アクシズで頑張るシャアのクローン   作:すも

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ふと思いついたネタの続きです。用事が思ったより早く終わったので投稿します。


地球降下作戦に向けて

「シャア、エンドラ隊から白い悪魔を捕虜にしたと報告があった」

「そうか、彼らはアムロに勝ったのか」

 

(よかった、アムロは無事生き延びたのだな。情報を流した甲斐があった)

 

ハマーンからエンドラ隊の成果を聞かされたシャア総帥は表向きは平静を装いつつも内心胸をなでおろしていた。

 

「エンドラ隊の犠牲者はゼロか、スパイが内通していたとはいえアムロ相手に誰も死ぬ事なく捕まえる事ができるとは大したものだ」

「うむ、予想していた結末とは違うが上出来だな。そういえばニュータイプ研究者達からアムロ・レイの提供を依頼されているがどうする?」

「やめろ、奴には利用価値がある。研究者達のオモチャにするな。彼等には既にプルシリーズがあるだろう」

「そうか、貴様がそう言うならアムロ・レイは引き渡さないでおこう」

 

シャア達はエンドラ隊の成果を称賛しつつ今後について話し合う。

 

「シャア、いよいよ地球降下作戦の時が来た。ネオ・ジオンの力を地球圏の民衆に知らしめる為にも必ずや成功させなければならない」

「それはわかっている。だが心配しなくてもここまで用意周到に準備していれば敗北はないと思うがな」

 

ハマーンから地球降下作戦について言及されたシャア総帥は、ここまでお膳立てされれば確実に成功するだろうと思わず苦笑する。

 

「白い悪魔は捕虜となりエゥーゴは組織として崩壊しつつある。そして地球連邦政府とは密約を結んでおり、地球連邦軍は我々に干渉せず静観する事になっていて、残っているのは地球にいるカラバだけか、負ける要素がないな。ハマーン、ここまでネオ・ジオンに有利な状況を作った君の手腕は大したものだ」

「フフ、珍しいなシャア。貴様が私を褒めるとは……褒めてくれるのは嬉しいが私の力だけではない。ネオ・ジオンが運を味方にしているのもあるが、何より先の内戦で地球連邦が大きく疲弊しているからだよ」

 

シャアの称賛を聞いてハマーンは上機嫌になる。好意を持つ相手から手放しに称賛され、年相応の笑顔を浮かべて喜ぶハマーンはシャアから見ても可憐であった。

 

(……ハマーン、お前が、君が私の事を憎からず思っているのは理解している。だが、残念だが君と私は同じ道を歩む事はできないのだ)

 

シャアはそんなハマーンを見て僅かに罪悪感を覚えつつ、来たるべき逆襲の時に向けて秘密裡に準備を進めるのであった。

 

 

 

「なぁ、どうだった?」

「ダメだ。アムロ・レイの引き渡しは不許可だそうだ」

「そうかぁ……」

 

アクシズに勤務するニュータイプ研究者達は強力なニュータイプであるアムロ・レイを研究の為に欲していたが許可が降りず残念そうな表情を浮かべる。

 

「造りたかったなぁ、アムロシリーズ。赤い彗星のクローンであるフィーリアス准尉はあれだけ強いんだし、白い悪魔のクローンも絶対強いはずなのに」

「気持ちはわかるが諦めろ」

 

ぶつくさ言いつつもプルシリーズ達の調整をする研究者達はアムロのクローン……アムロシリーズが実現できない事を悔しがっていた。

 

「なんでダメなんだろうなぁ」

「上層部はプルシリーズ達で十分だと考えているようだ。プルシリーズの性能は良好だし、既にプルシリーズの量産が始まっているからな」

「既に50体以上製造されているんだっけ?」

「ああ、前線に出せるのは11体だけで残りは教育中だけどな。ネオ・ジオンも余裕があるわけじゃない、クローン兵士をポンポン造る余裕はないのさ」

「いや、プルシリーズも悪くないよ?悪くないけどさぁ……赤い彗星と白い悪魔を見たら物足りないんだよ」

「俺もそう思うけど仕方ないだろ。プルシリーズで我慢しろ」

 

 

 

「……好き勝手言ってくれる。私達じゃ不満なのか」

 

研究者達の言葉を聞いたプルツーは渋い顔をしていた。

 

「よしよしプルツー、チョコパフェ奢るから機嫌を直してよ」

「やめろ頭を撫でるな。妹扱いするなって言ったよな?」

「あ、それなら私にも奢ってよフィーリアス!」

「うん、いいよ」

 

