2018年4月9日、株式会社ENTUMの営業統括部は、1000万再生の熱気を背景に、さらなる飛躍を目指して活気づいていた。オフィスの一角では、ミライアカリが新たな企画を胸に、ベイレーン社長のデスクに勢いよく駆け寄っていた。
アカリの目がキラキラと輝く。
「社長! 新しい企画です!」
ベイレーンが書類から顔を上げ、興味津々に眉を上げる。
「おっ、なんだお? レース?」
「はい!」アカリが胸を張る。「名付けて『泥酔寸前でお蔵入り寸前マリオカート』です!」
ベイレーンは一瞬目を丸くし、思わず吹き出しそうになる。
「……は!? 泥酔寸前って、なかなかぶっ飛んだ企画だな! どんな内容だお?」
アカリが熱っぽく説明する。
「マリオカートをプレイしながら、みんなでワイワイ盛り上がって、ちょっとだけ飲み物でテンション上げつつ、ギリギリのラインでバカバカしいレースを繰り広げるんです! 視聴者も絶対笑ってくれるはず!」
ベイレーンは顎に手を当て、しばし考える。
「ふむ……面白そうだが、さすがにこれは会長の許可が必要だお。アイリスディーナ会長に話を通さないと、こんな過激な企画は通らないだお」
アカリが両手を握りしめ、懇願するように身を乗り出す。
「お願いします、社長! この企画、絶対1000万再生超えます! 私、やってやるって決めたんです!」
ベイレーンはアカリの熱意に押され、くすっと笑う。
「よーし、わかった。アカリのその気合い、嫌いじゃないお! 会長に話してみるから、ちょっと待ってろな!」
オフィスのモニターでは「1000万再生」の数字が燦然と輝き、社員たちの笑顔を照らし続けていた。アカリの胸に燃える情熱は、ENTUMの新たな挑戦として、また一つの火花を散らす――。アイリスディーナの判断が、この奇抜な企画の運命を決めるだろう。
株式会社ENTUMの会長室は、静かな威厳と熱い期待が交錯する空間だった。窓から差し込む夕陽が、アイリスディーナのデスクに柔らかな光を投げかけ、部屋に穏やかな雰囲気を添えていた。
ベイレーンが、ミライアカリの企画書を手に、自信と少しの緊張を胸にアイリスディーナの前に立つ。
「会長、アカリの新企画についてです。『泥酔寸前でお蔵入り寸前マリオカート』……かなりぶっ飛んだ内容ですが、彼女の熱意がすごいんですお」
アイリスディーナは書類に目を落とし、ゆっくりとページをめくる。彼女の表情は一瞬硬かったが、やがて口元に微かな笑みが浮かんだ。
「なるほどな。過激だが……ミライアカリらしい、勢いのある企画だ。良いじゃないか? 投稿を許可する」
ベイレーンがホッとした笑顔を見せる。
「ありがとうございます、会長! アカリ、絶対喜びますよ!」
アイリスディーナは書類を置き、軽く手を振る。
「ただし――」
彼女の声が一瞬重くなる。
「この企画、名誉会長に許可をもらわないとな。ベアトリクスの目は厳しいぞ」
ベイレーンが頷き、気合いを入れ直す。
「了解しました! 名誉会長にもしっかり話を通しますお!」
部屋の外では、オフィスのモニターに「1000万再生」の数字が輝き、社員たちの活気が響き合っていた。アカリの奇抜な企画は、アイリスディーナの承認を得たものの、ベアトリクスの試練が待ち受ける。ENTUMの未来は、この一手をどう切り開くのか――物語はまだ始まったばかりだ。