アクシズで頑張るシャアのクローン   作:すも

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ふと思いついたネタの続きです。


ラビアンローズ制圧&アナハイムの決定

ラビアンローズとはアナハイムが保有する大型ドック艦であり、現在はエゥーゴの拠点の一つであった。

 

アーガマの捕虜から入手した、ラビアンローズにて新型ガンダムを受領する予定だったという情報を知ったネオ・ジオンはラビアンローズを制圧しZガンダムを超えるという新型ガンダムを確保するため、マシュマー・セロ率いるエンドラ隊を派遣した。

 

そしてラビアンローズを捕捉したエンドラ隊は油断する事なく部隊を展開したのだが……

 

「よし、ミノフスキー粒子散布開始!MS隊発進用意!」

「こちらラビアンローズ、エゥーゴの人員は既に撤収しており、残っているのは我々アナハイム・エレクトロニクス社の社員しかおりません。ここにいるのは非戦闘員の民間人だけです。抵抗はしませんので乱暴な事はしないでください」

「は?」

 

通信を聞いたエンドラ隊は最初半信半疑であったが、その後制圧の為に投入された歩兵部隊から犠牲者0でラビアンローズの制圧に成功したと報告を受けて困惑するのであった。

 

 

 

「あーあ、折角フィーリアスと一緒に戦えると思ったのに出番なしだなんてつまんないッ!」

「そうだねお姉ちゃん、ちょっとガッカリかも」

 

エンドラのMS格納庫で待機していたニュータイプ兵士のエルピー・プル曹長とフィーリアス・ワン曹長は、ラビアンローズがあっさり制圧された事に拍子抜けしていた。

 

「あ、待機指示が解除された。本当に終わったみたい」

「じゃあ戻ろっか!一緒にチェコパフェ食べよ!それと新しくもらったガンダムってどんな感じ?」

「すごくいいよ。前の機体とは全然違うや!前のゲルググは悪くなかったけど動きが鈍くて」

「へぇ~よかったね!フィーリアスが嬉しそうで私も嬉しい!」

 

MSを降りた二人はほのぼのとした会話をしつつ女研究者達が待つ部屋に戻るのであった。

 

 

 

「先のアーガマのように無傷で制圧できたのはよかったですが、あの子達の戦闘データを取れなかったのは残念ですね」

「ああ、我々ニュータイプ研究者としては素直に喜べないな」

 

その頃、フィーリアス・ワン曹長の創造者であるミンファ・ワン博士は先輩であるニュータイプ研究者と雑談していた。

 

「何もしないのも問題ですし、模擬戦でもさせましょうか?」

「んー、彼らの模擬戦のデータは既に十分集まっているし、必要なのは実戦での運用データだからねぇ。まあ無理にやらせる必要もないさ。シミュレーターでの演習で十分だろう」

 

ミンファ達研究者はプルシリーズの性能向上の為実戦でのデータ収集を求めていた。10歳の子供を戦場に出して殺し合いさせるなどまともな倫理観があれば絶対に許される事ではないが、残念ながら彼女達ニュータイプ研究者は道徳心を投げ捨てており良心の呵責はなかった。

 

「しかし君の子供、フィーリアス君は本当に優秀だな。抜きん出た実力と安定した精神を両立したニュータイプ兵士の傑作か。政治的事情がなければプルシリーズではなくシャアシリーズが量産されていただろうに」

「先輩、それは仕方ありませんよ」

 

そしてシャアシリーズが量産されない事を惜しむ先輩研究員の言葉を聞いてミンファ博士は苦笑する。

 

「何せあの子のオリジナル……赤い彗星の正体はキャスバル・レム・ダイクンでジオン・ズム・ダイクンの遺児なのでしょう?いくら政治に疎い私でも彼のクローンを量産する事がマズいのはわかりますよ」

「だねぇ」

 

先のグリプス戦役でのダカール演説によってシャア・アズナブルはジオン・ズム・ダイクンの遺児であり、本名はキャスバル・レム・ダイクンだという情報が地球圏に広く知れ渡っており、当然ミンファ博士達も知っていた。

