2019年1月1日、雪が溶け始めた東京の朝、ミライアカリの自宅は新年の温かな賑わいに包まれていた。冬コミでの大成功とユメノツキミの引退を乗り越え、ENTUMは新たな年を迎える。アカリの元に届く母からの鏡餅と蜜柑、ツキミやエミーリアからの手紙が、彼女の心に未来への希望を灯す。カタリーナ、ニコラ、ファルカ、花野蜜、ファム、アネットが集まり、雑煮やお汁粉を囲む中、平成の終わりとVTuber革命の幕開けが語られる。キャサリンの敗北後、 彼女の影がまだ消えない中、ENTUMの物語は新たな章へ――。
アカリが玄関で郵便を受け取り、笑顔で送り出す。
「ご苦労様でーす…あ、母さんからだ」
手紙を開き、母のメッセージを読む。
「餅と蜜柑を送ります。ちゃんと鏡餅をお供えする事! 来年もアカリちゃんにとって良い年でありますように」
アカリが呟く。
「(来年…私、何してるんだろ…RMTで稼ぐ能力がない事は充分思い知ったし…それにツキミちゃんは…もういない…バーチャル変態芸人に戻るしかないの…?)」
!(^^)!
インターホンが鳴り、アカリが首をかしげる。
「誰だろ?」
ガチャッ
ドアを開けると、カタリーナ、ニコラ、ファルカが立っている。
カタリーナが笑顔で言う。
「一緒に食べよ♪」
ニコラがニヤリと笑う。
「独りじゃ美味しくないだろ?」
ファルカが頷く。
「ですね」
アカリが目を潤ませる。
「…みんな……」
カタリーナがアカリの背を押す。
「さぁ中に入ろう」
ニコラがキッチンに向かう
「御雑煮を作るよ」
カタリーナが笑う。
「私は御汁粉を!」
ファルカが提案。
「甘酒飲みませんか?」
アカリが目を輝かせる。
「甘酒!? 飲む飲む!」
!(^^)!
再びインターホンが鳴り、アカリが応える。
「はーい」
ガチャッ
花野蜜が笑顔で現れる。
「アカリちゃん♪」
ファムが重箱を持ち、優しい笑みを浮かべる
「御節持ってきちゃった。良かったら食べてね」
アネットが誇らしげに言う。
「ファム姉のお節料理は美味いんだからね」
ファルカがアネットに気づく。
「ん?」
アネットが身構える。
「あ! ヴェアヴォルフの長刀使い…」
ファルカが冷静に言う。
「何もしませんよ」
アネットが疑う。
「どうだか…油断出来ないわ」
アカリが笑って仲裁。
「入って入って、御雑煮と御汁粉食べたいんでしょ?」
アネットが頷く。
「勿論食べるよ」
リビングのテレビがニュースを流す。
《1989年から今年2019年…平成と言う時代が遂に終わりの時が来ました。平成に起きた出来事を振り返ってみましょう》
アネットが懐かしむ。
「ベルリンの壁懐かしいわ…あの時は民衆が押し寄せて大変だったね」
ファルカが静かに言う。
「私達はそれを抑止しましたが」
ファムが続ける。
「壁崩壊同時に…」
カタリーナが呟く。
「ヴェアヴォルフも…」
アネットが黙る。
「…」
花野蜜が明るく言う。
「まぁまぁそう落ち込まないでください。確かに色々な出来事がありましたけど、これから作ればいいんですよ…私達の時代を」
アカリが黙って皆を見つめる。
「…」
!(^^)!
インターホンが鳴り、アカリが応える。
「はい」
ガチャッ
気配りな郵便配達員が言う。
「郵便です」
アカリが受け取る。
「ご苦労様です」
封筒を開け、アカリが驚く。
「何だろ?…あ、ツキミちゃんからの手紙だ」
カタリーナが覗き込む。
「ん?」
アカリが手紙を読み上げる。
「アカリちゃん、もしかしたら私近々結婚するかもしれないわ。こっちに戻ってきたら『見合いしろ見合いしろ』って煩くて、それで仕方なく一回だけ見合いしてやったけど、これが見事ビンゴ! 向こうは私の事気に入ってくれたみたいで、私は今ラブラブです♪ (∀`*ゞ)エヘヘ」
アカリが目を丸くする。
「…結婚…」
カタリーナが驚く。
「ん?」
ニコラが尋ねる。
「どうしたんだ?」
カタリーナが手紙を渡す。
「これ…」
アカリが別の封筒に気づく。
「あ、エミーリアちゃんだ」
エミーリアの手紙を読み上げる。
「ハロー、アカリちゃん。元気に引き籠って動画投稿していますか? 私は今、ドイツのノイルピーンに住み、素敵な男性と出会い結婚しました。一児の母になりました。アカリちゃんも素敵な男性巡り合いますように…」
アカリが呟く。
「ドイツ…あ、エミーリアちゃん、そう言えば…」
ニコラが尋ねる。
「知り合いか?」
アカリが頷く。
「はい、サークルみらんと言う集団系VTuberで仕事の企画で」
カタリーナが静かに言う。
「皆それぞれの道に…」
アカリが拳を握り、叫ぶ。
「…2019年も頑張るぞい!」
テレビがVTuber業界の特集を流す。
《VTuber。それは理想たる女性を具現化したYouTuber。好きな配信者と親しくし、生放送で本音をぶちまける! それがVTuberだ! 企業と事務所で争い、正に正に正に! 世間はVTuber革命だ!》
アカリがリビングで皆に宣言。
「これは数々のVTuberと出会い親しくし、コンプライアンスを反する動画を出し合ったり出さなかったり…そしてドタバタな茶番を楽しむ話! ENTUM、VTuber事務所! 2019年も、トップVTuber目指して突っ走るよ!」
カタリーナが笑う。
「ふふ、ヴェアヴォルフの名にかけて、ENTUMは負けないわよ!」
花野蜜が微笑む。
「アカリちゃんのシナリオ、ヨメミちゃんのTwitter、たまきちゃんの歌…ツキミちゃんの野菜も、全部輝かせるよ」
ファルカが頷く。
「リィズ先輩に、ENTUMの力を証明してみせます!」
ニコラが雑煮を配りながら言う。
「ツキミの分も食べて、冬コミの次は世界だ!」
アカリが甘酒を掲げ、叫ぶ。
「カンパーイ! ENTUM、To be Continued!」
雪の降る東京の夜、ENTUMの絆が新たな年を照らす。ツキミの結婚、エミーリアの新生活、鳴神の未解明の計画――VTuber革命の波は、ENTUMを次の舞台へと押し上げる。part2へ続く――。