うちは 転生伝   作:織田

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天上天下唯我独尊

皆さんは自分の子供が初めて、話した言葉を覚えているだろうか

何気ないことだけれども、意外に大事にすることである

何故なら、それは成長の証にして

家族間の絆が試される一大事なのだ

 

例えば、一番最初に話した言葉が「ぱぱ」だったりすると

一番面倒を見ている母の立場が無い訳だ 

なんで、と絶望に打ちひしがれる衝撃が覆うはずだ 

 

もしかしたら写輪眼を開眼された経験をした方もいるかもしれない

 

それ程の大事な一番最初の話す言葉

 

声帯が出来始めた今、コタローは「声」に出そうとしていた

 

 

 

 

 

 

「てんじょーう、てんげ、ゆいが、どくそん(天上天下唯我独尊)」

 

お前はどこの仏だ、とツッコミが入るはずだ。

 

 

 

 

 

いやーヤッパリね。折角転生したんだもん。

初めての言葉は、悩んだわ。アニメネタやギャグ、偉人の言葉に、鉄板である「まま」や「ねえちゃん」もいいしな~ 

 

へ!?「ぱぱ」!? 万華鏡写輪眼開眼させちゃうかもしれないだろ

ソレヲイウナンテ トンデモナイ ってやつだよ

 

で、結局は有名どころだよな

 

お釈迦様は生まれて直ぐに、四方に七歩ずつ歩き、一方の手で天を、一方の手で地を指して唱えたわけだからな~

 

うん、敢えて言おうチートだわ 声帯や体の発達的に有り得ないからな

 

さーて、世界に向けて 関白宣言したところで、ハイハイで町内一周するか

 

未だ生後八か月、声帯が発達し始め、お座りが出来るぐらいだけど特訓あるのみだぜ

 

って、うん 誰かに見られていた気が…… まぁ気のせいかな?

 

 

 

 

 

 

それは、うちは一族が九尾襲来以後で隔離される前の話だった

その為、まだ里の他の一族との交流が盛んであった時期であった

だからこそ、うちはコタローの行動を目撃した人物がいたのだ

 

(タクッ!親父殿も、人使いの荒いことで火影になってからこき使いやがる…。守護忍十二士である事忘れてないか…。ってアレは、迷子か?)

 

猿飛アスマが愚痴を吐きながら、町を散歩した時のことだった。火の意志を標した石板の前で、幼児よりも赤ちゃんという表現が相応しい子供が道の真ん中にいるのだ。

 

(なんだ~?親が居るのか知らないが、保護しないとダメだよな…警邏署かな…)

 

ダルイ事になりやがってと悪態付きながらも、泣きださない様に近づいた時のことだった。

 

「てんじょーう、てんげ、ゆいが、どくそん(天上天下唯我独尊)」

 

「ッん!?」

 

今の言葉は!! 猿飛アスマは衝撃と共に咄嗟に立ちどまる。

確かに聞いたのだ、天上天下唯我独尊という言葉を。

 

猿飛アスマには、守護忍十二士に所属していた際にできた親友で「火ノ寺」の忍僧・地陸がいる。その為「火ノ寺」の教えを幾つか教えてもらったことがあるのだ。

嘗ていたとされる六道仙人も生まれた際に、こう語ったと聞く。

 

「天上天下唯我独尊」

 

それぞれの存在が尊いものであるということ、を意味する忍道の基本的な教えである。

「自分と意見の違う人がいても、天上天下唯我独尊の気持ちで理解し合えるよう努めたい」

そんな願いを込めて六道仙人は、その言葉を発したのだ。

 

ちなみに、「自分が一番えらい」というような、うぬぼれの意味では使わないので注意したい。

 

呆然と立ちすくむ猿飛アスマだったが、奇跡はそれだけでは終わらない。

 

バッシ!!

