ENTUM23   作:マブラマ

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第260話 シカゴ・アウトフィット

2021年5月12日、東京の初夏の夜は、3度目の緊急事態宣言下でなおも静寂を装っていたが、GOOMSTUDIOの闇の奥底では新たな嵐が吹き荒れていた。

一方その頃、バスク郷里は三合会が#SaveAkariムーブメントの瓦解を断念した報に激しい憤怒を爆発させた。

香港の三合会本部からの冷たい通告文が、彼の机に叩きつけられた瞬間、バスクの拳が震えた。

「この無能どもが…! 14Kも潮幇も、我々の計画を台無しにしたな!」

彼の声は低く、しかし内に秘めた怒りが部屋を震わせた。連続する失態――新生関東連合の壊滅、リィズ・ホーエンシュタインの爆弾テロ阻止、ベアトリクス・ブレーメの暗殺返り討ち、萌実とエトラへの襲撃失敗、NEOENTUMへの刺客潜入失敗が、三合会の首領を膝を屈させたのだ。

バスクは歯噛みし、即座に決断を下した。

「もう三合会など見限った。シカゴ・アウトフィットに鞍替えだ。あのアメリカの古株に、#SaveAkariの首を刎ねさせる!」

シカゴ・アウトフィット――別名"The Outfit"――は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴに本拠を置く伝説的なマフィア組織だ。その歴史は古く、1920年代の禁酒法時代以前にまで遡り、かつてはサウスサイド・ギャングとして恐れられた。

ニューヨーク・マフィアが5つのファミリーによる分割支配を強いられるのに対し、シカゴ・アウトフィットはシカゴを単独で牛耳る唯一のマフィア・ファミリーとして君臨。

イリノイ州を中心に、アメリカ中部、フロリダ、ラスベガスにまでその影響力を及ぼし、闇の帝国を築き上げていた。現在、2021年当時、組織は4人のボス――ロイレーン・ディフロンゾ、ジョン・ロンバルド、ジョナサン・アンドリアッチ、そしてジョージ・マルセロ――による共同統治体制が取られていると噂されていたが、真の影の支配者はサルヴァトーレ・デイヴィス

80歳を超える老獪なボスが、シカゴの闇を静かに操っていた。

彼らの手は、賭博、労働組合の腐敗、麻薬取引に及び、国際的なネットワークはバスクの野望にぴったり合致した。

バスクは即座に暗号化された回線でシカゴに連絡を入れ、デイヴィスの側近に接触した。「バスク郷里だ。三合会が裏切った。#SaveAkariのVTuberどもを潰すための資金と刺客を要請する。報酬はZIZAIの技術とGOOMSTUDIOの配信権利だ。」

シカゴからの返答は冷徹で簡潔だった。

「ボスの了承を得た。フロリダ経由で刺客を送る。だが、失敗は許さん。」

バスクはニヤリと笑い、窓の外のネオンを睨んだ。

「クク、アイリスディーナのように、奴らも油断している。今度こそ、#SaveAkariの心臓を抉ってやる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜

 

