アクシズで頑張るシャアのクローン   作:すも

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ふと思いついたネタの続きです。


白い悪魔討伐命令

「連邦の白い悪魔が!?」

「うむ、あの白い悪魔に新型ガンダムが渡ったというのだ。これは由々しき事態だ」

「なるほど、それで我々エンドラ隊を呼び出したのですな」

 

ネオ・ジオンの本拠地アクシズの司令部にて、エンドラ隊の指揮官マシュマー・セロは指導者であるハマーン・カーンから新たな指令を受けていた。

 

「既にエゥーゴは組織として崩壊しつつある。もはや我々ネオ・ジオンの脅威ではないが、万全を期して地球降下作戦を行うためにも白い悪魔を無視する事はできん。マシュマー、貴様の部下であるニュータイプ兵士達ならばあの怪物に対抗できるだろう。エンドラ隊は白い悪魔の討伐に向かえ」

「はっ!お任せくださいハマーン様!」

 

白い悪魔というジオンの怨敵と戦う事になったマシュマーは今までとは違い非常に手強い相手だと緊張するが、敬愛するハマーンの為にも必ずや白い悪魔を討伐してみせると心の中で誓うのであった。

 

 

 

「ハマーン、君はエンドラ隊がアムロに、白い悪魔に勝てると思っているのか?」

「まあ厳しいだろうな」

 

マシュマーが退出した後、ハマーンとシャアとエンドラ隊が白い悪魔を討伐できるか話し合っていた。

 

「あの紛い物は先の戦いで経験を積んでいるが、プルシリーズ達は能力はあれど実戦を知らぬ新兵だ。新兵が初陣で白い悪魔に挑んだところで死ぬだけだな。そしてエゥーゴから提供された情報によれば新型ガンダム……ZZの性能は驚異的だ。あの紛い物が乗っているZガンダムを凌駕しているしエンドラ隊は厳しい戦いが予想されるだろう」

「それがわかっていながら彼らを送り出したのか」

「では他のオールドタイプの部下に任せるか?オールドタイプでは白い悪魔の餌食になるだけだと思うが」

「……」

 

ハマーンの言葉にシャアは沈黙する。

 

「そう心配するなシャア、紛い物は実力は確かだ。あの白い悪魔も確実に消耗するさ。そもそもエゥーゴが崩壊しつつある現状、いかにスーパーエースとて孤立無援ではいずれ限界が来る。エンドラ隊以外にも動かせる部隊はあるし、ニュータイプ兵士も続々と量産されている」

「……」

「エゥーゴのスパイや、こちらに内通したエゥーゴの高官から逐一情報は届いている。いかに白い悪魔でもこれではどうにもならんよ。敵ながら憐れなものだ」

「スパイはともかく、まさかエゥーゴの高官が自分の保身の為にアムロを売り飛ばすとは……!」

「俗物が保身を優先するのは当然の事だ。滅びゆく組織に最後まで付き従う物好きはそうそうおらんよ。ジオンならともかくな」

 

エゥーゴの高官までもがネオ・ジオンに内通している状況にシャアは苦い顔を浮かべる。

 

「地球連邦政府とネオ・ジオンの密約では、ティターンズが滅び用済みとなったエゥーゴとカラバをネオ・ジオンが排除し、地球連邦軍は静観する……貴様も既に内容を確認したはずだ」

「ああ、わかっているさ」

「そして連邦の白い悪魔、アムロ・レイは反地球連邦組織エゥーゴとカラバの最後の希望として逃げる事なく勇敢に戦い力尽きて倒れるのだ。戦場で死ねるのだから英雄の最後としては上出来だな」

「……!」

「我々ネオ・ジオンは怨敵である白い悪魔を討伐したという名誉を得て、地球連邦政府は戦後からずっと警戒対象だったアムロ・レイを気兼ねなく処分できる……誰も困らないしどちらも得をする素晴らしい案だ。こんな提案を受け入れる地球連邦政府は腐敗しているが、腐敗しているからこそネオ・ジオンに勝機があるのだ」

「何と言う事だ……!」

 

アムロが生贄として地球連邦政府からも死を望まれている状況にシャアは思わず拳を震わせていた……ネオ・ジオンの総帥としてどうかと思うが自分の宿敵を心配するのは人間として仕方ないだろう。

 

