【】はテレパシーで会話している設定です。
【ララァ!何故死んだ君がここにいるんだ!それも新しい身体を手に入れて生者として存在しているじゃないか!どういう事なんだ!?】
【そう警戒しないでアムロ、こうやって面と向かって話すのは一年戦争以来ね】
【嘘を言うな!君とは悪夢で何度も相対しただろうに!】
【いえ、それは私じゃないわ。それは貴方の罪悪感が悪夢という形で出てきただけで私は無実よ?私は大佐やアムロをずっと見守っていたけど悪霊扱いされるのは傷つくからやめてほしいわね】
【えっ?あっ、ああ……すまないララァ】
【アルバス大尉の反応を見るに、あのレディはオリジナルのララァ・スンのようだ。クローンを使った死者蘇生とは驚いたな。しかしそんな事が可能なのだろうか?】
【でも実際に彼女はオリジナルのようですし事実として受け入れるしかないのでは?スペシャルって何でもありですね】
【うーむ、催眠術擬きが使える私が言う資格はないが流石に死者蘇生は無法過ぎると思うのだが】
【へえ、フィーリアス少尉は催眠術が使えるんですね。よければ僕にもコツを教えてくれませんか?】
【地球連邦軍人のニュー少尉に教えるわけにはいかないが、ヒントは幾つか言うので後は一人で頑張ってくれ。君ならすぐに習得できるだろうさ】
【ありがとうございます。それで十分ですよ】
【いやさぁ、スペシャル達の中には様々な異能が使える人達がいるのは知ってたよ?ヒーリング能力が使える異能者についてはムラサメ研究所でも確保済みだし。でも死者蘇生って、薬で幻覚を見てるって言われた方がまだ納得できるよ。これ主任にどう報告すればいいのかなぁ……黙っておこうかなぁ】
【しかし中尉、自分達は軍人として今回の件を報告する義務があります】
【わかってるよリディ少尉、でも正直に報告しても信じてくれると思う?強化し過ぎて頭がイカレたと判断されそうなんだけど】
【……頑張ってくださいムラサメ中尉】
アルバス大尉とララァ・スンが話し合っているのを見たフィーリアス少尉とニュー少尉はアルバス大尉達の邪魔をしないよう大人しくしつつ呑気な様子で雑談し、ムラサメ中尉はどう報告すべきなのか頭を抱えてリディ少尉に同情されるという実に渾沌とした光景が広がっていた。
【……とりあえず本当にララァのようだな。こうしてまた話し合う事ができるとは思わなかった。シャアもこの場にいればよかったのに。今回の件を聞けば奴も悔しがるだろうな】
【できるわよ?】
【えっ】
【レジオンが開発したサイコフレームの力を使えばサイド3にいる大佐と交信してここに呼び出す事はそう難しい事ではないの。私も大佐とは直接対面して話したいけど、時間がないし今回は呼び出すつもりはないわ】
【滅茶苦茶だな、そのサイコフレームとやらは。サイコミュ機器としても出鱈目過ぎるだろう……レジオンはなんて物を開発したんだ】
ある程度落ち着いたアルバス大尉はララァの発言を聞いてサイコフレームの理不尽さに絶句するも、頭を振って思考を切り替える事にした。
【ま、まあそれはともかくララァは何を伝えたくてここに来たんだ?死者蘇生やサイコフレームとやらについて色々と聞きたいが時間がないんだろう?手短に話してくれ】
【ええ、そうするわ。貴方達にはレジオンにいる子供達の保護をお願いしたいのよ。戦う為に造られた無垢な子供達をね】
【子供達……クローン兵士達のことか。わかった、出来る限りの事はする】
アルバス大尉はレジオンにいるプルシリーズなどといったクローン兵士達について保護してほしいと頼まれ承諾する。
【フィーリアス少尉の異能なら彼女達の無力化も容易だろう。少尉、いけるか?】
【了解しました】
【よし、後はララァと指導者であるアリシア・ザビを確保すればレジオンも終わりだ。ララァ、君の方からアリシア・ザビを拘束できないか?】
【今の彼女はサイコフレームがあるから私でも干渉は難しいわね。貴方達がレジオンと交戦して彼女の注意が向けられている隙を突けばあるいは】
