ENTUM23   作:マブラマ

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第97話 ベイレーン引退!??????

2019年3月10日 アカリスタジオ

アカリスタジオは、まるで爆弾が投下されたかのようなカオスに包まれていた。キラキラしたピンクとホワイトのセットに、「ミライアカリのドッキドキ☆トークショー!」のロゴが輝くモニターが鎮座。だが、今日の主役はアカリではなく、ベイレーン。彼女の過激な発言が、スタジオを嵐のようにかき乱していた。カメラの周りには、ENTUMメンバーが集まり、ソファにはスナックの空き袋とアカリのぬいぐるみが散乱。壁には「料理対決」のサムネイルや、ヨメミの「S字フック」騒動のポスターが貼られたまま。コメント欄は「ベイレーン引退!?」「マジかよw」と、視聴者の混乱がリアルタイムで爆発していた。

ベイレーンがステージ中央に仁王立ちし、マイクを握って叫ぶ。

「突然だが、動画作るの辞める事にしたお。もう引退だお!」

彼女の黒色のおさげが揺れ、声には怒りと決意が混じる。

「え!?」

アカリがソファから飛び上がり、目をハートから三角に変える。

「?」

届木ウカが隣で首を傾げ、ポカンとした表情。

「うぇぇえっ!???」

皆守ひいろがエプロンを握りしめ、WUG!の元気キャラが一瞬崩れる。

「あら?」

花野蜜が優雅に紅茶をすすりつつ、冷静に反応。彼女の瞳には、名取さなの診断や「S〇X講座」のトラウマを乗り越えた余裕が漂う。

「え?」

ベノちゃんがキッチンカウンターから顔を出し、驚き顔。

「嘘でしょ…?」

萌実がスマホを落としそうになり、呆然と呟く。

ベイレーンがドヤ顔で続ける。

「ガチで引退するお! 引退詐欺じゃない! 何があったか説明してやるお!」

「何かあったんですか?」

蜜が穏やかに尋ね、ノートを手にメモの準備。

「数日前に遡るお。その日、オイラは引退動画を見てた。」

ベイレーンがモニターを指差し、画面には「VTuber引退」タグの動画リストが映る。

「引退動画を?」

蜜が眉をひそめ、興味深く耳を傾ける。

「広告消えたぐらいで引退とか!」

ベイレーンが声を荒げる。

「此奴等アホなのかお?」

「ふむふむ」

蜜がノートにサラサラと書き込む。

「さて、オイラのアンチコメントでも見に行くか…。」

ベイレーンがVAIOノートパソコンを開き、YouTubeの管理画面にログイン。だが、彼女の顔が一瞬で青ざめる。

「ん? アレ…これ…広告が剥がされてるけど」

蜜がパソコンの画面を覗き込み、呟く。画面には「収益化無効化」の通知が赤々と表示。

「なんだおこれ!! ああ、そういう事だ。オイラの動画にも遂に!」

ベイレーンが拳を握り、叫ぶ。

「一体何が起きたのですか?」

蜜が冷静に尋ねる。

「収益が付かなくなったから引退だお!」

ベイレーンがステージをバンと叩く。

「あ… 」

蜜がため息をつき、紅茶を一口。

「え? 何々?」

アカリが目をキラキラさせ、首を突っ込む。

ベイレーンがモニターを指差し、続ける。

「こう思ってるな。」

画面に、ニコラ、カタリーナ、ファルカのアバターがポップアップ。

「広告剥がされたくらいで辞めるのか? 逃げ得にも程があるぞ。」

ニコラがクールに言い放つ。

「そうよ。このままでいいの?」

カタリーナが腕を組み、追及。

「見苦しいですよ。」

ファルカが冷ややかな視線で一刀両断。

「黙れ!!」

ベイレーンがマイクを振り回し、叫ぶ。

「オイラも広告剥がされて初めて分かったお! YouTubeがどれ程クソで屈辱的な仕打ちでクリエイターを凌辱しているか!」

「なら何故こんな事態に?」

ファルカが冷静に切り返す。

「ここからが本当の理由だお。オイラが広告剥がされたって言うとお前らは…」

ベイレーンがアカリをチラ見。

「下ネタばっかりだから悪いんじゃないんですか?」

アカリが無邪気に言う。

「…あなたも他人の事言えませんよ! 変態バーチャル芸人のレッテル貼られてる貴女には言われたくないですね。」

ファルカがアカリに鋭いツッコミ。

「……」

アカリがシュンとし、ソファに座り直す。

ベイレーンが画面を切り替え、YouTubeの通知を拡大。

「オイラのチャンネルが収益ストップしたのは…」

「あ! 繰り返しの多いコンテンツって表示出てますよ。」

