2025年5月31日――ホロライブプロダクション本社、オンライン会議室の画面が一斉に点灯した。
参加者は、ホロライブの顔とも言えるメンバーたち。
白銀ノエル、宝鐘マリン、兎田ぺこら、星街すいせい、ときのそら、さくらみこ、儒烏風亭らでん、花咲みやび、アステル・レダ、そして運営サイドの春先のどか。
画面越しに、それぞれの部屋から顔を揃えた面々は、普段の賑やかさとは少し違う、重い空気をまとっていた。
会議の議題は、ただ一つ。
「あおぎり高校とアクスマン問題」
ときのそらが、穏やかだが芯の強い声で口火を切った。
「みんな、今日はありがとう。……最近、あおぎり高校の動きがすごいよね。『ウルスラ』の世界的大ヒットに、エイレーンさんの漫画騒動、そして萌実ちゃんの“第二声帯”でのアクスマン完全撃破……。正直、うちも無視できない状況になってきたよ。」
宝鐘マリンが、帽子を被ったまま腕を組んで唸る。
「いやぁ、萌実ちゃんのあの声……マジで鳥肌立ったわよ。『だからなんだってんだァァァ!!』って。あの瞬間、アクスマン完全に折れた顔してたもんね。うちの船長、ちょっと惚れそうになったわ~!」
兎田ぺこらが画面を叩きながら飛び跳ねる。
「ぺこらも見たぺこ! あれは伝説ぺこよ! アクスマンみたいな古株の策略家が、あんなに簡単に黙らされるなんて……あおぎり高校、恐ろしい集団ぺこ……!」
星街すいせいが、クールに髪をかき上げながら続ける。
「でも、問題はアクスマンがまだ諦めてないってことよね。Ci-enからviviON本社に戻ってきて、また運営スタッフとして暗躍してる。エイレーンの漫画騒動も、結局彼の仕掛けだったわけだし……。このまま放置してたら、うちのホロメンにも飛び火する可能性があるわ。」
白銀ノエルが、騎士らしい真剣な表情で頷く。
「そうだね……。アクスマンの過去、シュタージの将校だったって話は、ENTUMの崩壊時から知ってたけど……ここまでしつこいとは思わなかった。萌実ちゃんの言葉、胸に刺さったよ。『絆が全て』って。あれは、私たちホロライブにも通じるよね。」
さくらみこが、いつもの元気さを抑えて、珍しく真面目なトーンで言う。
「みこちも……最近、あおぎり高校の配信見てて、なんか泣きそうになったにぇ。夏希ちゃんや真白ちゃんの話も、ちゃんと描いてくれてるし……。あの子たち、ほんとに強いよ。アクスマンみたいな闇に負けないで、ずっと輝いてる。」
儒烏風亭らでんが、扇子をパチンと閉じて。
「ふむ……。アクスマンは、秩序と支配を信条とする男じゃったな。だが、あおぎり高校はまさにその対極――絆と自由の象徴じゃ。萌実殿の“第二声帯”は、ただの怒りではなく、守りたいという覚悟の叫びじゃった。あのような光を見せつけられれば、どんな古株の策略家も、己の小ささを思い知るしかないのう。」
花咲みやびが、静かに微笑みながら。
「俺もそう思うよ。あおぎり高校は、もう一つの“ホロライブ”みたいな存在だよね。違う会社、違うスタイルだけど……根っこにあるものは同じ。ファンと一緒に、笑って、泣いて、前に進むこと。」
アステル・レダが、星を思わせる瞳で画面を見つめ。
「アクスマンがまだ動いてるなら、僕たちも黙って見てるだけじゃダメだよね。……協力できること、あるかな?」
春先のどかが、運営サイドとして最後に言葉を継ぐ。
「皆さんの気持ち、よく分かります。ホロライブとしても、あおぎり高校の動きは注視しています。アクスマンの過去は、VTuber業界全体の闇でもあるから……。今は直接介入は難しいけど、もし何かあったら、すぐに連絡ください。私たちも、味方ですよ。」
ときのそらが、全員を見渡して、優しく、しかし力強く締めくくる。
「ありがとう、みんな。私たちホロライブは、ホロライブのやり方で輝き続ける。でも、あおぎり高校の光が、私たちにも届いてるよ。萌実ちゃんの声、魂子ちゃんの叫び……あの子たちの絆は、私たちにも勇気をくれる。だから、もしまたアクスマンが何か仕掛けてきたら……一緒に、守り抜こうね。」
画面越しに、メンバーたちが頷き合う。
ぺこらが元気に手を振る。
「ぺこらたちも、あおぎり高校応援してるぺこ!次はコラボとかできたらいいぺこね!」マリンがウインクしながら妖艶な笑みを浮かべる。
「ふふ、萌実ちゃんの第二声帯、船長も欲しいわ~。いつか共演して、アクスマンいじり配信やろっか!」
ノエルが笑いながら言い放つ。
「それ、楽しそう! 騎士として、萌実ちゃんの盾になるよ!」
会議は、笑顔と決意に満ちたまま終了した。ホロライブとあおぎり高校。
異なる星の下で輝く二つの光が、静かに、しかし確かに共鳴し始めていた。アクスマンの影は、まだ消えていない。
だが、萌実の第二声帯が響いたあの瞬間から、VTuber業界の絆は、決して折れないものへと変わりつつあった。アオギリエースの物語は、ホロライブの星々と交わりながら、さらに大きく、眩しく広がっていく――。
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