とある日、僕たちは急にパトリックさんに呼び出された。
「よし、行こうか」
「しゅっぱつなの〜」
リンネアと自転車を走らせ、丘を駆け抜けた。
その場所に向かうと、小さな丸太の小屋があった。
「やぁ、ブルースくんとリンネアちゃん!いきなりごめんね」
「いえいえ!お家のご恩もあるので…!」
「いえいえ〜」
「ありがとう…!実は、数日後に開村パーティーをするんだが…その前にこの記念館を綺麗にしたくてね」
「記念館…どんな建物なんですか…?」
「それはね、村ができた時に最初に作られたのが、この丸太小屋なんだ。そんなこの小屋と村の歴史をいつでも思い出せるように、昔の家の模型や道具を飾っているのさ」
「素敵な場所ですね…!」
僕たちは早速、模型や道具を修理し始めた。
「この風車、僕たちの家のとちょっと違うね」
「みて〜」
リンネアは水車小屋の水車をクルクルと回して遊んでいた。
「すごい、よく出来てる…でも、あんまり回して壊さないようにね」
「わかったの〜」
「いやぁ、懐かしいねぇ」
リンネアの様子を見て、パトリックさんが笑顔で話してくれた。
「子どもの頃は秘密基地みたいで楽しくてね。私もよく忍び込んで、家の模型で遊んだよ」
「確かに、僕もお家とお人形で遊んだような覚えがあります…」
「いつの時代も、子ども達が夢中になる。不思議な魅力があるものだね」
「そうですね…!」
日が暮れた頃、記念館の中は一通り片付き、道具をまとめていた。
そんな時、うさぎのお姉さんが訪ねてきた。
「あの〜…お邪魔しても大丈夫ですか…?」
「あっ、はい。大丈夫ですよ…!」
「あら、ありがとう…!」
お姉さんが記念館に入ろうとすると、後ろから彼女にそっくりな女の子が走ってきた。
「お姉さま…!」
姉妹だろうか、2人は仲良く記念館を見て回った。
「お姉さま、久しぶりのシルバニア村はどうですか…?」
「そうねぇ、やっぱり落ち着くわ。私、シルバニア村が大好きなんだなぁって実感する…!」
「ですよね!私もシルバニア村が大好きです!」
楽しそうな2人の会話を聞きながら、僕とリンネアは記念館を後にし、家路についた。
風車小屋の前に到着すると、リンネアと一緒に夕焼けに染まるシルバニア村を見渡した。
「リンネアも、シルバニアむらすきなの〜」
「そうだね…僕もだよ…」
明日はどんな出会いがあるだろう、そう感じられることが今はとても幸せだった。
「さぁ、明日も開村パーティーの準備だよ」
「リンネア、おはなはこぶの〜」
つづく…
このエピソードは40周年展を見て、シルバニアの歴史に触れた時に思いついた物語です。
40年の歴史の中で、遊びの原体験は今も昔も変わらないんだと気付きました。