ENTUM23   作:マブラマ

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第78話 こんな男性は嫌だ!5選

動画の冒頭、ミライアカリが金髪サイドテールを弾ませ、元気よくカメラに語りかける。

「ハロー! ミライアカリだよ! 今回はアカリが思う、『こんな男性は嫌だ!5選』を紹介したいと思います。…だからといって、これは一女性としてミライアカリの独断と偏見です! 『お付き合いをしていないと言う男性』とのやり取りでお送り致します!」

 

【その1】待ち合わせにて

「お待たせしました。遅刻して申し訳ありません」

ファルカ・ミューレンカンプ少尉は、軽く息を切らせながらアクスマン中佐に頭を下げた。

「構わんよ。私も今来たところだ」

と、いつものように軍人然とした無表情で返す中佐。

……が。

「何か今日の中佐殿、少し雰囲気が違いますね」

「ん? おや、気付いてしまったか。リーガルの革靴を新調してみたのだよ」

「どれですか?」

 

──その瞬間。

 

《バァァン!!!!》

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおい!!!何でお前靴尖ってんだよ!!!一緒に歩いて恥ずかしいだろうがあああああああああああ!!!おめぇはな!ピーターパンか!!?この野郎!!いや分かるんだよ。その尖った靴でも御洒落なのは中には本当にあるの!靴はな!男の象徴でもあるんだよ!!いいモノを履け!」

アカリ、全力のツッコミ。

(なお、この声は全空に響き渡ったらしい)

 

【その2】高級レストランにて

「ここは私の行きつけの会員制高級フレンチレストランだ」

誇らしげに語るアクスマン中佐。その眼差しは、自信に満ちている。

「良い雰囲気ですね……! 初めて来ました!」

「何にしようか……?」

アクスマンがメニューを独占。それと同時にファルカは困惑した

「(メニューが……来ない)」

「何が食べたいのかね?」

アクスマンがさらっと聞く

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおい!!!! お前、行きつけなんだろ!!? アカリにもメニュー見せろ! コノヤロー!! 何で自分だけ見てんだよ! それで『何が食べたいか?』って? わっかんねーよ! 人にはメニューを見せる時はな! これをこう反対してこうだろ!!? せめてびっくりドンキーみたいに観音開きで2人でこうやってこう見合うのが普通だろ!!!! 良かったぁなぁ?」

アカリ、全力の幻滅。

 

【その3】ショッピングの帰り道で

ファルカが満足げに言う。

「さっきのご飯、美味しかったです」

アクスマンが歩きながら語る。

「気に入ってくれて幸いだよ。―――私の母は調理師免許を持っていてね。幼少の頃は、他所の家の食事など……比べ物にならなかったさ」

──ファルカの顔が引きつる。

「(あーあ……そういうとこですよ、マジで――最低最悪屑卑怯ダメ人間)」

 

しかも、次の瞬間。

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!! 先に行くなよ!!! こっちはなお洒落して無理にでもヒール履いてんだよ!! 一緒のペースで歩けよな! ゴラァ!! あとな、言っとくけどな、女子はな、ストッキングとか履いてるんだよ!! ストッキング履くとこうツルツルと前の方に足が出て行って…もう小指とか…あの痛さがあるんだよ!! ちゃんとお前! 女に配慮しろ!!!!!」

アカリ、怒り心頭。

 

【その4】ドライブ中にて

ファルカが微笑む

「今日は楽しかったです、中佐殿」

「そうだな……」

アクスマンがハンドルを握る。

「あ、信号変わりそうですよ」

ファルカが警告。

「黄色なら行ける…何気にすることはない。赤になった時は誰かを犠牲にすればいいのだよ」

アクスマンが軽く言う。

 

──赤信号、無視。

そして迫る、交差点の死角。

 

「あ、危ない!」

ファルカが叫ぶ。

「何!!?…危なかったな…全く不躾なドライバーだな」

アクスマンが開き直る。

「チッ(貴方もですよ。アクスマン中佐)」

ファルカが内心で舌打ちし、乾いた笑みを浮かべる

 

 

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!!!!! 『危なかった』じゃねーよ!! あっちは勿論な! こっちだって命があるんだよ!!! 分かるかおい! しかもな、開き直って自分が悪くない感じにするなよな!!!! てめぇ! あ? 分かってるか!!? 言っとくけどな! お前、もしそのなー、女の子が乗っていたとして、その女の子が自分の結婚したいフィアンセだったとする! その子の親父に挨拶に行った時、てめー、絶対殺されるぞ! その命の覚悟を持て!! 分かったな? と言う訳で、女の子を横に乗せるという自覚を持って生きろ!!」

アカリ、保険料が上がるレベルの説教中。

 

