提携で対抗配信ブチかます。#SaveAkari、ガンガンいきます!」

鳴神はコーヒーを飲み干し、モニターに映るココの笑顔を見つめた。

「ココ、アカリ、ヨメミ、シフィール…お前らの輝き、俺が守る。GOOMSTUDIOも黒龍も、まとめてぶっ潰すぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年3月17日、東京・H.LIVE本社 社長室

 

エイレーンは、H.LIVEの社長室でノートパソコンを前に、札幌地方裁判所の同性婚をめぐる歴史的な判決のニュースを読み、目を輝かせていた。

札幌地裁は同性婚が認められないのは憲法14条(法の下の平等)に違反すると判断したものの、原告の損害賠償請求は棄却。

原告側は3月31日に札幌高裁に控訴する意向を示していた。

この日本初の同性婚に関する司法判断に、エイレーンはいつもの突飛な発想で大いに盛り上がっていた。

彼女はソファに寝転がり、スマホを手にニヤニヤしながら独り言を呟いた。

「おおっ! 同性婚、憲法違反だって!? ってことは、将来的に…私、萌実さんかエトラさんと結婚できる可能性キター! #SaveAkariの絆、愛の力でさらに爆上げです!」

そこに、タイミング悪く萌実が社長室に書類を持ってきた。

エイレーンの呟きを耳にした萌実は、顔を真っ赤にして叫んだ。

「エイレーン!? 何!? 急に何!? 結婚って…やめてよ、恥ずかしい!」

エイレーンは飛び起き、悪びれずに笑いながら言った。

「ふふふ、萌実さん、照れなくていいよ! 札幌地裁のニュース見て、未来の可能性にワクワクしただけ! ほら、#SaveAkariで一緒に戦ってる絆、愛の形に進化してもいいよね? あ、エトラさんもアリですね! あの色気、最高じゃん!」

萌実は書類を握り潰しそうになりながら、声を震わせて反論した。

「エイレーン、ほんとブレないね…でも、ニュースは大事だけど、勝手に妄想しないで! #SaveAkariはアカリちゃん、ヨメミちゃん、シフィールさん、ココさんを救うためのムーブメントなんだから!」

エイレーンはウインクして畳みかけた。

「わかってるって! でもさ、愛と絆は最強の武器! 萌実ちゃんの優しさと私の情熱で、GOOMSTUDIOのVILLSのバカ配信もぶっ潰そう! ついでに、アクスマンの潜伏も暴いちゃおう!」

萌実はため息をつき、笑顔で言った。

「もう、エイレーンらしいや…でも、#SaveAkari、絶対成功させるよ。姜小花さんや美玲さん、葵さんたちのデータと、ちゆるの解析で、アクスマンの動きを追い詰めるから!」

エイレーンは拳を握り、叫んだ。

「それそれ! 萌実さんとの愛の絆で、#SaveAkari、革命起こします! あ、結婚の話は…まぁ、未来のオマケってことで!」

萌実はクッションを投げ、笑いながら叫んだ。

「エイレーン、ほんとやめてー!」

その後、エイレーンは姜小花に暗号化メッセージを送り、#SaveAkariの戦略をさらに詰めた。

メッセージ(エイレーンから姜小花へ)

「小花さん、札幌地裁の同性婚ニュースでテンション爆上げ! 萌実さんとエトラさんとの未来、妄想しちゃった(笑)。でも本題! VILLSの過激配信、アクスマンの潜伏、泉花の黒龍データ、ちゆるさんの解析、全部まとめて#SaveAkariで対抗配信ブチかます! ヨメミさん追跡の進捗、教えて!」

姜小花の返信は迅速だった。「エイレーンさん、妄想はほどほどに(笑)。美玲がヨメミの東アジア移動で新ルート特定。VILLSの配信、NEOENTUMとクリエイトリングの提携で対抗企画準備中。#SaveAkari、加速していきます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年3月18日、北京・鳴神裁の作業部屋および街中