(アムロ、お前が生贄になる必要はないだろうに!……以前接触してきたあの男に急いで連絡を入れよう。ハマーンに気付かれたら終わりだ。細心の注意を払わなければ)

 

「そんな事よりシャア、月へ向かう準備は出来ているのか?」

「ああ。問題ない、ビスト財団への訪問だったな」

「うむ、地球降下作戦前に箱の確保を行う」

 

 

 

「アムロ・レイ、あの連邦の白い悪魔ですか?」

「うむ」

 

上官のマシュマー・セロから伝えられた指令にフィーリアス・ワン准尉(昇進した)は驚きの表情を浮かべる。

 

「あのジオンの敵が?」

「まさか悪魔が新型ガンダムに乗っているなんて」

「い、いくら連邦の白い悪魔でもお兄ちゃんよりは弱いよね?」

「いや、地球連邦軍を代表するエースオブエースだよ?お兄ちゃん並みでしょ」

「そ、そんなぁ」

 

呑気な様子のフィーリアス准尉とは違い、一緒に聞いていたプルシリーズ達は少なからず動揺していた。まあ初陣でアムロ・レイと戦えと言われたら動揺するのは当然だろう。

 

「静粛に!落ち着け諸君、動揺するのはわかるが君達ニュータイプ兵士ならあの白い悪魔に勝てるとハマーン様は信頼されているのだ」

 

動揺するプルシリーズ達を一喝したマシュマーはZZガンダムの説明を行う。

 

「エゥーゴのスパイから入手した情報によれば、白い悪魔は新型ガンダム……ZZの習熟訓練を行っているようだ。スパイからZZガンダムの性能について提供されており詳細は把握済みだ。こちらが入手したマニュアルと記録映像だ」

 

 

 

「あれはダブルビームライフル。既存のビームライフルと比較して桁外れの出力を誇る。掠るだけでも致命的な威力があるそうだ……今見た試験記録のようにな」

「「「「「……」」」」」

 

 

 

「大型ジェネレーターを搭載したZZは見た目に反して俊敏で高機動だ。連邦の白い悪魔なら完全に乗りこなして変幻自在な機動を行うだろう」

「「「「「……」」」」」

 

 

 

「そして最後はハイメガキャノンだ。最大出力ならコロニーレーザーの2割程の威力があるという……私としてはMSの固定武装としては過剰だとは思うが、実際に搭載されているのだから警戒しなければならないだろう」

「「「「「えぇ……」」」」」

 

 

 

「以上が白い悪魔が乗るZZの詳細だ」

「これはスゴイですね」

「うわぁ、トンデモMSだぁ……フィーリアスなら勝てる?」

「うんお姉ちゃん、僕は最強のニュータイプ兵士だってお母さんが言ってたし大丈夫」

 

「チッ、厄介だな」

「「「「「……」」」」」

 

(いかんな、フィーリアス准尉とプル曹長はいつも通りだが、プルツー以外のプルシリーズ達が萎縮している……無理もないか)

 

ZZの規格外の性能を見て萎縮するプルシリーズ達にマシュマーは内心溜息をつきつつ説明を続ける。

 

「白い悪魔が乗るZZは火力だけでなく可変MSとして高い機動性を持っている。それに対抗できるとすればフィーリアス准尉のZガンダムだけだろう。准尉はZZと正面から戦い、プル曹長とプルツーは准尉の援護を行え」

「了解しました」

「りょうかーい」

「了解しました」

 

「残りのプルシリーズはファンネルによるオールレンジ攻撃に徹し、連邦の白い悪魔を少しでも消耗させろ。決して正面から戦うな。ZZの相手は准尉達に任せるように」

「「「「「了解」」」」」

 

作戦を聞いたフィーリアス准尉とプルシリーズ達は一斉に敬礼する。そして彼らは来たるべき戦闘に向けて模擬戦を行うのであった。

 

 

 

「エゥーゴのZZ、私も見ましたが凄まじいですな。スパイからの情報で詳細を把握できたのは幸いでした。何も知らず戦う事になっていたらと思うとゾッとします」

「うむ、指揮官としてこんな事をいうのは情けないが、エンドラ隊が全滅していた可能性が高いだろう」

 

その後マシュマーは部下のグレミーと自軍のニュータイプ兵士達について話していた。

 