成田の倉庫街、薄暗いコンテナの影で、刺客のリーダー格、ヴィンセント・カッサーノはバスクからの暗号化通信を確認した。

「計画は追って指示する。まずは東京での足場を固め、NEOENTUMの動きを監視しろ。」

ヴィンセントは唇を歪め、低く呟いた。

「ボスの命令は絶対だ。だが、バスク…この曖昧な仕事、気に入らねえな。」

彼の背後では、刺客たちが武器を点検し、サイレンサー付きの拳銃や小型爆発物を準備していた。

シカゴ・アウトフィットの力は、三合会の拙速な襲撃とは異なり、冷酷で計算された暴力の匂いを漂わせていた。

一方、NEOENTUM本社の最上階では、姜小花がドローン監視網とハッキングデータを駆使して異変を察知していた。

モニターに映る成田の不審なプライベートジェットの着陸記録を分析し、彼女はインカム越しにベアトリクス・ブレーメに報告した。

「会長、フロリダ経由のジェットが到着。乗員の身元、シカゴ・アウトフィットのデータベースと一致。バスクが三合会を見限って動いた可能性が高いです。」

ベアトリクスは革張りの椅子から立ち上がり、鋭い視線で東京の夜景を見下ろした。

「ふむ、シカゴの古参マフィアか。アクスマンの野望とも絡むとなれば、厄介な相手だ。姜、ホーエンシュタインに連絡し、即時警戒態勢を敷け。」

チッタ・ナポリの隠れ家では、鳴神裁、ドーセット・アカホシ、がぶりえる、葵とうるうが緊急会議を開いていた。

姜の報告を受けた鳴神は、拳銃のホルスターを叩き、ニヤリと笑った。

「クク、シカゴ・アウトフィットか。バスクの野郎、アメリカのマフィアまで引っ張り出したな。だが、#SaveAkariの絆はそんなもんじゃ壊れねえ! ファンの熱が止まらねえぜ!」

がぶりえるは黒い翼の衣装をまとい、決意を込めて言った。

「シカゴの刺客、怖いけど…りえるの歌でファンの心を繋ぎとめるよ。次の配信、#SaveAkariの希望をめっちゃ燃やすよ!」

葵とうるうがタブレットを手に、うるうが補足した。

「公安部にシカゴ・アウトフィットの到着を報告済みで、トーレ・デイヴィスのネットワーク、過去のデータだとかなり手強いですぅ。」

葵が頷き、続けた。

「でも、萌実の情熱、アカリちゃんの笑顔、…みんなの力があれば、シカゴだろうが負けない!」

その頃、萌実が自宅から緊急配信を行い、シカゴの脅威をファンに訴えた。

「みんな、萌実だよ! バスクがシカゴ・アウトフィットってヤバいマフィアに鞍替えしたって! でも、私…#SaveAkariの絆なら、絶対負けない! お台場デートの楽しさ、忘れないよ! みんな、一緒に戦おう!」

コメント欄は「萌実、かっこいい!」「シカゴ、来るなら来い!」「#FreeCocoも応援!」で埋め尽くされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年5月14日、東京の初夏の夜、新宿区歌舞伎町のネオンは3度目の緊急事態宣言下でも色褪せず輝いていたが、その裏路地ではシカゴ・アウトフィットの刺客たちが静かに牙を研いでいた。

バスク郷里の依頼により日本に到着した刺客は、歌舞伎町の古びた雑居ビルの地下に拠点を確保。

薄暗い部屋で、ヴィンセント・カッサーノをリーダーとする4人の精鋭が、トーレ・デイヴィスからの指令を基に作戦を練っていた。

標的は#SaveAkariムーブメントの中核――ベアトリクス・ブレーメ、アイリスディーナ・ベルンハルト、リィズ・ホーエンシュタイン、萌実、エトラ、月ヶ瀬ちゆるの6名。

暗殺計画は、バスクの曖昧な指示を具体化し、VTuber業界の希望を一気に叩き潰すための冷酷な一撃だった。

ヴィンセントは地図に6名の動向を記したピンを刺し、低く唸った。

「ベアトリクスはNEOENTUM本社、リィズはその護衛。萌実とエトラはファンイベントで動きが読めない。月ヶ瀬ちゆるはシリウスシュガーの拠点…そして、アイリスディーナはZIZAIの策略家。こいつが標的に含まれるのは、バスクの裏切りか?」

刺客の一人が銃を磨きながら答えた。

「ボスの命令は明確だ。全員始末しろ。だが、計画はまだ固まっていない。まずは監視を続け、バスクからの詳細を待つ。」

部屋にはサイレンサー付きの拳銃、暗視スコープ、爆発物が並び、シカゴの冷徹な暴力が東京の闇に溶け込んでいた。

一方、NEOENTUM本社では、姜小花のハッキングがシカゴ・アウトフィットの動きを捉えていた。

モニターに映る歌舞伎町の監視カメラ映像を分析し、彼女はインカム越しにベアトリクスに報告。

「会長、歌舞伎町の雑居ビルに不審な動き。シカゴ・アウトフィットの刺客、4人確認。暗殺リストにわたくしたちの名前…6人全員が標的です。」

ベアトリクスは鋭い視線で応じ、革張りの椅子から立ち上がった。

「ふむ、シカゴの古参が動いたか。アイリスディーナまで標的とは、バスクの焦りが透けて見えるな。―――そして、アクスマンは何を企んでいる?彼の動きが読めない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年5月15日、ガストコラボ配信ガストとのコラボ配信がオンラインで始まった。

