アクシズで頑張るシャアのクローン   作:すも

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ふと思いついたネタの続きです。暫くの間は閑話が続きます。


ニュータイプとは

「なるほど、超能力を使うニュータイプの少女がいたのか」

「そうだ、私も半信半疑だったが実際に怪我を治療したのをこの目で見たのだ」

 

フィーリアスのガールフレンドであるレイラが超能力を使い怪我人を治療したのを見たシャア総帥は大きな衝撃を受けており、政務に集中できずにいた。それを見たアルバス・フィーンド特務大尉ことアムロ・レイは心配して何があったのか尋ねシャア総帥から詳細を聞いたのであった。

 

「ニュータイプには研ぎ澄まされた直感があるのは知っていたが、まさか超能力まで持っていたとは」

「アムロ、彼女の異能を見て私は確信したよ。今の地球圏でニュータイプと呼ばれる人々と、私の父ジオン・ズム・ダイクンが提唱したニュータイプはまったく違うものだとな」

「シャア?」

 

シャア総帥の言葉を聞いてアムロは困惑する。

 

「彼女が見せたヒーリング能力、そしてフィーリアス達が実証した読心や催眠能力……父が望んでいたニュータイプは宇宙に適応した新人類の事であって、超能力が使えるエスパーでは断じてないはずだ」

「確かにそうだな。だが世間がニュータイプに求めているのは俺やお前のような戦場で一騎当千の活躍をするエスパー兵士だろうさ」

「嘆かわしい事だな」

 

アムロの返事を聞いてシャア総帥は眉間にシワを寄せていた。

 

「結果論になるが彼女はフィーリアスに見定められて幸運だった。私の弟のガールフレンドという立場ならニュータイプ研究者も丁重に扱うだろう」

「不幸中の幸いだな。何の後ろ盾もない庶民である彼女が見つかっていればどんな目に遭っていたか」

「うむ、研究者達は嬉々として実験を行っていただろうな」

 

碌でもないニュータイプ研究者達の顔を思い返しシャア総帥は苦い表情を浮かべる。

 

「彼等は彼女の異能について奇跡ではなく既存のニュータイプのような能力の一つに過ぎないと考えているようだ。いずれ解析が進めば機械で再現できるはずだとミンファ博士は断言していたよ」

「ハハッ、怪我人を治療した奇跡はただの超能力か。相変わらず研究者達は現象しか見てないな。だが救世主扱いされるよりはマシかもな」

 

救世主として祭り上げられるよりは異能者の一種と扱われる方がいいとアムロは笑う。

 

「……研究者達は彼女のような異能者は氷山の一角に過ぎないと予想していた。時代が進めば異能者の数は増加していくと」

「まるで漫画の世界だな。まあ傍から見れば俺達も漫画に出てくる異能者かもしれないな」

「フッ、違いない」

 

その後アムロと暫く雑談したシャア総帥は多少ながらも気が晴れた表情を浮かべていた。同志兼ライバルのアムロに愚痴を吐けたのはストレス解消になったようであった。

 

 

 

「え?猿がヒーリング能力を?」

「そうだカミーユ、信じられん事だが猿で異能が再現出来たのだ」

 

シャア総帥がアムロと雑談して三ヶ月が経過した。ニュータイプ研究者達から研究成果を報告されたシャア総帥は思わず呆然とし、カミーユへ愚痴を吐いていたのであった。

 

「へぇ、偶然とはいえ猿で再現出来たなんてスゴいじゃないですか。でも再現出来たという事はもしかして」

「ああ、君の想像通りだ。ヒーリング能力は彼女だけの異能ではなかった。研究者達の予想通り彼女のような異能者は自覚していないだけで既に何人も存在しているのだろう。今後時代が進み人口が増加すれば、それと比例して異能者も増えるだろうな」

「……彼等が悪用される未来が想像できますよ。絶対碌な事にならないでしょうね」

 

シャア総帥の危惧を察したカミーユはレイラのような異能者が悪人に利用されるかもしれないと心配する。

 

「カミーユもそう思うか、私もそう思う。人類を救う為に現れたニュータイプ、救世主として祭り上げられる未来が見えるよ……父の提唱したニュータイプ論は救世主思想ではない。父の思想を利用されるのは冗談ではないが、どうすればいいのだろうな」

「総帥がきちんと説明すればいいじゃないですか」

「何?」

 

悩むシャア総帥を見かねたカミーユはとある提案をする。

 

