ENTUM23   作:マブラマ

247 / 250
第247話 パパ活疑惑

2021年4月11日、東京・ファミレス駐車場

 

春の夜風がそよぐ東京のファミレス駐車場。

街灯の薄暗い光の下、リィズ・ホーエンシュタインは物陰に身を潜め、目を凝らしていた。

萌実に浮上したパパ活疑惑――それは、GOOMSTUDIOが#SaveAkariムーブメントを分断すべく流した偽情報の一環だった。

疑惑の真相を確かめるため、エトラの依頼を受けたリィズは、指定された場所で萌実の行動を確認しに来たのだ。

やがて、駐車場に停まったメルセデス・ベンツ・Cクラス(3代目)の助手席から、萌実が降りてきた。リィズの心臓が一瞬高鳴った。

「まさか…本当に?」

しかし、萌実の明るい笑顔と、運転席の男性がただの知人らしい態度を見て、リィズは直感した。

「これは…誤解ね。」

リィズは即座にエトラに暗号化メッセージを送った。

メッセージ(リィズからエトラへ)

「エトラ、萌実のパパ活疑惑、偽情報確定。ファミレスの駐車場でベンツの助手席に乗ってたけど、運転手の男はただの知人。萌実、潔白だよ。GOOMSTUDIOの策略、#SaveAkariを分断する気だ。気をつけて!」

エトラは安堵の息をつき、返信した。

「リィズさん、ナイス! 萌実が潔白でよかった。#SaveAkari、ファンの絆は揺るがない! GOOMSTUDIOの偽情報、ぶっ潰すよ!」

萌実は何も知らず、いつものように明るく振る舞っていた。

だが、この疑惑が株式会社ZIZAI会長、アイリスディーナ・ベルンハルトの夫、テオドール・エーベルバッハの耳に届いていた。

テオドールは、萌実がエイレーン・ファミリーの看板VTuberとして輝く存在であることに誇りを持っていただけに、噂に激怒していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同日、ZIZAI本社

 

ZIZAI本社の会議室で、テオドールは萌実と対峙し、感情を抑えきれずに声を荒げた。

「ベンツのカレシと仲よくやれよ! オレにかまうな!!」

萌実は一瞬言葉を失い、瞳を揺らした。

「―――!」

その場に居合わせたアイリスディーナ・ベルンハルトが、鋭い目でテオドールを睨みつけた。

「テオドール、萌実のパパ活疑惑はGOOMSTUDIOが流した偽情報だ。リィズがファミレスの駐車場で確認した。萌実は潔白。お前の軽率な言葉が、彼女とファンの絆を傷つける。ZIZAIの理念は、VTuberの輝きを守ること。誤解を解け。」

アイリスディーナの言葉は、会議室の空気を一変させた。

テオドールは妻の毅然とした態度に気圧され、渋々ながらも頷いた。

「…わかった。アイリスディーナの言う通りだ。」

テオドールは萌実に頭を下げ、誠意を込めて言った。

「萌実、すまなかった。噂を鵜呑みにしたオレが悪かった。アイリスディーナに叱られて、目が覚めたよ。」

萌実は一瞬驚いた後、持ち前の明るい笑顔を取り戻した。

「テオドールさん、いいよ。誤解が解けてよかった。アカリちゃんの輝き、#SaveAkari、#FreeCoco、みんなで守るから!」

アイリスディーナは微笑み、萌実の肩に手を置いた。

「萌実、その意気だ。GOOMSTUDIOの偽情報は、ZIZAIの絆で跳ね返す。#SaveAkari、#FreeCoco、私たち全員で戦うよ。」

萌実の疑惑払拭は、#SaveAkariと#FreeCocoの絆をさらに強め、アクスマンの潜伏、黒龍の資金ルート、ヨメミの失踪、桐生ココのパワハラ疑惑、シフィールのチャンネル乗っ取りの真相を追い、GOOMSTUDIOの支配を揺さぶっていた。

VTuber業界の絆と国際的なファンの力が、革命の火を燃え上がらせていた。

 

 

Fortgesetzt werden

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。