アカリはバーチャル空間で、ガストの店内をイメージした背景を背に、元気いっぱいに語りかけた。

「みんな、ハロー! ミライアカリだよ♪ 今日はガストの全メニュー制覇するまで帰れま10! ファンのみんなと一緒に、美味しい冒険楽しもう!」

アカリの明るい笑顔と楽しげなトークに、ファンのコメントが殺到した。

「アカリちゃん、めっちゃ楽しそう!」「#SaveAkari」「ガスト、応援する!」

アカリの目が輝き、彼女は小さな笑みを浮かべた。

アカリはメニューを一つずつ楽しみながら、ファンと笑い合い、声を張り上げた。

「みんなの応援、めっちゃ力になるよ! 橘さんも遠くで応援してくれてる! アカリ、ファンのみんなと一緒に、絶対輝く!」

Twitterのコメント欄には、ファンの感動と応援が溢れていた。

「アカリ、楽しすぎ!」「#SaveAkari」「橘さんも応援してる!」 アカリはコメントを見ながら、笑顔で応えた。「みんな、ありがとう! アカリ、負けないよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年5月16日、東京都郊外某所

 

シカゴ・アウトフィットの刺客たちは、トーレ・デイヴィスの指示の下、暗殺計画の第一歩として月ヶ瀬ちゆるを標的に定めた。

シリウスシュガー研究所の近く、街の雑踏に紛れて、ヴィンセント・カッサーノ率いる刺客がちゆるの動向を監視していた。

サイレンサー付きの拳銃を手に、ヴィンセントは部下に囁いた。

「月ヶ瀬ちゆる、シリウスシュガーの要。彼女を始末すれば、#SaveAkariの連合に亀裂が入る。動け。」

だが、その瞬間、路地の暗がりからチェーンソーの轟音が響き渡った。

エイレーンファミリーの萌実が、両手にチェーンソーを握り、刺客たちに飛びかかったのだ。

「ちゆるさんに手出しするなんて、絶対許さないよ! #SaveAkariの絆、舐めないで!」 彼女の目は情熱に燃え、チェーンソーの刃が唸りを上げて刺客を追い詰めた。

ヴィンセントの部下が銃を構えたが、萌実の機敏な動きに圧倒され、銃を落として逃げ出した。ヴィンセントは歯噛みし、負傷した部下を連れて撤退したが、萌実は命を奪わず、警告の咆哮を上げた。

「次、来たらこうはいかないから! シカゴだろうが、ぶっ飛ばすよ!」

ちゆるはシリウスシュガー研究所から駆けつけ、萌実の姿に目を丸くした。

「萌実ちゃん…! ありがとう、あたし、油断してた…。」

萌実はチェーンソーを下ろし、息を整えながら笑った。

「ちゆるさん、大丈夫! エトラも、姜さんも、リィズさんも、みんなで守るよ。#SaveAkari、絶対負けない!」

ちゆるは頷き、決意を新たにした。

「シリウスシュガーの誇り、萌実ちゃんの情熱…あたしも負けてられないね。公安部に連絡、すぐ入れるよ。」

その夜、萌実が自宅から緊急配信を行い、襲撃の出来事をファンに報告。

「みんな、萌実だよ! 今日、ちゆるさんがシカゴの刺客に襲われたけど、チェーンソーでぶっ飛ばしたよ! 命は取らなかったけど、#SaveAkariの絆は絶対守る! アカリちゃんのガスト配信、めっちゃ盛り上がったよね? みんな、一緒に戦おう!」

