2025年6月7日――viviON本社のあおぎり高校スタジオは、まるで陽光そのものを閉じ込めたような温かな輝きに満ちていた。
音霊魂子、石狩あかり、栗駒こまる、月赴ゐぶき、春雨麗女、ぷわぷわぽぷら、萌実、エトラ、我部りえる、千代浦蝶美、うる虎がーる、八十科むじな。
彼女たちの笑顔と声が交錯し、ドラマ『ウルスラ』の成功の余韻と、エイレーンによる過激な百合漫画騒動、そしてNew Desizeの叛乱を乗り越えたばかりの絆が、部屋全体を優しく包み込んでいた。
ファンとの繋がりは、これまで以上に強く、深く、未来へと突き進む力を与えていた。
一方、ハインツ・アクスマンは、viviON本社の運営責任者として復帰したものの、萌実の烈火の如き逆襲や、ベッキービジュアルコレクターの社員を追い払った一件を通じて、メンバーたちとの関係に静かな変化が生まれ始めていた。
萌実は、アクスマンの地道な努力と誠意を、少しずつ認め始めていた。
彼がスタジオの裏方で黙々と働き、魂子たちの活動を支える姿に、彼女の心はゆっくりと揺れ動いていた。
ある日、萌実が第一声帯の柔らかな声で、ぽつりと呟いた。
「……アクスマンさん、単なる悪人じゃなかった。――――ちょっとだけ……許してあげてもいいかな。」
彼女の小さな笑みには、過去の傷を乗り越える強さが、静かに宿っていた。
この変化は、他のメンバーにも波及した。
山黒音玄、エトラ、春雨麗女、ぷわぷわぽぷら、千代浦蝶美、月赴ゐぶき、うる虎がーる、八十科むじなが、次第にアクスマンに心を開き始めた。
音玄が静かに言う。
「アクスマン、過去は最低だったけど……今は、ちょっとだけ信用できるかな。」
エトラが笑う。
「萌実を守ったアクスマン、かっこよかったよ!ま、まだ油断はしないけどね!」
麗女がニヤリと笑う。
「アクスマン、私と飲んだ時に見えた人間らしいとこ、ほんとに育ってるみたいだな。」ぽぷらが無邪気に言う。
「ぽぷら、アクスマンさん、なんか優しくなったよね~! みんなの絆、すごいんだから~!」
しかし、音霊魂子、栗駒こまる、石狩あかりは、アクスマンの変化に困惑と複雑な思いを抱いていた。
魂子が呟く。
「……アクスマンが変わったって、ほんとに信じていいのかな?ミライアカリの傷、忘れられないよ。」
こまるが拳を握る。
「こまる、アクスマンがいいことしても、なんかモヤモヤするよ!でも、萌実先輩が許すなら……ちょっと考え直すかな。」
あかりが静かに言う。
「……萌実ちゃんの笑顔見てると、アクスマンを許してもいいのかもって思うけど……まだ、時間がかかりそう。」
やがて、魂子、こまる、あかりも、アクスマンの努力と誠意に心を動かされ、徐々に彼を赦す気持ちを抱き始めた。
アクスマンは、スタジオの片隅でその光景を見ながら、静かに呟く。
「……あおぎり高校の絆と団結、ほんわかな平和の雰囲気……俺には眩しすぎるが、悪くないな。」
ミヒャエル・ゾーネが笑みを浮かべ、そっと言う。
「中佐、よくここまで頑張りましたね。あおぎり高校のメンバーたちの結束や団結、絆が、中佐の闇を照らしたんです。」
アクスマンは苦笑し、答える。
「……フン、私の闇が消えることはない。だが、この光には……少しだけ救われる気がする。」
一方、ソニーミュージックでは、アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ(ぺぺち)の活動休止中にもかかわらず、彼女へのファンレターが山のように届いていた。
元GOOMSTUDIOのスタッフで、現在ソニーミュージックのスタッフとして働くエマ・シーンは、ぺぺち宛にバンナムからの案件が届いたことを知る。
彼女は幹部に相談し、厳しい表情で報告を受けた。幹部が言う。
「ぺぺちはパスタ王国の女王であり、VTuber革命の灯火だ。バンナムの案件を受け入れたら、GOOMSTUDIOの悲劇が繰り返されるかもしれない。バンナムはガンダムシリーズで力を入れているが、安易に受け入れるわけにはいかない。代表に掛け合って、バンナムの案件を全て断り、完全NGにする。もうあの時のような悲劇は起こさせない。」