「貴方の父親が提唱したニュータイプと、地球圏で言われているニュータイプは違う物だと貴方から説明するんです」

「しかし、民衆は受け入れてくれるだろうか?」

「ジオン・ズム・ダイクンの遺児である貴方が言うなら受け入れてくれますよ。貴方でダメだったらどうしようもありません。それにたとえ受け入れられなくても諦めず主張するべきですよ。今後生まれてくる子供達が余計なトラブルに巻き込まれない為にも」

「ううむ……」

 

カミーユの説得を受けてシャア総帥は暫く悩んでいたが、やがて何か決意した様子で頷くとカミーユに向き直った。

 

「そうか、そうだな。未来の子供達の為にも私が動かねばならないか。ありがとうカミーユ、君に言われて決意したよ」

「それはよかったです。貴方は僕以外にも頼れる人達が大勢いますし彼等とも相談して進めるべきですよ」

「ああ、そうするとしよう」

 

そう言ってシャア総帥は決意を決めた表情を浮かべた。その後新生ジオン公国の独立と同時にシャア総帥は新しいニュータイプ論を提唱するのであった。

 

父ジオン・ズム・ダイクンが提唱したニュータイプは宇宙に適応した人類の事であり、巷でニュータイプと呼ばれる人々は異能を持つエスパーでありニュータイプではない……それがダイクンの遺児が提唱した新しいニュータイプ論であった。

 

地球圏の民衆は多少困惑しつつも新しいニュータイプ論については好意的に感じていた。当然反発する者もいたがダイクンの遺児が提唱した事、エスパー達の異能に関する科学的な根拠、そして地球連邦政府の熱心な後押しもあり地球圏の大多数の人々はシャア総帥の提唱するニュータイプ論を受け入れたのであった。

 

世間一般で言われるニュータイプは新人類ではなく、異能を持ったエスパーであり同じ人間である……その言葉は民衆に受け入れられ彼等の意識改革に繋がるのであった。

 

 

 

 

 

<人物紹介>

●シャア・アズナブル

→レイラのサイキッカー能力を見て父の提唱したニュータイプと、巷で言われるニュータイプは別物だと確信する。アムロやカミーユと雑談した結果、自分の手で説明しようと決意した。

 

 周囲と相談して調整し新生ジオン公国の独立と同時に発表した新ニュータイプ論はなんだかんだ地球圏の民衆に受け入れられて一安心する。

 

 

 

●アルバス・フィーンド(アムロ・レイ)

→シャア総帥の頼れる同志として頑張っている。何か悩んでいるシャア総帥に気付き愚痴を聞いてあげた。サイキッカーについてはニュータイプとは別物ではないかと考えている。そしてサイキッカー能力を再現した猿を見て困惑した模様。

 

 

 

●カミーユ・ビダン

→シャア総帥の相談役。ハマーンから少し嫉妬されているとか。

 

 シャア総帥の悩みを聞き貴方だからこそ出来る事があると後押しする。サイキッカーについては「超能力だなんてスゴいなぁ、今後どんどん出てくるのかな?」と呑気に考えている。

 

 

 

●サイキッカー猿

→偶然の産物。猿で実験したら奇跡的に成功しサイキッカー能力を得たお猿さん。サイキッカー猿のお陰でレイラは救世主ではなくエスパーの一人だと研究者達は確信した。

 

 今後ニュータイプ研究者達はサイキッカー猿を使って実験し、サイキッカー能力の解明を進めていくだろう。ちなみにハマーンも実験の様子を見学し「確かにシャアの言う通りだ……彼等は新人類じゃなくてエスパーだな」と思ったとか。

 

 

 

●新ニュータイプ論

→ジオン・ズム・ダイクンの遺児であるシャア総帥が提唱した新しいニュータイプ論。父が提唱したニュータイプと世間でニュータイプと言われる人達は別物だと言う理論に民衆は驚き困惑しつつも大多数は受け入れた。地球連邦政府は嬉々として支持した模様。ラプラスの箱はゴミとなった。

 

 地球連邦政府はサイキッカーの存在を疑いつつも調査し、本当に存在する事を確認した時は宇宙猫になったようだ。

 

 

 

●サイキッカー

→シャア総帥の演説によって存在が公表された。連邦や新生ジオン公国はサイキッカーについて研究を始めている。いずれサイキッカー能力は完全に解析されるかもしれない。

 

 そしてサイキッカーの存在が周知された事で未来ではマリア主義が発生せず、マリアは強力なサイキッカーとして重宝されつつも穏やかな人生を送るのであった。ザンスカール帝国?何ですかそれは?




Gジェネエターナルが楽しいので前作のような更新速度は難しいですが頑張って書いていこうと思います。



現在別のWARHAMMER二次小説も書いたりしておりますが、今後は少しずつ投稿していく予定なのでよろしくお願いします。
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