ENTUM23   作:マブラマ

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第84話 新年の絆と新たな旅立ち

2019年1月1日、雪が溶け始めた東京の朝、ミライアカリの自宅は新年の温かな賑わいに包まれていた。冬コミでの大成功とユメノツキミの引退を乗り越え、ENTUMは新たな年を迎える。アカリの元に届く母からの鏡餅と蜜柑、ツキミやエミーリアからの手紙が、彼女の心に未来への希望を灯す。カタリーナ、ニコラ、ファルカ、花野蜜、ファム、アネットが集まり、雑煮やお汁粉を囲む中、平成の終わりとVTuber革命の幕開けが語られる。キャサリンの敗北後、 彼女の影がまだ消えない中、ENTUMの物語は新たな章へ――。

 

アカリが玄関で郵便を受け取り、笑顔で送り出す。

「ご苦労様でーす…あ、母さんからだ」

手紙を開き、母のメッセージを読む。

「餅と蜜柑を送ります。ちゃんと鏡餅をお供えする事! 来年もアカリちゃんにとって良い年でありますように」

アカリが呟く。

「(来年…私、何してるんだろ…RMTで稼ぐ能力がない事は充分思い知ったし…それにツキミちゃんは…もういない…バーチャル変態芸人に戻るしかないの…?)」

!(^^)!

インターホンが鳴り、アカリが首をかしげる。

「誰だろ?」

ガチャッ

ドアを開けると、カタリーナ、ニコラ、ファルカが立っている。

カタリーナが笑顔で言う。

「一緒に食べよ♪」

ニコラがニヤリと笑う。

「独りじゃ美味しくないだろ?」

ファルカが頷く。

「ですね」

アカリが目を潤ませる。

「…みんな……」

カタリーナがアカリの背を押す。

「さぁ中に入ろう」

ニコラがキッチンに向かう

「御雑煮を作るよ」

カタリーナが笑う。

「私は御汁粉を!」

ファルカが提案。

「甘酒飲みませんか?」

アカリが目を輝かせる。

「甘酒!? 飲む飲む!」

!(^^)!

再びインターホンが鳴り、アカリが応える。

「はーい」

ガチャッ

花野蜜が笑顔で現れる。

「アカリちゃん♪」

ファムが重箱を持ち、優しい笑みを浮かべる

「御節持ってきちゃった。良かったら食べてね」

アネットが誇らしげに言う。

「ファム姉のお節料理は美味いんだからね」

ファルカがアネットに気づく。

「ん?」

アネットが身構える。

「あ! ヴェアヴォルフの長刀使い…」

ファルカが冷静に言う。

「何もしませんよ」

アネットが疑う。

「どうだか…油断出来ないわ」

アカリが笑って仲裁。

「入って入って、御雑煮と御汁粉食べたいんでしょ?」

アネットが頷く。

「勿論食べるよ」

リビングのテレビがニュースを流す。

《1989年から今年2019年…平成と言う時代が遂に終わりの時が来ました。平成に起きた出来事を振り返ってみましょう》

アネットが懐かしむ。

「ベルリンの壁懐かしいわ…あの時は民衆が押し寄せて大変だったね」

ファルカが静かに言う。

「私達はそれを抑止しましたが」

ファムが続ける。

「壁崩壊同時に…」

カタリーナが呟く。

「ヴェアヴォルフも…」

アネットが黙る。

「…」

花野蜜が明るく言う。

「まぁまぁそう落ち込まないでください。確かに色々な出来事がありましたけど、これから作ればいいんですよ…私達の時代を」

アカリが黙って皆を見つめる。

「…」

!(^^)!

インターホンが鳴り、アカリが応える。

「はい」

ガチャッ

気配りな郵便配達員が言う。

「郵便です」

アカリが受け取る。

「ご苦労様です」

封筒を開け、アカリが驚く。

「何だろ?…あ、ツキミちゃんからの手紙だ」

カタリーナが覗き込む。

「ん?」

アカリが手紙を読み上げる。

「アカリちゃん、もしかしたら私近々結婚するかもしれないわ。こっちに戻ってきたら『見合いしろ見合いしろ』って煩くて、それで仕方なく一回だけ見合いしてやったけど、これが見事ビンゴ! 向こうは私の事気に入ってくれたみたいで、私は今ラブラブです♪ (∀`*ゞ)エヘヘ」

アカリが目を丸くする。

「…結婚…」

カタリーナが驚く。

「ん?」

ニコラが尋ねる。

「どうしたんだ?」

カタリーナが手紙を渡す。

「これ…」

アカリが別の封筒に気づく。

「あ、エミーリアちゃんだ」

エミーリアの手紙を読み上げる。

「ハロー、アカリちゃん。元気に引き籠って動画投稿していますか? 私は今、ドイツのノイルピーンに住み、素敵な男性と出会い結婚しました。一児の母になりました。アカリちゃんも素敵な男性巡り合いますように…」

アカリが呟く。

「ドイツ…あ、エミーリアちゃん、そう言えば…」

ニコラが尋ねる。

「知り合いか?」

アカリが頷く。

「はい、サークルみらんと言う集団系VTuberで仕事の企画で」

カタリーナが静かに言う。

「皆それぞれの道に…」

アカリが拳を握り、叫ぶ。

「…2019年も頑張るぞい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テレビがVTuber業界の特集を流す。

《VTuber。それは理想たる女性を具現化したYouTuber。好きな配信者と親しくし、生放送で本音をぶちまける! それがVTuberだ! 企業と事務所で争い、正に正に正に! 世間はVTuber革命だ!》

アカリがリビングで皆に宣言。

「これは数々のVTuberと出会い親しくし、コンプライアンスを反する動画を出し合ったり出さなかったり…そしてドタバタな茶番を楽しむ話! ENTUM、VTuber事務所! 2019年も、トップVTuber目指して突っ走るよ!」

カタリーナが笑う。

「ふふ、ヴェアヴォルフの名にかけて、ENTUMは負けないわよ!」

花野蜜が微笑む。

「アカリちゃんのシナリオ、ヨメミちゃんのTwitter、たまきちゃんの歌…ツキミちゃんの野菜も、全部輝かせるよ」

ファルカが頷く。

「リィズ先輩に、ENTUMの力を証明してみせます!」

ニコラが雑煮を配りながら言う。

「ツキミの分も食べて、冬コミの次は世界だ!」

アカリが甘酒を掲げ、叫ぶ。

「カンパーイ! ENTUM、To be Continued!」

雪の降る東京の夜、ENTUMの絆が新たな年を照らす。ツキミの結婚、エミーリアの新生活、鳴神の未解明の計画――VTuber革命の波は、ENTUMを次の舞台へと押し上げる。part2へ続く――。

 

 

 

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