コメント欄は「萌実、チェーンソー最強!」「ちゆるさん、無事でよかった!」「#FreeCocoも応援!」で埋め尽くされ、Twitterでは「#SaveAkari」「#FreeCoco」「萌実のチェーンソー」がトレンド入りした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年5月17日、GOOMSTUDIO 会議室                                               GOOMSTUDIOの会議室は、初夏の陽光が窓から差し込む中、ジャミトフ西村とバスク郷里の新たな企画を巡る議論で静かに熱を帯びていた。テーブルの上には、「過去のアカリ、、なの?」の動画データと、最近のガストコラボ配信や「永遠にアムロ」の反響をまとめた資料が広げられていた。パプテマス・シロッコ、水谷沙羅、ローレン中本、エマ・シーン、ヤザン大塚、ジェリド井上、カクリコン戸松、レコア勝生が同席していた。沙羅とレコアの離反、ファルカの介入、橘の左遷がバスクの支配に亀裂を生む中、会議は一見穏やかに進んでいたが、裏では緊張が渦巻いていた。ジャミトフはモニターを指差し、満足げに切り出した。                                  「バスクよ。『過去のアカリ、、なの?』を視聴はしただろうな?」                                     バスクは即座に応じ、訝しげな口調で答えた。                                                           「は――勿論です。しかし彼女とアカリ本人が…ん、クローンを増やして何の意味があるのですか?」                                                ジャミトフは不敵な笑みを浮かべ、説明した。                                               「よく気付いたな――これもスプリクション通りだ。これを成立するセリフをアーカイブしてきたスタッフの皆が一番大変だったのは理解しているつもりだ。」                                                バスクは考え込むように呟いた。                                                   「過去と未来の自分、ですか。」                                                    ジャミトフは目を細め、ヤザンを称賛した。                                              「ククク…ヤザン、よくやった。しりとりはいえどもこれは大事な演出だ。」                               ヤザンは一瞬驚いた表情を見せ、控えめに答えた。                                         「…ありがとうございます。」                                                  ジャミトフは満足そうに続け、アカリへの愛を強調した。                                      「……彼女への愛が溢れてるな。本当みんなに愛されているわい。」                                  バスクは冷ややかな笑みを浮かべ、応じた。                                          「ククク…スタッフの努力があっての企画でしたね。」                                     ジャミトフは頷き、動画の技術的な成功を称えた。                                        「うむ、特に最後の歌の部分を歌詞に合わせて映像を繋ぎ合わせるという荒業が良かった。感服だ。」                                                 バスクは次の議題に移り、尋ねた。                                              「……次の企画は如何なさいますか?」                                             ジャミトフは一瞬考え、自信満々に宣言した。                                          「そうだな…次の企画は三菱自動車とのコラボだ。」                                       バスクは目を輝かせ、補足した。                                            「PACIFIC RACINGコラボが好評でバズった勢いでチャンネル登録者数が増加しましたな。」                                               ジャミトフは満足げに締めくくった。                                               「ではそれで決定だ。」                                                     会議室の空気は一見穏やかに見えたが、ヤザンは内心で葛藤していた。                        彼はジャミトフの称賛を受けつつも、沙羅やレコアと密かに進めていた反バスクの計画を思い返していた。                                                    シロッコは静かに微笑み、ヤザンの動揺を察しつつ、バスクの焦りが新たな隙を生むと確信した。                                                      エマはアカリへの負担を心配しつつ、ジェリドとカクリコンは三菱コラボが過激な企画でないことに安堵した。沙羅とレコアは視線を交わし、NEOENTUMへの情報提供を強化する決意を固めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年5月19日、GOOMSTUDIO本社周辺は、昼間の喧騒とは裏腹に不穏な空気が漂っていた。

NEOENTUMと連携する中国公安部の姜小花と劉翠蘭は、GOOMSTUDIOの内部動向を探るため、密かにビル近くの路地に潜伏していた。

姜はタブレットでハッキングデータを確認し、劉に小声で指示した。

「翠蘭さん、GOOMSTUDIOのセキュリティシステムは私が抑えました。バスクの三菱コラボの裏で、シカゴ・アウトフィットが動いてます。情報を確認しに来たのはいいですが…入り口に奴らがいるようですね。」

劉翠蘭は鋭い目でGOOMSTUDIOの入り口を見据えた。

そこには、シカゴ・アウトフィットの構成員――ヴィンセント・カッサーノの部下と思われる屈強な男たちが、見張りとして堂々と立っていた。

黒いスーツに身を包み、インカムで連絡を取り合う彼らの姿は、ちゆる暗殺未遂の失敗後もバスクの焦りを隠すための鉄壁の警備を物語っていた。

劉はナイフを握り、低く呟いた。

「小花さん、シカゴの雑魚ども、動きが雑ですね。バスクの命令だろうけど、こいつら、私たちに気付いてない。どう動きますか?」

姜は冷静にタブレットを操作し、ドローンで周辺の映像を分析。

「…強行突破は避ける。翠蘭さん、ドローンの映像で奴らの動きを監視。NEOENTUMに報告後、リィズさんと生駒さんに連携を依頼する。バスクの内部崩壊を加速させるには、シカゴの介入を証拠で押さえる必要があります」

