アクシズで頑張るシャアのクローン   作:すも

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ふと思いついたネタの続きです。暫くの間は閑話が続きます。


フィーリアスの学校生活②

「うーん、今期の成績も座学、実技共にフィーリアスがトップか」

「あんな小さいのになぁ」

 

フィーリアスが士官学校に入って一年が経過した。士官学校のとある場所に置かれた掲示板では士官候補生達の成績発表がされていた。

 

その中でフィーリアスは最年少ながらも学年トップの成績を上げており同期達を感心させていたが、オリジナルであるシャア・アズナブル譲りの高い能力を持った彼にとっては特に難しい事ではなかったようだ。ちなみにフィーリアスの親友となったギュネイ・ガスは学年2位である。

 

「流石はシャア総帥の弟でネオ・ジオンのスーパーエースでニュータイプ様だよ」

「しかも顔も凄くいいし、大人になったらシャア総帥みたいなイケメンになるだろうなぁ……天は二物、いや二物以上与えてるじゃないか。ここまでくると嫉妬する気も起きないぞ」

 

ハイスペック過ぎるフィーリアスに対して同期の士官候補生達は嫉妬する気も起きずただただ感心していた。

 

「なんであそこまで凄いんだろ?」

「シャア総帥の弟だからじゃないか?シャア総帥も同じくらい凄かったらしいし」

「ああ、総帥の同期だった教官殿が楽しそうに話してたっけ。兄弟揃って優秀とか半端ないな」

「俺達庶民の生まれとはレベルが違うんだよきっと」

 

その後も士官候補生達は呑気な様子で雑談をするのであった。

 

 

 

「……いや呑気過ぎるだろアイツら。士官候補生の自覚はあるのか?」

 

そんな士官候補生達を遠くから観察していたギュネイ・ガスは同期達の呑気な様子に思わず溜息をついていた。

 

「少しは対抗意識とか持つべきだろ」

「まあいいじゃない、仲良くできるならそれがいいよ。ちゃんと相手に気付かれずに心を覗けた?」

「ああ、お前のアドバイス通り上手くやれたよ」

 

フィーリアスと会話しつつギュネイは士官候補生達の内心をニュータイプの力で読み取る練習を行っていた。本来遠くにいるギュネイが士官候補生達の声など聞こえるはずがなかったのだが、フィーリアスのアドバイスを受けてニュータイプ能力を研ぎ澄ました結果、ギュネイは読心術紛いの事ができるようになっていた。

 

「最初は難しかったが、お前が言う通りコツを掴めば後は簡単だった。でもニュータイプって読心術もできるとは驚きだぜ」

「ニュータイプは相手の感情を感じ取れるんだし、頑張れば心を読み取るくらい出来るようになるでしょ」

「どういう理屈だよそれ。まあ俺も出来るようになったけどさ」

 

士官学校での教育は二人にとって簡単な内容であり、暇を持て余した彼等は物は試しとニュータイプ能力を研鑽する事が多くなっていた。まだ10代前半の少年である二人は自分達のニュータイプ能力が高まっていくのを無邪気に喜んでいた。

 

「あっ、あの子僕達を見て妄想してる。なんで僕達裸で絡み合ってるんだろ」

「うっわ、やめろテレパシーで俺にも見せるなそんなの。大人しい顔してエグい事考えてるなあの子。人は見かけによらないって本当なんだな」

「そういえばマシュマーさんもあんな感じでよく妄想してたっけ」

「マジか、あの有名な薔薇の騎士殿も妄想癖があるのかよ。知りたくなかったなぁ。でもお前あんなの見て平気なのか?」

「平気平気、心の中で考えてるだけなら無害だし。それより断末魔とかの方が五月蝿くて鬱陶しいよ」

「まあそれもそうか、断末魔に比べれば妄想なんて大した事ないよな」

 

こんな感じでフィーリアスとギュネイは大抵二人で行動しており、一部の女子達からねっとりとした視線を向けられたりするものの、特に問題なく士官学校生活を満喫していたのであった。

 

 

 

「いや、相手の心を無闇に覗くのはダメじゃないかしら?」

「えっ」

 

月に一回ある製造者兼母親のミンファ博士との面会で自分の近況を話した結果、ミンファ博士から窘められたフィーリアスは少しだけ困惑していた。

 

「気付かれない様に覗いているけど」

「そういう問題じゃないと思うわよ?心を勝手に覗くのはマナー違反じゃないかしら。えーっと確か……親しき仲にも礼儀ありって言葉があるし、私はともかく貴方なら理解できるはずよ」

「そうかな?……そうかも」

「まあそれはともかくスゴいじゃないフィーリアス!読心術なんてスゴく役に立つわね!さすが私の自慢の息子だわ!」

「えっ」

 

ミンファ博士の言葉を聞いてフィーリアスは考え込んでいたが、直後に態度を一転させて褒めてきた母親の姿を見てきょとんとした様子を浮かべる。

 

「相手の考えを読めるだなんて最高ね!仮に白い悪魔とまた戦う時があれば確実に勝てるじゃない!ニュータイプ兵士として更なる高みに昇るだなんて素晴らしいわ!」

「お母さんは相変わらずだなぁ」

 

読心術という戦いにおいては圧倒的なアドバンテージになる能力にミンファ博士は大いに興奮しており、その様子を見たフィーリアスは母親のいつも通りな態度に苦笑していた。

 

「でもお母さんは心を覗かれて怖くないの?」

「別に怖くないわよ。私隠し事とかしないし、いつも自分に正直に生きているつもりだもの。でも私はともかく他の人相手は遠慮した方がいいと思うわよ?」

「うん、わかったよ」

 

