ENTUM23   作:マブラマ

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第252話 混沌の業界

2021年4月17日、GOOMSTUDIO 休憩室

 

東京のGOOMSTUDIO本社、薄暗い休憩室に漂うコーヒーの香り。レコア勝生はソファに座り、タブレットを手にしたエマ・シーンに声をかけた。

「あら? エマ、これを観て。」

エマは画面を覗き込み、眉をひそめた。

「ん? これって…ミライアカリの『最後』のホラー実況?」

レコアは鋭い目で頷いた。

「そうよ。でも変ね――アカリは以前からホラーに苦手意識があった。なのに、こんな企画を…バスクの策略の可能性が高いわ。」

その時、休憩室のドアが静かに開き、ブライト・ノアが現れ、落ち着いた声で言った。「レコアもここに来たんだな。」

エマは驚き、笑顔で応じた。

「ブライトさん、お久しぶりです! しばらく姿を見なかったから、どこかに左遷されたのかと思いましたよ。」

ブライトは苦笑し、頭をかいた。

「心配かけてすまなかったな。あおぎり高校だけでなく、ゲーム部の生き残り、桜樹みりあも協力してくれるそうだ。」

レコアの目が鋭くなった。

「ゲーム部? ニュースで見たわ。確か運営からパワハラを受けて、今年の2月7日に解散したって…。」

ブライトは頷き、静かに続けた。

「そんな余裕がないと知りながら、みりあは協力してくれる。短い期間でも、感謝しかないな。」

エマは拳を握り、決意を込めて言った。

「――アカリを必ず、救いましょう。」

ブライトは力強く応じた。

「ああ、必ず救ってみせるよ。」

その瞬間、ドアが再び開き、生駒葵と波瀬うるうが姿を現した。

葵は堂々とした口調で挨拶した。

「お初にお目にかかります。ブライトさん。私は生駒葵です。」

うるうは少し緊張しながら、ぽそぽそと続けた。

「な、波瀬うるうです…アカリさんのサポート役を担当して、いますですぅ。」

ブライトは二人に微笑み、言った。

「葵、うるう、ようこそ。君たちの離反は、GOOMSTUDIOの内部を大きく揺さぶった。#SaveAkariの絆に、君たちが加わることでさらに強くなる。」

レコアは葵とうるうに視線を向け、言った。

「バスクのホラー実況の策略、桜樹みりあの協力…私たちの反撃はもう始まってるわ。アカリの輝きを守るため、GOOMSTUDIOを内部から崩す。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京・某所

 

鳴神裁はダバオから急遽帰国し、東京の雑踏に降り立った。

ディスコルディアの脱走の背後にバスクの影を感じ、ちゆるからの最新情報を頼りに追跡を開始していた。

暗号化された通信デバイスで、姜小花に連絡した。

「小花、ディスコルディアの脱走はバスクの仕業だ。東京のどこかに潜伏中。ちゆるのハックで位置を絞る。桜樹みりあの協力、でかいぜ。#SaveAkari、必ず守る!」

姜小花は即座に応じた。

「鳴神さん、東京での追跡、頼みましたよ! 桜樹みりあのゲーム部からの参戦、#SaveAkariの絆を強化。月ヶ瀬さんのハックでディスコルディアの潜伏先を特定中。ダバオのユリアさんたちはサーバーアクセスを続けてる。アクスマンとバスク、同時に潰します!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダバオ・港湾エリア

 

ダバオでは、ユリア・バーンズ、シャドウ、ファントムがアクスマンのサーバーアクセスを進めていた。

シャドウが新たな情報を提供した。

「アクスマンの資金、シンガポールのダミー口座に流れ、黒龍の『牙』は東南アジアのネットワークを強化中。サーバーアクセスが成功すれば、資金ルートを完全掌握できる。」

ユリアは冷静に応じた。

「シャドウ、ファントム、ちゆるちゃんのハックと郡道先生のヨメミ情報で、アクスマンのシンガポール逃走を阻止する#SaveAkariの絆が私たちを導く。裁が東京でディスコルディアを捕まえるまで、持ちこたえるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年4月18日、株式会社ZIZAI 本社