ファルカが画面を指差す。

「はぁ…」

ニコラがため息。

「うーん…」

カタリーナが呆れ顔。

「どういう事だお!? オイラが同じ動画繰り返した事あるか!? 繰り返してるのは残業だけだお!」

ベイレーンがテーブルをバンと叩く。

「顧問の立場でありながら何故こんな事を?」

ファルカが追及。

「いいか? 今回の件は下ネタとは一切関係ない!」

ベイレーンが声を張る。

「…なら何故収益ストップされたんです? 下ネタとは一切ないとでも?」

ファルカが冷笑。

「奇妙ね… 」

カタリーナが首を振る。

ベイレーンが一気にまくしたてる。

「YouTubeには流血する程暴力的なドッキリ動画や、裸で鉄球に乗ってフェラ〇オしてる音楽動画があったり、その他色んなクソ動画があるが、奴等は広告を剥がされてない! 何故ならYouTubeはそういった大手チャンネルじゃなくて、オイラみたいな雑魚をAIの学習用にテストBANするからだ!」

「……」

ファルカが無言で目をそらす。

「オイ、YouTube! ちゃんと動画見たのか? どうせAIのガバガバ判定だろ! この早漏クソ野郎!」

ベイレーンがモニターに中指を立てる。

「…。」

ファルカが沈黙。

「あ、もっと分かりやすく言ってやる。お前なんて少し擦れただけで漏らす…」

ベイレーンがさらに過激に。

カット! 蜜がマイクを奪い、割り込む。

「はい、ここからは私、バーチャル家庭教師VTuber、花野蜜が説明します。まず、なぜベイレーン動画の収益が無効化されたか? それは過激な動画が多過ぎるのが原因ですね。」

「へー。」

アカリが目を輝かせ、メモを取るポーズ。

「他にアウトな動画を投稿してるVTuberはいますが、その辺についてはスルーされてます。」

蜜が冷静に続ける。

「彼奴等は大丈夫なのかお?」

ベイレーンが不満げに叫ぶ。

ガチャ!

ドアが開き、新人VTuberシュティーが登場。

「あなたも広告剥がされたんですね。」

「お前は新人VTuberのシュティー!」

ベイレーンが目を丸くする。

「最近のVTuber界隈は厳しくなってるみたいですよ。私なんか広告剥がされる以前に垢BANされまして」

シュティーが肩を落とす。

「てことは…オイラはシュティーと同じ立場なのかお!?」

ベイレーンが絶叫。

「少なくともあなたはまだアカウントありますからセーフですが、彼女の場合はアウトですね」

ファルカが冷静に指摘。

「この体が目に入らねーのかお!?」

ベイレーンが自分の胸を叩く。

「貧乳だからと言って馬鹿にしないでよね!」

カタリーナがムッとして反発。

「台詞取らないでください 」

ファルカがカタリーナを睨む。

「こんな体もう要らねーお! オイラはゆっくり実況者として生きていく!」

ベイレーンが宣言し、モニターに「ゆっくりベイレーン」のイラストが映る。

「な、何だと!????」

ニコラが立ち上がり、絶叫。

 

 

ゆっくりベイレーン、爆誕!

ピロン!

モニターが切り替わり、ゆっくりベイレーンとゆっくりファルカのアバターが登場。

「今日は金玉について教えてあげるお。」

ゆっくりベイレーンが、独特の機械音声で始める。

「何故私まで… 」

ゆっくりファルカが呆れ声。

「金玉の正式名称を知ってるかな?」

ゆっくりベイレーンが続ける。

「な…! 知りたくないです!」

ゆっくりファルカが拒否。

カット! 蜜が再びマイクを奪い、割り込む。

「はい、私からの解説。〇〇器の2つの玉にある正式名称は『睾丸』と言います。アカリちゃん、分かったかな?」

「へー、勉強になります!」

アカリが無邪気に拍手。

「なりません!! どうでもいいです!! 」

ファルカがステージをバンと叩く。

「よし次に金玉をフェラをしよう。」

ゆっくりベイレーンがさらに過激に。

「!!」

ファルカが固まる。

「フェラの正式名称はフェ〇〇オ、オーラルセ〇〇ス、またペッ〇〇ングとしての口〇の一種であり性〇〇においての相手の〇〇器を…」

ゆっくりベイレーンが淡々と続ける。

「ストップストップ! これ以上言うと貴様を粛清する!」

ファルカが絶叫。

「それで動画になるんだからいいだろ!!」

ゆっくりベイレーンが開き直る。

「良くないです!!! 」

ファルカがマイクを投げそうになる。

ガチャ!