【ならそうしよう。ララァ、無茶はしないでくれよ。君には聞きたい事が山程あるんだからな】
【相変わらず優しいわねアムロは。これで子供達は救われる……後の事については落ち着いてから話すからよろしくね。そろそろ限界だし交信を止めるわ。次は火星で会いましょう】
アルバス大尉達が了承したのを確認したララァは安堵した表情を浮かべ姿を消した。
【大尉、彼女の話を信じるのですか?レジオンの罠かもしれません】
【それはないだろう。わざわざここに来て自分達の切り札であるサイコフレームの存在を知らせる必要はない。切り札というものは必要な時が来るまで秘匿すべきなのはレジオンだって理解しているはずだ】
【なるほど、そうかもしれませんね。ではここは一度解散しましょう。そしてこの件はシャア総帥にご報告するべきかと】
【ああ、俺の方から直接報告しておくよ】
【色々言いたい事はあるけど、敵から内通者が出てきたのは朗報だね。それも主力であるソロモンの亡霊のクローンが内通者となればレジオンの制圧も容易だよ】
【そうだね、それと姉さん。主任への説明頑張ってね】
【あ、そうだったよ。素直に言って信じてくれるかなぁ……無理だろうなぁ……】
【大丈夫だよ、僕も手伝うし姉さんなら上手くできるはずさ】
【気軽に言ってくれるなぁ……リディ少尉、君も証言してくれる?】
【わかりました、俺の証言が役に立つなら喜んで】
ララァが去った後アルバス大尉達は解散しNT空間から帰還するのであった。
「アムロ、疲れているのか?幻覚を見るとはお前らしくないぞ?」
「まあ、そういう反応になるだろうな」
その後秘密回線を使いシャア総帥に今回の件を報告したアルバス大尉であったが、シャア総帥の困惑した様子を見て信じられないのも無理はないと溜息をついていた。
「いや、アムロが下らない嘘をつくはずがないのはわかっているが、しかし、ううむ。ララァが復活して火星から交信してきただと?確かにララァは私と違って極めて強力な能力を持っていたが、そこまで滅茶苦茶な事はできないはずだぞ」
「しかしララァは本当に復活していた。あの空間で出会った彼女はクローンなんかじゃなく本物のララァだった。そしてレジオンが開発したサイコフレームはララァの力を更に増幅する事ができるようだ」
「……恐ろしいな、サイコフレームとやらは。何も知らずに戦えばお前やフィーリアス少尉でも負けていたかもしれん」
サイコフレームの力に戦慄しつつもシャア総帥は頭を悩ませていたが、溜息をつくとアルバス大尉に依頼をする事にした。
「アムロ、ララァやクローン兵士達の保護と並行してサイコフレームの現物を確保してほしいのだが、頼めるか?」
「ああわかった。任せてくれ。ララァも無事保護してサイド3に届けてみせるさ」
「よろしく頼む。私もララァともう一度話してみたいからな」
シャア総帥は火星にいるララァやサイコフレームについては自分が一番信頼するアルバス大尉に任せる事にしたのであった。
「わかったわ、よく報告してくれたわね。私の方から所長に直接連絡を入れてすぐに動いてもらうわ」
「えぇ……信じてくれるんだ……」
一方その頃、ムラサメ中尉達から報告を聞いたナミカー・コーネル主任は真剣な表情を浮かべて即座に対処する事を決意していた。
「自分で言うのもなんだけどよく信じてくれたね」
「正直言って全部信じたわけじゃないわ。死者蘇生だなんて……でもヒーリング能力なんていうオカルトが実在していたのだし、最初から否定するわけにもいかないでしょう?」
コーネル主任はララァ・スンのオリジナルが復活したというのは信じてはいなかった。だがニュータイプもといスペシャル達が様々な異能を使っているのをムラサメ研究所の実験で確認しており、ムラサメ中尉達の妄想だと断じる事が出来なかったのだ。そしてコーネル主任はレジオンが開発した新型サイコミュ機器について深刻な危機感を抱いていた。