 

「でも本音を言えば量産したかったですね。ああ、赤い彗星軍団……絶対強いのに!」

「ハハハ、正直だな。いや私や同僚達も同じ気持ちだがね」

 

しかしマッドサイエンティストである彼女達は理解はしても納得はしておらず、未練たらたらな様子であった。ハマーンから再三釘を刺されているので実行に移す事はないのは幸いであろう。

 

「そういえばプルシリーズの量産第一号がこの後合流するそうですが、彼女達の名前ちょっと安直すぎませんか?」

「ああ、プルツーだったか。確かに安直だと私も思うが、君のようにクローンにちゃんとした名前を与える方が珍しいのだからね?」

「あの子は特別な子ですから。自慢の息子にちゃんとした名前を与えるのは当然です!」

「でも出来が悪かったらそもそも息子扱いしてないだろう?」

「え?当たり前じゃないですか」

「うーん即答か、君はぶれないなぁ。母親としてはどうかと思うが、ニュータイプ研究者としてはそれが正しいよ」

 

 

 

「マシュマー様、展開した部隊からラビアンローズの安全を確保したと報告がありました」

「うむ」

 

部下からの報告を聞いたマシュマー・セロはラビアンローズ制圧を素直に喜べない様子であった。

 

「しかし肝心の新型ガンダムを取り逃がすとはな。ああっ、ハマーン様のご期待に応えられないとは情けない!」

「マシュマー様が気に病む必要はございません。この結果は想定されていました。エゥーゴとて馬鹿ではないのですからアーガマが捕虜になった時点でガンダムを移動させるのは当然かと。それに先程ハマーン様にご報告した時も、ハマーン様は笑ってお許しになられたではありませんか」

「むぅ、そうか」

 

部下のグレミーの慰めの言葉を聞いてマシュマーはとりあえず機嫌を直す。

 

「しかしラビアンローズを制圧したのはいいが、少し不気味だな。我々エンドラ隊に対抗できないから撤収するのはわかるが、まさか何も手を入れずにそのまま残すとは。こういう場合は罠を仕掛けたり、敵に使用されないよう破壊するものだと思うのだが」

「アナハイムが許さなかったのでしょう。ラビアンローズはエゥーゴの拠点ですがもともとはアナハイムが保有する艦船ですから」

「なるほど、エゥーゴもスポンサーには逆らえんか……ラビアンローズの曳航準備を!それと可能性は低いがエゥーゴの襲撃があるかもしれん。周囲の警戒を怠るな!」

 

気を取り直したマシュマーは制圧したラビアンローズをアクシズへ曳航するべく指示を出すのであった。

 

 

 

「……そうか、ラビアンローズは予定通りネオ・ジオンに制圧されたのだな?それでいい」

 

月のフォン・ブラウン市内にあるアナハイム本社にて、アナハイム・エレクトロニクスのトップであるメラニー会長はラビアンローズが制圧されたと報告を受けていた。

 

「ではエゥーゴに派遣している社員を撤収させろ。それとエゥーゴへの資金提供についても順次縮小しろ」

「よろしいのですか?」

「フン、我々は慈善家ではないのだ。滅びゆく組織に金と人を投入するなど馬鹿げている」

 

メラニー会長は鼻を鳴らしながら周囲の側近に話す。

 

「先の決戦でエゥーゴの戦力は払底し、指導者は行方不明、そしてその後アーガマはネオ・ジオンの捕虜になった。こんな有様でエゥーゴがネオ・ジオンに対抗できると君は本気で思うのかね?」

「それは」

「そもそもエゥーゴはティターンズに対抗するために設立された組織だ。ティターンズが壊滅した以上組織の存在意義はなくなった。彼らは役目を終えたのだ」

 

そしてメラニー会長はアナハイムの情報網を利用し入手した資料を部下に見せる。資料に添付された写真を見て側近達は驚愕する。

 

「こ、これは……!?」

「エゥーゴの指導者である赤い彗星はエゥーゴを裏切りネオ・ジオンに帰還したようだ。いや、この場合は元の古巣に戻ったと言うべきか」

 

