アクシズで頑張るシャアのクローン   作:すも

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ふと思いついたネタの続きです。


ネオ・ジオンの帰還①

「おおっ、見ろ。サイド3だ、我々の故郷だ」

 

地球から撤収し宇宙に戻ったネオ・ジオン本隊はサイド3ことジオン共和国に到着していた。

 

「う、ううっ。こうやって故郷に凱旋できるなんて夢みたいだ。ガトー少佐、ヴァルハラで見ておられますか?我々の悲願が、ジオンの独立が達成されました。ジオンが再興されたのです……!」

「泣くな、上官から叱責されるぞ。まあ気持ちはよくわかるがな」

 

モニターに映る故郷の姿を見てネオ・ジオンの兵士達は感慨深い表情を浮かべていた。デラーズ・フリートからアクシズに合流した兵士のように感動して涙ぐむ者もいた。

 

「本当に俺達はジオンの独立を成し遂げたんだな。……今だから言うけどさ、独立はもっと時間がかかるだろうなって考えていたよ。ひょっとしたら俺が爺になっても、MSに乗って連邦と戦っているかもしれないってな」

 

とある兵士の告白を周囲は黙って聞いていた。彼の発言は以前なら軟弱だと懲罰の対象になっていただろうが、独立が達成された今では周囲も落ち着いて聞く余裕があった。

 

「そうか、実は俺もそう思ってたよ。まさか10年も経たずに独立できるなんて」

「ティターンズとエゥーゴには感謝しないとな。奴等がお互いに争って隙を見せたお陰で、ネオ・ジオンは勝利する事が出来たのだから」

「ああ、彼等のお陰でジオンが独立出来たと言ってもいいだろう。死んだ彼等の冥福を祈ってやってもいいかもしれないな」

「ハハッ、エゥーゴはともかくティターンズの連中は絶対嫌がるだろそれ。見下していたスペースノイドに冥福を祈られるなんて」

 

ティターンズとエゥーゴの生き残り達が聞けば憤死しそうな会話であったが、実際ジオンが独立出来た大きな理由はティターンズとエゥーゴの内戦でネオ・ジオンが漁夫の利を得たからなのは事実であった。

 

「そうだ皆、ジオンが正式に独立した後はどうするつもりなんだ?俺は軍に残るつもりだが」

「そうだな、ジオンの独立が叶ってからなんだか気が抜けてしまってな。軍を退役して一般人として暮らそうと思うんだ」

「俺もだ、アクシズで出来た家族と一緒に本国でノンビリとセカンドライフを送ろうと考えてる」

「へぇ、それはいいんじゃないか。堅気になって家族を養うのなら応援するよ」

 

自分達の今後について、兵士達は明るい未来が待っていると想像し笑顔で話し合うのであった。

 

「でもセカンドライフって何をするんだ?」

「小さい頃の夢だったパン屋を開こうと思ってるんだ。今まで調理の経験はないけど、まあ何とかなるだろうさ」

「……悪い事は言わないから止めとけ。素人が軽い気持ちで始めていいもんじゃないぞパン屋は。手堅く建設作業員とかになって家族を養うべきだ。MSの操縦技術があるから食いっぱぐれる事はないと思うぞ」

「えっ」

 

 

 

「あれがサイド3か。シャングリラコロニーとは形状が違うな」

 

ハマーンの親衛隊見習いであるジュドー・アーシタはモニターに映るサイド3を見てそう独り言ちていた。

 

「これからハマーン様の護衛として首都のズムシティに住む事になるのか。それについては文句はないけど、アーガマからガンダムを盗もうと決めた時はこんな事になるとは思わなかったよ」

 

ジャンク屋の子供だった自分がネオ・ジオンの親衛隊見習いになってサイド3に住む事になった現実にジュドーは困惑する。

 

「まあこんな事になったのは自分のせいだし、何時までもグチグチ言ってないで頑張らなくちゃな。親衛隊は給料はいいし、生活環境もシャングリラコロニーの時より良くなってる。リィナもミネバ様の侍女として頑張ってるし俺も負けられないな!」

 

兄としてリィナを心配させないよう親衛隊の仕事を頑張ろうとジュドーは決意したのであった。

 

「あ、そういえばさっきハマーン様から頂いた薔薇はどうしようか。部屋に飾っておけばいいのかな?……薔薇か、マシュマーさんを連想するな」

 

―ジュドー君、ハマーン様は君の事を大層気に入られたようだ。それに君が来てからハマーン様はよく微笑まれるようになった。私としてはハマーン様の変化はとても喜ばしい事だと思っている。これからもハマーン様の側で仕え続けてほしい―

 

「買い被り過ぎだと思うけどなぁ。俺が来たからってハマーン様が変わったとは思えないけど。でもマシュマーさん真剣な顔で言ってたよな……とりあえずこれからもお仕事頑張りますかね」

 

 

 

『サイド3よ、我々ネオ・ジオンは成し遂げた!我が父ジオン・ズム・ダイクンの、サイド3の悲願であるジオン独立を成し遂げ故郷に錦を飾る事ができ私は嬉しく思っている……』

 

「こうしてサイド3に凱旋する事になるとは。ママが生きていたら私の事を褒めてくれただろうか」

 

サイド3に到着したシャア総帥は現在首都ズムシティにて演説を行っていた。シャアの演説の様子を映したモニターを眺めるグレミー・トト特務少佐は感慨深い表情を浮かべていた。

 

(だがこれからが大変だぞ。新生ジオン公国として独立する為の準備、共和国軍との統合、政治体制の更新……戦って勝てば解決する戦場とは違う。時間がかかるだろうな)