フィーリアス准尉とエルピー・プル曹長のやり取りを見てプルツーは眉根を寄せる。

 

「お前達相変わらずだな。特にフィーリアス!お前白い悪魔に負けたくせに悔しくないのか!」

「いや、ちょっと悔しかったよ?でもお母さんが生きていればまた戦えるし、次に勝てばいいって言ってたもの。お母さん怒ってなくてよかったよ」

「お母さんお母さんって、お前はマザコンか!」

「うん、そうだよ?」

「えっ、プルツー、今までフィーリアスを見てて気づかなかったの?」

「いや否定しろよ!お前達それでいいのか!?」

 

何言ってんだコイツという表情を浮かべる二人を見てプルツーは思わず脱力するのであった。

 

 

 

「経験の差は大きいですね。あの子の能力については折り紙つきですが、地球圏で最強のニュータイプだと噂される白い悪魔と戦うにはまだ未熟でした」

 

白い悪魔とフィーリアス准尉の戦闘データを確認していたミンファ博士はフィーリアス准尉の敗因は経験の差であると結論付けた。

 

「フィーリアス君が負けた事を怒ってないのだな君は」

「あの子は最高傑作ですがまだまだ未熟なのは理解してますから。五体満足で生き延びてるのですし、今後成長して白い悪魔を超えてくれればいいですよ」

「ハハハ、成長すれば確実に超えられると信じているのか。大した自信だね」

 

ミンファ博士の言葉を聞いて先輩研究者は笑うのであった。

 

「そういえば君はアムロ・レイについてはどう考えているのかね?」

「うーん、まあ一応興味はありますけど、最強のニュータイプ兵士は赤い彗星だと私は確信していますから」

「はっはっは、君はぶれないなぁ」

 

 

 

「地球降下作戦用の部隊ですか。ニュータイプ兵士の戦闘データ収集と地球降下作戦の本隊が降下する為の露払いを目的とした部隊……それを私が率いると?」

「うむ、君の能力ならば問題ないと私は考えている」

 

地球降下作戦の準備を行うアクシズにて、シャア総帥に呼び出されたグレミー・トトは新設する部隊を任されると聞いて驚きの表情を浮かべる。

 

「総帥からそう評価していただけるとは……光栄です!しかしエース部隊としては既にエンドラ隊がおりますが」

「エンドラ隊はアーガマの制圧や白い悪魔を捕虜にした功績がある。これ以上功績をエンドラ隊に独占させるわけにはいかん……それに指揮官のマシュマー・セロはハマーンに忠誠を誓っている。私直属の部隊にも功績を上げさせておきたいのだ」

「了解致しました。謹んでお受けします」

 

グレミーは新設される部隊の指揮官を任される事になり、内心の興奮を隠しつつ必ずや戦功を上げてみせると心の中で誓うのであった。

 

「ところでグレミー、例の件については?」

「ご安心ください、彼女から総帥に忠誠を誓うと言質を取っております。彼女が従うならフィーリアス准尉達も総帥に忠誠を誓うでしょう」

「うむ、それはよかった。君は引き続き準備を進めてくれ」

「はっ!」

 

 

 

「……………これは、もうダメだな」

 

白い悪魔ことアムロ・レイがネオ・ジオンの捕虜になったというニュースはすぐ地球圏全域に広がった。ニュースを聞いたカラバのリーダーであるハヤト・コバヤシは大きく溜息をついていた。

 

「エゥーゴ本部は音信不通のままか」

「ええ、どうも上層部の連中が纏めて逃げ出したようです。レイ大尉の件がトドメとなったのでしょう」

「そうか、そうだろうな。そして我々カラバでも音信不通となり脱走する兵士が続出している……これではネオ・ジオンに対抗できない」

 

カラバが戦う前から崩壊しつつある状況にハヤトは己の無力さを嘆いていた。

 

「情けない話だ。そしてそれとは別に地球連邦政府の動きが鈍重すぎる。ネオ・ジオンが地球に迫ろうとしているのにあまりにも危機感がなさすぎる……おそらく政府はネオ・ジオンと繋がっているな」

「まさか、地球連邦政府はネオ・ジオンにエゥーゴと我々カラバを排除させようと?」

「ああ、反地球連邦組織であるエゥーゴとカラバはもう不要だと、政府の連中は判断したのだろうさ」

 

 

 

「これがネオ・ジオンからの指令か」

 