アイリスディーナがドアを蹴破り、登場。

「おい、これは一体どういう事だ! 無断転載されてるんだが!」

彼女がスマホを手に、怒り顔でベイレーンを睨む。

「!!」

ベイレーンがビクッとする。

「全部話して貰おうか?」

アイリスディーナが詰め寄る。

「私ではないお。別の人だお!」

ベイレーンが慌てて弁解。

「ならいいが…。」

アイリスディーナが目を細める。

「それに彼奴等はゲロ以下だ。あんなのがYouTubeに許されるはずないお!」

ベイレーンがモニターを指差す。画面には、ベイレーン動画を丸パクリしたチャンネルが映る。

「この動画、広告付いてるよ。」

アカリが無邪気に指摘。

「え!!!??? どうしてだお! 他人のコンテンツをパクる奴が許されて、オイラのチャンネルがダメなのか…!? 世も末だお!!」

ベイレーンが絶叫。

「いいかお前ら!! 4年前からオイラの動画をタイトルから概要欄まで丸パクリして広告を付けて無断転載している馬鹿共がいる! 4年間ずっとだお!! 通報しては消しての繰り返しだお! 無断転載の動画を消すのは運営の仕事なのに、何故かオイラがやってる!」

「気楽に生きましょうよー。」

アカリが笑顔でなだめる。

「でも今は2019年だお! AIの頭が良くなってYouTubeが此奴等を消してくれると思うだろ?」

ベイレーンが続ける。

「それがYouTubeですよ。」

アカリが肩をすくめる。

「NOOOOOOOOOOOO!! 逆にオイラが広告を剥がされるんだ。良くなんてなってねーよ! ずっとチンカス野郎だ!チンパンジーにランダムで判断して貰ってももっとマシだと思うお!」

ベイレーンがモニターにキック。

「……」

ファルカが冷ややかに見つめる。

「あ! あれもですよ!」

アカリが指差す。モニターに「文字垂れ流し動画」のサムネイルが映る。

「彼奴等は前にオイラが叩いただろ! まだ生きてたのかお!」

ベイレーンが憤慨。

別のモニター アクスマンが映り、怪しげに呟く。

「話題のニュースで…ふむ、川栄李奈結婚報道か。よし、記事を丸コピペしてタイトルは『川栄李奈、舞台で共演した俳優と結婚。そして東欧州社会主義同盟に』と…。」

「彼奴等ホントに飽きねーおな。YouTubeが見逃す筈ねーのに…だが現実は酷いもんだお!」

ベイレーンが叫ぶ。

「彼奴等のような文字を垂れ流すだけの動画にも今は減ったがまだ広告が付く。YouTubeはあのクソ動画に広告効果があるって認めてるんだ! あっ、クッソだお! いっそオイラも引退してアフィカスになるか。おいYouTube! これがお前が望んだ事だお! YouTubeはクソだお! 彼奴等は文字を垂れ流すだけの動画に広告を付けるのに、オイラが仕事の合間に作った動画には収益化無効とか言いやがるんだお!!」