マイペースな母親に安心したフィーリアスはとりあえず他人の心を無闇に覗かないようにする事を決めるのであった。

 

「あ、そうだ。折角だし貴方の読心術の様子を研究させてくれないかしら。ニュータイプ研究の役に立つと思うし」

「わかった、ギュネイも呼ぶね」

 

 

 

「やっぱりスゴいですねあの子は!」

「ほほう、本当に心が読めるようだねぇ」

 

その後ミンファ博士達ニュータイプ研究者が立ち会った上で行われた実験ではフィーリアスとギュネイの二人がリラックスした様子で読心術を行っており、研究者達は観測されたデータを見て驚きつつも感心していた。

 

「他人の心を読む事が出来るとは驚きだよ……でも一番驚いたのはフィーリアス君が催眠紛いの事をしてた事だね」

「ニュータイプってなんでもありですね!」

「いや本当にそうだねぇ、彼がその気になれば国を乗っ取れるかもしれないな。フィーリアス君がそんな事するわけがないとわかっているがね」

 

実験の中でフィーリアスが催眠紛いの能力を見せた事にミンファ達研究者は興奮していた。これが虐げられていた被験者だったら反乱の可能性も考えられたが、シャア総帥の弟として扱われているフィーリアスならその心配もないと呑気な様子を見せていた。

 

「先輩!私は確信しました!ジオン・ズム・ダイクンが提唱したニュータイプと、巷でニュータイプと呼ばれる人達はまったく別物だと!私が思うに彼等はただの超能力者ですよ!」

「うーん、スゴくいい笑顔で断言したなぁ。まあ君の言いたい事はわかるがね」

 

ミンファ博士の笑顔を見て先輩研究者は苦笑する。

 

「先輩、私新しい目的が見つかりました」

「ほう、それはなんだね」

「ニュータイプ達についてとことん調べてみたいんです。ニュータイプについての研究はまだ始まって10年程度しか経過していません。私達は彼らの事を殆ど何もわかってないんですよ」

「そうだね、特殊な脳波を出してサイコミュを動かせるくらいしかはっきりとわかっていないな」

 

ミンファ博士の言う通りニュータイプ研究は軍事研究の分野でしか進んでいないのが現状であった。

 

「かつてクルスト・モーゼス博士はニュータイプがオールドタイプを駆逐すると恐れていたようですが、無闇矢鱈にニュータイプを恐れるなんて愚かだと思います。愚かだからEXAMシステムなんていうゴミを造ってしまったんですよ」

「モーゼス博士か、確かに彼はニュータイプの事を酷く恐れていたな。でもゴミは言い過ぎじゃないかね?」

「いや記録を見ましたけどゴミだと思いますよ。狂戦士となって敵味方関係なく暴れる事しかできないシステムだなんて。お猿さんだって躾ければ最低限の識別はできますしお猿さん以下じゃないですか。何故あんな物に金と資源が投入されたのか理解に苦しみます」

「まあ、うん、使い道がないというのは否定しないけどね」

「未知を怖がるのはわかります。ですがわからないままでいるのはダメですよ。研究者ならば自分の人生を掛けてでもニュータイプの正体を解明しようとするべきです」

「ふうむ」

 

真剣な表情を浮かべるミンファ博士を先輩研究者は興味深い様子で見ていた。

 

「なるほど、ニュータイプは科学的に解明出来ると言いたいのだね?確かに君はシュッツラーダーを開発した実績があるし、いずれニュータイプについて完全に解き明かす事が出来るかもしれないな」

「まあ研究を続ける一番の理由はニュータイプ研究が楽しいからですけどね!好きなだけ研究できて結果さえ出せば予算もくれますしここは天国ですよ!」

「ハハハ、君はブレないなぁ。じゃあこれからも研究を頑張ろうか」

「はい!」

 

平和になった地球圏でもミンファ博士達は相変わらず研究一筋であり、彼等は予算と上層部が許す限りこれからもニュータイプ研究に没頭するのであった。

 

 

 

 

<人物紹介>

●シャアのクローン(フィーリアス・アズナブル)

→士官学校生活をエンジョイしている。ニュータイプ能力を磨いた結果読心術と催眠が使えるようになり、「闇に落ちろ!キ◯・ヤマト!」ごっこができるようになった。

 

 母親のミンファ博士の事は世話が焼けるが自分に嘘をつかないいいお母さんだと自慢に思っている。

 

 

 

●ギュネイ・ガス

→フィーリアスとよく二人で行動している。フィーリアスに教わった結果読心術が出来るようになった。士官学校の成績は2位。

 

 

 

●士官候補生達

→フィーリアスとギュネイのコンビの成績に感心する者が多い。ごく一部の女子はナマモノを創作しているようだ。まあ個人の趣味の範囲ならば見逃してあげるべきだろう。

 

 

 

●ミンファ博士

→「へー心が覗けるなんてスゴいわねー、流石私の自慢の息子だわ!」と呑気に感心していた心のつえぇ女。別に隠し事とかないので心を読まれても平気なのだ。

 

 研究者として読心術に興味が湧いたので実験を行う。そんな中でニュータイプとはなんだろうと疑問を持ち、ならば自分の人生を掛けてでも解明してみせようと決意した。

 

 

 

●先輩研究者

→ミンファ博士の研究をフォローをしてくれる人間の鑑。彼女は次に何をするのか楽しみにしているようだ。

 

 

 

●EXAM

→中二心をくすぐるカッコイイシステム。でも冷静に考えると兵器としては間違いなくゴミである。(※個人の感想です)




Gジェネエターナルが楽しいので前作のような更新速度は難しいですが頑張って書いていこうと思います。



今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。
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