2021年10月24日、シリウスシュガー研究所
秋の光が差し込む研究室で、月ヶ瀬ちゆるは、前日の会議内容を整理していた。
机の上には、#SaveAkari関連の分析資料と、GOOMSTUDIOの動向メモ。
そこへ集まったのは、三人の協力者――
まず現れたのは、鳴滝七彩。
彼女は大手自動車企業であるトヨタ自動車に所属する若きデザイナー。
創業者の豊田喜一郎以来続く縁を背景に、技術面での協力を申し出た。
「輸送経路や機材の流れなら、把握できますわ。アカリさんの安全確保に使えるなら協力します。」
ちゆるは深く頷いた。
次に入室したのは、朽葉ラミ。
負けず嫌いで強気な少女は、腕を組みながら言う。
「資金の流れ? ラミに任せなさい。どこから圧力が来てるのか、洗い出してやるわ。」
ちゆるは静かに感謝を伝えた。
最後に現れたのは、一条白奈。
千葉県浦安市出身で、早稲田大学でも高評価を得ている才媛。
彼女は冷静に資料を受け取り、戦略立案を引き受けた。
「感情ではなく、構造で支える。それが私の役割。」
ちゆるは三人を見渡し、静かに語る。
「マウアーさんの内部協力もある。でも、アルバム『未来』の発売が近い。アカリちゃんを守るには、表と裏の両面から支えが必要。」
七彩が言う。
「技術面は私。ラミさんは資金。白奈さんは戦略。役割分担、明確ですわね。」
ラミがニヤリと笑う。
「いいじゃない。やってやろうじゃないの。」
白奈が穏やかに締める。
「#SaveAkariは“感情の運動”じゃない。“構造の連携”。これで安定する。」
研究室の空気は、静かな決意で満ちた。
#SaveAkariは、感情だけでなく――技術、資金、分析という三本柱を得た。
そして秋風が窓を揺らす中、アカリの未来へ向けた布陣は、さらに強固になっていった。
2021年10月25日、夜――作戦会議
研究所の会議室に、再び光が灯った。
ちゆるはホワイトボードに図を描きながら言う。
「アルバム『未来』発売まで、あと2日。GOOMSTUDIOが何か仕掛けてくる可能性は高い。」
七彩が端末を操作し、輸送データを表示する。
「機材移動の兆候はなし。ただし、SNS上での世論誘導は活発ですわ。」
ラミがスマホを見せる。
「資金ルート、怪しい動きあり。小規模アカウントを大量に使って空気を作ってるわね。」
白奈が静かに頷く。
「つまり、直接攻撃より“印象操作”。アカリちゃんのイメージを揺さぶる戦略だね。」
ちゆるは決断する。
「なら、あたしたちは“透明性”で対抗する。事実を積み上げるだけ。」
一方その頃――ミライアカリ自宅
アカリはアルバム最終確認を終え、ベッドに倒れ込んだ。
「ふぅ……『未来』、本当にもうすぐだ……」
スマホには、仲間からの応援メッセージが並んでいる。
その中に、短い通知。
――「発売直前特番、決定」
アカリの目が輝く。
「え!? ほんとに!?」
そこには、複数の協力者が関わる合同配信企画の告知。
“音楽でつながる未来”というテーマ。
アカリは拳を握った。
「アカリはアカリのままでいくよ。誰かの代わりじゃない。『未来』は、みんなと作るんだから!」
そしてGOOMSTUDIO
会議室では、バスクが苛立っていた。
「発売が近い……だが、手出しは慎重に。」
ジャミトフは静かに言う。
「世論戦では勝てぬ。ならば、我々も正面から挑む。」
シロッコは微笑む。
「音楽企画で対抗するなら、力ずくより“共存”が賢明ですな。」
バスクは渋々頷く。
「……今は様子を見る。」
10月27日目前
街は静かに秋色へ。
#SaveAkari は大規模なトレンドとなりつつあったが、
それは“対立”ではなく“支援”へと形を変え始めていた。
アカリは配信ルームでマイクを握る。
「みんな、ありがとう。
アルバム『未来』、全力で届けるよ。」
画面の向こうで、たくさんの名前が静かに輝いていた。
戦いは終わっていない。
だが――この瞬間、確かに一つの時代が動き始めていた。
2021年10月28日――朗報
この日、日本政府は、【新型コロナ】に伴う大規模イベントの人数制限を部分的に解除すると発表した。
そのニュースは瞬く間に拡散され、配信文化にも大きな影響を与えることになる。
この一報を知った――
あおぎり高校
音霊魂子
石狩あかり
大代真白
栗駒こまる
山黒音玄
千代浦蝶美
そして――
萌実
エトラ
彼女たちはスタジオで速報を見た瞬間、思わず立ち上がった。
「ついに……!」
「ライブイベント、また出来るかも!」
「ファンのみんなと、直接会える日が近い!」
制限緩和は即座にフル解禁ではなかったものの、現場活動再開への大きな一歩だった。
魂子は拳を握りしめる。
「アカリちゃんのアルバム『未来』、リアルイベントも視野に入れられるかも!」
こまるは目を輝かせた。
「握手会とか……できるの!?」
真白は冷静に頷きつつも笑みを浮かべた。
「動ける幅が広がるのは間違いないね。」
萌実とエトラも顔を見合わせる。
「#SaveAkari、さらに加速するね。」
外では秋の風が吹き、配信文化が“次の段階”へ進む予感が広がっていた。
この発表は、VTuber界隈にとっても、ファンにとっても、そしてアカリの未来にとっても――新しい扉を開く出来事となった。
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