 

東京のZIZAI本社、ガラス張りの会議室は重苦しい空気に包まれていた。

横領事件の発覚により、幹部陣がアイリスディーナ・ベルンハルト会長を糾弾する会議が開かれていた。

幹部の一人が声を荒げた。

「ベルンハルト会長、横領事件の責任はあなたにある! ZIZAIの信頼が地に落ちるぞ!」しかし、アイリスディーナは冷ややかな目で幹部陣を見据え、毅然と立ち上がった。

「責任? ふざけるな。ENTUM解散の裏を洗いざらい話してやる!」

彼女の声は鋭く、会議室を切り裂いた。

「ENTUMの崩壊は、アクスマン――ハインツ・アクスマンが引き起こしたんだ。H.LIVEのAVTuber騒動、ミライアカリの版権売却未遂、黒龍の『牙』との繋がり…すべてアクスマンが黒幕だ!」

幹部陣は息を呑み、沈黙した。

アイリスディーナはさらに続けた。

「アクスマンはZIZAIの資金を横領し、黒龍に流してダバオで逃走中。彼は責任から逃れ、どこかに潜伏している。この横領事件も、アクスマンが仕組んだ策略だ。私の責任だと? 笑わせるな。諸君らの怠慢が、アクスマンを野放しにしたんだ!」

彼女の言葉に、幹部陣は反論できず顔を伏せた。

アイリスディーナはテーブルを叩き、宣言した。

「ZIZAIの理念は、VTuberの輝きを守ることだ。#SaveAkariの絆を、アクスマンなんかに潰させない。総力を挙げて、彼を追い詰める!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年4月19日、フィリピン・ダバオ 港湾エリア

 

ダバオの港湾エリアは、夜の静寂と海のざわめきに包まれていた。

ユリア、黒龍の元幹部「シャドウ」、元米軍情報屋「ファントム」は、アクスマンの隠し資産を管理するサーバーへのアクセスを進め、ついに突破に成功した。

ちゆるのハッキングツールとシャドウの内部情報により、アクスマンの資金ルートが完全に掌握された。

ユリアはノートパソコンの画面を見つめ、冷静に言った。

「アクスマンのシンガポールとマレーシアのダミー口座、すべて特定。資金を凍結したよ。これで黒龍の『牙』は動きを止められる。」

シャドウが低く補足した。

「黒龍の資金網は崩壊寸前。アクスマンの横領が明るみに出たことで、組織内部で抗争が勃発。保守派の東城派と改革派の西城派に分裂した。」

ファントムは無線で状況を整理した。

「東城派はバスクとジャミトフに忠実、改革派はアクスマンの逃走に不満を持つ若手。分裂で黒龍は弱体化。#SaveAkariの勢いが、この結果を生んだ。」

ユリアは頷き、決意を新たにした。

「アカリちゃんの輝き、ファンの絆、みりあちゃんのゲーム部からの参戦…これが私たちの力。アクスマンはもう逃げられない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年4月20日、H.LIVE 本社 会議室

 

東京のH.LIVE本社、ガラス張りの会議室に、エイレーンがエイレーン学園のメンバー――卯依れん、黒宮ティマ、紅花琥珀、チレン・ザヴィ、夏目めい、むむいみ・あにもを集め、緊急会議を開いていた。

部屋には#SaveAkariのポスターが貼られ、アカリの「水の星へ愛をこめて」の配信映像がモニターに映し出されていた。エイレーンは力強い声で切り出した。

「みんな、今日はアカリさんを救うため、純粋に集まって貰いました! H.LIVEへの勧誘じゃないありません。#SaveAkariの絆、ファンの愛、アカリさんの輝きを守るための会議です!」