「そうですか」

ファルカが淡々と返す。

「どうだ? 面白いか?」

ベイレーンがニヤリ。

「文字を垂れ流すだけの動画に広告付いて収益得る事が…。」

ニコラが呆れ顔。

「私達の時代じゃ考えられないわね」

カタリーナが首を振る。

「んな訳ねーだろ! YouTubeはこういう奴等だけを消すべきだった。なのにIQがチンカス並みのAIはどんなチャンネルでも爆撃する!」

ベイレーンが拳を振り上げる。

「だから引退するんですね。折角良い動画投稿してるのに何故なんですか? 私には理解し難いです 」

ファルカが冷静に問う。

「いいかお前ら! 意味わかんねー理由で広告剥がされたのはオイラにとっては決定的だ! だから引退するお!」

ベイレーンが宣言。

「そんな理由で引退なんか認める訳ないだろ! 貴様の意見を聞くに値しない!」

ニコラが立ち上がり、反発。

ベイレーンがニヤリ。

「こういうとキッズ共は…。」

モニターに、不躾な小学生のアバターが映る。

「結局、お金かよ。器が小さ過ぎるよ。」

不躾な小学生がコメント。

「うるせーよ! オイラが何か間違ってるか!? 仕事の合間を縫って動画作ってるんだ! クソみたいな理由で金貰えなくなったらモチベが底に沈むお!!」

ベイレーンが叫ぶ。

「確かにそうですね…。」

ファルカが珍しく同意。

「もう限界だ!! いいか! お前らは東京オリンピックのボランティアに行くか? 無銭で扱かれる自分を器が大きいって誇れるか? 同じだお! オイラも何十時間も掛かる動画制作を無償では出来ん。生活が出来ないんだお!! オイラはまだいいぞ! 社畜はクソだがギリギリで生きていける!! 仕事辞めてYouTube一本になった奴はどうする?」

「収益が来ないですね。貯金がなくなって家族を養えなくなりますね」

ファルカが淡々と返す。

「最後は首を吊るしかないだお!! しかも広告を停止した理由はAIのガバガバ判定だ! YouTube、いい加減お前のポンコツAIが何人も他人を殺してる事を気付け! このクソ野郎!!」

ベイレーンが絶叫。

「……」

ファルカとカタリーナが同時にため息。

「逆恨みにも程があるぞ。」

ニコラが冷たく言う。

蜜がマイクを手に、穏やかに割り込む。

「でも、動画出す必要性はないと思うわ。私から直接本音で言わせて貰うけど、確かにYouTubeで動画投稿し収益してる人はいるけど、でもそれ一本で養ってる人は事務所側の人間だけよ。事務所に所属してる人達だけで収益を得て高級車買ったり家族を養ってる人もいるわ。逆に無所属の人達はそれ一本だけでは生活出来ず、本業をやりながら動画作ってる人が大半よ。引退? そんなの勝手にしたらいいわ。」

「ああ、その通りだ。」

ベイレーンが頷き、続ける。

「でも今回引退する前にこの動画を出したのは、お前等に忠告する為、そしてYouTubeを少しでも良くする為だ。いいかお前等! YouTubeで食ってこうなんて思うな! 彼奴等は何時でも広告を剥がしやがる。あとなんでYouTubeはいつも簡単に真似出来そうな量産型をトップに仕立て上げると思う? お前らに自分でも出来そうって思わせてYouTuber増やす為だ! 騙されるな! 成功するのはほんの一部の奴だけだ! あと好きを仕事になんて言ってもな。仕事にしても好きなままでいられる奴は一握りの成功者だけだ! やりたくねー事をやる覚悟からはどの道逃げられない!」

「要するに『貴方、覚悟ある人ですよね? 覚悟あったからYouTubeで収益を得ようと考えてますよね? その覚悟があるなら死ぬ気でやってください!』ですね。」

ファルカがまとめる。

「どっかの不登校YouTuberみたいに勘違いするなお! 最後にもう作っちまった動画が幾つかあるから、それを公開してからオイラは身を引くお。」

ベイレーンが握手を求める。

「はい! 最後までやりましょう!」

ファルカが握手に応じる。

「ああ、もうこれ茶番劇だわ (-_-;)。」

カタリーナが呆れ顔。

「(-_-;)。」

ニコラがため息。

ガチャ!

リィズがドアから登場。

「引退したい奴はしたければいいのよ。」

彼女のクールな声が響く。

「ホーエンシュタイン、いたのね。」

カタリーナが振り返る。

「勝手に出て来るな!」

ニコラがムッとする。

「ベイレーンやめちゃうの?」

シフィが突然現れ、しょんぼり。

「だから誰なの!!??」

カタリーナがツッコミ。

「悪いけど貴女は退場させて貰うわ…。」

リィズがワルサーPPKを手に、シフィを睨む。

「!」

シフィがビクッとする。

「…邪魔しないで! この会社は貴女には無関係なのよ!!」

リィズが銃を構える。

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!