 

「ッ!!」

 

目の前の赤ん坊は、ハイハイを瞬神の術さながらのスピードで行使し瞬く間に目の前から去っていったのだ。絶妙なチャクラコントロールでなされたハイハイ。

思わず、「お前がNO1だ。悟○」と漏らしたくなる様な神業である。

チャクラに愛された申し子といえるだろう。

 

目の前の異常な光景に呆然とする猿飛アスマだったが、直ぐに気を立て直す。

 

(これは、親父殿と地陸に教えてやらないとな……)

 

逸る気持ちを押し付けながらも猿飛アスマは、走って行く。

忍びの未来の光明を感じながら

 

 

 

 

突然ですが、スカウトされました。

それも「火ノ寺」の忍僧・地陸から、忍僧にならないかい?、と

 

アレッ~?

 

と疑問に思うも、お断りです

だって忍僧ってアレじゃん、性欲、食欲、睡眠欲なんていう三大欲求を絶って生きるってことだろ、ムリムリ。

超絶俗人の俺を舐めんなよ、生きるからには三大欲求満たしたいです!!

 

まあ、「火ノ寺」に行ったら確かに死亡フラグ折れるかもしれないけどね

 

今更俺を家族だって呼んでくれる人達を見捨てたくないからなぁ…

 

残念そうではあったけど、カエデ姉の猛烈な反対を浴びて地陸さんは残念そうに帰っていった。あと、一緒に来てた猿飛アスマさんがスゴイ優しげに接してくれた。

ヨッシャー上忍とのパイプGETだぜー、と逸る気持ちを抑えながらも笑顔で応対した。

 

うちは一族虐殺フラグ、オレは折ってやるぜ!!

 

と心に決心を固めながら、姉や母の胸を堪能する俺だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「何故だ!!ヒルゼン、今になって何故!!」

 

「やかましいぞ。ダンゾウ…火影命令じゃ」

 

深夜、夜遅く木の葉の火影邸に二人の影が映っていた。

 

「…だが、うちは一族の隔離、監視は上役全員の決定だったはずじゃ。どうして覆した…」

 

「難しい話ではない。彼らが九尾襲来の犯人だという証拠が無い。それなのに、一方的に裁くのは不合理じゃ」

 

「だが、うちは一族は悪に憑かれた一族よ。木の葉の平和の為にコレは」

 

「ダンゾウ。無論うちは一族の危うさは理解しておる。じゃが天上天下唯我独尊。すべての木の葉の住民が尊いものとして接しなければいかんはずじゃ。我らがうちは一族に疑心を向ければ、余計な争いを生むだけじゃ。火影命令じゃ、これは」

 

「ッ!…分かった。だがヒルゼン、儂の暗部はうちは一族の監視に付かせてもらう。良いな」

 

「好きにせよ」

 

ダンゾウが納得のいかない、という表情で出て行ったのをヒルゼンは、フーっと溜息を付いて落ち着いた。

 

(上手く行ったか…それにしても此度は、幼子より真実を突きつけられるとはな…)

 

息子であるアスマから聞いた、うちはコタローが発した言葉はヒルゼンに取って耳の痛い言葉だった。

 

(天上天下唯我独尊。それぞれの存在が尊いか…。うちは一族の危うさを知るとはいえ、九尾襲来以降の対応は不味かったかもしれぬのう)

 

未来の世界で

 

人間が他人を嫌い、その存在を認めないとき………その存在を見る人間の目は…恐ろしいほど…冷たい目になるのじゃよ

 

と名言を残す三代目火影にとって、六道仙人が喋ったとされる真理を赤子が喋ったという事は衝撃を持って受け止められた。

 

(人間、僅かな言葉だけでも…人を変えられるのかも知れぬのう…うちはコタローか)

 

自分の態度を再び見直すきっかけを与えてくれた幼子に感謝を示すと共に、うちはコタローの名を胸に刻んだヒルゼンであった。

 

 




うちは虐殺フラグ?(震え声)
そんなもん無かったんや

いやまだ分かりません。

予定では、このうちはコタロー良い意味でも悪い意味でも引っ掻き回す予定ですから。
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