アクシズで頑張るシャアのクローン   作:すも

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ふと思いついたネタの続きです。新章開始となります。


第二部 新生ジオン公国で頑張るシャアのクローン
ジオンが独立して


「暗礁宙域に入った。気を付けろ、最近になってこの宙域での襲撃事件が頻発しているからな」

「了解です」

 

宇宙世紀0093年6月、サイド3が新生ジオン公国として正式に独立して半年程が経過していた。独立直後の興奮は落ち着いた新生ジオン公国の国民は前を向いて仕事に励んでいたが、その中でもサイド3の交易を担当する輸送船の船員達は緊張した表情を浮かべていた。

 

「特にジオン所属の船が大勢やられている。まあ、どう考えても元連邦軍の連中の仕業だろうな」

「ああ、ティターンズやエゥーゴの敗残兵共が宇宙海賊になってるんだろうよ」

 

現在の地球圏では一年戦争から続いていた戦乱の傷を癒すべく復興作業が優先されており、大きな戦争は起きておらず表向きは平静を保っていた。だがこの状況を認めない元ティターンズやエゥーゴの兵士達が残党となって各地に潜伏してゲリラ活動を行っており、少なくない被害が発生していた。

 

「元残党の俺達が言う資格がないのはわかっているが、アイツらも馬鹿な事はやめて故郷に帰ればいいのに」

「それは無理だろう。ネオ・ジオンに勝利を搔っ攫われた結末を奴等が受け入れられるわけがない。意地を張って戦い続けるだろうよ……俺達がそうだったようにな」

 

残党達について船員達は複雑な気持ちを抱いていた。宇宙海賊として襲撃を繰り返す元連邦兵士達は非常に迷惑な存在であったが、かつて自分達も同じ様な活動をしていたので元連邦兵士達が抵抗を続ける事にある程度理解があったのだ。

 

「何はともあれ、このまま無事に宙域を通過できればいいんだがな」

「待て、センサーに反応あり……複数のMSが急速に接近中!襲撃だ!」

「チッ、言った傍からコレか!迎撃しろ!警備会社の連中を出せ!」

 

残党の襲撃を察知した船員達は瞬時に戦闘態勢に移行し迎撃を始めるのであった。

 

「周囲に救援要請を!」

「既にやっている!……………おい、近くにいたジオン公国軍の船が駆け付けてくれるそうだ!」

「おおっ、本当か!?よし、なら応援が到着するまで持ち堪えるぞ!」

 

 

 

「敵はティターンズカラーのマラサイにバーザムが複数か、元ティターンズの連中は腕利きばかりだ。俺達ロートル集団には少し荷が重いかもな」

「へっ、俺達だって一年戦争に参加していたベテランなんだ。元エリート部隊だろうが相手になってやるさ」

 

輸送船に随伴していた駆逐艦から出撃した警備会社のハイザック達は突然の襲撃にも動揺せず落ち着いた様子で迎撃に向かっていた。ハイザックのパイロット達は一年戦争に参加し戦後もジオン残党として活動していたベテラン揃いであり歴戦のパイロット達であった。

 

「いいかお前達、焦って前に出るなよ。公国軍の救援が来るまで輸送船を守り切れば俺達の勝ちだ」

「わかってます、俺達はもうオッサンですし一年戦争の時みたいに無茶な突撃なんてしませんよ」

「そうか、それならいい。各機迎撃しろ!死ぬんじゃないぞ!」

 

元ティターンズ兵士と思われる襲撃者達と戦闘を開始した警備会社のパイロット達は冷静に時間稼ぎを行っていたが、襲撃者の数が多く徐々に劣勢となっていく。

 

「クソッ!数が多い、それにMSの性能差も大きい!パイロットの腕も向こうの方が上とは、流石は元エリート部隊だ……アースノイドのエリート様が今じゃ宇宙海賊か」

 

警備会社に所属するジェイク・ガンス元軍曹はかつて地球圏で幅を利かせていたティターンズが宇宙海賊にまで墜ちている事に何とも言えない感情を抱く。

 

(しかしスペースノイドを弾圧していたエリート様達がここまで落ちぶれるとは。俺もジオン本国に送還されてから新生ジオン公国独立記念の恩赦で釈放され堅気になって警備会社勤め……たしか東洋の諺じゃ塞翁が馬、だったか?人生何が起こるかわからないもんだ)

 

宇宙海賊となった元ティターンズ兵士の襲撃を元ジオン残党の自分が迎撃しているという今の状況を少しだけ奇妙に思いつつ、ジェイク元軍曹はハイザックを操縦し必死に迎撃していた。

