アクシズで頑張るシャアのクローン   作:すも

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ふと思いついたネタの続きです。


地球降下作戦開始

『ネオ・ジオンの兵士達よ。かつて我々は一年戦争で敗北し暗黒の宇宙に追いやられた。だが、我々は臥薪嘗胆の思いで力を蓄え再起したのだ!』

 

『地球に残り戦い続けてきた勇者達よ、聞こえるだろうか。我々ネオ・ジオンと君達の目指す道は同じである。サイド3の、ジオンの独立を勝ち取る事だ!』

 

『もはや誰も我々を止める事はできない!……機は熟した。共に戦おう、ジオン・ズム・ダイクンが夢見たジオン独立の為に!そしてスペースノイドの未来の為に!』

 

 

 

地球圏にある各サイドの制圧が完了し、諸準備を終えたネオ・ジオンはいよいよ地球降下作戦を開始しようとしていた。

 

そしてグレミー・トト率いる新設部隊……通称グレミー隊は地球降下作戦の露払いを命じられ、一足先に地球に降りていたのであった。グレミー隊はニュータイプ兵士達を多数揃えておりネオ・ジオンの中でも精鋭と言える力を持っていた。

 

「地球ってこんななんだ。不思議な感じ」

「うぅ~砂埃がぁ……船に戻ったらお風呂に入ろっと。二人も一緒に入ろうよ」

「いやだよ、というかお前朝も入ってただろオリジナル」

 

初めての地球にフィーリアス准尉達は戸惑いを覚えつつも、地上での戦闘を終えてグレミー隊の母艦であるリベルタスに帰還しようとしていた。

 

「このZZガンダムすごいや。機体の性能はZ以上だし、何より火力が段違いだ」

「フィーリアス一人で殆ど片付いたもんね〜カラバの人達が可哀想だったよ」

「敵に同情するとはオリジナルはお人好しだな」

 

フィーリアス准尉、エルピー・プル曹長、プルツー軍曹のチームは呑気な様子で雑談していた。最初は刺々しかったプルツーもマイペースな二人と行動を共にし続けた結果、彼等に大分染まったようであった。

 

「じゃあリベルタスに戻ろうか」

「緑色のアーガマってちょっと変な感じだよね。でもエゥーゴの船が私達の母艦になるなんてビックリしたよ」

「そうか?ZやZZを鹵獲して運用してるんだし、アーガマを再利用するのは別におかしくないぞ」

 

 

 

「リベルタス、なるほどいい船だ。ザンジバル級より快適だな」

 

リベルタス……緑色に塗装されたアーガマのブリッジにある艦長席に座るグレミー・トト特務大尉は満足気な様子を見せていた。

 

「ミノフスキー・クラフト異常ありません。ラビアンローズの連中はいい仕事をしたようです」

「うむ、アナハイムの技術者達は真面目だな」

 

アーガマは同じく鹵獲されたラビアンローズによって改修され、ネオ・ジオンのグレミー隊旗艦リベルタスとして運用されていたのであった。

 

「ふぅむ、まさか元エゥーゴの旗艦に乗る事になるとは。人生何が起こるかわからんものだ……しかしニュータイプ兵士か、子供ながら凄まじい強さだな。あのZZは驚異的な性能を持っているが、それを十全に扱えるのは彼等の技量があってこそだろう」

 

グレミーの隣で戦闘の様子を見ていたデザート・ロンメル中佐はフィーリアス准尉達の活躍を見て感心していた。ネオ・ジオンに合流したロンメル中佐は地球上で抵抗の意思を見せるカラバの殲滅に助力する為にリベルタスと合流していたのだ。

 

「これなら我々の助力など必要なかったか?」

「そんな事はございません。中佐の情報提供とロンメル隊の陽動があったからこそ、フィーリアス准尉達の奇襲が成功したのです」

「フッ、そうか。ではそういう事にしておこう」

 

地球で長年戦い続けたロンメル中佐に対してグレミーは尊敬すべき勇者として敬意を持って接しており、二人は良好な関係を築いていた。

 

「我々の目的であるカラバ掃討作戦は順調に進んでいます。敵の抵抗は微弱であり、カラバの構成員の殆どが逃走しているようです」

「当然だな。地球上でネオ・ジオンの部隊が活動していても連邦軍は静観したままで、ネオ・ジオンがエゥーゴやカラバを排除するのをただ見ているだけ……子供でもわかる事だ、地球連邦政府はエゥーゴやカラバを見捨てたのだとな。これで戦意を維持できるわけがない。先程抵抗の意思を見せていた連中が例外なのだ」

 

(政府に切り捨てられるとは憐れな連中だ。まさか敵を憐れむ日が来るとは)

 

ロンメル中佐は敵を憐れみつつも今後の行方についてグレミーと話し合う。

 