 

グレミーは今後新生ジオン公国を待ち受けるであろう困難を想像する。

 

(だが総帥のカリスマがあれば民衆は疑う事なく従うだろう。それにハマーンの補佐もある。あの女は才覚については本物だ)

 

そしてここ最近になって随分と大人しくなったハマーンについて考えが及ぶ。

 

(しかしハマーンめ、ネオ・ジオンの指導者の地位とミネバ様の後見人としての立場をあっさりと総帥に譲るとは。我々としては非常に助かったが気味が悪いな……まあ、あの女も指導者として総帥には決して勝てないのは当然理解している。負けるとわかっている戦をする気はないか)

 

ハマーンの変化について気味が悪いと思いつつも、シャア総帥に大人しく従うのならそれでいいと考えていた。

 

(総帥の補佐に徹するなら排除せず利用するべきだ。今のジオンに政争をする余裕などないし、地球連邦に隙を見せるわけにはいかないのだから)

 

ハマーンについて考えを打ち切ったグレミーは、シャア総帥の側で演説を聞いているミネバ王女に目を向ける。

 

(シャア総帥が後見人となった事で、ミネバ様はザビ家の正統後継者としてジオン国民から認められた。私のようにザビ家の血を引く者はミネバ様以外にもいるが、仮にザビ家の後継者を自称した所で誰も付いてこない。ダイクンの遺児がザビ家の正統後継者と認めた事実はミネバ様の正統性をこれ以上ない程高めている)

 

自分のようなザビ家の血を引く者達が勝手に後継者を自称してもジオンの国民は従わないとグレミーは理解していた。

 

(そういえば火星の連中が何やら不穏な動きを見せているが、正統性と民衆の支持はこちらにある。彼等とてそれは理解しているはずだ。馬鹿な真似はやめてハマーンのように大人しく従ってくれるといいのだが……そもそもジオンの独立という悲願が達成されたのに一体何が不満だと言うのだ?)

 

「わからんな、彼等も変な意地を張らずジオン本国に帰還すればいいだろうに」

 

火星のジオン残党の事を考えたグレミーは彼等の心情が理解できず思わずそう呟いていた。

 

その後火星ではザビ家の後継者を自称する者が複数現れ、それを旗頭にしたジオン残党達とティターンズ&エゥーゴの残党連合がお互いに争って戦国時代となり混迷を極めている状況を知ったグレミーは大いに困惑する事になるのであった。

 

 

 

 

<人物紹介>

●ネオ・ジオンの兵士達

→サイド3の独立を成し遂げ故郷に凱旋する。感極まり泣き出す兵士が続出した模様。独立後も新生ジオン公国で兵士として頑張るつもりの兵士が多いが、戦いに疲れたので退役して一般人として暮らそうと考える者も少なくない。

 

 セカンドライフでパン屋を開こうとした男は周囲から説得された結果、夢を諦め建設業に就職する事にしたようだ。

 

 

 

●ジュドー・アーシタ

→ハマーン様の親衛隊として今後も頑張るつもりな心のつえぇニュータイプ。ハマーン様や周囲の人間から高く評価されており、いずれハマーン様を支える騎士として成長する事を期待されている。

 

 

 

●マシュマー・セロ

→今回はセリフだけ登場。「ジュドー君が来てからハマーン様がよく微笑まれるようになった、ほんの少しだけ嫉妬してしまうが、ハマーン様が幸せそうなのでヨシ!ジュドー君はこれからもハマーン様を支えてほしい!」と考える騎士の鑑にして人間の鑑である。

 

 

 

●シャア・アズナブル

→サイド3に帰還し故郷に錦を飾る事ができた。ダイクンの遺児の帰還に民衆は熱狂した模様。今後は新生ジオン公国の指導者として忙しくなるだろう。

 

 ハマーンからミネバ王女の後見人の立場を譲られる。ミネバ王女の地位を保証する為に必要な事だとは理解しているものの、そんなあっさりと譲っていいのか!これでは逆襲する必要がないではないか!と内心で少し怒っている情けない奴である。

 

 

 

●ミネバ王女

→ザビ家の正統後継者として、新生ジオン公国の象徴となる。先のネオ・ジオンの演説で既に宣言されていたし、何よりもダイクンの遺児がミネバ王女の後見人となった事でサイド3の民衆は素直に受け入れた。

 

 

 

●グレミー・トト

→地球降下作戦での戦功により特務少佐に昇進する。シャア総帥の側近として忙しく働いている。ミネバ王女がザビ家の正統後継者となったのは当然の事だと受け入れている。シャア総帥から認められる程優秀だが、まだ17歳なので未熟な部分はあるのは仕方ないだろう。

 

 火星の混沌とした状況を知った時は困惑し宇宙猫になった模様。

 

 

 

●火星

→ネタバレになるが混迷を極める事になる。ジオンマーズVSレジオンVSティターンズ&エゥーゴ残党連合の三つ巴になる模様。火星の住民達は自分達に迷惑をかける余所者達を毛嫌いしており、アイツら共倒れしないかなと願っている。

 

 火星がカオスな状況なのを知った新生ジオン公国首脳部は困惑し、ジオン国民も困惑し、地球連邦政府は困惑しつつも新生ジオン公国に「君達の仲間なんだから君達が説得しろ(意訳)」と依頼する事になるだろう。




Gジェネエターナルが楽しいので前作のような更新速度は難しいですが頑張って書いていこうと思います。



今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。
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