うちは 転生伝 作:織田
目が覚めたら、見たことの無い天井だった。
OK。ここまでは、いい。
だけど納得がいかないのが、自分の手が異常に小さくなっている。
これじゃあ、まるで赤子のようだ。
「ばぶ?(あれ)」
自分の声を出そうとして声帯が発達していないことに気が付く。
同時に横から聞いたことの無い声が聞こえてくる。
「あれ、お父さん。目が覚めたみたいだよ」
10歳ぐらいの少女が自分に対して覗き込んでくる。将来は美人さんになることが確定したかのような可愛い子だ。
「ホントだ。目が覚めてるなぁ。けどカエデの時と違って泣かないものだなあ。母さんも見てごらん」
「あらあら、頭が良さそうな子ね。大人しくしてるじゃない。カエデより頭がいいかもね」
それから、イケメンの男性や美人の女性が次々と自分に対して覗き込んでくる。
「ちょっと。お父さん、お母さん。カエデだってお姉ちゃんになるんだから面倒ちゃんと見れるわよ」
「「ホントかしらね(笑)」」
「もうっ」
まるでアットホームを体現したかのような家庭である。イヤー見てて気持ちいね。
ただ問題があるとすれば
「ばぶぶ(なんで)」
「うん?何、コタローお姉ちゃんに言ってごらん」
「イヤイヤ、其処はお父さんに」
「あらあら、そこはお母さんよ」
「ばぶぶぶぶぶぶぶばぶぶぶぶ(赤ちゃんになってるんだーーー)」
「お父さん、コタローが泣き出しましたよ?どうしましょ」
「イヤイヤ、お母さんこれは叫んでいるんじゃないかな」
「やった!多分この子アホな弟だ。お姉ちゃん頑張るよ~」
取敢えず絶叫した自分は悪くない。
それから自分の状況に付いて再確認したわけだが、どうやら自分は転生したらしい。
前世での記憶が曖昧になってきているが、それでも自分が大人であったことは覚えている。
取敢えず分かっている事を列挙してみると
・自分はイケメンand美女の家庭に生まれてきたこと。
・自分の名はコタローであるということ
ぐらいだ。情報収集したいにしても赤ちゃんスペックでは、母さんと搾乳プレイ(オイヤメロ)するか、寝るかするぐらいしかないというのが現状だからだ。
今日は転生してから初めて家から抱っこされたまま、家から出る機会に恵まれた訳である。何でも他のお母さん達と会うらしい。
「あらあら、ミコト~。お互い二度目の出産だったみたいだけど大丈夫だった?」
「まあね。カザネも元気そうね」
あらやだ黒髪美人のミコトさんと話している。この世界の美人度はどうなっているんだ。
それにしてもこのミコトさん見たことがある気がする。
「うちの子は元気すぎるくらいよ。突然叫びだすは、転がり回るはで大変よ~。コタローって名前にしたのだけどね」
「うちのサスケは大人しすぎるぐらいね。だけど直ぐに泣いちゃうのが傷かな。感受性の高い子なのかも」
穏やかな風にガールズトークさながらのお母様トークが続く。それにしても其処のガキンチョはサスケっていうのか。大きくなったらちっとは仲良くしてやるか。それにしても、ミコトさんマジで見覚えがあるんですがもしかして、本当に運命の出会いなんじゃ?
「おおーいってばね。ミコト、カザネ」
そんな思惑があったのですが、新たに現れた声で崩されました
「あらあら元気そうね。クシナ」
「もう少しで出産みたいね、そしたらサスケと同級生になるのかしらね」
赤毛の美人さんでクシナ、間違いなく見覚えがある。
赤い血潮のハバネロと名高きクシナさん。それは前世のNARUTOという漫画で主人公の母親となる女性。
そして、原作開始に死んでしまう人。
ってことは此処はNARUTOの世界。あの死亡フラグ多そうで、同時に穢土転生で復活フラグが多いというドラゴンボール並みに生死の軽い世界?
OK 落ち着こう。サスケとナルトが同世代という事は、確かに死亡フラグが高い。
だからといって死ぬわけじゃない。生存する確率は、
「うちはの二人が同級生ってのも珍しいってばね」
……OK 取敢えず 其処の赤い血潮のハバネロ、取敢えずお前ホントに赤い血潮のハバネロ。
「ばぶぶぶぶうぶぶぶう(って事は生存確率0%じゃねえかよーーーー)」
「あらあら、今日も元気いっぱいねコタロー」
「ホントだ。コタロー君。泣いてるというか叫んでるわね」
「というか、何か失礼な事を言われた気がしたってばね」