訓練弾がシフィに命中。

「ぎゃあああああああああああ!」

シフィが倒れる。

「ぐぶ…あれ? 生きて…。」

シフィが起き上がる。

「安心なさい。訓練弾よ。」

リィズがクールに銃を下げる。

「物騒な事やめてくださいよー!」

アカリが叫び、シフィを庇う。

蜜がマイクを手に、締める。

「こうしてベイレーンは撮り溜めた動画を出し終えた後、潔く身を引きました。ちゃんちゃん♪」

「蜜先生まで…もうこの会社一体どうなってるのよーーーーー!!」

アカリが絶叫し、スタジオが笑いと混乱に包まれる。

モニターには、ベイレーン最後の動画のサムネイルが映る。「ベイレーン引退宣言! YouTubeの闇を暴く!」と、過激なタイトルが輝く。視聴者コメントが「ベイレーン、ゆっくりでも続けて!」「YouTube、クソすぎw」と溢れ、ENTUMの新たな伝説が刻まれていた。このカオスな引退騒動が、どんなバズりを巻き起こすのか、ベイレーン叫びとアカリの絶叫に答えは隠されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アカリスタジオ 楽屋

 

アカリスタジオの楽屋は、ベイレーン引退宣言の余波でまだざわついていた。ピンクとホワイトのセットには、散乱したスナックの袋とミライアカリのぬいぐるみが転がり、壁には「料理対決」や「健康とセルフケア講座」のポスターが貼られたまま。モニターには、ベイレーン最後の動画のコメント欄が「ゆっくりベイレーン最高!」「YouTube、マジクソw」と大盛り上がり。だが、スタジオの空気をさらにカオスに変える新たな事件が、楽屋で勃発しようとしていた。

ベイレーンがソファにドカッと座り、突然立ち上がって叫ぶ。

「というか誰だお前!?」

彼女の黒色のおさげが揺れ、鋭い視線が楽屋の隅に立つ謎の少女・シフィに向けられる。

シフィがふわっと微笑み、丁寧に言う。

「こんにちは、異世界から来たシフィと申します!」

彼女の緑髪サイドテールとキラキラした瞳が、まるでアニメの主人公のようなオーラを放つ。だが、誰も彼女のことを知らない。

「出て行けお! 何でモブキャラがここにいる!!」

ベイレーンがマイクを振り回し、過激に追い出しモード。彼女の声には、YouTubeの収益化剥奪や無断転載へのイライラがまだ残っている。

「いや、急にこの世界に転生されたんだけど…。」

シフィがオロオロしながら弁解。彼女の手には、謎の魔法書のようなノートが握られ、異世界感が漂う。

ベイレーンがシフィをジロジロ見つめ、ニヤリ。

「んな馬鹿な事が…いや、ルックスは悪くないな。」

彼女が急に態度を軟化させ、腕を組む。

「よし、居候すると同時に入社を許可しよう!」

「やった!」

シフィが目を輝かせ、飛び跳ねる。コメント欄が「新キャラキター!」「シフィ、推せる!」と一気に加速。

ベイレーンがドヤ顔で続ける。

「毎日20時間労働するんだぞ!」

ピシッ!

ファルカが書類の束を手に、冷静に割り込む。

「違いますよ。基本的には8時間労働ですよ。20時間は流石にやり過ぎですよ。パワハラで訴えられてもおかしくありません。」

彼女のクールな声が、ベイレーン過激なノリを一刀両断。楽屋の空気が一瞬、静まる。

「確かにそうだおな。」

ベイレーンが肩をすくめ、珍しく素直に認める。

「シフィと言ったな―――頑張れだお!」

「はい!」

シフィが元気に敬礼し、魔法書ノートを胸に抱く。彼女の無邪気な笑顔が、楽屋に新たな風を吹き込む。

ガチャ!

ドアが開き、ミライアカリがジュースを片手に乱入。

「え、シフィちゃん入社!? めっちゃ可愛いじゃん! アカリとコラボしようよ~!」 彼女のキラキラした笑顔が、スタジオをさらに盛り上げる。

花野蜜がソファから立ち上がり、優しく言う。

「シフィちゃん、ようこそENTUMへ。まずはゆっくり慣れてね。」

彼女の声には、名取さなの診断や「S〇X講座」のカオスを乗り越えた包容力が滲む。

モニターには、配信の待機画面が映る。「ENTUM新メンバー! シフィ爆誕スペシャル!」と、派手なテロップが輝く。コメント欄は「異世界転生VTuber!?」「ベイレーン、引退やめた?w」と、視聴者の興奮が爆発。ベイレーン過激な採用劇とシフィの謎の登場が、ENTUMの新たなバズりを生み出す準備が整っていた。このカオスな楽屋が、どんな伝説を刻むのか、シフィの笑顔とベイレーン叫びに答えは隠されていた。

 

 

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