 

「俺は、俺には家族が出来たんだ!これから生まれるガキの為にも、こんな所で死んでたまるか!」

 

死亡フラグ全開な発言をしつつ迎撃するジェイク元軍曹だったが、直後元ティターンズのMSがビームに撃ち抜かれ無力化する。

 

「えっ!?」

「こちら新生ジオン公国軍のフィーリアス・アズナブル少尉だ。後はこちらに任せろ」

「おっ、おおっ!?援軍か!すまない、助かったぜ!」

 

突然の事態にジェイク元軍曹は困惑したが救援に来た新生ジオン公国軍のMSを確認し顔を輝かせる。

 

「ジェイク、無事か!」

「ああ、何とかな……救援が来るのは知ってたがこんなに早く到着するとは」

「全速力で急行してくれたらしい。今来てくれたのは一機だけだが他の機体もすぐ到着するそうだ。まさかスーパーエースの深緑の彗星殿が救援に来てくれるとは」

 

警備会社の同僚と会話しつつジェイク元軍曹はフィーリアス少尉の活躍に目を奪われていた。

 

「スゲェな。あの新時代のザク、ハイザックより一回り小さい癖になんて機動力だ。それに変幻自在な動きと正確無比な射撃……あれが深緑の彗星、あれがニュータイプなのか」

「おいおい、ニュータイプじゃなくてスペシャルだろ?」

「あ、そうか。シャア総帥がそう定義していたか。ついニュータイプって呼んでしまうな」

「ハハッ、気持ちはわかるよ。俺も意識しないとニュータイプって言いそうになるからな……母艦から通信だ。戦闘は深緑の彗星殿に任せて俺達は輸送船の護衛をしろだとよ」

「了解。深緑の彗星に助けられるとは、家族に良い土産話ができたぜ」

 

深緑の彗星が卓越した操縦技術で元ティターンズ兵達のMSを無力化していく光景を見てジェイク元軍曹は感嘆しつつ、命の危機は去ったと安堵して同僚達と共に輸送船を護衛するのであった。

 

 

 

「バケモノ、がぁ!」

 

元ティターンズ兵の襲撃部隊の隊長は急速に接近する深緑色のザクⅣを見つつ恐怖していた。既に味方は全員無力化されており後は隊長だけとなっていた。隊長は指揮官仕様のバーザムを操り必死に抵抗を続けるが、深緑色のザクⅣは最小限の動きで回避しつつバーザムの四肢を撃ち抜いていく。

 

「クソッ、生け捕りにするつもりか!ジオンの捕虜になるなんて冗談じゃない!自爆装置を……!」

―やめろ―

「ウガァ!?」

 

ジオンの捕虜になるなら死んだ方がマシだと考えた隊長は自爆装置を作動させようとするが突如身体が硬直し困惑する。

 

「か、身体が動かない……!?まさか、これがニュータイプの力なのか!?本当にバケモノじゃないか!」

―ニュータイプじゃない、スペシャルだ。と言っても貴様はオールドタイプだから俺の声は聞こえてないだろうけどな……尋問の為に生かしておく必要がある、貴様はとりあえず寝ていろ―

 

異能を体験し大いに恐怖する隊長であったが直後に意識を失い、その後新生ジオン公国軍の部隊に回収され尋問を受ける事になるのであった。

 

 

 

「そうか、フィーリアス少尉は上手くやったようだ」

 

新生ジオン公国の首都であるズムシティの官邸にて報告を聞いたシャア総帥はフィーリアス少尉の手際に感心していた。

 

「その後の宙域の掃討作戦でも順調に成果が出ているのか。これで宙域も安定するだろう」

「シャア総帥」

 

「宇宙海賊達については無力化して拘束しているのか。少尉の技量なら殺さずに無力化するのは容易い事か……まあ私でも簡単にできるがな」

「シャア総帥」

 

「尋問についてはフィーリアス少尉の異能があれば問題ないな。地球圏各地に潜伏している他の残党達の情報が入手できればいいのだが」

「……シャア総帥」

 

「しかしあの異能、非常に便利だが脅威だな。戦闘や尋問にも使えるし、なにより模擬戦であれを使われると身体の制御が奪われて勝負にならん」

「シャア」

 

「彼がそんな事はしないとわかっているが対抗手段を用意しておかなければ。この広大な地球圏では少尉達に匹敵する素質を持つ人間が続々と生まれてくるだろう。研究者達に更なる研究を促す為にも予算を増やしておくか」

「シャア、いい加減にしろ。現実逃避は止めてこちらを向け」

「ぬぅ」

 