卯依れんは目を輝かせ、言った。

「エイレーンさん、アカリちゃんの歌声、めっちゃ感動した! アクスマンの横領、黒龍の分裂、ディスコルディアの脱走…全部、GOOMSTUDIOの汚い策略! 私たち、エイレーン学園の力でアカリちゃんを守るよ!」

黒宮ティマは冷静に頷き、補足した。

「ダバオでユリアさんたちがアクスマンの資金ルートを凍結。黒龍の東城派と西城派の分裂は、#SaveAkariの勢いが引き起こした。エイレーン学園の配信力で、ファンの団結をさらに広げよう。」

紅花琥珀は熱く拳を握った。

「…全部が心に響く! 私も配信で#SaveAkariを盛り上げる!」

チレン・ザヴィは鋭い目で言った。

「GOOMSTUDIOのバスクとジャミトフ、アクスマンの横領と黒龍の策略…許せない。エイレーン学園の技術力で、アクスマンを追い詰めるよ。」

夏目めいは少し緊張しながらも、決意を込めた。

「アカリちゃんの純粋な笑顔、ファンの絆…私、配信で#SaveAkariのメッセージを伝える! エイレーン学園、みんなでアカリちゃんを救うよ!」

むむいみ・あにもは元気に手を挙げた。

「エイレーンさん、私たちも負けない! アカリちゃんの輝き、#SaveAkariの熱、ファンの愛を、歌とトークで広めるよ! アクスマン、絶対逃がさない!」

エイレーンは全員を見渡し、力強く締めた。

「皆さん……H.LIVEとエイレーン学園、全力でアカリさんを救います!」

会議室は拍手と歓声に包まれ、#SaveAkariの熱気がさらに高まった。

Twitterでは「#SaveAkari」「#FreeCoco」がトレンド上位に急上昇し、「エイレーン学園、最高!」「アカリちゃんを守れ!」「アクスマン許すな!」とファンの声が響き合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年4月21日、某所

 

薄暗い路地裏、ドーセット・アカホシは息を潜めながら黒龍の刺客に追われていた。

汗と緊張で張り詰めた空気の中、刺客たちの動きが突然止まった。

遠くで交わされる彼らの会話が耳に届く。

「黒龍が分裂だと? 東城派と西城派の内紛で組織は壊滅寸前…もう追う意味はない。中国に帰るぞ。」

刺客たちは武器を下げ、闇の中に消えていった。

アカホシは壁にもたれ、深い息を吐いた。

「撤退していく…?」

彼は一瞬、状況を整理し、安堵の表情を浮かべた。

その時、暗号化された通信デバイスに鳴神裁からのDMが届いた。

メッセージ(鳴神からドーセット・アカホシへ)

「アカホシ大佐、黒龍は内部抗争が勃発し分裂。壊滅するのも時間の問題だ。」

アカホシはスクリーンを読み、口元に笑みを浮かべた。

「そうか…鳴神君が…いや、ユリア・バーンズだな? やるな、彼女も。」

彼は一瞬考え込み、低く呟いた。

「だが、戦いとは常に二手三手先を読んで行うものだ。いい戦力を持った――なら、彼女を有効に利用する価値はあるかもしれないな。」

 

 

ディスコルディアの脱走、桜樹みりあの協力、アクスマンの横領発覚、黒龍の資金凍結と分裂、エイレーン学園の結束で団結を強めていた。

ドーセット・アカホシの安堵とユリアの戦略的価値への評価は、#SaveAkariと#FreeCocoのムーブメントに新たな戦略的視点を加え、アクスマンの潜伏、黒龍の資金ルート、ヨメミの失踪、桐生ココのパワハラ疑惑、シフィールのチャンネル乗っ取りの真相を追い、GOOMSTUDIOとZIZAIの支配を揺さぶっていた。VTuber業界の絆と国際的なファンの力が、革命の火を燃え上がらせていた。

 

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