アクシズで頑張るシャアのクローン   作:すも

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ふと思いついたネタの続きです。暫くの間は閑話が続きます。


新時代のザク

「集まったな諸君!これから新型MSの開発に向けて会議をするぞ!」

「いや本気ですか主任」

 

サイド3が新生ジオン公国として独立する準備を進めている頃、ネオ・ジオンに所属していたMS開発部署の技術者達は急遽呼び集められて会議を開いていた。

 

「安心しろ!上層部から開発の許可はもらっているからな!」

「えぇ?軍縮が予定されているのにMS開発って」

「上がよく認めましたね」

 

ハイテンションな様子の主任とは対照的に部下達は困惑した表情を浮かべていた。既に軍縮が決まっているというのに新型の開発許可がよく降りたものだと部下達が困惑するのは当然だろう。

 

「新生ジオン公国の建国という慶事に合わせて民衆の度肝を抜く新型MSを公表し、MS開発の本場はジオンだと地球圏に宣伝するのだ!」

「なるほど、国威発揚の為ですか。 それで何を開発するのでしょうか?」

「諸君、ジオンを代表するMSといえば何かね?」

「ジオンを代表する機体……ザク、でしょうか?」

「そうだ!我々の手で新時代のザクを開発するぞ!」

 

新しいザクを開発するという主任の発言に技術者達は興味深い様子を見せつつも少し戸惑っていた。

 

「しかし既にザクⅡの後継機として開発されたザクⅢがありますが」

「ううむ、それなのだがな」

 

部下の指摘に主任はハイテンションな様子から一転して難しい表情を浮かべる。

 

「我々が開発したザクⅢはいい機体だ。高い汎用性を持ちザクの直系として相応しい総合力があると断言できる。だが上層部はザクⅢの量産に消極的だ……そして嘆かわしい事に現場のパイロット、特に共和国出身のパイロット達はハイザックの方を好んでいるという!」

「あのアナハイムが造ったザクの紛い物も客観的に見ればいい機体ですからね。生産コストの安さと操作性のよさを両立してます。伊達に地球連邦軍やティターンズでも使われていませんよ」

「それが気に入らんのだ!あの紛い物が地球圏でザクの後継機として評価されているのが本当に気に入らん!」

「いやそれは主任の感想じゃないですか」

 

怒気を帯びた主任の言葉を聞いて部下達は思わず呆れていた。

 

「しかし上はザクⅢの何が不満なのでしょうか?」

「ザクⅢはハイザックと比べれば遥かに高性能だ。だが上層部はザクⅢの生産コストと維持費用に不満があるようでな」

「確かにザクⅢだとハイザックより金がかかりますよね。高性能な分図体もデカくなってますし」

「そうだ、戦時ならともかく平時、それも軍縮が進められている現状では上層部がザクⅢの量産を許可する事はないだろう」

 

ザクⅢは間違いなく高性能な機体であるが、この時代のMSの例に漏れず大型の機体であった。

 

「生産コストと維持費用の面で見ればザクⅢはハイザックに勝てませんね。ハイザックは二線級の部隊用に引き続き運用して、ザクⅢはエース向けの機体として少数生産すればいいのでは?」

「上層部もそう考えているだろうな。だがそれではダメなのだ!技術の進歩が目覚ましい今ではハイザックは既に旧式MSになりつつある。エゥーゴやティターンズ残党といったテロリスト達からジオンを護るには紛い物では力不足だ」

「それはそうなのですが」

 

主任の言う通りハイザックは既に旧式となりつつあり、国を護る機体としては些か頼りないというのが現実であった。エゥーゴやティターンズの残党達が恨み骨髄なのは当然ジオンも理解しており、対抗する為の機体を欲するのも無理はないだろう。

 

「だからこそ我々が新時代のザクを開発するのだ!ザクⅢよりも高性能かつ、ハイザック並に安価で維持も容易な機体を!」

「つまり両者のいいとこ取りの機体と?無茶では?」

「始める前から弱音を吐くな!我々なら出来るはずだ!」

「ああもう、気軽に言ってくれますね!……わかりましたよ、やればいいんでしょやれば!」

 

主任の楽観的な考えに頭を抱えつつも部下達は一丸となって新型MSの開発を始めるのであった。

 

 

 

「では機体のサイズはハイザック程度に抑えるとして」

「いや、それよりも小さくするぞ!我々の革新的な技術を以てすれば更なる小型化も夢ではない!」

「えぇ?いや、小型化した核融合炉の試作品がありますから出来なくはないですけど」

「小さくすれば製造コストや維持費用が安く済む!上層部も満足するだろうな!」

 

 

 

「頭頂高16m……性能を維持しつつこれ以上の小型化は無理ですよ」

「ふうむ、まあこれくらいでいいだろう。試算だが製造コストがかなり抑えられた。だがこれで満足するな!不要な部分を更に削って汎用性と拡張性を拡げるぞ!」

「これ以上削るというのですか!?」

「おう!それと性能についてはザクⅢ以上にするぞ!」

「このサイズで!?無理ですよ!」

「馬鹿者ォ!新時代のザクとなる機体がザクⅢより低性能では話にならんだろうが!」

 

 

 