鳴神裁は、北京の雑多なアパートの一室で、モニターに映る膨大なデータと向き合っていた。

机にはエナジードリンクの空き缶が山積みになり、画面にはホロライブの桐生ココの配信ログと、にじさんじ運営元のいちから株式会社、およびホロライブ運営元のカバー株式会社の内部通信の断片が表示されていた。彼は、両社の上層部が黒龍やハインツ・アクスマンと繋がっている可能性が高いと断定し、新たな調査を開始していた。

しかし、情報が錯綜し、調査は難航していた。

黒龍の幹部が意図的に流したデマ――偽のメールや通信ログ――が混ざり、鳴神の解析を妨げていたのだ。

「くそっ、黒龍のデマ、巧妙すぎる…」

鳴神は苛立ちを抑えながら呟いた。

「いちからの上層部と黒龍の資金ルート、確かに怪しいが、証拠が全部フェイクくさい。ココのパワハラ、ヨメミの失踪、アクスマンの潜伏…全部繋がってるはずなのに!」

彼は姜小花に暗号化メッセージを送り、状況を共有した。

メッセージ(鳴神裁から姜小花へ)

「小花、いちからとカバーの上層部、黒龍とアクスマンの繋がり濃厚だが、黒龍のデマで調査がハマってる。フェイクログ多すぎ。泉花のバンナムデータ、ちゆるの萌実解析、ヤザンのVILLS情報と統合して、いちからとカバーの内部アクセス試みてくれ。#SaveAkari、絶対諦めねえ!」

姜小花の返信は迅速だった。

「鳴神さん、了解! 黒龍のデマ、厄介ですね。美玲さんと泉花のデータでフェイク除外して、いちからとカバーのサーバーハック急ぐ。VILLSの過激配信対策、NEOENTUMとクリエイトリングで対抗配信準備中。ヨメミさん追跡も進める!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同日夜、北京・裏通り

 

調査を進めるため、鳴神は北京の裏通りで情報屋との接触を試みていた。薄暗い路地で、黒龍の構成員と思しき数人に尾行されていることに気づいた。足音が近づき、鳴神は背筋に冷たいものを感じた。

「ちっ、黒龍の奴ら、俺の動き嗅ぎつけたか…」

その瞬間、路地の角から淡い水色のロングヘアをなびかせた女性が現れた。

髪の一部がリボンのように長く広がり、厚めの前髪が斜めに分けられ、片目にかかるほどの長さだった。

彼女はユリア・バーンズ、いちから株式会社北京支部VirtuaReal営業統括部のチーム長で、元アメリカ陸軍兵士。

ナイフ、拳銃、アサルトライフルを扱う天才的なセンスを持つが、性格は子供っぽくデリカシーに欠けることで有名だ。

ユリアは明るい声で叫び、ナイフを軽やかに構えた。

「おっと、裁! ピンチじゃん! 黒龍のチンピラ、まとめて片付けてあげるよ~!」

彼女は瞬時に構成員の一人に飛びかかり、ナイフの柄で正確に相手の首筋を叩き、気絶させた。鳴神は驚きながらも冷静に言った。

「お前、ユリア・バーンズか? いちからの…何でここに?」

ユリアはニコニコしながら、残りの構成員を軽快な動きで無力化した。

「ふふ、裁の#SaveAkariの動き、VirtuaRealでも話題だよ! 私、黒龍の動き気になってたから、情報屋ルートで嗅ぎ回ってたら、ちょうどキミがピンチで! ラッキー!」

鳴神は眉をひそめ、警戒しながら尋ねた。

「いちからの上層部、黒龍と繋がってるって噂、本当か? お前、営業統括だろ。何か知ってるか?」

ユリアはナイフをくるっと回し、子供っぽく笑った。

「うーん、上層部の怪しい動き、あるっちゃある! でも、私のチームはクリーンだよ! 黒龍のデマ、めっちゃウザいよね。裁の調査、助けるよ! ココのパワハラ、ヨメミの東アジア移動、アクスマンの潜伏、ぜんぶ暴こう!」