「彼らは生き残れるだろうか?」

「相手は連邦の白い悪魔です。フィーリアス准尉の強さなら対抗できるとは思います。プル曹長、プルツーも優秀ですので生き残る可能性は高いでしょう。しかし残りのプルシリーズは」

「君も彼女達が死ぬと思うか」

「はい、残念ですが今回が初陣のクローン兵士が白い悪魔と戦えば……ですが彼女の死は無駄にはなりません。白い悪魔との戦闘データという貴重なデータを残して逝けるのですから」

「そうだな、そう思いたいものだ」

 

マシュマー達エンドラ隊はアムロ・レイとの決戦に向けて覚悟を決めるのであった。

 

 

 

「……アムロさん、連邦政府は貴方を見捨てたようです」

「ああ、薄々察してはいたよ。でもまさか地球連邦政府とネオ・ジオンが繋がっていたとは信じたくなかったな」

 

「資料によればこれから向かって来るエンドラ隊にはプルシリーズというクローン兵士と、深緑の彗星という赤い彗星のクローンがいるようです。特に深緑の彗星はオリジナル以上の強さだと」

「やれやれ、クローン兵士とはな……やはり確信したよ。今のネオ・ジオンを見逃す事はできないと。そして奴の提案に乗るしかないとな」

 

「俺が言うのもなんですが本当に信じるのですか?エゥーゴを裏切った男の提案に乗ると?」

「ボッシュ、それについては仕方なかったとわかってるだろう?アーガマとカミーユが人質に取られたら俺だって折れるしかないさ……それに奴は変なところで義理堅い、俺達を罠に嵌める事はないだろう」

 

「わかりました。アムロさんがそう言うなら俺達も受け入れます」

「ありがとう、だがまずはエンドラ隊と戦って切り抜けなければ……ここまで追い詰められた状況は一年戦争以来だな」

「大丈夫です、アムロさんなら上手くやれますよ」

 

 

 

<人物紹介>

●マシュマー・セロ

→白い悪魔討伐命令を受けた。そしてエゥーゴのスパイから入手したZZガンダムの詳細を見て「えっ何これは」と引いていたが、指揮官として臆してはならないと気合を入れる。

 

 

 

●ハマーン様

→白い悪魔についてはここまでやれば大丈夫だろうと吞気に考えている。それよりビスト財団から箱を確保する事を優先する。シャアと一緒に立ち会える事になって上機嫌な様子を見せる。

 

 

 

●シャア・アズナブル

→地球連邦政府とネオ・ジオンの密約を知って「う、ウソだろこ、こんなことが……!こ……こんなことが許されていいのか!?」となり逆襲ポイント+5000000000となった。そして逆襲対象がハマーン以外にも増えた。

 

 こんな馬鹿げた事に宿命のライバルを生贄にされてたまるかと覚醒し、秘密裡に情報を流した。一体誰ッシュに情報提供したんだ……

 

 ちなみに今の時点でもシャア本人に忠誠を誓う人間がネオ・ジオンに大勢いる模様。ハマーンの人望がないのもあるが、赤い彗星のカリスマは伊達ではないのだ。

 

 

 

●地球連邦政府とネオ・ジオンの密約

→用済みとなったエゥーゴとカラバをネオ・ジオンが始末し、アムロも戦場で死ぬという両者にとってWIN-WINな内容である。なるほど完璧な作戦っスねーっ!アムロの抹殺が不可能だという点に目をつぶればよぉ~~(キャスバル並感)

 

 どこかの赤い彗星がチクったので白い悪魔の抹殺は上手くいかない事が決まっている。

 

 

 

●シャアのクローン(フィーリアス・ワン)とプルシリーズ達

→フィーリアス君は准尉に昇進した。ZZガンダムの出鱈目な性能を見てプルシリーズ達のほとんどが委縮したが、何も知らずに挑むよりは遥かにマシである。

 

 頑張れフィーリアス君、妹達の運命は君の頑張り次第だ。

 

 

 

●アムロ達

→ネオ・ジオンの誰かさんからタレコミがあり、自分が生贄になる事を理解する。生贄など冗談ではないので提案に乗って一芝居打つ予定。

 

 赤い彗星がエゥーゴを裏切った理由を知り、それは仕方ないなと納得し同情するが、でも裏切ったのは変わらないし一発殴ろうとは考えている。




Gジェネエターナルとまどドラが楽しいので前作のような更新速度は難しいですが頑張って書いていこうと思います。


今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。
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