劉はニヤリと笑い、頷いた。

「了解しました。なら、奴らの通信を傍受して、バスクの次の手を暴くだけです。#SaveAkariの絆、こんな見張りじゃ止められません。」

GOOMSTUDIO内部では、ミライアカリが三菱自動車コラボ配信の最終調整に追われていた。バーチャル空間のレーシングカーが映し出されたモニターを前に、アカリは笑顔で呟いた。

「ファンのみんな…三菱コラボ、めっちゃ盛り上げるよ! 橘さんも、遠くで応援してくれてるよね!」

エマ・シーンが配信ルームに入り、優しく声をかけた。

「アカリ、準備順調? ファンの熱、すごいわ。Twitterで『#アカリの三菱コラボ』がもうトレンド入りしてる。」

アカリは目を輝かせ、拳を握った。

「うん、エマさん! ガスト配信の勢いそのまま、輝くよ! #SaveAkari、絶対負けない!」

その夜、姜と劉はGOOMSTUDIO周辺の監視を続け、シカゴ構成員の通信を傍受。

ヴィンセント・カッサーノの指示が漏れ聞こえた。

「バスクの命令だ。三菱コラボ配信を監視、隙あらばアカリを…。」

姜は即座にデータをNEOENTUMに送信し、劉はナイフを握り直した。

「小花さん、奴らの動き、全部バレバレです。#SaveAkari、絶対守ります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年5月20日、NEOENTUM本社は、表向きは静かなオフィスビルだったが、内部では戦闘準備が整っていた。

シカゴ・アウトフィットの刺客の一人、カルロ・モレッティは、ヴィンセント・カッサーノの本部からの命令を待たず、独断でベアトリクス・ブレーメの暗殺を仕掛けた。

バスク郷里の焦りとちゆる暗殺未遂の失敗に苛立ち、単独行動に走ったのだ。

NEOENTUM本社の地下駐車場に潜入したカルロは、ナイフを握り、ベアトリクスの専用エレベーターを狙った。

だが、ベアトリクスは一歩先を読んでいた。彼女はワルサーPPK(ゴム弾装填)を手に、駐車場の影から鋭い視線を放った。

「愚かな…シカゴの刺客が、NEOENTUMの牙城を舐めるか。」

カルロがエレベーターのドアをこじ開けようとした瞬間、ベアトリクスがゴム弾を正確に撃ち込み、カルロの肩を直撃。

衝撃でよろめく彼を、NEOENTUMの警備員たちが瞬時に取り囲み、鉄製の拘束具で抑え付けた。

ベアトリクスは冷ややかに微笑み、言った。

「バスクの焦りが、貴様のような雑魚の暴走を生んだな。#SaveAkariの絆は、こんな小細工で崩せん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年5月21日、東京・歌舞伎町

 