鳴神はユリアの軽いノリに一瞬苛立ちつつ、彼女の実力と情報を信頼し、頷いた。

「…わかった、ユリア。黒龍のデマを排除して、いちからとカバーの証拠を掴む。#SaveAkariのためだ。一緒に動くぞ」

ユリアは拳を突き上げ、叫んだ。

「イエーイ! 裁とタッグ、最強じゃん! 黒龍もGOOMSTUDIOもぶっ潰して、アカリちゃん、ヨメミちゃん、ココちゃん、シフィールさん、ぜんぶ救うよ!」

二人は路地を抜け、ユリアの隠れ家に向かい、調査の再構築を始めた。

ユリアは姜小花に暗号化メッセージを送った。

メッセージ(ユリアから姜小花へ)

「小花ちゃん! 裁と北京で遭遇、黒龍のチンピラ撃退したよ~! いちからの上層部、黒龍との繋がり怪しいけど、デマ多すぎ。裁のココ調査と泉花のバンナムデータ、ちゆるの解析統合して、ガチ証拠掴む! #SaveAkari、ぶちかますぜ!」姜小花の返信は迅速だった。

「ユリアさん、いちからとカバーのサーバー、フェイク除外してハック急ぐ。美玲がヨメミの東アジアルート絞り込み中。VILLSの対抗配信、NEOENTUMとクリエイトリングで準備OK! #SaveAkari、止まりません!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年3月19日、Brave group傘下株式会社クリエイトリング

 

篁唯依は、クリエイトリングのオフィスにある静かな会議室で、ノートパソコンを前に鳴神裁とのビデオ通話を開始した。

あおぎり高校を擁するクリエイトリングは、NEOENTUMとの業務提携を機に#SaveAkariムーブメントの中心として活動を強化していたが、鳴神の最新情報――いちから株式会社およびカバー株式会社の上層部が黒龍やハインツ・アクスマンと繋がっている可能性――に強い関心を持っていた。

唯依は、鳴神の調査の真意を確かめ、クリエイトリングの次の動きを調整するために直接連絡を取った。

唯依は落ち着いた声で、だが鋭い眼差しで切り出した。

「鳴神さん、いちからとカバーの上層部が黒龍と繋がってるって情報、どこまで本当? 黒龍のデマで調査が難航してるって聞いたけど、クリエイトリングとしても#SaveAkariの配信戦略に影響するから、詳しく教えてくれないか」

画面越しの鳴神は、エナジードリンクを手に疲れた表情を見せつつ、率直に答えた。

《唯依、情報はガチで追ってるが、黒龍のデマがクソ厄介だ。いちからの内部ログとカバーの通信に、黒龍の資金ルートらしき痕跡はある。けど、フェイクデータが混ざってて、決定的な証拠が掴めねえ。昨日、黒龍の構成員に襲われかけたが、ユリア・バーンズって元米軍のいちから北京支部のチーム長に助けられた。彼女、戦闘力はバッチリだが、性格が…まぁ、子供っぽい》

唯依は眉を上げ、興味深そうに尋ねた。

「ユリア・バーンズ? VirtuaRealの営業統括だな。彼女の情報は信用できる? いちからの上層部の動き、魂子たちの配信にも関わるから、確実なデータが必要だ」

鳴神は頷き、モニターに新たなログを映した。

《ユリアは上層部の怪しい動きを把握してるが、彼女のチームはクリーンっぽい。俺のココのパワハラ調査も、黒龍のデマでハマってる。姜小花にいちからとカバーのサーバーハック頼んでるが、泉花のバンナムデータ、ちゆるの萌実解析、ヤザンのVILLS情報と統合しないと、真相は見えねえ》