「アフリカの安全は確保したと言ってもいい。これでネオ・ジオン本隊が降下できるだろう」

「ええ、後は本隊が地球連邦の首都であるダカールを制圧し、ネオ・ジオンの力を地球圏に知らしめるでしょう。そして地球連邦政府とネオ・ジオンの間で和平条約が結ばれ、サイド3はネオ・ジオンの物となり独立します。それが地球連邦政府とネオ・ジオンの間で結ばれた取り決めです」

「……ううむ」

 

グレミーの言葉を聞いてロンメル中佐は何とも言えない顔をする。

 

「どうされましたか?」

「いや、仮にも敵であるはずのネオ・ジオンと繋がり、エゥーゴとカラバを切り捨てた上に、一時的とはいえ首都が制圧される事を許容するとはな。地球連邦政府がここまで腐っていたとは思わなかった」

 

自分の想像以上に腐敗していた連邦政府に対してロンメル中佐は大いに困惑していた。

 

「敵である地球連邦政府が腐敗している事は我々にとって好都合だと思われますが」

「それはわかっている。かつて一年戦争でジオン公国が成せなかったサイド3の独立という悲願を達成できるのだ。この状況を喜ぶべきなのは理解している。しているのだが、素直に喜べんのだ……すまん、今の言葉は忘れてくれ」

 

強大な敵であるはずの地球連邦の実情を知ったロンメル中佐はどこか失望したような表情を浮かべるのであった。

 

 

 

「そうか、あの基地にいた味方は全滅したのか……政府の連中は俺達を切り捨てたし、これ以上の抵抗は無意味だな。カラバを解散する」

 

カラバのリーダーであるハヤト・コバヤシは抵抗を続けていた基地がネオ・ジオンの部隊によって壊滅したと報告を受け苦渋の表情でカラバを解散する事を決断した。

 

「もっと早く決断するべきだったな。そうすれば彼等も死なずに済んだのか。指導者失格だな俺は」

「そんな事はありません!ハヤトさんの責任ではありませんよ!」

「ありがとう、そう言ってもらえるのは嬉しいよ。だが結果を出せず敗北するのは無能と呼ばれても文句は言えんさ」

 

部下の慰めの言葉を聞いたハヤトは微笑むと部下達へ最後の指示を出す。

 

「君達は脱出しろ。偽装用の戸籍があるからそれを使って一般人として再出発すればいい。達者でな」

「ハヤトさんはどうするのですか?」

「俺は指導者として責任を取る必要がある、責任者が無責任に逃げ出したり自決する事はできない。ネオ・ジオンに投降するよ、妻と子供達を頼む」

「そんな、相手はあのジオンですよ。どんな目に遭うか」

 

一年戦争を戦ったベテランの言葉にハヤトは苦笑する。

 

「連邦に戻っても命はないだろうさ。彼奴等ならネオ・ジオンに身柄を突き出しそうだしな」

 

ハヤトはそう言って部下達を脱出させた後、司令室にて一人考え込んでいた。

 

(これでネオ・ジオンを止める勢力はいなくなった。地球連邦政府は静観したままだし、ネオ・ジオンの目的であろうサイド3独立は達成される……だが)

 

「まさかこんな形で独立が実現するとは……あの時とは状況が違うのはわかっているが、あの一年戦争は一体なんだったんだ?」

 

ハヤトが思わず零した言葉は誰にも聞かれる事なく虚空に消えるのであった。

 

 

 

―お前がロンメル、地球に残り戦い続けた勇者か。忙しいところ無理を言ってすまないな―

「はっ!いいえ!とんでもないことでございます、お目にかかれて光栄ですミネバ様!」

 

カラバ掃討作戦が一段落していたグレミー隊とロンメル隊は、ネオ・ジオン本隊にいるミネバ・ザビ王女から通信を受けていた。

 

(まさかミネバ様から直々にご連絡されるとは!……ええい、事前にわかっていれば、こんな草臥れた軍服でお目にかかる事はなかったのに!)

 

長年着た結果随分と草臥れた様子の軍服でミネバ王女にお目にかかる事になったロンメル中佐は内心動揺しつつも直立不動の姿勢を取る。

 

―そう緊張しなくてもよい。私はあの高名な砂漠のロンメルを一度見てみたかったのだ。お前のザビ家への忠誠については既に聞き及んでいる……ありがとう、ザビ家の為に今までよく戦ってくれた。父が生きていたらお前の事を褒め称えていただろう―

「も、勿体なきお言葉……!」

 

敬愛するザビ家最後の生き残りであるミネバ王女から感謝されたロンメル中佐は、無礼とはわかっていながらも涙を止める事ができなかった。

 

(ミネバ様からそう言って頂けるとは……!そうか、私の、我々ロンメル隊の今までの戦いは決して無駄ではなかった!)