一方では、ネオ・ジオンの地球降下作戦に呼応する為に地球各地に潜伏していたジオン残党達が準備をしていた。その中でも「砂漠のロンメル」と呼ばれるデザート・ロンメル中佐は精鋭として知られていた。ネオ・ジオンから連絡を受けたロンメル中佐は興奮した様子を見せる。

 

「諸君、いよいよだ。我らの8年にもわたる雌伏の時、忍耐の時が終わるのだ!」

 

部下達を見回しロンメル中佐は自分達の苦労が報われる時が来たと演説する。

 

「ザビ家の忘れ形見であるミネバ・ザビ王女が暗礁宙域からお戻りになられた!そしてミネバ様の御傍にはジオン・ズム・ダイクンの遺児であるキャスバル・レム・ダイクン殿がいる!……今の地球連邦は先の内戦によって大きく疲弊している!腐敗した連邦政府や崩壊しつつあるエゥーゴやカラバではネオ・ジオンを止める事はできない!我々ロンメル隊はネオ・ジオンに合流するぞ!ザビ家復興の為に、ミネバ様の為に!ジーク・ジオン!」

「「「「「ジーク・ジオン!!」」」」」

 

勝機を見たロンメル隊は興奮しつつもネオ・ジオンの地球降下作戦の開始を待つ事にした……その後地球連邦政府が自分の想像以上に腐敗していた事を知ったロンメル中佐は大いに困惑する事になるのであった。

 

 

 

 

 

<人物紹介>

●ハマーン様

→シャアから褒められて嬉しくなった。実際政治手腕は一流なので褒められて当然である。その日は一日中上機嫌であり、親衛隊見習いのジュドーはハマーン様が上機嫌な理由を察して「いつもこんな感じなら皆から怖がられないのになぁ」と思ったとか。

 

 

 

●シャア・アズナブル

→ハマーンの事は大嫌いだが彼女が自分に好意を持っているのは察している。だが逆襲ポイントが限界突破しているので逆襲するのは確定事項である。

 

 グレミーについては自分の親衛隊として引き抜いた。野心があって能力もある有望な若者だとなかなか高評価な模様。

 

 

 

●ニュータイプ研究者達

→「シャアシリーズが諸事情でダメだと言うならアムロシリーズならええやろ!目指せ無敵の白い悪魔軍団!え、ダメ?そっかぁ……」と残念に思っている。既に量産しているプルシリーズで我慢する事にしたようだ。

 

 

 

●シャアのクローン(フィーリアス・ワン)とプルシリーズ達

→負けたのはちょっと悔しいけど、生きてればいずれリベンジできるよねと考える心のつえぇマザコンとその姉妹達。フィーリアス君がマザコンな事についてはお姉ちゃんは当然知っていた。フィーリアス君も自分がマザコンである事を別に隠しておらず、聞かれたら素直に肯定するのだ。

 

 グレミーが新たに率いる部隊に配属される事になった。

 

 

 

●ミンファ博士

→あの子ならいずれ白い悪魔にも勝てると疑っていない母親にしてマッドサイエンティストの鑑である。白い悪魔については少し興味はあるものの、MSパイロットとしては総合力で赤い彗星の方が上だと考えるファンの鑑。

 

 

 

●グレミー・トト

→新設される部隊を率いる事になりテンションが上がる。シャア総帥についてはカリスマ指導者として素直に尊敬している。それとシャア総帥の意向を受けて色々と準備しているようだ。

 

 

 

●ハヤト・コバヤシ

→自分の無力さを嘆いているが、この状況では誰がやっても無理ゲーである。

 

 

 

●地球各地に潜伏するジオン残党

→ネオ・ジオンの快進撃を聞いて大いに活気づく。赤い彗星でダイクンの遺児ことキャスバル・レム・ダイクンがネオ・ジオンの総帥となっているこの世界では大多数の残党がネオ・ジオンに合流する事を表明している。

 

 

 

●デザート・ロンメル中佐

→「砂漠のロンメル」と呼ばれるジオン残党でも有名な人物。ザビ家復興の為にネオ・ジオンに合流し戦うつもりであり、気合十分な様子を見せる。だが地球降下作戦では腐敗した地球連邦政府と連邦軍のあまりのやる気の無さを見て困惑し宇宙猫となるだろう。

 

 ザビ家の信奉者でありミネバ・ザビ王女に絶対の忠誠を誓うが、後見人のハマーン・カーンについてはミネバ様を利用して好き勝手している小娘だと考えているようだ。




連休も終わりますので次回の投稿は時間が空きますがご了承ください。Gジェネエターナルとまどドラが楽しいので前作のような更新速度は難しいですが頑張って書いていこうと思います。


今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。
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