唯依はメモを取りながら、冷静に言った。

「分かった。VILLSの過激配信は、GOOMSTUDIOの牽制だな?クリエイトリングとNEOENTUMの提携で、魂子や夏希の配信で対抗する準備はできてる。エトラのASMRやH.LIVEの応援ソングとも連携して、#SaveAkariをバズらせる。鳴神さん、ユリアと組んで黒龍のデマを排除して、証拠を掴んでくれ」

鳴神はニヤリと笑い、拳を握った。

《唯依、クリエイトリングのガッツ、嫌いじゃねえ。ユリアとガッチリ組んで、いちからとカバーの上層部の証拠を掘り出す。ヨメミの東アジア移動、ココのパワハラ、アクスマンの潜伏、全部暴いて#SaveAkariを突き進むぜ!》

唯依は小さく微笑み、締めくくった。

「頼りにしてるよ、鳴神さん。クリエイトリングも、あおぎり高校の配信でファンの力を結集させる。アカリちゃん、ヨメミちゃん、シフィールさん、ココさん、全部守る!」

唯依は姜小花に暗号化メッセージを送り、情報を共有した。

メッセージ(篁唯依から姜小花へ)

「小花さん、鳴神と連絡。いちからとカバーの上層部、黒龍との繋がり調査中だが、黒龍のデマで難航)。ユリア・バーンズが協力開始。泉花のバンナムデータ、月ヶ瀬ちゆるの解析、ヤザンのVILLS情報と統合して、証拠を絞り込んで。クリエイトリングはVILLS対抗配信で#SaveAkariブチ上げる! ヨメミ追跡の進捗も頼む!」

姜小花の返信は迅速だった。

「いちからとカバーのサーバー、フェイク除外してハック急ぎます。美玲さんがヨメミさんの東アジアルートで新情報掴んだ。VILLS対抗配信、NEOENTUMとクリエイトリングの機材でガチサポート。#SaveAkari、全速前進です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年3月20日、東京・H.LIVE本社 社長室

 

エイレーンは、H.LIVEの社長室で、いつもの派手なポーズでソファに寝転がりながら、スマートフォンでニュースをチェックしていた。

画面には、「グローバルダイニングが東京都を提訴――新型コロナウイルス対応の時短営業命令は違法」との記事が映し出されていた。

改正特別措置法に基づく命令に対し、飲食チェーンが損害賠償を求めて立ち上がったこの報道に、エイレーンは珍しく真剣な表情を見せた。

コロナウイルスの脅威が、VTuber業界の配信活動や#SaveAkariムーブメントにも影響を及ぼす可能性を感じ、彼女の脳内では新たなアイデアが渦巻き始めた。

エイレーンは立ち上がり、独り言を呟いた。

「うわっ、コロナの時短命令で訴訟!? 飲食業界も大変だな…これ、H.LIVEの配信や#SaveAkariのオフラインイベントにも影響出るかも。いやいや、こんな時こそ、オンラインでバズらせて、コロナなんかに負けないムーブメント作りますよ!」

そこに、萌実が社長室に書類を持って入ってきた。

エイレーンの真剣な顔に気づき、驚いたように尋ねた。

「エイレーン、珍しく真面目な顔してる…どうしたの? また変な妄想?」エイレーンはニヤリと笑い、スマホを振りながら答えた。

「萌実さん、聞いてくださいよ! グローバルダイニングがコロナの時短命令で東京都を訴えたってニュース! コロナの脅威、マジやばいけど、これを逆手に取って、#SaveAkariのオンライン配信をガチ強化するチャンス!全部コロナ対策バッチリでバズらせますよ!」

萌実は少し心配そうに言った。

「うん、コロナの影響は怖いよね…でも、エイレーンが言うなら、オンラインで#SaveAkariを盛り上げるのはいいアイデア!絶対成功させよう!」

エイレーンは拳を突き上げ、叫んだ。

「それそれ! コロナなんかに負けない! 萌実さんの優しさと私の情熱で、#SaveAkariで世界を元気にしますよ!」

萌実は微笑みながら、書類を整理しつつ言った。

「エイレーン、ほんとブレないね。姜小花さんや美玲さんのデータ、鳴神君のココ調査、ヤザンさんの情報と合わせて、オンライン配信の準備、急ぐよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年3月21日、オンライン開催・バーチャルフェス「VILLS」