 

男泣きするロンメル中佐はザビ家再興の為に戦い続けてよかったと歓喜していた。

 

―ロンメルよ、お前達が安全を確保したお陰で私も地球に降りることができる。地球に降りたら一度会って話を聞かせてほしい、砂漠の勇者の戦いを是非聞きたいのだ―

「はっ!身に余る光栄です!」

 

―うむ、ありがとう。どうか今後も私の為に、ジオンの為に力を貸してほしい―

「……このロンメル、微力ながらミネバ様の為にこの身を捧げましょう!」

―励めよ―

 

(そうだ、ジオンが独立した後も戦いは続く。私のような時代に取り残された男でもミネバ様は必要とされている……腐敗した地球連邦の事などもはやどうでもいい。ジオンの為、ミネバ様の為にも私は立ち止まってはいられんのだ!)

 

通信が終わった後、ロンメル中佐はミネバ王女の為に今後も戦い続ける事を誓うのであった。

 

「おめでとうございますロンメル中佐」

「おっと、すまんな特務大尉、情けない姿を見せてしまったようだ。大の男が周囲を気にせず泣き出すとはな、忘れてくれ」

 

 

 

「本当にあっさりとダカールを制圧してしまったな」

「シャア、何が不満なのだ」

「いや、不満ではない。予定通り制圧したのはいい事なのだが、ううむ」

「なら笑顔でいろシャア、その顔では兵達が不安を覚える」

「す、すまん」

 

その後ネオ・ジオン本隊が地球に降下し、地球連邦軍の妨害もなく順調に進んだ結果、当初の予定通りネオ・ジオンが地球連邦の首都であるダカールを制圧した。制圧完了の報告を受けたシャア総帥は形容しがたい表情を浮かべておりハマーンに注意されたのであった。

 

 

 

 

<人物紹介>

●シャアのクローン(フィーリアス・ワン)とプルシリーズ達

→本隊に先立ち地球に降下しカラバと戦っており、鹵獲したZZが大活躍した。フィーリアス准尉は慣れない環境に少し戸惑うも、いつも通り出撃して敵を殲滅しお母さんに褒められて満足気な様子を見せていた。

 

 ちなみにプルの乗機はZガンダム、プルツーの機体はバウである。今回は登場していないが他のプルシリーズ達もおり、彼女達の機体はネオ・ジオンの新型量産機である。

 

 

 

●ZZガンダム

→新型を遊ばせる余裕はないのでグレミー隊で運用されおり、ハイメガキャノンで基地を壊滅させたり等して重宝されている。

 

 

 

●リベルタス(アーガマ)

→エゥーゴのアーガマがグレミー隊の旗艦としてエゥーゴとカラバへの嫌がらせも兼ねて再利用される。ラビアンローズのクルーとアナハイムから派遣された技術者達が頑張ってくれた。

 

 

 

●グレミー・トト

→グレミー隊の隊長として本隊の露払いを頑張っている。地球で合流したロンメル中佐達については勇者として敬意を払っており関係は良好である。

 

 

 

●デザート・ロンメル中佐

→地球連邦の腐敗を目の当たりにし大いに困惑し、そしてフィーリアス達の活躍を見て時代に取り残された事を感じていた。しかしその後ミネバ王女から称賛され今までの苦労が報われたと歓喜。これからもザビ家の為に働くとミネバ王女に絶対の忠誠を誓うのであった。

 

 

 

●ロンメル隊

→旧式MSしかない部隊だが陽動などできちんと活躍していた。ミデア輸送機を使って移動している。

 

 ZZの超火力を見て少し引いており、あのガンダムが味方でよかったと胸を撫で下ろす。

 

 

 

●ハヤト・コバヤシ

→地球連邦政府がカラバを完全に見捨てた事を確認し、これ以上の抵抗は無意味だとカラバを解散して投降する。

 

 

 

●ミネバ王女

→この世界ではちゃんと本物である。地球で頑張っている勇者達がいると聞いて、今までずっとザビ家の為に戦ってくれた人達なんだから感謝しなくてはと自主的に連絡を入れた人間の鑑である。

 

 ロンメル中佐以外にも同じように地球で戦っていた残党達に丁寧に感謝しており、感激した彼等から絶対の忠誠を誓われた模様。

 

 

 

●ダカール

→地球連邦の首都だがネオ・ジオンにあっさり制圧された。アニメZZでもそうだったので別におかしくはないです。シャアは「いや事前の取り決め通りだがそれでいいのか地球連邦政府」と困惑していた。




Gジェネエターナルが楽しいので前作のような更新速度は難しいですが頑張って書いていこうと思います。まどドラはやれる事はだいたいやってしまいました…


今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。
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