写真にはネオ・ジオンの総帥服を着たシャア・アズナブルがハマーン・カーンと一緒に写っていた。驚愕する側近達を見つつメラニー会長は言葉を続ける。

 

「今は秘匿されているがいずれネオ・ジオンも大々的に公表するだろう。赤い彗星が、ダイクンの遺児が帰ってきたとな。そしてその情報が地球圏に広がった瞬間エゥーゴは終わる」

「……」

「彼がエゥーゴを裏切った理由は何であれ、よりによって組織の指導者が、あのダカール演説を行った英雄がネオ・ジオンに寝返ったのだ。エゥーゴにとっては致命的なスキャンダルだ」

「彼は何を考えてネオ・ジオンに戻ったのでしょうか?」

「さぁな?私はニュータイプではないから、あの若造の考えはわからんよ。だがオールドタイプの我々でも容易にわかる事がある……もうエゥーゴは終わりだ。わかったら撤収作業を急がせろ」

 

そう言って話を終えたメラニー会長は側近達の様子を見つつネオ・ジオンについて考える。

 

(今の死に体のエゥーゴではアクシズに、ネオ・ジオンに対抗できない。だがネオ・ジオンと名乗ったところで所詮連中はジオン残党に過ぎん。地球連邦政府が本腰を入れれば容易に排除できる程度の戦力しかない……それは連中も理解しているはずだ。あの若造と小娘のお手並みを拝見しようではないか)

 

メラニー会長は自分達アナハイムが利益を得る為にどう行動していくべきか考え込むのであった。

 

 

 

 

<人物紹介>

●ラビアンローズ

→抵抗する事なく制圧された。エゥーゴの人員は撤収済み。エゥーゴとしては破壊したかったもののスポンサーが許さなかった。エンドラ隊によってアクシズに曳航される。

 

 

 

●エルピー・プル

→出撃せず格納庫で待機していた。自分のクローンが合流すると聞いて楽しみにしている。

 

 

 

●シャアのクローン(フィーリアス・ワン)

→Zガンダムの性能に満足している。一年戦争時代のゲルググからZガンダムに乗り替えたら大満足するのは当然である。プルお姉ちゃんのクローンってどんな感じなんだろうと気になっている。

 

 

 

●女研究者

→赤い彗星がダイクンの遺児である事を知りシャアシリーズの量産は無理な事を理解したが納得はしていない。でも最高傑作の我が子がいるので命令を無視して造る必要はないかと考えている。我が子を溺愛しているが外道である。

 

 

 

●先輩研究者

→女研究者の先輩。若手の女研究者のフォローを嫌な顔せずにしてくれる優しい先輩だが、ニュータイプ研究者の例に漏れず外道であり、外道の自覚はある。

 

 

 

●プルシリーズ

→優秀な成績を取った第一号が合流する予定。性格はオリジナルと違って攻撃的だがフィーリアスとオリジナルなら大丈夫だろう。

 

 プルスリー以降も順次合流する予定である。ネタバレになりますが彼女達はシュラク隊ポジションとして頑張ってもらいます。

 

 

 

●マシュマー・セロ

→目当ての新型ガンダムを確保できずションボリするも部下達に慰められて気を取り直す。

 

 

 

●グレミー・トト

→まあこうなるだろうなと予想していたので特に驚くことなく仕事をしている。

 

 

 

●アナハイム

→赤い彗星がネオ・ジオンに寝返ったという情報を受けてエゥーゴは終わりだと確信。エゥーゴに派遣していた人員の撤収作業を行っている。ネオ・ジオンについては様子見。

 

 

 

●エゥーゴ

→今現在でも組織としてはガタガタなのに、いずれ赤い彗星がネオ・ジオンに帰還したと地球圏に知られれば組織を維持できなくなるだろう。エゥーゴはおしまい!

 

 だが組織としては詰んでいてもアムロ・レイは健在である。




読者の方から支援絵をいただきました。凄く嬉しいです。

Gジェネエターナルとまどドラが楽しいので前作のような更新速度は難しいですが頑張って書いていこうと思います。


今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。
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