自分の腹心であるハマーン・カーンがジト目で見ているのに気付いたシャア総帥は現実逃避を止める事にした。

 

「シャア、貴様がウンザリするのはわかる。私も同じ気持ちだからな……だがこれは地球連邦政府からの依頼だ。我々は何らかの対応をする必要がある」

「それはわかっている。わかっているのだが」

 

シャア総帥は苦い顔を浮かべつつ地球連邦政府からの依頼である書類を読む。そこには火星の混沌とした現状について記されていた。

 

「しかし火星、火星か……今の新生ジオン公国に火星に手を出す余裕などないぞ?」

「その通りだが火星の同志達が争っているのを止める必要があるのは理解しているはずだ。地球連邦政府が我々に依頼したのも我々なら火星の同志達も話を聞くと考えているのだろうな」

「地球連邦政府も無茶を言ってくれる」

 

シャア総帥は溜息をつきつつも火星のジオン残党達に対してまずは新生ジオン公国として接触を図る事にしたのであった。

 

「……ハマーンは彼等が我々の指示に従ってくれると思うか?」

「無理だろうな」

 

 

 

 

<人物紹介>

●輸送船の船員達

→新生ジオン公国の物流を支えている。宇宙海賊となった元ティターンズや元エゥーゴの残党達に手を焼いているが、自分達も同じ様な事をしていたので何とも言えない気持ちになったとか。

 

 

 

●ジェイク元軍曹

→機動戦士ガンダム戦記のキャラ。この世界ではジオン本国に送還された後新生ジオン公国独立記念の恩赦で釈放され堅気として暮らしている。一年戦争時代の戦友達とは色々あったので顔を合わせづらい模様。フィーリアス少尉の活躍を見てニュータイプスゲー!と感心していた。

 

 釈放された後元ジオン残党兵達のグループに参加し、ジオン独立を祝って大いに騒いだ結果元ジオン残党の女性とベッドインして家庭を持つ事になった。「お酒って怖えな」と思いつつもうすぐ生まれる子供の為に仕事を頑張っている。

 

 

 

●宇宙海賊達

→元ティターンズの兵士達が宇宙海賊になっていた。落ちぶれているが技量については相変わらず優秀であり、地球圏にいる協力者達から物資を融通されているので補給の心配もない。だけど今回は相手が悪かった。全員無力化され拘束される。

 

 「闇に落ちろ!キ◯・ヤマト!」された隊長はその後尋問でも「闇に落ちろ!キ◯・ヤマト!」され情報をベラベラ喋る事になりニュータイプがトラウマになった。

 

 

 

●シャアのクローン(フィーリアス・アズナブル)

→新生ジオン公国軍の少尉として活動している。フィーリアス専用に調整された深緑色のザクⅣは殺人的な加速が可能であり、並のパイロットなら邪魔だクソゴミできる。そして「闇に落ちろ!キ◯・ヤマト!」は戦闘や尋問で大活躍しているようだ。

 

 ちなみに現場に急行する為に一人で突出した件はギュネイや上官達から叱責されたが、報告を聞いたシャア総帥は「あー、私がフィーリアス少尉なら同じ事するだろうなー」と思ったとか。

 

 

 

●シャア・アズナブル

→新生ジオン公国の指導者として頑張っている。ストレス発散として偶に模擬戦をするが「闇に落ちろ!キ◯・ヤマト!」は反則じゃないかと考えている。

 

 火星については放置したいが地球連邦政府からの依頼を無視するわけにもいかず渋々対応する事になった。

 

 

 

●ハマーン様

→恋人ができて随分と落ち着いた。ジュドーは私の物だ!ジュドー最高!とウキウキで仕事に励んでおり、薔薇の騎士は微笑ましく思いつつハマーン様を支えている。

 

 

 

●火星

→三つ巴の戦いが繰り広げられており非常に混沌としている。勝手に戦え!(火星の住民並感)

 

 新生ジオン公国から接触されたジオンマーズとレジオンは「「俺達(私達)は独立国家なので新生ジオン公国の指示には従わないから!あ、でも援助してくれるなら少しは考えてあげるよ!(要約)」」と返事をする。それを聞いた新生ジオン公国のシャア総帥達は宇宙猫となり、様子を見ていた地球連邦政府も宇宙猫になっていた。

 

 火星については次話で書く予定です。




前作のような更新速度は難しいですが頑張って書いていこうと思います。



現在別のWARHAMMER二次小説も書いたりしておりますが、今後は少しずつ投稿していく予定なのでよろしくお願いします。
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