「それよりも重要なのはサイコフレームとやらよ。火星からここまでテレパシーを届かせるなんて無茶苦茶だわ。既存のサイコミュ技術とはレベルが違いすぎる……ジオンはサイコフレームの技術を押収するでしょうけど私達も絶対に確保しないと」
「でも今回私達が相手するのはレジスタンス達で、ジオン残党達については新生ジオン公国に一任するはずだけど」
「火星に逃げ込んだ敗北者達なんてどうでもいいわ!新型サイコミュの確保が最重要よ!」
「いやどうでもいいって」
レジスタンス達などどうでもいいと断言したコーネル主任にムラサメ中尉は困惑する。
「わからないの?今の時点で地球連邦のニュータイプ研究はジオンに後れを取っているのに、サイコフレームなんて出鱈目な代物がジオンに独占されたら更に遅れが広がり、取り返しがつかない程の差になるかもしれないのよ!」
「あー、まあ、うん、主任の言いたい事はわかるけどさぁ」
ヒステリックな様子を見せるコーネル主任の言葉にムラサメ中尉は理解を示しつつも困った顔を浮かべる。
「でも僕達は軍人だから勝手な事はできないよ?」
「大丈夫、心配しなくてもいいわ。所長だってサイコフレームの危険性はすぐ理解できるはずよ。所長から政府や軍の高官達を説得すれば問題ないわ」
「そんな上手くいくかなぁ?」
半信半疑なムラサメ中尉であったが、翌日になって上層部からサイコフレームの確保を極秘に命じられる事になりムラサメ研究所の対応の早さに驚くのであった。
<人物紹介>
●アルバス・フィーンド(アムロ・レイ)
→ララァと再会して宇宙猫となり困惑するがすぐに落ち着いた歴戦の戦士。色々と言いたい事はあるがまずは火星のジオン残党達を討伐しようと思い直した。
●ララァ・スンのクローン
→クローンのはずだが何故かオリジナルのように振る舞っている。アムロも彼女の中身がオリジナルのララァ・スンだと確信した模様。
いくら何でも無法過ぎるかもしれないが、GQuuuuuuXの描写を見る限り出来そうである。ララァってスゴイ(小並感)
●フィーリアス少尉とニュー少尉
→「「はえーオリジナル達も色々あったんだなぁ」」と吞気な様子で眺めていた。その後上層部からサイコフレームの確保を命じられる。
●シャア・アズナブル
→ララァが新しい身体を得て現世に出てきたと報告を受けて「ア、アムロ……貴様変なクスリでもやってるのか……?」と宇宙猫になる。でもアムロが嘘を言うわけがないと思い直しララァの保護とサイコフレームの確保を依頼した。
●強化人間の女性(ムラサメ中尉)
→ヤケクソでありのまま報告したら受け入れられて困惑する。ララァ・スンについては無法過ぎる能力に宇宙猫になっていた。
●リディ・マーセナス少尉
→色々あって精神的に非常に疲れたが、弱音を吐かずに頑張る軍人の鑑である。超一流のスペシャル達って凄いんだなあと感心したとか。
●ナミカー・コーネル
→ムラサメ研究所から派遣された主任。ララァ・スンの復活については半信半疑であったが、サイコフレームの危険性を瞬時に理解し危機感を抱く。何としてもサイコフレームを確保しなければと判断し自分の上司である所長に緊急連絡し動いてもらう事にした。
●ムラサメ研究所
→コーネル主任からの報告を聞いて「え?ヤバくね?」となりすぐに動いたニュータイプ研究所の鑑である。でも死者が復活した事についてはすぐに受け入れられなかった模様。
●サイコフレーム
→チート過ぎるサイコミュ機器。これに比べたらバイオセンサーなんてカスや……その気になればアクシズを押し返したり、コロニーレーザーの直撃にも耐えられたり、時間の巻き戻しだって出来てしまうチートアイテムである。
この世界では逆シャアが起きないのでネオ・ジオンが開発していなかったが、代わりに火星のレジオンが実用化した。サイコフレームを持ったアリシア・ザビはララァでも迂闊に手が出せない程手強いようだ。
前作のような更新速度は難しいですが頑張って書いていこうと思います。今後は少しずつ投稿していく予定なのでよろしくお願いします。