歌舞伎町は、ネオンの輝きの下で再び戦場と化した。

NEOENTUMの猛者、鳴神裁は、単独でシカゴ・アウトフィットの刺客たちが拠点とする歌舞伎町の貸しビルに突入した。

拳銃を手に、闇に紛れた彼の目は燃えていた。

「シカゴの雑魚ども、ちゆるを襲い、ベアトリクス会長を狙った罪、#SaveAkariの名にかけて償わせるぜ!」

ビルの地下に潜むヴィンセント・カッサーノの部下たちは、鳴神の襲撃に慌てふためいた。

サイレンサー付きの銃口が火を噴くが、鳴神の機敏な動きがそれをかわし、逆に刺客の一人を拳で叩き伏せた。

数分後、ドーセット・アカホシがバイクで駆けつけ、援護に参戦。

彼はショットガンを構え、ビルの入り口を封鎖していたシカゴの構成員に警告の射撃を放った。

「鳴神君、迂闊な行動はよせ! 死に急ぎたいのか?――奴らを倒すぞ!」

アカホシの冷静な声が響き、鳴神はニヤリと笑った。

「クク、アカホシ大佐、ナイスフォローだ! こいつら、#SaveAkariの絆の前じゃゴミ同然だ!」

二人の連携は完璧だった。

鳴神の拳銃とアカホシのショットガンがシカゴの刺客を圧倒し、狭い廊下は銃声と叫び声で一時騒然となった。

事態は急速に収束。姜小花のハッキングでビルのセキュリティを無効化し、警視庁の特殊部隊SATが即座に突入。

シカゴ・アウトフィットの刺客たちは抵抗むなしく逮捕され、ヴィンセント・カッサーノは逃亡を余儀なくされた。

姜はチッタ・ナポリの隠れ家に暗号化通信で報告。

「歌舞伎町の拠点、壊滅。鳴神とアカホシの襲撃でシカゴの刺客、SATに拘束。GOOMSTUDIO周辺の見張りも動揺しているようです。」

GOOMSTUDIO周辺では、シカゴの構成員たちが鳴神の襲撃の報に動揺。

ヴィンセントの無線に部下が慌てて叫んだ。

「ボス、歌舞伎町の拠点がやられた! バスクの計画、完全にバレてるぞ!」

ヴィンセントは歯噛みし、バスク郷里に連絡。

「お前の焦りが俺たちを追い詰めた! 何か隠してるだろ?」

バスクは冷ややかに応じた。

「…黙れ、ヴィンセント。次の手を用意する。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年5月22日、GOOMSTUDIOの配信プラットフォームで、ミライアカリの三菱自動車コラボ配信がオンラインで幕を開けた。

バーチャル空間に映し出された三菱の車種――PACIFIC RACING仕様のランサーエボリューションⅩを背景に、アカリはモーションキャプチャスーツ越しに元気いっぱいの笑顔を弾けさせた。「みんな、ハロー! ミライアカリだよ♪ 今日は三菱自動車とのコラボ! かっこいい車と一緒に、ファンのみんなと冒険するよ!」

彼女の明るい声が響き、バーチャル空間に熱気が広がった。

配信画面のコメント欄は瞬く間にファンで埋め尽くされた。

「アカリちゃん、車めっちゃ似合う!」「#SaveAkari」「三菱、最高!」「エクリプスクロス、アウトランダーもいいね!」「ランエボもいいぞ!」「スタリオンだろ」「ギャランVR-4も捨てがたいな」「エボ信者集って草」

アカリはエボⅩの3Dモデルを手に、楽しげにトークを続けた。

「このランエボⅩ、めっちゃカッコいいよね! みんな、ドライブ行くならどの車乗る? コメント教えて!」 彼女の瞳は輝き、小さな笑みが画面越しにファンの心を掴んだ。「みんなの応援、めっちゃ力になるよ! ファンのみんなと一緒に、絶対輝く!」

Twitterでは「#SaveAkari」「#FreeCoco」「アカリの三菱コラボ」「萌実のチェーンソー」がトレンドを席巻。

ファンアートや三菱車の写真が拡散され、アカリはコメントを読みながら、声を張り上げた。

「みんな、ありがとう!…#SaveAkari、めっちゃ強いよね! アカリ、負けないよ!」バックステージでは、ヤザン大塚、シロッコ、沙羅、レコア、ジェリド、カクリコン、ブライトが密かに集まり、反バスクの計画を練っていた。

ヤザンは拳を握り、決意を込めて言った。

「シロッコさん、沙羅、レコア、ブライト、アカリの三菱コラボ、めっちゃ輝いてる。橘の左遷も、俺たちの反撃の火種だ。バスクの支配、終わらせるぞ!」

シロッコは静かに微笑み、頷いた。

「ヤザン、よく言った。橘の選択は我々の結束を強めた。アカリの純粋さ…これがバスクを倒す力だ。」

レコアは鋭い目で言葉を継いだ。

「アカリの笑顔、橘の決意、ファンの絆…バスクには決して理解できない。私たち、NEOENTUMと一緒に、必ず勝つわ。」

沙羅はタブレットで姜小花からの暗号化データを確認し、静かに言った。

「…奴の計画は崩壊寸前よ。」

ブライトは穏やかに頷き、補足した。

「ああ、アカリの輝きが、GOOMSTUDIOの闇を照らす。ジェリド、カクリコン、俺たちも最後まで戦うぞ。」

 

 

三菱コラボ配信の成功は、#SaveAkariの革命の火をさらに燃え上がらせ、VTuber業界の未来を守り続けていた。

 

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