 

バーチャルフェス「VILLS」は、オンラインの広大なバーチャル空間で盛大に開幕した。色とりどりのデジタルステージが輝き、観客のアバターがコメント弾幕で画面を埋め尽くしていた。

ミライアカリと大蔦エルがMCとして登場し、華やかなパフォーマンスで会場を盛り上げた。

アカリの明るい声がバーチャル空間に響き渡った。

「みんな、ハロー! ミライアカリだよ♪ 今日はVILLSで、最高の時間をみんなと過ごすよ! エルちゃんと一緒に、盛り上げていくからね!」

アカリとエルの軽快なトークと息の合ったパフォーマンスに、ファンのコメントが殺到した。

「アカリちゃん、エルちゃん、最高!」「#SaveAkari」「VILLS最高!」

アカリの目が一瞬輝き、彼女は小さな笑みを浮かべた。

ステージ上で声を張り上げた。

「みんなの応援、ちゃんと届いてるよ! アカリとエルちゃん、ファンのみんなと一緒に、最高のフェスにするから!」

しかし、この華やかなステージの裏では、#SaveAkariムーブメントが緊迫した動きを見せていた。GOOMSTUDIOの過激な配信計画「女性は何枚まで服を脱げれるのか?」は、ファンの反発とNEOENTUM・クリエイトリングの対抗配信準備により、実行前に一部修正を余儀なくされていた。

それでも、GOOMSTUDIOのバスク郷里とジャミトフ西村は、アカリを利用してムーブメントを牽制しようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同日、GOOMSTUDIO管理室

 

GOOMSTUDIOの管理室では、生駒葵とパプテマス・シロッコがモニターに映るアカリの輝く姿を見つめ、静かに微笑んでいた。

薄暗い部屋には、サーバーの稼働音とモニターの光だけが響き、緊張感と決意が漂っていた。

葵とシロッコは、GOOMSTUDIO内部での反逆を決意し、#SaveAkariムーブメントに密かに協力していた。

シロッコは静かに、だが力強く言った。

「―――沙羅の離反は決定的だ。あおぎりの結束、NEOENTUMの支援、アカリの純粋さが、バスクの支配を崩壊させる。私たちの反撃は、ここから本格化する」

葵は鋭い目で頷き、付け加えた。

「ああ、だが黒龍の脅威はまだ消えていない。泉花のバンナムデータで、黒龍の資金ルートがZIZAIからバンナム子会社経由で動いてるのは確実だ。鳴神のココ調査、ユリアの黒龍追跡、美玲のヨメミ追跡、姜小花のハッキング、全部合わせて、ここからが本番だな」シロッコはモニターのアカリを見つめ、静かに続けた。

「アカリの笑顔は、GOOMSTUDIOの支配を打ち砕く最大の武器だ。VILLSのステージは、彼女の純粋さがファンに届く場。バスクとジャミトフは、この力を過小評価している」

葵は拳を握り、決意を込めて言った。

「#SaveAkariは、アカリ、ヨメミ、シフィール、ココの未来を取り戻す革命だ。私たちは内部から情報を流し続け、VILLSを反撃の第一歩にする」

 

 

 

 

VILLSでのアカリとエルの輝きと、葵・シロッコの内部反逆は、#SaveAkariムーブメントに新たな勢いをもたらし、黒龍の資金ルート、アクスマンの潜伏、ヨメミの失踪、桐生ココのパワハラ疑惑、シフィールのチャンネル乗っ取りの真相が迫る中、GOOMSTUDIOの支配を揺さぶっていた。

VTuber業界の絆と国際的なファンの力が、革命の火を燃え上がらせていた。

 

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