「小型化したまま高性能化……なんとかなりましたね」

「うむ!我々の知恵を結集すればこれくらい余裕である!諸君らもよく頑張ってくれた!」

「途中で何度も投げ出したくなりましたけどね。機体の性能についてはこれで大丈夫でしょうが武装は?」

「他の開発チームから報告を受けたがコイツ専用のビームライフルの開発が完了したようだ。威力については申し分ないし、マシンガンのように弾をばら撒いたり長距離狙撃も可能な多機能ビームライフルだそうだ!」

「それはスゴい」

 

 

 

「しかし小型化したせいで防御面は心許ないですね」

「それは仕方あるまい。既存の機体より向上している運動性能で回避してもらおう。一応ザクらしく右肩に耐ビームコーティングを施したシールドを取り付けたのだが」

「通常のビームライフルならともかく、ZZのような火力お化け相手だと防ぎ切れませんよ」

「いや、それは相手が悪すぎるぞ……通常のビームライフルが防げれば十分だ。いずれビームをシールド状にした武装が開発されるかもしれんな」

「ああ、理論上では可能だというビームシールドですか。コイツの出力ではマトモに扱えませんよ」

「なあに、コイツの後継機がきっと実現してくれるさ」

 

当初不可能だと思われていたMSの小型化が何とか実現し主任達は満足気な様子で新時代のザクとなる試作機を見上げるのであった。

 

 

 

「おお、あれが新型ザク……なるほどこれはスゴい!あのサイズでザクⅢを凌駕する性能があるとは、開発チームが自信を持って出してくるわけだ!」

 

その後ロールアウトされた新型のザク……ザクⅣの性能試験が行われ、その驚異的な性能を見たオリヴァー・マイ技術大尉は感嘆の声を上げていた。

 

「それにサイズや性能だけではない、生産性や操作性についてもザクⅢを超えている……!ご覧になっている総帥達も満足気な様子であるし、これならあの機体の量産は決まったようなものだな」

 

マイ技術大尉の言う通りザクⅣはジオン上層部から高く評価され量産が決定された。ザクⅣはザクⅡやハイザックのような高い生産性や汎用性を持ち、そしてザクⅢを上回る性能であるため現場の部隊から軍の上層部にも評価され、新生ジオン公国に相応しい新時代のMSだと称賛されたのであった。

 

 

 

 

<人物紹介>

●ネオ・ジオンの技術者達

→ネオ・ジオンのビックリドッキリメカ達を開発してきた優秀な技術者達。ジオンが新生ジオン公国として独立する事が決まり軍縮決定されたため最近やる気がなかったが、新時代のザクを開発してみせると全員が一丸となって開発に取り組んだ模様。

 

 ジオン脅威のメカニズムを造りあげた彼等にかかれば小型MSだって開発できるのだ。

 

 

 

●ハイザック

→アナハイムが製造したザクの後継機。ネオ・ジオンはザクの後継機とは認めなかったものの、客観的に見れば間違いなくザクの後継機と言えるだろう。

 

 性能は悪くないが驚異的なスピードでMS技術が進歩している今では旧式機である。

 

 

 

●ザクⅢ

→ザクとは思えないほどゴテゴテしているMS。ネオ・ジオンの技術者達が自信を持って造りあげた機体で、高性能ではあるが史実ではドーベン・ウルフに負けた敗北者である。(※個人の感想です)

 

 この世界ではシャア総帥の専用機となっている事でコンペに勝ち抜き少数が生産されている。でも軍縮が進められている軍に居場所はないのだ。

 

 

 

●ネオ・ジオンのMS

→高性能ではあるが生産性や操作性については二の次な物が多く、一言で言えば癖が強い機体ばかりである。(※個人の感想です)

 

 この時代の流行に合わせて機体が大型化している影響で維持費用がかかるため、上層部は安くて扱いやすい新型MSの開発を決定した。

 

 

 

●オリヴァー・マイ

→IGLOOの主人公。一年戦争終結後はアクシズに渡って研究開発に従事していた。ザクⅣの性能を見て感嘆し、これからはザクⅣのような小型MSが主流になるかもしれないと考えている。

 

 

 

●ザクⅣ

→新生ジオン公国建国記念として国威発揚のためにネオ・ジオンの技術者達が総力を上げて開発した新型ザク。この世界では小型MSの始祖となった。

 

 ザクⅡやハイザックのような生産性や操作性の高さを維持しつつザクⅢ以上の高性能を両立した機体である。お値段はザクⅢ1機でザクⅣが2機造れるとの事。現場も軍の上層部も政府の役人も満足した名機である。ビームシールド?流石にネオ・ジオンの技術者達でも今の段階では無理だった模様。

 

 ちなみにザクⅣを見た地球連邦軍の上層部は新生ジオン公国の技術力を警戒し、それと既存の機体より製造維持が安く済むと知って自分達も小型MSを造るべきだと考えアナハイムに依頼し、アナハイムは渋々依頼を受け入れたようだ。

 

 

 

●ギラ・ドーガ

→(出番は)ないです。そもそも史実ではアナハイムが開発に関与しているため、この世界で登場する事はないだろう。




Gジェネエターナルが楽しいので前作のような更新速度は難しいですが頑張って書いていこうと思います。



今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。
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