ENTUM23   作:マブラマ

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第302話 百合百合パラダイス再び!?

2025年5月23日――東京の株式会社エイシス本社、Ci-en事業部のフロアは、静かで淡々とした空気に満ちていた。

ハインツ・アクスマンは、隅の小さなデスクに座り、クリエイターからの支援申請書類を淡々と処理していた。

かつてシュタージの作戦参謀として冷徹な命令を下し、ZIZAIの幹部として業界を操っていた男にとって、この地味な裏方仕事は、底なしの屈辱だった。

しかし、彼の瞳の奥には、まだ消えぬ野心の残り火がくすぶっていた。

そんな中、アクスマンは新たな「駒」を見つけ出した。

 

エイレーン――かつてミライアカリをプロデュースし、「百合百合パラダイス」を掲げて独自のクリエイティブな足跡を残した女。

 

アクスマンは、彼女の野望がまだくすぶっていると踏み、Ci-en事業部の立場を利用して接触を図った。

 

 

 

 

 

都内の小さなカフェ、窓際の席。

 

エイレーンは派手なファッションに身を包み、鋭い眼差しでアクスマンを見据えた。

「ハインツ・アクスマン……あなたはZIZAIから追放されて、よくもまあこんなところで暗躍していますね。何の用ですか?」

アクスマンは不敵な笑みを浮かべ、穏やかに切り出す。

「エイレーン、君の『百合百合パラダイス』の夢は、今も生きているだろう?Ci-en事業部は、クリエイターの自由な表現を支える場だ。君の才能を活かし、あおぎり高校のメンバーたちを題材にした作品で、業界に再び名を轟かせないか?」

エイレーンは眉をひそめ、警戒を強める。

「……あなたはアカリさんを潰した男ですよね?なんで私がそんな話に乗ると思うの?」声には、過去の傷とアクスマンへの深い不信が滲んでいた。

アクスマンは冷静に続ける。

「ミライアカリのことは過去だ。そして今の私はただの裏方だ。だが、君のクリエイティビティと私のコネクションを組み合わせれば、Ci-enで大きな話題を作れる。あおぎり高校のメンバーたちの魅力を、君の百合漫画で世界に示すんだ。……どうだ?」

エイレーンはしばらく沈黙した後、ニヤリと笑った。

「……面白いじゃない。アクスマン、アンタの魂胆は見え見えだけど、百合百合パラダイスのためなら、乗ってやってもいいわ。ただし、私のやり方でやるからね。」

エイレーンはアクスマンの提案を受け入れ、Ci-en事業部を通じて、あおぎり高校のメンバーたちを題材にしたR18指定の百合漫画を投稿し始めた。

内容は、音霊魂子、石狩あかり、栗駒こまる、月赴ゐぶき、春雨麗女、ぷわぷわぽぷら、エトラをフィーチャーした、過激で情熱的なストーリー。

 

しかし、萌実は意図的に除外されていた。

 

エイレーンは、萌実本人やNEOENTUMのベアトリクス・ブレーメとその側近ニコラ・ミヒャルケの反発を恐れ、彼女を作品に含めなかったのだ。

漫画が公開されると、あおぎり高校のファンコミュニティは瞬く間に騒然となった。

SNSやCi-enのコメント欄に、批判の声が殺到する。

 

「メンバーたちをこんな風に描くなんてありえない!」「魂子ちゃんたちのイメージが台無しだよ!」「エイレーン、やりすぎ!」「こまるんはそこまでエロくないよ!」「めーちゃんはそんなキャラじゃない!」「我部ちゃんとめーちゃんが抱き合ってるのが草」「我部ちゃんはどちらかで言うとSだよ」

 

ファンの怒りは収まる気配がなかった。

エイレーンは批判を完全に無視し、自分の「百合百合パラダイス」のビジョンを貫き、さらなる作品を投稿し続けた。

 

一方、アクスマンは裏でほくそ笑み、炎上による注目度を利用してCi-en事業部の知名度を上げる算段を立てていた。

 

翌日、viviONのスタジオ。魂子たちはエイレーンの漫画を知り、衝撃を受ける。

魂子が叫ぶ。

「え、なにこれ!? 私たちがこんな……R18な漫画に!? エイレーンさん、なんでこんなことしたの!?」

こまるが顔を真っ赤にして。

「うわ、めっちゃ恥ずかしいんだけど!こまるのキャラ、こんな過激な感じじゃないよ!」

ゐぶきがハスキーボイスで冷静にツッコミ。

「……いや、R18指定って、完全にファン煽っとるやん。エイレーン、頭おかしなるで。

で、アクスマンが裏で糸引いてるんちゃう?」

麗女がニヤリと笑う。「まぁ、魂子とあかりの絡み、ちょっと見てみたい気もするけどね~。でも、ファン怒らせすぎだろ、これ。」

ぽぷらが無邪気に。

「ぽぷら、漫画に出てて嬉しいけど~、なんかエッチすぎてわかんな~い!」

萌実が少し安堵した表情で。

「……萌実が外されてて、ちょっとホッとしたけど……でも、みんながこんな目に遭うなんて、許せないよ……。」

エトラが複雑な表情で。

「エイレーン……アカリちゃんをプロデュースした人なのに……なんでこんなこと?

アクスマンさんが絡んでるなら、やっぱり信じちゃダメだったのかな……。」

 

 

 

株式会社NEOENTUM本社、第三会議室。

 

カタリーナ・ディーゲルマンは、エイレーンの漫画を目にした瞬間、呆れたように笑い声を上げた。

「ふふ、相変わらず百合百合パラダイス築き上げてるわね、エイレーン。アンタのそういう所、私は好きだよ。」

彼女は小さな笑みを浮かべ、ベアトリクスに報告する。

ベアトリクスは眉をひそめ、冷静に。

「エイレーンは自由なクリエイターだが、アクスマンが彼女を利用しているのは明らかね。カタリーナ、ニコラと協力して、Ci-en事業部の動きを監視しなさい。萌実を外したのは賢明だけど、魂子たちを巻き込むのは許せない。」

ニコラ・ミヒャルケが冷たく。

「アクスマンは、過去の罪を償うどころか、また策略を巡らせている。少佐、Ci-en事業部に圧力をかけますか?」ベアトリクスは首を振る。

「まだだ。魂子たちの絆を信じるわ。彼女たちが、この騒動を乗り越える力を持っているはずよ。」

 

viviONのスタジオで、魂子はメンバーたちを集め、緊急会議を開いた。

「みんな、エイレーンの漫画でファンが怒ってるけど、私たちは負けない!アクスマンが裏で何か企んでても、あおぎりの絆で跳ね返すよ!」

あかりが頷く。

「そうですね。ファンに謝罪配信して、ちゃんと説明しよう。私たちの本当の姿は、こんな漫画なんかじゃない!」

こまるが拳を握る。

「よし、アクスマンとエイレーンに、私たちの本気見せてやる!」

ゐぶきが笑う。

「ほな、配信でファンと一緒にアクスマンいじったろか。炎上も笑いに変えたる!」

魂子たちは、ファンとの絆を再確認する配信を企画。

エイレーンの漫画に対する批判を認めつつ、彼女たちの真の魅力を伝えることで、ファンの信頼を取り戻す準備を始めた。

一方、アクスマンはCi-en事業部で、エイレーンの炎上を利用して注目を集める策略を進めていたが、

魂子たちの反撃が迫っていることを、まだ知らなかった。アオギリエースの戦いは、新たな試練に立ち向かい、さらなる輝きを放つ。

彼女たちの絆は、どんな策略も打ち砕く力を持っていた――。

 

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