エマが頷く。
「……了解しました。ぺぺちの輝きを守るため、絶対にバンナムとは関わりません。」
あおぎり高校スタジオで、アクスマンがこの話を聞き、思案顔で提案する。
「確かに……バンナムはガンプラが主力商品だ。それを完全NGにされたら、二度とガンプラは組み立てられないな――なら、コトブキヤはどうかね? あそこはマブラヴシリーズの戦術機プラモを製造してる会社で、かつて『マブラヴ:ディメンションズ』というソーシャルゲームでコラボした実績があるぞ。」
萌実が懐かしそうに笑う。
「マブラヴか……そう言えば、ENTUMにいた頃、コミケでブースあったね……あのドスケベ看板や戦術機のプラモとか眺めてたの思い出すよ。」
麗女がニヤリと笑う。
「でも、そのゲームって今年の6月30日にサービス終了するじゃん。Xのタイムラインで廃課金仕様って言われてたからな……。」
萌実が少し真剣な表情で言う。
「でも、ガンダムは嫌いじゃないよ。ただ……バンナムの汚いやり方が嫌いなだけだよ。」
麗女が頷く。
「ガンプラには罪はないからな……企業体制の問題か。」
GOOMSTUDIOの闇、New Desizeの鎮圧――これでバンナムの影響は終わった……かに思われた。
しかし、魂子や西園チグサが忘れていた存在があった。
2023年9月28日に始動したバンナム運営のバーチャルYouTuberグループ『MEWLIVE』だ。
その運営には、かつてバスク側にいたがミライアカリの味方に転じた男、ヤザン大塚が関わっていた。
ジェリド井上とカクリコン戸松は、MEWLIVEのスタジオでヤザンと再会した。
ジェリドが問う。
「ヤザン、お前……まだバンナムにいるのか?」
ヤザンが落ち着いた声で答える。
「ああ、だが、GOOMSTUDIOみたいな汚いやり方はしていない。MEWLIVEは、クリエイターの自由を尊重する場だ。ミライアカリの悲劇は、俺も忘れていない。」
一方、VTuber業界から離れ、ゲーム事業に専念していたブライト・ノアは、静かに呟く。
「いつかミライアカリみたいなVTuberが現れたら、GOOMSTUDIOみたいな悲劇を起こさないだろう。」
彼は、ぺぺちやあおぎり高校のメンバーたちを遠くから見守っていた。
魂子たちは、MEWLIVEの存在を知り、警戒しつつも自分たちの道を進む決意を新たにした。
魂子がスタジオで叫ぶ。
「バンナムもMEWLIVEも――――魂子たちの絆には敵わない!あおぎり高校は、みんなと一緒に永遠に輝くよ!」
萌実が柔らかく微笑む。
「……アクスマンさん、変わろうとしてくれて、ありがとう。萌実も、みんなと一緒に未来を切り開くよ。」
西園チグサも、にじさんじのスタジオで配信しながら言う。
「MEWLIVE、要注意だけど……魂子たちの絆なら、どんな試練も乗り越えられるよ。私も、負けない!」
アイリスディーナ、ベアトリクス、リィズ、テオドールも、魂子たちの輝きを見守った。
ベアトリクスが静かに言う。
「音霊、あなたたちの絆は、どんな闇も超える。MEWLIVEが何を企もうと、あなたたちは勝つわ。」
アクスマンは、スタジオの裏方で黙々と働きながら、魂子たちの光に触れ、自身の過去と向き合っていた。
ミヒャエルが笑う。
「中佐、魂子たちの絆は、あなたの心を変えましたね。」
アクスマンが呟く。
「……フン、俺の闇は消えない。だが、この光の中で、償いを続ける価値はあるかもしれないな。」
あおぎり高校の物語は、過去の傷を癒し、新たな伝説として未来へと続く。
MEWLIVEの影が忍び寄る中、魂子たちの絆は、どんな試練も超える力を持っていた。
彼女たちの光は、永遠に不滅だった――。
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