ENTUM23   作:マブラマ

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第254話 JKとKY

2021年4月24日、GOOMSTUDIO 休憩室

 

春の午後の柔らかな陽光が差し込むGOOMSTUDIOの休憩室は、コーヒーの香りに包まれ、一瞬の穏やかさから緊迫した空気へと一変した。

エマ・シーンとレコア勝生がソファで軽い雑談を交わしていた。

エマが軽い笑みを浮かべ、レコアに話を振った。

「レコア、2月10日に投稿された動画は見たの?」

レコアは即座に頷いた。

「ええ、JKが使ってる言葉って案外分かりやすいわね。」

エマは楽しげに続けた。

「そうね。KYとかね…」

レコアは自信満々に答えた。

「空気読めないの略ね。誰でも知ってるわよ。」

エマは少し意地悪く微笑み、試すように尋ねた。

「じゃあ‘ぴえん’は分かるかしら?」

レコアは一瞬戸惑い、首を傾げた。

「ぴえん…?」

エマは笑いながら説明した。

「ちょっとした悲しさや嬉しさで泣いている…または、泣きそうな状態を表す言葉よ。」レコアは納得したように呟いた。

「ふーん、そうなのね。」

そこへ、ミライアカリが明るい声で休憩室に入ってきた。

「お疲れ様でーす!」

レコアはアカリに微笑みかけ、尋ねた。

「お疲れ様、アカリ。今日の動画はどうだった?」

アカリは目を輝かせ、興奮気味に答えた。

「無茶苦茶な企画だったけど、すっごく楽しかったよ!」

レコアは驚き、眉を上げた。

「え?」

エマは鋭い視線でアカリを見据え、確認した。

「無茶苦茶な企画? それってバスクが考えた企画なの?」

アカリは少し考え、明るく答えた。

「うーん…アムウェイとのコラボだよ!」

レコアとエマは同時に息を呑んだ。「!」

アカリは無邪気に続けた。

「これでアカリは億万長者だ! アカリのサクセスストーリーは始まったばかりだ!」

エマは顔を曇らせ、厳しい口調で言った。

「アカリ、ちょっといらっしゃい。」

アカリは首を傾げ、困惑した。

「?」

エマがアカリを叱ろうとしたその瞬間、休憩室の扉が勢いよく開き、ファルカ・ミューレンカンプが颯爽と入ってきた。

彼女の鋭い眼差しが部屋を支配した。

「アカリさん、また騙されたんですか?」

エマは驚きつつ、ファルカを認めた。

「あなたは…確かNEOENTUMの…」

レコアはエマに小声で尋ねた。

「知り合い?」

エマは冷静に説明した。

「アカリがENTUM時代に知り合った女性よ。元シュタージの兵士だけど、敵意はないわ。」

レコアは納得し、静かに頷いた。

「そう…」

ファルカはアカリに鋭く詰め寄り、警告した。

「…いい加減学習してください。アムウェイはマルチ商法の会社ですよ。ネオアムウェイも元アムウェイの社員が立ち上げた会社じゃないですか!」

アカリは目を丸くし、しゅんと肩を落とした。

「ごめんなさい……」

ファルカは少しトーンを和らげ、諭すように続けた。

「とりあえずその案件は辞退した方が良いですよ。また借金抱えたいのですか?」

アカリはエマとレコアに視線を向け、申し訳なさそうに呟いた。

「…エマさん、レコアさん…ごめんなさい。」

エマはアカリの肩に手を置き、優しく言った。

「アカリ、騙されたのはあなたのせいじゃない。バスクがそんな案件を押し付けたのよ。私たちが守るから、安心して。」

レコアも頷き、力強く言った。

「ファルカの言う通りよ。アカリ、あなたは純粋すぎるだけ。バスクの策略、私たちが暴いて潰すわ。」

ファルカは腕を組み、決意を込めて言った。

「NEOENTUMも動いてます。水谷さん、レコアさん、ブライトさん、桜樹みりあさん、あおぎり高校…アカリさんを救うために、総力戦です。」

アカリは目を潤ませ、感謝の笑みを浮かべた。

「エマさん、レコアさん、ファルカさん…ありがとう。アカリ、ファンのみんなと魂子ちゃんたちのために、負けないよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年4月25日、GOOMSTUDIO 隔離配信ルーム

 

ミライアカリは隔離配信ルームでモーションキャプチャ装置を装着し、次回の配信準備に追われていた。

部屋は静かで、モニターの光だけが彼女の顔を照らしていた。

アムウェイ案件の失敗は彼女の心に小さな傷を残したが、エマ・シーン、レコア勝生、ファルカ・ミューレンカンプの支えと、魂子やみりあたちの絆が彼女を立ち直らせていた。

アカリは鏡を見ながら自分を励ました。

「アムウェイ、ダメだったけど…みんなが助けてくれて、アカリ、もっと強くなるよ!」ドアが静かに開き、エマとレコアが入ってきた。

エマは穏やかな笑みを浮かべ、優しく言った。

「アカリ、昨日は大変だったけど、ファルカが早めに気づいてくれてよかった。次の配信、ファンのために輝いて。」

アカリは少し恥ずかしそうに笑い、目を輝かせた。

「うん…エマさん、レコアさん、ファルカさん、ありがとう。アカリ、魂子ちゃんやみりあちゃんたちの絆、ファンのみんなのために、絶対頑張る!」

レコアは鋭い目で、力強く言った。

「バスクがアムウェイみたいな怪しい案件を押し付けたこと、NEOENTUMと一緒に徹底的に調べるわ。アカリ、あなたは配信に集中して。」

その時、波瀬うるうが静かに部屋に入ってきた。

彼女はエマとレコアに軽く頷き、緊張した様子でアカリに小声で話しかけた。

「アカリさん…そ、その……え……っと、アムウェイ案件は中止……なりました。あおぎり高校の結束で、バスクは完全に追い詰められてる状況で……。アクスマンの動向に、注意して、くださいね。」

アカリの瞳がさらに輝き、決意を込めて微笑んだ。

「うるうさん…ありがとう。魂子ちゃん、みりあちゃん、ファルカさん、みんな…アカリ、負けないよ!」

部屋には温かな空気が流れ、#SaveAkariの絆がアカリの心を強く支えていた。

Twitterでは「#SaveAkari」「アカリ、頑張れ!」のコメントが溢れ、ファンの応援が彼女の背中を押していた。

 

 

 

アムウェイ案件の阻止で団結を強め。アカリの配信準備と仲間たちの支えは、#SaveAkariと#FreeCocoのムーブメントに新たな希望を灯し、アクスマンの潜伏、黒龍の資金ルート、ヨメミの失踪、桐生ココのパワハラ疑惑、シフィールのチャンネル乗っ取りの真相を追い、GOOMSTUDIOとZIZAIの支配を揺さぶっていた。

VTuber業界の絆と国際的なファンの力が、革命の火を燃え上がらせていた。

 

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