【その5】別れ際にて

ファルカが笑顔で言う。

「今日は本当にありがとうございました!」

「どう致しましてだ。ところで、帰ってからは何を──」

アクスマンが軽く聞く。

「ここから先は詮索しないでください!」

ファルカがピシャリ。

「フッ…」

アクスマンが笑い、ファルカの頭をポンポン。

 

 

ぽん。

ぽん。

 

「ちょっと…中佐殿!」

ファルカが顔を赤らめる。

「ん?」

アクスマンがキョトン。

「セクハラです」

ファルカが睨む。

「え!!?」

アクスマンが慌てる。

 

 

 

「おおおおおおおおおおおおい!! おーい! おーい! おーい! おーい! おーい! おおおおおおおおおおおおおおい!!!!!! 誰もがな! 頭PONPONされて優しいと思うなよ!! コノヤロー! って思っちゃうんだよ! 分かるか!? お前! ましてはな、お前、付き合ってもねーだろ!!付き合ってたらまだマシだ! 中には女の子によってヤダって言う子もいるけど、まだ付き合ってたらマシだ! だけどおめーはまだ付き合ってないで、それ以下なんだよ! 分かるか!?お前の位置はここだ! ってか、お前らさ、そのPONPONって奴はさ、漫画とかアニメとかドラマを参考にしてんだろ!? 違うからな!! 触っていいですか? PONPONしていいですか? って言えよな!!」

アカリ、怒涛のPONPON制裁。

 

アカリがカメラにウィンク。

「明日の話題は見つかりましたか? こんな事をしちゃうと、女の子から嫌われちゃうかもしれませんよ。コメント欄よりご感想お待ちしております。最後まで見てくれたあなたが大好きです! それでは!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スナック『ミツコ』でのアカリの動画の反響が広がり、ミツコがカウンターで笑いながら言う。

「アカリちゃんの動画、めっちゃバズってるわよ! コメント欄、めっちゃ盛り上がってるわ!」

夕呼がスマホをスクロールし、笑う。

「『ピーターパンの靴で草』『びっくりドンキー観音開き最高』だって! アカリのツッコミ、キレッキレね」

ベアトリクスがワインを飲み、言う。

「あの動画、アクスマンをダシにしたのは笑えたけど、ファルカが不満そうね」

ファルカが腕を組み、ムッとした顔で言う。

「ちょっと良いですか? アカリさん」

「なーに?」

アカリが金髪サイドテールを弾ませ、ニコニコ。

「私があんな男と付き合う訳ないですよ! あり得ない光景!」

ファルカが声を張る。

「えー…例えの話ですよ」

アカリが笑って誤魔化す。

ファルカが目を細め、言う。

「リィズ先輩一筋です!」

「…」

アカリが言葉に詰まる。

二コラがため息をつき、呟く。

「うむ…」

カタリーナがニヤリと笑う。

「あの下種野郎は、それ以前に嫌われてるからね」

ファルカが頷き、続ける。

「そうですね…同志少佐をダシにして、ベルンハルト大尉を交渉の駒として扱おうと考えた男ですからね」

アカリが目を丸くし、叫ぶ。

「ダシ? 交渉? 何々? 分かんない! 分かんないよ!」

二コラが冷たく言う。

「貴様には関係ない事だ」

カタリーナが頷く。

「そうね…」

ミツコがカウンター越しに笑う。

「まぁまぁ、みんな熱くなってるわね。アカリちゃん、冬コミの準備はどう? 動画の勢いなら、ブースも盛り上がりそう!」

アカリが拳を握り、元気よく言う。

「うん! 『ミライアカリオルタネイティヴ』のデモ版、めっちゃいい感じ! 萌実ちゃんの主題歌も、ミディちゃんのアレンジでバッチリ! ニーツちゃんのプロモ動画も最高! 冬コミでWUGちゃんとコラボして、トップVTuber目指すよ!」

ニーツが敬礼し、言う。

「プロモーション動画、再生数すでに10万超えました。リスナーの期待値、高いです」

ミディが手を振る。

「主題歌のフルバージョン、冬コミで初披露! 絶対泣けるよー!」

ベアトリクスが微笑み、言う。

「新人二人、意外とやるわね。アカリ、ファルカ、冬コミでENTUMの名前を轟かせなさい」

ファルカが頷き、言う。

「リィズ先輩にも、このゲームを見せたい…アカリさん、シナリオの最終チェック、急ぎましょう」

アカリがスマホを取り出し、萌実からのメッセージを確認。

「アカリちゃん、動画バズってる! 冬コミブース、絶対成功するよ!(´ω`)」

彼女の唇に笑みが広がる。

「よし! ENTUM全員で、冬コミをドカンと盛り上げる!」

ENTUMの冬コミへの挑戦は、新たな仲間と動画の勢いを武器に、さらなる高みを目指していた――。

 

 

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